ジャガイモ芽止めのために行われる放射線照射は本当に安全!?
士幌農協に照射ジャガイモ提供の申し入れ 自社の放射能測定機器で検査を希望
…こういう見出しで、大地を守る会が2月12日付のプレスリリースを発表しました。国内で唯一、食品への放射線照射が行われているJA士幌町(北海道)に対して、表記の申し入れを行った旨を発表する、異例のプレスリリースです。
食品への放射線照射は、海外では容認している国も多いようですが、日本ではこの1例のみ。大地を守る会によると、「照射食品そのものが誘導放射能を生じ、食べると放射能による内部被ばくをする危険があるという情報があるため、それが事実かどうかを確認するため」(プレスリリースより)とのことです。
馬鈴薯に放射線を照射する目的は、発芽の抑制。「芽止め」というそうですが、そもそも自然現象である発芽に、放射線照射という技術を持ち込むこと、しかもたった1社の農協にこの技術を使うことに、どのよう
な有効性があるのか、疑問を抱くところです。同じ北海道のほかの地域では行われていない、特殊な事例なのです。
311以降、食品への放射能残留の影響については、東日本地域の農家を中心に甚大な被害が出ています。残留の有無より、被爆を受けた可能性のある地域が拒否されるという状況があります。国内の農産物に放射線照射が施されたものがあるということ自体知らない方も多く、これを知らせる意味合いもあると思われます。また、食品照射がクローズアップされることで、海外の状況や、国内での管理のされ方などにも関心が集まるようになれば、その是非も含め、進展も期待されるでしょう。こういうことが話題化するのか、しないのかも興味深く、
今後の動静を注視していきたいと思います。
※参考:食品衛生法における食品照射の取り扱いについて
(厚生労働省医薬食品局食品安全部食品照射専門部会資料/pdf)