2024年11月07日
カーソンシティ系/ジェイドロバリー系/フサイチペガサス系 - サイアーラインで辿る日本競馬2023
「サイアーラインで辿る日本競馬2023」シリーズ第百九十八弾はカーソンシティ系、ジェイドロバリー系、およびフサイチペガサス系をまとめて紹介します。Carson City はGIIまでの勝ち星しかなかったのですが、種牡馬としては複数のGI馬を出しており、それほど大きな広がりは見せていないものの今でもしぶとく生き残っています。日本に輸入された種牡馬はおらず、京王杯3歳Sの*ダイワカーソンが目立つ程度でしょうか。*ジェイドロバリーは初期の日本を代表するミスプロ系種牡馬の1頭で、多数の活躍馬を送り出して最高で総合リーディング3位にランクインした成功種牡馬ですが、クラシックや王道路線には縁がなく、ダート・短距離のイメージを植え付けた張本人の1頭と言えるでしょう。Fusaichi Pegasus は関口房朗氏がアジア人オーナーとして、さらにはミスプロ直仔として初めてケンタッキーダービーを制した馬で、巨額トレードで種牡馬入りしましたが、父としては今一つといったところでしょうか。
<カーソンシティ系父系図> ⇒前回はこちら
Carson City はGIIまでの勝ち星しかなかったが、種牡馬としてはホープフルSの City Zip など複数のGIウイナーを送り出すことに成功した。ただ基本的には牝馬優勢の系統で、牡馬の大物はハリウッドゴールドCなどGI4勝をあげた Improbable くらいのものであったが、同馬が今年わずか8歳の若さで早世したこともあり、今後の父系の存続は不透明となっている。日本に輸入された種牡馬はおらず、マル外として*ダイワカーソンが京王杯3歳Sを勝ったのが目立つ程度だが、ケンタッキーオークスなどGI6勝をあげた*ブラインドラック、BCジュヴェナイルフィリーズターフなどGI2勝をあげた*キャッチアグリムスらを筆頭に多数のGI牝馬が繁殖馬として輸入されており、今後母系で存在感を増す系統かもしれない。
<ジェイドロバリー系父系図> ⇒前回はこちら
*ジェイドロバリーは仏グランクリテリウムの勝ち馬で、4歳時より日本で種牡馬入り。初年度から南部杯など重賞3勝のタイキシャーロック、アンタレスSなど重賞3勝のテセウスフリーゼなど4頭のJRA重賞勝ち馬を送り出すと、その後もアンタレスSなどダート重賞7勝をあげたオースミジェット、阪神3歳牝馬Sなど重賞4勝をあげたヤマカツスズランなどコンスタントに重賞ウイナーを送り出し、日本に輸入された Mr. Prospector 直仔としては*フォーティナイナー、*アフリートらに肩を並べる成功を収めた。晩年には当時まだ馬産が行われていたUAEなどでも供用されており、UAE産馬*ダガーズアラベスクがマル外として走って南関で活躍した。
中央ダートでは3年連続でリーディングサイアーに輝き、総合リーディングでも合計8回トップ10位以内にランクインしたが、短距離・ダート向きという従来のイメージを覆すことはできず、種牡馬入りした産駒は多くなかった。それでもタイキシャーロックが初年度80頭を超える牝馬を集めると、オースミジェットも初年度40頭近い牝馬に種付けを行うなどそれなりには期待されていたが、前者は何頭かの地方重賞の勝ち馬を出しただけと振るわず、後者もすぐに牝馬が集まらなくなって韓国に輸出された。母系ではウインブライトやメイショウマンボなどを出しており、今後どこまで残るかといったところ。
<フサイチペガサス系父系図>
Fusaichi Pegasus は関口オーナーの所有馬として米国で走り、Mr. Prospector 直仔として、およびアジア人オーナーとして初めてケンタッキーダービーを制した。当然種牡馬として巨額のシンジケートが組まれたものの、ハスケル招待Hの Roman Ruler など何頭かのGI馬を出した程度に終わり、父としては大きなインパクトを残すことはできなかった。現在ではシャトル先のアルゼンチンでリーディングとなった Roman Ruler の系統が生き残っている程度である。日本でも多数の産駒が輸入され、ダイオライト記念のフサイチセブンやアンタレスSの*フィフティーワナーなど複数の重賞馬が出ており、複数の産駒が種牡馬入りしたが、今のところ父系として大きな広がりは見せていない。
Carson City はGIIまでの勝ち星しかなかったが、種牡馬としてはホープフルSの City Zip など複数のGIウイナーを送り出すことに成功した。ただ基本的には牝馬優勢の系統で、牡馬の大物はハリウッドゴールドCなどGI4勝をあげた Improbable くらいのものであったが、同馬が今年わずか8歳の若さで早世したこともあり、今後の父系の存続は不透明となっている。日本に輸入された種牡馬はおらず、マル外として*ダイワカーソンが京王杯3歳Sを勝ったのが目立つ程度だが、ケンタッキーオークスなどGI6勝をあげた*ブラインドラック、BCジュヴェナイルフィリーズターフなどGI2勝をあげた*キャッチアグリムスらを筆頭に多数のGI牝馬が繁殖馬として輸入されており、今後母系で存在感を増す系統かもしれない。
<ジェイドロバリー系父系図> ⇒前回はこちら
*ジェイドロバリーは仏グランクリテリウムの勝ち馬で、4歳時より日本で種牡馬入り。初年度から南部杯など重賞3勝のタイキシャーロック、アンタレスSなど重賞3勝のテセウスフリーゼなど4頭のJRA重賞勝ち馬を送り出すと、その後もアンタレスSなどダート重賞7勝をあげたオースミジェット、阪神3歳牝馬Sなど重賞4勝をあげたヤマカツスズランなどコンスタントに重賞ウイナーを送り出し、日本に輸入された Mr. Prospector 直仔としては*フォーティナイナー、*アフリートらに肩を並べる成功を収めた。晩年には当時まだ馬産が行われていたUAEなどでも供用されており、UAE産馬*ダガーズアラベスクがマル外として走って南関で活躍した。
中央ダートでは3年連続でリーディングサイアーに輝き、総合リーディングでも合計8回トップ10位以内にランクインしたが、短距離・ダート向きという従来のイメージを覆すことはできず、種牡馬入りした産駒は多くなかった。それでもタイキシャーロックが初年度80頭を超える牝馬を集めると、オースミジェットも初年度40頭近い牝馬に種付けを行うなどそれなりには期待されていたが、前者は何頭かの地方重賞の勝ち馬を出しただけと振るわず、後者もすぐに牝馬が集まらなくなって韓国に輸出された。母系ではウインブライトやメイショウマンボなどを出しており、今後どこまで残るかといったところ。
<フサイチペガサス系父系図>
Fusaichi Pegasus は関口オーナーの所有馬として米国で走り、Mr. Prospector 直仔として、およびアジア人オーナーとして初めてケンタッキーダービーを制した。当然種牡馬として巨額のシンジケートが組まれたものの、ハスケル招待Hの Roman Ruler など何頭かのGI馬を出した程度に終わり、父としては大きなインパクトを残すことはできなかった。現在ではシャトル先のアルゼンチンでリーディングとなった Roman Ruler の系統が生き残っている程度である。日本でも多数の産駒が輸入され、ダイオライト記念のフサイチセブンやアンタレスSの*フィフティーワナーなど複数の重賞馬が出ており、複数の産駒が種牡馬入りしたが、今のところ父系として大きな広がりは見せていない。
Organa at 23:34|コメント(9)|サイアーラインで辿る日本競馬2023
この記事へのコメント
1. Posted by 2024年11月08日 00:03
結局サンデーと交配できたかどうかなんでしょうね
ジェイドロバリー(翡翠泥棒)はもっと違ってたハズです
でもそんなのどうしようもないです
ジェイドロバリー(翡翠泥棒)はもっと違ってたハズです
でもそんなのどうしようもないです
2. Posted by - 2024年11月08日 07:53
ジェイドロバリーは2歳G1勝ち・Sadler's WellsやNureyevの近親・ダート得意と日欧両面から見ても産まれた時代間違えた感が凄いと思います
3. Posted by よし 2024年11月08日 08:57
サンデーやブライアンズタイムがいる時代にダートリーディングは凄いですね。>ジェイドロバリー
この2頭産駒はダート進出してなかった頃なのでしょうか。
ダビスタしてた頃好んで付けていた記憶があります。
この2頭産駒はダート進出してなかった頃なのでしょうか。
ダビスタしてた頃好んで付けていた記憶があります。
4. Posted by い 2024年11月08日 12:47
ジェイドロバリーはヘクタープロテクター同様に明らかに芝狙いで買い付けたのにダート寄りに出ちゃいましたからね
結果こそ出しましたが社台スタリオンとしては頭が痛いところはあったでしょう
そしてキンカメが来るまで早逝に種付けしないとミスプロ系で躓き続けるという…
結果こそ出しましたが社台スタリオンとしては頭が痛いところはあったでしょう
そしてキンカメが来るまで早逝に種付けしないとミスプロ系で躓き続けるという…
5. Posted by さ 2024年11月08日 19:51
キンカメは偉大でしたな、マンボ系も日本独自のガラパゴス系統になりつつある
6. Posted by vx 2024年11月08日 23:23
社台はジェイドの血統的ポテンシャルを高く評価してバックアップしてましたけど、芝で突き抜けられずに父系が伸びなかったのもったいなかったですねを
7. Posted by Organa 2024年11月08日 23:51
>>3
ブライアンズタイムがダートリーディングを取った後にジェイドロバリーが3連覇していますから価値がありますね。ブライアンズタイムは当初それほど産駒数が多くなかったので、質より量という見方もあるかもしれませんが。
ブライアンズタイムがダートリーディングを取った後にジェイドロバリーが3連覇していますから価値がありますね。ブライアンズタイムは当初それほど産駒数が多くなかったので、質より量という見方もあるかもしれませんが。
8. Posted by こすも 2024年11月09日 10:01
そっか、ミスプロ3巨頭でジェイドロバリーだけ個別ページ貰えないのは現地での産駒がいないからか。
9. Posted by ろい 2024年11月10日 22:00
フサイチペガサス産駒といえばボクシングのファイティング原田(オーストラリアで語り草の試合をしたそうです)が由来のハラダサンがオーストラリアとイギリスで活躍しましたが種牡馬としては大失敗で本邦への産駒輸入もないみたいですね。