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ヒトトのあるビルが耐震法改正に伴い、取り壊されることが決まり、
あわせて
2016年1月31日にヒトトを閉店することにいたしました。

 

9年前、2007年の春にベースカフェを始めました。
2013年にヒトトに店名を変え、本当に長いドラマ多き日々でした。
足掛け9年。足を運んでくださった全ての皆様に心から感謝です。
ほんとうにありがとうございました。

古い古いビル。いつか、こんな日がくるとわかってはいました。
大家さんからは今年のはじめに「もしかしたら閉めるかも」という
予告があり、心の準備はできているつもりでした。

でも、やはり実際に正式に決まると、やっぱり寂しいですね。

50年、移り変わっていく吉祥寺の街を見守ってきたあのビル。
元キャバレーの控え室だったあの場所。
大家さんから、「新しいビルにテナントとして入りませんか?」と
ご提案いただいたのですが、お断りしました。

あの空間だからこそ始めたお店。
あのビルの終わりとともに、自分の中でも一区切りつけたいと思います。

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狭く急な階段、むき出しの梁、打ちっぱなしの床。

空間にあわせて一つ一つ買い揃えていった椅子や器や花器。
古すぎて開かない窓、雨漏りのする天井。

 

そうか・・・。なくなるのか。
仕事とか、そういうこと関係なしに、
僕は吉祥寺であの場所が一番好きでした。
 
あの場所だから、店を始めて、
あの場所だから、続けてこれました。

 

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生まれた時からずっと慣れしたんだこの吉祥寺も、
ここ数年ですっかり変わりました。


古いビルは取り壊され、大型店舗の波が押し寄せ、
独自の文化を守り続けてきた愛すべき吉祥寺も、
膨張する都市に呑み込まれてしまったようです。
 

本当にはあのビルと共に、もう少しこの波の中を
踏ん張っていたかったのだけど・・・。
でも、しょうがない。吉祥寺という街が選んだ選択です。
失わないと、始まらないこともあるのだと思います。

 

 
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ヒトトはなくなりますが、
吉祥寺のアトリエ間間も、
井の頭公園のすぐ近くの事務所も、
変わらず続けていきます。
吉祥寺と雲仙を行ったり来たりする生活は
これまでと変わりません。


でも。

あの階段をあがり、
あの空間で仕事をすることも、皆で酒を呑むことも、
スタッフをくだらないことで笑い合う日々ともお別れです。

あの場所を大事に想ってくださっていた方も、
まだあの場所に来たことがない方も、
取り壊しになる前に、ぜひ訪れてやっていただけたら、正直嬉しいです。

最終営業日は、1月31日。 


一人の、年寄りが去っていくように、消えていくあのビルに、
最後に会いにきてやっていただけたらと、願っています。


オーガニックベース代表 ヒトト店主 奥津爾