2020年09月15日

シカンブル系 - サイアーラインで辿る日本競馬

続いてはシカンブル系。Sicambre は仏ダービーやパリ大賞など9戦8勝2着1回の名馬で、種牡馬としても英・仏・愛・そして米国でクラシックホースを送り出すなど成功、仏リーディングにも輝きました。特に日本とも相性のいい系統で、いわゆる八大競走だけでも*ファラモンドからカブラヤオーが、*ムーティエからタニノムーティエやニホンピロムーテー、カミノテシオが、*シーフュリューからアサデンコウが、そして*ダイアトムからクシロキングが出ており、日本馬のレベルアップに大いに貢献しました。また20世紀末に突然現れた仏GIウイナーの*アマジックマンが日本人オーナー所有であったことから日本で種牡馬入りしましたが、これといった産駒を残すことはできませんでした。
<シカンブル系父系図>

Prince Palatine 1908
 Rose Prince 1919
  Prince Rose 1928
   Prince Bio 1941
    Sicambre 1948
    |Shantung 1956
    || ・1959年 ラロシェット賞
    ||*カナデル Canadel 1963
    ||| ・1965年 サラマンドル賞
    ||| ・1967年 ナイアガラH
    |||アグネスシャンタン 1975
    ||Felicio 1965
    || Itajara 1983
    ||  Siphon 1991
    ||  | ・1996年 ハリウッドGC
    ||  | ・1997年 サンタアニタH
    ||  |*シベリアンクラシカ 2004
    ||    ・2006年 (4着)フェアリーS
    ||*ジネヴラ Ginevra 1969
    || ・1972年 英オークス
    || ・マジックリボン、アメージングレイス、タイプスワローの牝祖・牝系残存
    ||*シンバー Simbir 1970
    | | ・1972年 クリテリウムドサンクルー
    | |サギヌマシンバー 1982
    |   ・1985年 (2着)関東オークス
    |*セルティックアッシュ Celtic Ash 1957
    || ・1960年 ベルモントS
    ||ケイシュウフォード 1973
    || ・1976年 朝日チャレンジC
    ||ランスロット 1973
    || ・1977年 札幌記念
    || ・1977年 ステイヤーズS
    ||タケデンシャープ 1974
    |  ・1978年 高崎大賞典
    |  ・1980年 開設記念
    |*シーフュリュー Si Furieux 1957
    ||アサデンコウ Asa Denko 1964
    || ・1967年 東京優駿
    || ・1967年 弥生賞
    || ・マレーシアで種牡馬入り
    ||サンピュロー 1964
    || ・プレストウコウ、ノボルトウコウの母
    ||ジョセツ 1967
    || ・1971年 ダービー卿チャレンジT
    || ・1971年 七夕賞
    || ・1971年 福島大賞典
    || ・1972年 高松宮杯
    || ・1972年 目黒記念(春)
    ||クインアズマ 1968
    || ・クライムカイザーの母
    ||テッソリュー 1968
    ||ユートピアオー 1968
    ||マサノヒカリ 1970
    |*ファラモンド Pharamond 1957
    || ・1959年 モルニ賞
    ||トキワタイヨウ 1969
    || ・1972年 東京ダービー
    || ・1972年 羽田盃
    ||ユーモンド 1969
    || ・1972年 毎日杯
    || ・1973年 日本経済新春杯
    || ・1973年 金杯(西)
    ||ケイリュウシンゲキ 1970
    || ・1973年 阪神牝馬特別
    || ・1974年 阪急杯
    ||チュウオキャプテン 1971
    || ・1976年 大井記念
    || ・1976年 金盃
    ||カブラヤオー 1972
    ||| ・1975年 皐月賞
    ||| ・1975年 東京優駿
    ||| ・1975年 NHK杯
    ||| ・1975年 東京4歳S
    ||| ・1975年 弥生賞
    |||グランパズドリーム 1983 サラ系
    |||| ・1986年 (2着)東京優駿
    ||||マイネサンディー 1989 サラ系
    |||  ・1992年 (3着)フローラS
    |||シオフネ 1983
    ||| ・1987年 (2着)アルゼンチン共和国杯
    ||| ・1987年 (2着)ステイヤーズS
    |||ミヤマポピー 1985
    ||| ・1988年 エリザベス女王杯
    |||マイネルキャッスル 1990
    ||  ・1992年 京成杯3歳S
    ||ゴールデンリボー 1972
    || ・1975年 東京ダービー
    || ・1975年 東京王冠賞
    ||ユウホープ 1973
    || ・1976年 京都4歳特別
    ||ゴールドスペンサー 1976
    || ・1980年 川崎記念
    || ・1981年 川崎記念
    ||フジアドミラブル 1976
    || ・1980年 東京新聞杯
    ||ミスカブラヤ 1976
    || ・1979年 エリザベス女王杯
    ||アアセイコー 1977
    || ツキノパッション 1987
    ||  ・エスプリシーズの祖母
    ||ナカノプリンス 1979
    ||チュウオーリーガル 1980
    |  ・1984年 東京記念
    |  ・1984年 金盃
    |*ムーティエ Moutiers 1958
    || ・1961年 ダリュー賞
    || ・1961年 オカール賞
    ||カーチス 1967
    || ・1971年 小倉記念
    ||ゼットアロー 1967
    || ・1970年 中京記念
    ||タニノムーティエ 1967
    ||| ・1969年 阪神3歳S
    ||| ・1969年 デイリー杯3歳S
    ||| ・1970年 皐月賞
    ||| ・1970年 東京優駿
    ||| ・1970年 弥生賞
    ||| ・1970年 スプリングS
    ||| ・1970年 きさらぎ賞
    |||タニノサイアス 1972 サラ系
    ||| ・1974年 京都3歳S
    ||| ・1975年 紅梅賞
    |||ヤノセイラン 1974
    ||  ・ニシノチャーミー、トウジントルネード、クワイトファインの牝祖。牝系残存
    ||ニューペガサス 1967
    || ・1970年 神戸杯
    ||プランジャー 1967
    || ・1970年 (3着)皐月賞
    ||ソウタロウ 1968
    || ヒロオチカラ 1974
    ||  ・1977年 (3着)カブトヤマ記念
    ||ニホンピロムーテー 1968
    || ・1971年 菊花賞
    || ・1971年 京都新聞杯
    || ・1971年 神戸杯
    || ・1971年 毎日杯
    || ・1972年 中日新聞杯
    || ・1973年 サンケイ大阪杯
    ||フセノスズラン 1968
    || ・1973年 スワンS
    ||ムーテイイチ 1968
    || ・1972年 京都大障害(秋)
    || ・1972年 阪神障害S(秋)
    || ・ブゼンキャンドルの牝祖。牝系残存
    ||アーチデューク 1969
    ||ヤマトテッセン 1969
    || ・ホットシークレット、セイクリムズン、オープンガーデンの牝祖。牝系残存
    ||カミノテシオ 1970
    || ・1973年 京成杯
    || ・1974年 天皇賞(秋)
    ||ニホンピローレオ 1970
    ||レデースポート 1970
    || ・1973年 4歳牝馬特別(東)
    || ・1973年 京都牝馬特別
    || ・テンモン、サイレントハンター、マイネルシアターの牝祖。牝家栄残存
    ||ホースメンホープ 1973
    || ・1977年 中京記念
    || ・1977年 日本経済新春杯
    ||ニッショウキング 1975
    || ・1978年 クモハタ記念
    ||ナポリジョオー 1975
    |  ・ミホシンザンの母
    |Cambremont 1962
    ||*アイグル Aegle 1967
    ||*レイザン Leysin 1967
    ||*ブリニス Blinis 1968
    |  ・1971年 フォンテーヌブロー賞
    |  ・1972年 ミュゲ賞
    |*ダイアトム Diatome 1962
    ||Margouillat 1970
    ||| ・1973年 オカール賞
    ||| ・1974年 ドラール賞
    |||バリトゥ Balitou 1979
    ||  ・1985年 (13着)ジャパンC
    ||ファーストアモン 1976
    || ・1979年 京成杯
    || ・1980年 新潟大賞典
    ||コマサツキ 1977
    || ・1980年 4歳牝馬特別(東)
    ||ミユキカマダ 1978
    || ・リトルアマポーラ、エピカリス、メイショウナルトの牝祖。牝系残存
    ||ヤスナガ 1979
    || ・1982年 荒尾ダービー
    ||クシロキング 1982
    |  ・1986年 天皇賞(春)
    |  ・1986年 金杯(東)
    |  ・1986年 中山記念
    |*オーバン Hauban 1963
    || ・1965年 クリテリウムドメゾンラフィット
    || ・1966年 オカール賞
    ||*タレイラン Talleyrand 1969
    ||| ・1972年 オカール賞
    |||ホーワセキト 1978
    ||| ・1981年 函館記念
    |||シンコウアンクレー 1986
    ||  ・1991年 中山大障害(春)
    ||キクキミコ 1975
    |  ・1978年 クイーンC
    |*バルバール Barbare 1963
    || ・1966年 フォレ賞
    ||イチコンコルドオウ 1974
    || ・1981年 北上川大賞典
    || ・1981年 みちのく大賞典
    ||ゴールドマスター 1974
    |  ・1977年 (3着)毎日杯
    |Phaeton 1964
    | *ヴィティージ Vitiges 1973
    | | ・1975年 ロベールパパン賞
    | | ・1975年 モルニ賞
    | | ・1976年 英チャンピオンS
    | |*ムーンマッドネス Moon Madness 1983
    |  | ・1986年 英セントレジャー
    |  | ・1987年 サンクルー大賞
    |  | ・1987年 (5着)ジャパンC
    |  | ・1988年 (6着)ジャパンC
    |  |メジロスズマル 1991
    |    ・1996年 カシオペアS
    |Roi Dagobert 1964
    | Wittgenstein 1971
    |  The Wonder 1978
    |  | ・1981年 イスパーン賞
    |  | ・1982年 ジャックルマロワ賞
    |  |*アマジックマン A Magicman 1992
    |   | ・1996年 フォレ賞
    |   | ・1997年 (4着)安田記念
    |   | ・1998年 (9着)京王杯スプリングC
    |   |サムライランボー 2002
    |     ・2008年 福山菊花賞
    |*シーカー Sicar 1964
    |*サデシアス Sadecias 1969

Sicambre は仏ダービーなどの勝ち馬で、種牡馬として英オークスの Sicarelle 、愛オークスの Ambergris などを送り出すなど成功した。父系は欧州を中心に大きな広がりを見せたが、後継種牡馬の多くが日本に輸出されたことなどもあって現在ではかなり衰退しており、今ではブラジルで生き残った Siphon などわずかな種牡馬が現役を続けているに過ぎない。

日本ではまず何といっても*ムーティエだろう。自身は大レースの勝ち星はなかったが、早世した半兄*モンタヴァルと入れ替わるように輸入され、種牡馬として皐月賞・ダービーの二冠馬タニノムーティエ、菊花賞など重賞6勝のニホンピロムーテーなどを送り出して成功した。ただ気性難でも知られ、種牡馬の父としては全くと言っていいほど実績を残せなかった。

*ファラモンドはニュージーランドで種牡馬生活を送っていたところを輸入され、皐月賞・ダービーの二冠を制したカブラヤオー、その全妹でエリザベス女王杯を勝ったミスカブラヤなどを出して成功した。カブラヤオーは内国産不遇の時代にあってエリザベス女王杯のミヤマポピー、京成杯3歳Sのマイネルキャッスルなどを送り出しており、ダービー2着のサラ系馬グランパズドリームに至っては種牡馬入りも果たした。ダートも得意で数々の地方の名馬を送り出している。

*シーフュリューは重賞勝ちはなかったが、ダービー馬アサデンコウや重賞5勝のジョセツなどを送り出した。アサデンコウは後に種牡馬としてマレーシア(タイとの情報も)に寄贈されたらしい。*ダイアトムも天皇賞馬クシロキングなどを出したが、その先が伸びなかった。*アマジックマンはイナリワンを所有した保手浜氏の持ち馬で、フォレ賞を勝った後2年連続で来日しそのまま種牡馬となったが、活躍馬を送り出すことはできなかった。




この記事へのコメント

1. Posted by 狂犬芭蕉 2020年09月15日 22:55
種牡馬引退後のアマジックマン、福島県相馬の乗馬クラブに引き取られ、相馬野馬追の甲冑競馬や神旗争奪戦で大活躍したエピソードは興味ありました。震災で疎開を余儀なくされましたが、疎開先で幸せに暮らしたとも伝えられました。
2. Posted by 通りすがり 2020年09月16日 20:05
アマジックマンに限らず、馬として扱われて余生を全うできたなら幸せな方ですね。人間目線でしかないのですが。
屠殺とか使途不明はファンとしては悲しいですものね。
実際お金のやり取りしてる方の苦労は分かるんですが。
3. Posted by Organa 2020年09月17日 21:07
相馬野馬追といえばウインクリューガーが調教を重ねているという話があったようですが、どうなったのでしょうかね。日本古来から続く神事ですから、ある意味最も大事にされていると言えるでしょうか。

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