2020年08月04日

ブランドフォード系 - サイアーラインで辿る日本競馬

続いてはブランドフォード系。Blandford 自身は名馬でも何でもなかったのですが、種牡馬としては大成功をおさめ、リーディングサイアーにも輝きました。さらに種牡馬の父としても優れ、英ダービー馬 Blenheim 、フランスの名馬 Brantome、そして英三冠馬 Bahram などが父系を発展させて今に至りますが、その中でも Bahram を経た Monsun が大成功を収めており、今でもある程度の勢力を誇っています。日本にも多数の種牡馬が輸入されていますが、特に Blandford の直仔にあたる*アスフォード、*プリメロ、*ステーツマンの3頭の種牡馬はいずれも日本の馬産にも大きな影響を与えました。
<ブランドフォード系父系図>

SterlingSterling - Blandford

Isonomy 1875
 Isinglass 1890
  John o'Gaunt 1901
   Swynford 1907
    Blandford 1919
    |*アスフォード Athford 1925
    || ・1927年 ナショナルプロデュースS
    || ・1929年 ドンカスターC
    ||コクオー 1934 繁殖名:サンダーリング
    || ・1939年 中山大障害(春)
    || ・1939年 古呼馬障害特別(京都)
    || ・1939年 古呼馬障害特別(東京)
    ||ニューフォード 1934
    || ・1938年 横浜記念
    ||方景 1934 アア
    |||ホウセイ 1945 アア
    ||| ・1950年 (4着)中山大障害(秋)
    ||| ・1951年 (2着)中山大障害(秋)
    |||センジュ 1956 アア
    ||  ・後の年度代表馬オンスロートを下す
    ||第弐フラッシングラス 1935
    || ・ホウヨウボーイ、バリエンテー、エムエスワールドの牝祖。牝系残存
    ||ゴーフォード 1936
    || ・1940年 阪神記念
    ||ラシフォード 1942
    |  ・トロットサンダーの牝祖
    |Trigo 1926
    | ・1929年 英ダービー
    | ・1929年 英セントレジャー
    |Blenheim 1927  ━━━ Blenheim line
    |*ステーツマン Statesman 1930
    || ・1933年 ハイペリオンS
    || ・1934年 デュークオブヨークS
    ||エステイツ 1937
    || ・1941年 天皇賞(秋)
    || ・1941年 五歳特別(東京)
    || ・1941年 中山記念(春)
    ||ルーネラ 1937
    || ・1940年 優駿牝馬
    || ・1940年 四・五歳牝馬特別(京都)
    ||ステーツ 1938
    || ・1942年 目黒記念(秋)
    ||ステーツイブキ 1939 種牡馬名:イブキヤマ
    ||| ・1943年 目黒記念(秋)
    |||マツショウリ 1945
    ||| ・1948年 カブトヤマ記念
    |||モリマツ 1949
    || | ・1953年 東京杯
    || |トクノコギク 1964
    ||   ・トクザクラ(朝日杯3歳S)の母
    ||キングステーツ 1939
    || ・1943年 農林大臣賞
    ||ロックステーツ 1939
    || ・1942年 優駿牝馬
    ||ヨシトク 1940
    || ・1943年 札幌農林省賞典四歳呼馬
    ||ハルステーツ 1942
    ||| ・戦時中のダービー代替レース勝ち馬
    |||風春 1953
    ||| ・ゴーゴーゼット、ジンクエイト、アイラブテーラーの牝祖。牝系残存
    |||ホマレイチ 1953
    ||| ・1957年 大阪杯
    |||タカハル 1955
    ||  ・1958年 神戸杯
    ||  ・1958年 毎日杯
    ||  ・1959年 日本経済新春杯
    ||ヤスヒサ 1943
    ||ワンステーツ 1943
    || ・1947年 函館記念
    ||エゾテツザン 1945
    || ・1949年 阪神記念
    || ・1950年 阪神記念
    ||ブリューリボン 1945
    || ・トウカイテイオー、トウカイローマン、トウカイオーザの牝祖。牝系残存
    ||レダ 1949
    || ・1953年 天皇賞(春)
    || ・1953年 京都記念(秋)
    || ・1953年 中京開設記念
    ||カンセイ 1950
    |  ・1953年 桜花賞
    |Badruddin 1931
    | Biscailuz 1941
    |  ローヤルレザー 1952
    |   ・1955年 東京ダービー
    |Brantome 1931  ━━━ Brantome line
    |Primero 1931  ━━━ Primero line
    |Umidwar 1931
    ||Norseman 1940
    |||Arabian 1953
    ||| ・1956年 ロワイヤルオーク賞
    |||*モンタヴァル Montaval 1953
    |||| ・1957年 キングジョージ
    ||||ナスノコトブキ 1963
    |||| ・1966年 菊花賞
    |||| ・1966年 NHK杯
    |||| ・1966年 朝日チャレンジC
    ||||ニホンピロエース 1963
    ||||| ・1965年 阪神3歳S
    ||||| ・1966年 皐月賞
    ||||| ・1967年 阪急杯
    |||||スズホープ 1974
    ||||  ・1979年 関屋記念
    ||||メジロボサツ 1963
    |||| ・1965年 朝日杯3歳S
    |||| ・1966年 4歳牝馬特別(東)
    |||| ・1966年 函館記念
    |||| ・メジロドーベル、モーリス、メジロモントレーの牝祖。牝系残存
    ||||ニホンピローホマレ 1964
    |||| ・1968年 京都記念(春)
    ||||モンタサン 1964
    ||||| ・1966年 朝日杯3歳S
    ||||| ・1967年 セントライト記念
    ||||| ・1969年 京王杯スプリングH
    |||||モンタアロー 1976
    ||||  ・1981年 (3着)中山大障害(秋)
    ||||  ・1982年 (2着)中山大障害(秋)
    ||||ヨシミジュニアー 1964 サラ系
    |||| ・1969年 大井記念
    ||||  ・1969年 金盃
    ||||キタノリュウ 1965
    |||  ・テスコガビー、トレードマーク、エンゼルカロの牝祖。牝系残存
    |||*ルカンティリアン Le Cantilien 1959
    || | ・1962年 (3着)英ダービー
    || |サニーワールド 1968
    || | ・1971年 (2着)優駿牝馬
    || | ・1971年 (2着)ビクトリアC
    || |ビクトリーハート 1973 サラ系
    ||Knock Out 1945
    |  *セカイイチ 1951
    |   ・1955年 京都記念(春)
    |Windsor Lad 1931
    | Windsor Slipper 1939
    | |Lucky Bag 1944
    | |Solar Slipper 1945
    | | *パナスリッパー Panaslipper 1952
    | | | ・1954年 ナショナルプロデュースS
    | | | ・1955年 愛ダービー
    | | |キヨズイセン 1967
    | |   ・1971年 (2着)新潟記念
    | |The Cobbler 1945
    |   ・1947年 ミドルパークS
    |   ・1947年 ナショナルプロデュースS
    |Bahram 1932  ━━━ Bahram line
    |Midstream 1933
      *ミッドファーム 1952
       ・1956年 天皇賞(秋)

Blandford は生まれつき脚が曲がっているなど馬体に欠点があり、競走馬としては大成はしなかったが、種牡馬としては英ダービー馬を4頭出すなど大成功を収めた。種牡馬の父としても英・米でダービー馬を送り出した Blenheim 、フランスで父系を発展させた Brantome 、ドイツで土着父系化した Bahram などが今にその血を繋いでいるが、今では Bahram を経た Monsun を除いてはほぼ絶滅寸前となっている。

*アスフォードはドンカスターCなどを制した活躍馬で、その全弟は英二冠の Trigo という良血馬であった。種牡馬としては何頭かの重賞馬を出しただけとされほど目立った成績を残したわけではないが、アングロアラブの方景が種牡馬として大成功を収め、半世紀以上に渡って父系を存続させた。その代表馬の1頭ホウセイはアラブの障害戦で13連勝を達成し、中山大障害にも出走して2着に健闘した。なお*アスフォードの全弟が名種牡馬*プリメロである。

*ステーツマンは英ダービー3着などがあった馬で、社台グループの前身・社台牧場にかなりの金額で導入され、牝馬として唯一天皇賞(春)を制したレダ、天皇賞(秋)のエステイツなどを送り出すことに成功した。ハルステーツは戦時中で府中が使えず、盛岡で「種牡馬選定競走」として行われた2400m戦の勝ち馬で、幻のダービー馬と呼ばれる。同馬は無事種牡馬入りを果たし、複数の重賞ウイナーを送り出したほか、今でも牝系にその名をとどめている。

時代が下って輸入された*モンタヴァルはキングジョージの勝ち馬で、種牡馬としては非常に短命に終わったが、3頭の2歳チャンピオンに2頭のクラシックホースを送り出すなど仕上がりの早い産駒を多数送り出した。そのうちの1頭メジロボサツは繁殖馬としても成功をおさめ、産駒に重賞2勝のメジロゲッコウ、孫の代に重賞4勝のメジロモントレー、ひ孫の代に名牝メジロドーベル、そして4代孫の代に快速馬モーリスを出しており、今なおその影響力は大きい。

*パナスリッパーは愛ダービーの勝ち馬で、種牡馬としても多くの牝馬を集めたが、10年以上に渡って供用されながら1頭の重賞ウイナーも出すことはできなかった。*ミッドファームは戦後の競走馬不足から導入されたいわゆる「豪サラ」の1頭で、大井から中央に移籍し、天皇賞(秋)を制した。後に種牡馬入りを果たすも、10頭以上に種付けを行って1頭も受胎させることができず、初年度限りで種牡馬を廃用となった。




この記事へのコメント

1. Posted by わら吉 2020年08月05日 13:20
5 モンタヴァルといえば寺山修司ですね。モーリスの種牡馬成績がいまいちなのは、モンタヴァルの血の呪いなのでしょうか。
2. Posted by Organa 2020年08月06日 21:50
モンタヴァルの呪いか、フィディオンの呪いか、モガミの呪いか、カーネギーの呪いか…。

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