2020年08月03日

ガリニュール系 - サイアーラインで辿る日本競馬

続いてはガリニュール系。Gallinule 自身は競走馬としてそれほど目立った存在ではありませんでしたが、引退後はセントサイモン系全盛期の時代において2度も英リーディングに輝く名種牡馬となりました。父系としてはさほど発展せず、すでに断絶してしまっていますが、何といっても英国の三冠牝馬 Pretty Polly が Nearctic や Donatello らの牝祖になるなど繁殖牝馬として大成功を収めており、今やその子孫が世界を席巻しているといっても過言ではありません。日本では Gallinule 直仔の*ガロンが有名で、種牡馬として多数の活躍馬を送り出したほか、ウオッカやスペシャルウィーク、メジロマックイーンなど母系で出した活躍馬は数知れず、おそらくその血が完全に途絶えることはないでしょう。
<ガリニュール系父系図>

SterlingSterling - Gallinule

Birdcatcher 1833
 Oxford 1857
  Sterling 1868
   Isonomy 1875
    Gallinule 1884
    |Lesterlin 1892
    | Billidere 1904
    |Wildfowler 1895
    | Llangibby 1903
    |  Lanius 1911
    |Santry 1901
    ||*キルブルック Kilbrook 1908
    ||*サントリーセコンド Santry II 1909
    |*ガルブレエス Galbraith 1903
    |*ヴィセロイ Viceroy 1904
    ||チンゼイ 1918
    ||メークイン 1920
    |  ・1924年 (2着)帝室御賞典(横浜)
    |Petrillo 1905
    | Portrush 1910
    |Powhatan 1907
    | Fenimore 1913
    |*ガロン Gallon 1909
    ||チヨギク 1914 サラ系
    || ・1917年 帝室御賞典(横浜)
    ||ガリニュール 1915 サラ系
    || ・1920年 帝室御賞典(横浜)
    ||ギャルウェー 1915 サラ系
    || ・1918年 帝室御賞典(横浜)
    ||第三ガロン 1916
    ||第四ガロン 1916
    ||第五ガロン 1916
    ||カイリュウ 1917 種牡馬名:第六ガロン
    ||第七ガロン 1917
    |||キングブルース 1925 種牡馬名:第二 サラ系
    |||ハゴロモ 1925
    ||| ・1929年 帝室御賞典(函館)
    ||| ・1929年 福島特別
    |||ピンデー 1925
    ||| ・1930年 帝室御賞典(福島)
    |||キングセカンド 1926
    ||| ・1932年 帝室御賞典(福島)
    |||ヨシツネ 1926
    ||  ・1930年 帝室御賞典(函館)
    ||第八ガロン 1917
    ||エミグランド 1917
    |||シラヌヒ 1929 繁殖名:不知火
    ||| ・1932年 札幌農林省賞典四歳呼馬
    ||| ・1933年 牝馬連合競走
    |||タイシ 1934 軽半
    ||  ・1937年 阪神記念
    ||  ・1937年 四歳呼馬特別(函館)
    ||  ・1937年 帝室御賞典(札幌)
    ||ロロー 1917 サラ系
    || ・1920年 帝室御賞典(東京)
    ||キンテン 1918 種牡馬名:エキセレンシー
    || ・1923年 帝室御賞典(東京)
    ||第九ガロン 1919
    ||金若 1919 種牡馬名:カチドキ サラ系
    || ・1926年 (3着)帝室御賞典(横浜)
    ||スターリング 1919
    || ・1923年 優勝内国産馬連合競走(東京)
    ||ピューアゴウルド 1919 繁殖名:ピュアゴールド サラ系
    || ・1923年 帝室御賞典(東京)
    || ・1923年 優勝内国産馬連合競走(東京)
    ||フロラーカップ 1919 繁殖名:フロリスト
    || ・1924年 帝室御賞典(東京)
    || ・1924年 優勝内国産馬連合競走(東京)
    || ・スペシャルウィーク、ウオッカ、マチカネフクキタルの牝祖。牝系残存
    ||ロメオ 1919 繁殖名:第九フラストレート
    || ・1924年 帝室御賞典(阪神)
    ||ヱツリウ 1920 繁殖名:越龍
    || ・1924年 帝室御賞典(福島)
    || ・ツルマルボーイ、ネーハイシーザー、アンバルブライベンの牝祖。牝系残存
    ||カタロン 1920
    || ・1923年 帝室御賞典(阪神)
    ||第一プロピシャス 1921
    ||第十三ガロン 1921
    ||ロビンソン 1921
    || ・1925年 優勝内国産馬連合競走(東京)
    ||カーネーション 1922 繁殖名:国宝
    || ・1925年 帝室御賞典(東京)
    ||クヰンフロラー 1922 繁殖名:パシフィック
    || ・1926年 帝室御賞典(福島)
    || ・レガシーワールド、ニットエイト、サクライワイの牝祖。牝系残存
    ||コロネーション 1922 繁殖名:悦賀
    || ・1929年 帝室御賞典(横浜)
    || ・カリブソング、メイセイオペラ、ライブリマウントの牝祖。牝系残存
    ||タチバナ 1922
    || ・1926年 帝室御賞典(東京)
    ||アスベル 1923 繁殖名:オーグメント
    || ・1926年 帝室御賞典(横浜)
    || ・1927年 各内国産古馬競走
    || ・メジロマックイーン、メジロデュレン、ショウナンカンプの牝祖。牝系残存
    ||ガエイ 1923 繁殖名:賀栄
    || ・1929年 帝室御賞典(福島)
    || ・ニホンピロウイナー、サンドピアリス、キタノカチドキの牝祖。牝系残存
    ||賀賛 1923
    ||ナスノ 1924 サラ系
    || ・1927年 優勝内国産馬連合競走(東京)
    || ・1929年 各内国抽籤濠州産馬混合競走
    || ・1929年 帝室御賞典(横浜)
    ||アラタマ 1925 種牡馬名:ヒラデエナモールド
    ||| ・1928年 各内国産古馬連合
    |||マークイス 1933
    ||| ・1937年 帝室御賞典(東京)
    ||| ・1937年 目黒記念(秋)
    |||カケノマツ 1937
    ||  ・1941年 古呼馬障害特別(東京)
    ||ライハ 1925 繁殖名:磯千鳥 サラ系
    || ・1929年 各内国産古馬競走
    || ・ブラウニー、ダイニカツフジ、グランパズドリームの牝祖
    ||第九ガロン 1926
    ||アスパイヤリング 1926
    ||| ・1930年 帝室御賞典(横浜)
    |||ニッポンカイ 1933
    ||| ・1937年 帝室御賞典(小倉)
    |||ヘンウン 1935
    ||  ・1939年 横浜記念
    ||  ・1939年 目黒記念(春)
    ||  ・1940年 横浜記念
    ||  ・1940年 中山記念(春)
    ||サンシャイン 1926
    || ・1929年 中山四歳馬特別
    || ・1930年 各内国産牝馬連合競走
    || ・1931年 帝室御賞典(福島)
    ||ナスカゼ 1926 サラ系
    || ・1929年 各内国産古馬競走
    ||ケンコン 1927
    || ・1931年 横浜記念
    || ・1931年 各内国抽籤濠州産馬混合競走
    ||語雷 1927
    ||テキショウ 1927
    || ・1931年 各内国産馬連合競走(東京)
    ||ナスタカ 1927 サラ系
    || ・1930年 帝室御賞典(横浜)
    ||ミスアキラ 1931
    |  ・1935年 五歳特別(東京)
    |  ・1935年 帝室御賞典(東京)
    |  ・1936年 目黒記念(春)
    |Night Hawk 1910
      ・1913年 英セントレジャー

Gallinule は今でいうリステッドレベルの競走を勝ったのが目立つ程度の競走馬だったが、種牡馬としては英三冠牝馬 Pretty Polly など多数の活躍馬を送り出し、1904年と1905年に父が獲得できなかった英愛リーディングに輝いた。父系としての影響力はさほど大きくなかったが、Pretty Polly が残した牝系は世界各地に広がっており、世界有数の大牝系のひとつとして数えられている。日本でも名種牡馬*ノーザンテーストがこの牝系の出身であり、その影響力は大きい。

日本にも複数の種牡馬が輸入されたが、中でも最も優秀だったのは*ガロンで、多数の活躍馬を送り出した。種牡馬の集計が行われたのがピークを過ぎてからだったので一度もリーディングは獲得していないが、おそらくそれに匹敵する存在だったことは間違いない。中でも最強馬と呼ばれるのはピューアゴウルドで、デビューは4歳春と遅かったが、デビュー戦を単走で終えた翌日にいきなり帝室御賞典を制すと、当時の最強馬決定戦である優勝内国産馬連合も制すなど10戦9勝の成績を残した。

母系に入っての活躍も忘れてはいけない。小岩井農場の優秀な牝馬を交配されたこともあり、帝室御賞典のフロラーカップ(母第四フロリースカップ)はフロリストの名でスペシャルウィークやウオッカを、アスベル(母第二アストニシメント)はオーグメントの名でメジロマックイーンやショウナンカンプを、クヰンフロラー(母第二プロポンチス)がパシフィックの名でレガシーワールドを出すなど、その影響力は計り知れない。




この記事へのコメント

1. Posted by yaki 2020年08月04日 22:23
Pretty Pollyは日本では産駒のクラックマンナンの影響も大きいでしょうか。
2. Posted by Organa 2020年08月04日 22:47
大きいと思います。なんだかんだでリーディングサイアー(諸説ありますが)にも輝きましたし、今でも牝系に残っていますしね。

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