2022年01月13日

ミッキーロケット - 新種牡馬辞典'22

新種牡馬辞典、第十弾はミッキーロケット。クラシックとは縁がありませんでしたが、古馬になって和田竜二Jを背に宝塚記念を制しました。すでに未デビューの世代がいなくなったキングカメハメハ産駒ですが、残る大物後継種牡馬は同馬とレイデオロ、それから種牡馬入り確実なチュウワウィザードくらいでしょうかね。実績だけなら宝塚記念の一発屋というところですが、50万円という破格の種付け料に加え、ミッキーの野田みづき氏、さらにはその夫でダノンの野田順弘氏のバックアップもあり、初年度は100頭以上の牝馬を集めることに成功しました。ここのところ種付け数は減少傾向にありますが、この価格帯とは思えないほどの良血牝馬がそろっており、いきなり一発もありそうです。
ミッキーロケット

ノーザンファーム産 2013年生 鹿毛 父系:キングカメハメハ系

<血統構成> Mr. Prospector 3 ×5 Nureyev 4×4 Northern Dancer 5×5×5×5

キングカメハメハ

鹿毛 2001
KingmamboMr. Prospector
Miesque
*マンファス*ラストタイクーン
Pilot Bird
*マネーキャントバイミーラヴ
Moneycantbuymelove
IRE 鹿毛 2006
PivotalPolar Falcon
Fearless Revival
SabreonCaerleon
Sabria

キングカメハメハはNHKマイルCとダービーの変則二冠を達成した馬で、種牡馬としても歴史的名スプリンターのロードカナロア、三冠牝馬アパパネ、ダートGI3勝のチュウワウィザードなど様々なタイプの産駒を送り出し、リーディングサイアーにも輝いた。同馬はそんな父のまさに絶頂期に種付けされた世代ということになる。

*マネーキャントバイミーラヴは英2勝。マイルから10ハロンのリステッドを2勝したほか、GIナッソーSでも3着に入っており、米GIフラワーボウル招待Sにも遠征して4着だった。母としてはほかに中央2勝をあげたダノンポピーを出したのが目立つ程度である。母父 Pivotal は Galileo との配合で次々に名馬を送り出しているが、日本ではBMSとしての実績はあまりない。

祖母 Sabreon は英国産馬で、英国1勝。母としてはほかにリステッド入着場を出した程度である。同馬の半弟に仏2000ギニーやシャドウェルターフマイルなどを制した名マイラー Landseer がいる。

<競走成績>

年 (歳)主な実績
2015年 (2歳)10
2016年 (3歳)1031着 HTB賞(1000) T2000
1着 500万下 T2000
1着 未勝利 T1800
2着 神戸新聞杯(GII) T2400
2017年 (4歳)711着 日経新春杯(GII) T2400
2着 中日新聞杯(GIII) T2000
2018年 (5歳)611着 宝塚記念(GI) T2200
245

2歳の暮れにデビューし2戦目で初勝利をあげたが、500万下をなかなか勝ち抜けず、抽選で出走した皐月賞も見せ場なく大敗に終わった。夏の北海道で2勝をあげ、神戸新聞杯で2着に入ると、菊花賞は5着で翌年以降の活躍を予感させた。年明け初戦となる日経新春杯では直線の叩き合いをハナ差制し、重賞初勝利をあげたが、この年はこの1勝に終わっている。5歳時の宝塚記念は7番人気であったが、稍重の馬場を早めに抜け出し、最後は香港のワーザーの追撃をクビ差凌いでGI馬に上り詰めた。

<供用実績>

年度種付料種付数生産数登録数供用場所
201950万円1176864優駿スタリオンステーション
202050万円8143
202150万円44
202250万円

引退後は優駿スタリオンステーションにて種牡馬入り。ビッグタイトルは宝塚記念ひとつだけだったが、サンデーを持たないキングカメハメハの後継種牡馬であるということに加え、50万円という格安の種付け料が魅力で、初年度から100頭を大きく超える牝馬が集まった。しかし6割を切る低い受胎率がネックとなっているのか、毎年40頭ずつ近く減らしているのが現状で、3年目は50頭すら切ってしまった。産駒は良血馬も多いので、産駒の活躍で巻き返したいところ。

<産駒一覧>

母名母父生産者馬主価格
アテナブルージャングルポケットケンブリッジバレー
アドリアヴィクトワールピサ協栄組合
アナザーガールダイワメジャー静内ファーム
アナンジュパスディープインパクト岡田スタッド
アマゾネスバイオシンボリクリスエス沖田牧場
アマランスサンデーサイレンス泊寿幸
アラブランカディアブロ長田ファーム
アルヴェナSeeking the Gold中田牧場亀田和弘
アルカンジュチチカステナンゴ須崎牧場
アンナヴァンエンドスウィープ的場牧場Tレーシング950
イツノヒカアドマイヤムーン木村牧場
イルドロールゴールドアリュール神垣道弘和田博美700
インタールナディープインパクト横山浩司
エアルシアンジャングルポケット川向高橋育成牧場
オーミポルカキングヘイロー松木加代大越徹朗250
オペラアイオペラハウス長浜秀昭ノルマンディー260
ガラディナーサンデーサイレンスノーザンファーム伊藤弘人1200
グランドゲルニカネオユニヴァース中田英樹浦野和由200
ケンブリッジデイズクロフネケンブリッジバレー
ゴールドペンダントゴールドヘイロー加野牧場
サクラダモンボストンハーバー高村伸一
サダムルーティンハーツクライスガタ牧場
サンキンレターホワイトマズル米田牧場
ジーガールージュカネヒキリ須崎牧場
ジーピークロスアグネスタキオン目黒牧場
シーフェアリーユートカイザー橋本牧場小橋亮太200
シップスログネオユニヴァース能登浩柏木務460
ジュヴィハーツクライ静内ファーム
ジュエリストダイワメジャーホース・マネジメント・ボス(株)オヤマダHD470
シルバーストリーククロフネ小泉学
シレーナアドマイヤムーンゼットステーブル小林和義190
スターフォーユーアグネスデジタル福岡駿弥熊田義孝650
スタンリープールキンシャサノキセキ村上牧場プレミアムRH組合290
スピーディードータアフリート西川富岡牧場
スピードリッパーファルブラヴノーザンファーム社台オーナーズ1800
スリーアフロディテスズカマンボ新井牧場京都サラブレッドクラブ1350
ターントゥタイドブラックタイド三輪牧場
ダノンジャンヌディープインパクト社台ファーム
ダノンスウィートステイゴールドシンボリ牧場渡辺昌之260
ダンシングママフレンチデピュティ横山浩司井上久光210
トウカイミーロワークフォース長浜牧場増山武志320
トーセンプリンセスフジキセキ本桐牧場本桐牧場
ノブジョプリンスペシャルウィーク小河豊水鈴木邦英560
ヒカリヴィグラスサウスヴィグラスヒカル牧場定蛇邦宏1200
プーシーゴールドアリュール本間牧場
ブーティーフジキセキ中川隆
プラセールヘクタープロテクター中田浩美蓑島竜一360
フラッシュバイオディープインパクト中館牧場
フリップフロップリンカーンアイズスタッド了徳寺健二HD1050
ブロンシェダームディープインパクトノーザンファーム
ペキンドールブライアンズタイム荒木貴宏阿部憲三200
ホウヨウジーナストランセンド豊洋牧場原大栄200
ミオビキニブロンドブラックタイド松浦牧場
ミスチバスペニーテイエムオペラオー原田ファーム石川県馬主協会250
ミッキークイーンディープインパクトノーザンファーム
ミッキーグッドネスディープインパクト三嶋牧場
ミライポケットジャングルポケット三輪牧場(有)ミルファーム100
ミルキークォーツシンボリクリスエス松田牧場
ムーンスケイプダイワメジャー静内杉下牧場
メイレディジェニュイン村下清志田頭勇貴500
ラインキュートハーツクライ小泉牧場
ラッシュライフサクラバクシンオー三嶋牧場
ラペールノアールディープインパクト本間牧場ノースヒルズ
レーヴルシードディープインパクトノーザンファーム田中成奉2000

生産牧場であるノーザンファームが最多の種付け。また血統的にも母父サンデー系が多くなるのは予想できたが、まさかディープインパクト牝馬がここまで多いとは予想外。その中でも一層目立つのが母がオークス馬というミッキークイーンだが、もちろんこれはオーナーである野田みづき氏の預託生産馬である。個人的な注目はミッキーグッドネスで、母がダノンキングリーの全姉という血統は夫である野田順弘氏との取り合わせ。どちらもこの価格帯ながら相当な良血馬で、初年度からGI馬が出てくる可能性も十分あるだろう。

<傾向予想>

ダート距離2歳3歳古馬
マイル〜クラシック

Pivotal 、Caerleon と母系は欧州色が強く、実績通り芝向きのタイプだろう。ただキングカメハメハ産駒だけにダートもこなせるはずで、重馬場もかなり上手いはず。母父 Pivotal は6ハロンがギリギリというスプリンターだったが、特に母父に入ってからはマイルからクラシックディンスタンスを得意とする産駒を量産しており、距離はある程度はあったほうが良さそうだ。仕上がりは遅くはないといったところで、本格化するのは古馬になってからだろう。

ディープインパクト、キングカメハメハの二大巨頭の時代が終わり、現在はその後継種牡馬争いの時代に入っているが、次世代のリーディング一番手と思われていたロードカナロアが順調に数字を伸ばすどころか昨年は逆に数字を減らしており、一方でディープインパクト後継のキズナが着実に伸びてきているほか、新興勢力のエピファネイアもここにきて非常に勢いがある。キングカメハメハの後継種牡馬もほぼ出そろいつつある中、次の頂点に立つ馬がどの系統から出るのか、興味は尽きない。




この記事へのコメント

1. Posted by ウマ 2022年01月14日 03:28
グランプリや菊花賞の一発馬が種牡馬で成功すときは来るのだろうか
2. Posted by ○○ 2022年01月14日 06:51
宝塚だけならメジロライアンなんかがある程度成功してますよね
3. Posted by 日々是芸人 2022年01月14日 08:36
>>1
ダンスインザダークは成功といって良いのでは?
4. Posted by あ 2022年01月14日 08:47
和田竜二をオペラオーに顔向けできる男にした馬ですな
正直キンカメ後継は争い激しい中、この現役成績でここまで100以上の産駒をもらえたのはひとえにセールで良血d、良血馬を買い揃えていたオーナーの力がかなりデカいので
スタートダッシュを決めてニッチを確保したいところですね、最低限ラブリーデイは話題でも成績でも越えていきたいところ
5. Posted by vx 2022年01月14日 11:27
個人的には芝の中距離ローカル重賞を長く走って親しまれるタイプの馬を出して欲しいと期待してます。
6. Posted by ウマ 2022年01月14日 18:20
>>3
AEI/CPIが1.20/1.70の通算勝馬率34%はサンデー系需要がまだ沢山ある中での繁殖と種付け数の多さ依存かなと
7. Posted by あ 2022年01月14日 18:55
>>6
G鞠禄个靴董継続的に重賞勝ち出してなお失敗扱いは可哀想な気はする
8. Posted by ウマ 2022年01月14日 19:51
>>7
じゃあ中央G1無いけどマベサンとかどうなんじゃって感じと、この基準なら他にも数えきれんほど成功馬を上げたいのでせめてAEI>CPIの馬かなと
9. Posted by ウマ 2022年01月14日 19:52
>>2
ブライトとドーベル初年度に出た後は期待度凄かったろうな
10. Posted by Organa 2022年01月14日 22:43
ダンスインザダークは外国産馬優勢の時代から内国産馬絶対の時代に突入する過渡期の代表種牡馬として、一定の評価はしてあげたいところですね。質より量のイメージはあるとはいえ、トウショウボーイ以来の内国産馬によるリーディング2位ですから。

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