2025年01月26日

週刊種牡馬ニュース 1/20 - 1/26

アメリカジョッキークラブCはダービー馬ダノンデサイルが貫録を見せつけるレース内容で完勝しました。前年度のダービー馬の参戦は珍しく、そもそも1月中に出走すること自体が四半世紀ぶりということになりますが、今年のさらなる活躍を予感させる走りでしたね。この後はドバイということになるでしょうか。東海Sとの入れ替えでGIIとなったプロキオンSはスズカコーズウェイ産駒のサンデーファンデーが逃げ切り、重賞初勝利をあげました。母父もスマートボーイでいかにもグランド牧場という配合ですが、さらにその血を繋ぐことができるでしょうか。愛知杯を引き継ぐ形で新設された小倉牝馬Sはフェアエールングシンティレーションの同着決着でした。ブルーバードCは*ナダル産駒のメルキオルが重賞初勝利をあげ、ダート三冠に向けて一歩前進となりました。
【1/20(月)〜1/21(火)】

特になし。

【1/22(水)】

ブルーバードC(JpnIII) (船橋 3歳 D1800 10頭)
 1. メルキオル (牡3) by *ナダル(USA) 1:53.3
 2. クァンタムウェーブ (牡3) by *ナダル(USA) 2
 3. ウィルオレオール (牡3) by レッドベルジュール 4
JRAの2番人気メルキオルがコーナー手前で先頭に立ち、そのまま押し切って重賞初勝利をあげた。芝では3戦して5着が最高だったが、ダートはこれで3戦3勝。母サングレアルと血統もよく、ダート三冠に向けて視界良好といったところ。圧倒的支持を受けたクァンタムウェーブが2馬身差の2着に入り、*ナダル産駒はグレードレース初勝利をワンツーフィニッシュで飾った。ただクァンタムウェーブはレース後骨折が発覚し、春のダート三冠出走がかなり厳しくなった。

【1/23(木)】

報知グランプリC(重賞) (船橋 4歳上 D1800 14頭)
 1. キングストンボーイ (セ7) by ドゥラメンテ 1:52.9
1番人気キングストンボーイが早め先頭から押し切り、勝島王冠に続く重賞連勝となった。3歳時にはクラシック路線で期待されるも最後まで中央で重賞を勝つことはできなかったが、大井転厩後は2戦2勝と調子をあげており、ダートでグレードレース初勝利なるかというところ。

兵庫クイーンセレクション(重賞) (姫路 3歳牝 D1400 12頭)
 1. ドライブアウェイ (牝3) by *フォーウィールドライブ(USA) 1:32.4
高知のドライブアウェイが後続に2秒近い大差をつけて圧勝し、圧倒的支持に応えた。前走の金の鞍賞は出遅れてまったく競馬にならなかったが、まともに走れば力は抜けている。それにしても高知は毎年のように生え抜きで全国区の産駒を送り出すようになった。

白銀争覇(重賞) (笠松 4歳上 D1900 11頭)
 1. サヴァ (牡7) by *アイルハヴアナザー(USA) 2:04.0
圧倒的支持を受けたサヴァが豪快に差し切り、重賞初勝利をあげた。中央でもオープンを2勝にユニコーンSでも人気薄ながら2着に入っていた活躍馬だったが、前走の東海ゴールドCこそ2500mという距離もあって3着に敗れたものの、笠松移籍後はこれで3戦2勝となった。

【1/24(金)】

特になし。

【1/25(土)】

小倉牝馬S(GIII) (小倉 4歳上牝 T2000 18頭)
 1. フェアエールング (牝5) by ゴールドシップ 1:58.4
 1. シンティレーション (牝6) by ロードカナロア 同着
 3. コガネノソラ (牝4) by ゴールドシップ 1
新設重賞というよりは、開催日割の変更により愛知杯の条件をそのまま引き継いだ重賞として施行される小倉牝馬Sは7番人気フェアエールングと3番人気シンティレーションの同着となり、両者ともに重賞初勝利となった。フェアエールングはやはり牝馬が強いゴールドシップ産駒で、今年はリーディングトップ10入りなるかというところ。シンティレーションはシルク募集の6歳牝馬で、引退が近いのが惜しまれる。1番人気に支持されたクイーンズウォークは直線向いて失速し、6着に終わっている。

若駒S(L) (中京 3歳 T2000 10頭)
 1. ジュタ (牡3) by ドゥラメンテ 2:02.3
1番人気ジュタが好位追走から抜け出し、オープン特別初勝利をあげた。セールで3億円を超える高値で落札された馬で、1戦1勝で挑んだホープフルSはさすがに4着に敗れたが、ここではさすがに力が違った印象。半馬身差の2着にはこれまた1億円ホースの2番人気ミッキーゴールドが入った。

3歳新馬戦 (中京 3歳 D1800 16頭)
 1. インディゴ (牡3) by Tiz the Law (USA) 1:56.4
1番人気インディゴが4馬身突き抜け、Tiz the Law 産駒として日本初勝利をあげた。時計が平凡なので過信はできないが、今後が楽しみな存在だ。Tiz the Law は Constitution 産駒で、ベルモントSやトラヴァーズSなどGI4勝をあげており、この3歳世代が初年度産駒となる。なお翌日にもクインズショコラが勝ち、Tiz the Law 産駒が一気に2勝をあげている。

【1/26(日)】

アメリカジョッキークラブC(GII) (中山 4歳上 T2200 18頭)
 1. ダノンデサイル (牡4) by エピファネイア 2:12.1
 2. マテンロウレオ (牡6) by ハーツクライ 3/4
 3. コスモキュランダ (牡4) by アルアイン ハナ
1番人気ダノンデサイルが力強く差し切り、ダービー以来となる勝ち星をあげた。明け4歳の実績馬が始動するのは早くてせいぜい京都記念からで、ダービー馬が明け4歳の1月に出走するのは実にスペシャルウィーク以来26年ぶりだったが、さすがにここでは負けられないという意地を見せたレースだった。スペシャルウィークはその年GI3勝をあげる大活躍だったが、こちらはどこまでやれるだろうか。人気を分け合ったレーベンスティールは直線全く伸びず、12着と大敗に終わった。

プロキオンS(GII) (中京 4歳上 D1800 16頭)
 1. サンデーファンデー (牡5) by スズカコーズウェイ 1:50.6
 2. サンライズジパング (牡4) by キズナ アタマ
 3. ドゥラエレーデ (牡5) by ドゥラメンテ クビ
東海Sとの入れ替えでGII格付けとなったプロキオンSは5番人気サンデーファンデーが最内を利して逃げ切り、スズカコーズウェイ産駒として中央重賞初勝利をあげた。昨年春にオープン入りしてからはさえないレースが続いたが、先手を取るようになって戦績が安定。父スズカコーズウェイは高齢もあって昨年10年以上に渡る種牡馬生活にピリオドを打ったが、今後その血を繋げるような活躍を見せることができるだろうか。1番人気サンライズジパングもしぶとく追い込んだが、アタマ差及ばず2着だった。

花吹雪賞(重賞) (佐賀 3歳牝 D1800 8頭)
 1. プレミアムカインド (牝3) by *ナダル(USA) 2:01.7
3番人気プレミアムカインドがゴール前の追い比べをクビ差制し、重賞初勝利をあげた。*ナダル産駒は今月だけで早くも重賞3勝目。昨年驚異的なペースで中央ダートの勝ち星を積み重ねたが、さらにここにきてペースが上がって来ている。圧倒的支持を受けたハクアイアシストは2着に敗れた。

3歳未勝利戦 (中山 3歳 D180 15頭)
 1. *ロッシニアーナ(USA) (牡3) by Not This Time (USA) 1:54.4
圧倒的支持を受けた*ロッシニアーナが4馬身突き抜け、Not This Time 産駒として日本初勝利をあげた。Not This Time は Giant's Causeway 産駒で、自身はGIIIを1勝しただけだったが、種牡馬としてはトラヴァーズSの Epicenter など多数のGI馬を輩出しており、現在は種付け料17万5000ドルの大種牡馬となっている。




この記事へのコメント

1. Posted by Longines 2025年01月26日 22:51
第1回から同着になったのは印象的ですね

スズカコーズウェイ産駒がこのタイミングで来るとは
2. Posted by あ 2025年01月26日 23:41
AJCC勝ちのエピファ産駒といえばアリストテレスを思い出します
3. Posted by ようよう 2025年01月27日 00:04
スズカコーズウェイ産駒ながら、3600万の値が付いていただけのことはありますね。

Giant's Causeway 産駒の日本の継続は、案外この馬かも・・・

年末自分が驚いたのは、ゴールドシップの400万の値上げ。

さすがにやり過ぎ?と思いましたが、
1月の古馬3重賞で馬券内に複数頭入るなど、
高額条件〜OP馬に実は優良産駒がバシバシいるんですよね。それだけ自信があったってこと??

一発イメージを持たれがちですが、
芝の18あれば産駒は賞金しっかり持ってくるイメージ。

まだ、フィリーズサイヤーのイメージは抜けきれませんがちょっと注目しています。
4. Posted by vx 2025年01月27日 02:37
流石のグランド牧場でした。きっと種牡馬入りまで行ってくれると思います。スマートボーイ大好きだったので子孫が残りそうなのは嬉しいです。ファーストレディ様々ですね。
5. Posted by 昭パ 2025年01月27日 03:33
若駒Sの記事
ひらがなで馬名が付けられたら素敵だと思います
修正よろしくお願いします
6. Posted by い 2025年01月27日 07:18
ナダルはこのままダート最強種牡馬になるんでしょうか
母サングレアルでも極端なダート適性にするんだから、種付け料アップで芝向きの牝馬が来ても容赦なくダート馬にして行ったりするんでしょうか
あまりに極端なので先々が楽しみですな

レーベンスティールは鞍上曰くマッチョになりすぎたので今2200はちょっと向いてないとの事ですが
マイル路線行かせてもスピード足りないような気はするんでなかなか先が見通せなくなりましたね…
ダノンデサイルが陣営の懸念を払拭するに値したかはわかりませんが、力強く勝ち切ったのとは正反対の結果に
7. Posted by 成瀬朋 2025年01月27日 14:35
ダノンデサイル、ダービー馬でAJCCから始動して勝利というとスペシャルウィークを思い出す。
ただ現状そこまで距離は持たなさそうな感じはするし実際ドバイか大阪杯辺りを使うみたい。
今回のレースとしては割といい傾向なんじゃないかな。

しかしながら競馬とは直接は関係無いけどフジテレビの地上波中継、本当にACだらけでかなり違和感が…まぁ仕方無い話ではあるけど。
8. Posted by guess 2025年01月27日 20:41
ダノンデサイルはドバイワールドカップも視野に入れているみたいですけど、日本より硬く高速とは言えダートをこなせるんですかね。
母馬的にはダートで走ってもおかしくないですけど、如何せんダートでの勝ちが少ないエピファネイアの仔ですから。
9. Posted by 素人 2025年01月27日 22:41
ナダルは地方重賞の賞金あっぷなりダート競走の整備なりの年の申し子みたいなもんですね。
ヘニーヒューズとかパイロ、シニスターミニスターもこの時代に若ければ1000万の種付け料が着いたかも知れませんね。
10. Posted by Organa 2025年01月27日 23:51
記事を訂正しました。ご指摘ありがとうございます。

ナダルは社台供用だからこそできる強気の値段設定でしょうが、でもそれだけの期待はできそうな初年度の活躍でしたからね。初年度からダートGIのひとつは取っておきたいところです。
11. Posted by ジロサブ 2025年01月28日 21:12
ナダル産駒で父の出走できなかったケンタッキーダービーにチャレンジは浪漫ですね
狙ってる馬主もいるでしょう

この記事にコメントする ※常識的なハンドルネームでお願いします。

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
記事検索
サラブレッド血統入門
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

一から始める! サラブレッド血統入門 [ 平出 貴昭 ]
価格:1728円(税込、送料無料) (2019/4/1時点)

当ブログ「父系馬鹿」が
紹介されています。
最新コメント
QRコード
QRコード