2022年11月02日

アワバブー - 輸入名馬列伝

2歳から3歳にかけて類まれなるスピードを発揮した快速馬

輸入名馬列伝シリーズ第六弾は*アワバブー。その名前から分かる通り My Babu の産駒で、2歳時にシャンペンSとミドルパークS、3歳時にも英2000ギニーを制した快速馬でした。半兄に種牡馬として成功した King of the Tudors がいる良血馬でもあり、西山牧場が導入に成功した時にはすでに16歳になっていましたが、そこから24歳の年まで9年間にわたって供用され、セントライト記念を制したタイホウシローなど複数の重賞馬を送り出しました。さてマイバブー系といえば何といっても*パーソロンで、その後全きょうだいの*ミステリーや*ペール、*マイフラッシュをはじめ10頭近い種牡馬が輸入されましたが、その中でも*アワバブーは*パーソロンの初年度産駒がデビューした直後に輸入されており、その後の活躍を予見していたと考えるとかなりの先見の明だったと言えそうですね。
*アワバブー Our Babu

愛国産 1952年生 1977年没 鹿毛 父系:マイバブー系

<血統構成> Bayardo 5×5 Swynford 5×5 The Tetrarch 5×5×5 Phalaris 5×4 Scapa Flow 5×4

My Babu

FR 鹿毛 1945
DjebelTourbillon
Loika
PerfumeBadruddin
Lavendula
Glen Line

GB 鹿毛 1942
Blue PeterFairway
Fancy Free
Scotia's GlenBeresford
Queen Scotia

My Babu はサセックスSや英シャンペンSのほか、英2000ギニーでは90年代まで破られることのなかった驚異的なレコードで勝利した快速馬で、英国で種牡馬入りし*アワバブーなどを出した後米国に輸出され、サンタアニタHの Crozier などを出して米2歳リーディングにも輝いた。日本にも縁の深い系統で、産駒の Milesian から出た*パーソロンが歴史的な大成功を収めたことから多数のマイバブー系種牡馬が日本に渡ったが、*アワバブー自身は*パーソロン産駒がデビューした直後の1967年12月に西山牧場に導入されている。母 Glen Line は未勝利馬。母としてほかにサセックスSやエクリプスSを制した King of the Tudors を出しており、種牡馬として多数の活躍馬を送り出すことに成功した。

<競走成績>

年 (歳)主な実績
1954年 (2歳)531着 ミドルパークS(GB) T6F
1着 シャンペンS(GB) T6F
1955年 (3歳)411着 英2000ギニー(GB) T8F
3着 セントジェームズパレスS(GB) T8F
94

2歳5月には早くもデビューし、初戦を快勝。その後は2戦していずれも Eubulides に敗れたが、まだ6ハロン戦で行われていたシャンペンSを勝つと、続くミドルパークSでものちにエクリプスSを制し種牡馬としても名を馳せる Hugh Lupus 相手に完勝し、この年の英2歳牡馬としてトップのレーティングを得た。年明け初戦の2000ギニートライアルは2着だったが、英2000ギニーではこちらも後に大父系の祖となる Tamerlane 相手にクビ差勝利し、見事クラシックホースへと上り詰めた。スタミナが不安視されながらも出走した英ダービーは9着と生涯唯一の大敗を喫すると、続くセントジェームズパレスSも3着に終わり、現役を引退することとなった。

<繁殖馬としての実績>

馬名生年主な実績
キョウエイアタック19691着 中日新聞杯 1973
タイバブー19691着 北九州記念 1972
タイホウシロー19691着 セントライト記念 1972

引退後は米国にて種牡馬入り。ここで7年間供用されるが、目立った産駒を出すことはできずに祖国アイルランドに輸出された。しかしここでも独重賞エッティンゲンレネンの Fred Babu を出した程度にとどまり、西山牧場にて種牡馬入りした時にはすでに16歳の高齢になっていた。しかしいきなり日本での初年度産駒から中日新聞杯を制したキョウエイアタック、北九州記念を制したタイバブー、そしてセントライト記念を制したタイホウシローと3頭の重賞馬を輩出。結局重賞ウイナーを出したのは後にも先にもこれだけだったが、24歳で引退するまで9年間にわたり30頭前後の牝馬を集め続けた。

<アワバブーの血を引く主な現役競走馬・繁殖馬>

馬名生年備考
なし

タイホウシローはその後種牡馬入りも果たしたが、集めた牝馬はごくわずかで、父系を発展させることはできなかった。海外で残してきた牝馬の末裔からはエリザベス女王杯のレインボーダリアや米GIを3勝した Langfuhr などが出ており、さらに後者の産駒として*アポロケンタッキーが種牡馬となったこともあって今でもそれなりに*アワバブーの血は残っている。ただ日本で生まれた産駒の末裔は90年代まではそれなりに残っていたが、やはり西山牧場の衰退とともに数を減らし、現在では現役繁殖馬・現役競走馬ともに残っていない。日本での最後の活躍馬は今は無き上山所属でさきたま杯やさくらんぼ記念を制したセタノキングだろうか。




この記事へのコメント

1. Posted by あ 2022年11月03日 00:43
言い方良くないですが、スターキングダム系のスターアッフェアーを連れてきたり
マニアック方向に行きがちな西山牧場としては無難というか、パーソロンの評判を敏感に察知して良い選択をした感があります
ただまあ高齢すぎましたな…
2. Posted by おうどん 2022年11月03日 04:25
50〜60年代はやたらミドルパークSの勝ち馬が輸入されていますが、
何か理由があったんですかね?
3. Posted by 成瀬朋 2022年11月03日 06:37
Langfuhrを通じて今でもそれなりに影響を残すレベルだったから多分母系で生きてくるタイプだったのかも知れないなと。
というか今ダート短距離〜マイル路線でそこそこ活躍しているテイエムサウスダンなんかもLangfuhr経由でアワバブーを持ってるんですな…これまで持ってたマイナー種牡馬タイホウシローの父というだけの存在というイメージとは大分変わってしまった(;´Д`)
4. Posted by vx 2022年11月03日 06:51
それなりに血統表の中で見る名前だったので、この程度の種牡馬成績だったのは意外でした。それでもパーソロン以外のマイバブー系では一番成功した部類ってことになるんですかね?
5. Posted by Organa 2022年11月03日 23:28
>おうどんさん
この20年間で9頭ものミドルパークS勝ち馬が輸入されているんですね。しかもヴェンチア、スパニッシュイクスプレス、ロイヤルチャレンヂャー、グスタフ、ハンターコムと結構歴史に名を残す種牡馬の割合が高いですね。
6. Posted by おうどん 2022年11月04日 05:50
テュデナム、スティールハートと続きますから、種牡馬を輸入する人たちに意識されたレースだったのかもしれませんね。
アワバブーもその一翼を担ってたとすれば間接的に後世へ影響を与えていると言えるかもしれません。

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