ロンドンのテート・モダンに行ってきました。

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モダンアートの登竜門!
ピカソやダリといった超一流がしれっと展示されていたかと思えば、
今をときめくアーティストも空間を贅沢に使った展示を行っていました。
アートの未来はテート・モダンにあるのです。


〜目次〜
1. 展覧会の基本情報
2. 気になる混雑状況は?
3. 例えばこんな作品がありました
 ①革命家たちのマスターピース
 ②弊職の大好きな抽象画
 ③1部屋に1アーティスト
 ④なにこれ…現代アートの最先端
4. 逆に惜しかったところ
 ①エスカレーターの効率が悪い
5. まとめ
6. 関連情報


展覧会の基本情報

場所:テート・モダン(イギリス)
最寄駅:サウスウォーク駅
作品数:とても膨大
所要時間:ハイライトで1時間(全部見るなら1日)
観覧料:無料(企画展は一部有料、館内マップは£1の寄付)



気になる混雑状況は?

少々混んでいました。

日曜日の午後に行きまして、結構賑わっていました。
とはいえ、館内は広いので日本の美術館と比べるとかなり空いているように感じます。
また、大英博物館などのザ・観光名所に比べれば大変空いています。

日本人は割と少ないですね。
ロンドンに来てあえて行こうとは思わないですよね…
いや全力でオススメしますけれども!

館内マップも英語のみですが、建物の構造が単純なのでそもそもマップもいらないかもしれないです。



例えばこんな作品がありました

イギリスのギャラリーは写真OKエリアがとても多いです!
できるだけ、弊職が撮った写真を掲載しています。


①革命家たちのマスターピース

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パブロ・ピカソ「泣く女」(1937年)

これを見られたら死んでもいい…!
弊職はそう思い続けてきましたが、割と早い段階で目標を達成してしまいました。
テート・モダンにあったとは知らなかったです。

この作品の凄いところは、手らしきものや指らしきものが変な位置にあるところです。
緑の手はハンカチを持っているのですが、
ハンカチと同化した白い手は顔をゴシゴシ擦ったり、鼻をかんだりしている仕草を表しているようです。
ハンカチを噛み締めたり、鼻をかんだり、とても忙しい絵なのですね。
壮絶なしゃっくりの音まで聞こえてきます。

加えて、ハンカチの尖り方ですよ!
この絵の中で唯一キラキラしている宝石のような両目に突き刺さる形をしています。
悲しい出来事が心をグサグサ刺すように、ハンカチが目を刺しています。
見ているだけで痛い…

ピカソの禍々しい歪んだ人物表現と「泣く女」という主題が見事にマッチした作品です。
個人的にはゲルニカよりもグッとくるので、ピカソの最高傑作だと思います。


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サルバドール・ダリ「ロブスター電話」(1936年)

これもいつか見たいと思っていた作品です。
実際に電話としても機能していたという奇抜な逸品です。
受話器の口の所にロブスターの生殖器が当たるとか、
耳に当てる所にハサミが来るのはゴッホが自分の耳を切り落としたことにインスピレーションを得ているとか。
ダリらしいマニアックな寓意です。

電話がかかってきたとき、どんな音が鳴るのでしょうか?
あるいは、もしもロブスターが生きていたら?
気持ち悪くて電話どころではないですよね。
そういう変な想像の世界に連れて行ってくれるので、ダリの作品も大好きです。



②弊職の大好きな抽象画

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ワシリー・カンディンスキー「コサック」(1910-1911年)

コサックダンスといえば高い帽子を被った人がしゃがんで脚を交互に前に出すアレですね。
カンディンスキーの抽象画は音楽をそのまま色や形に落とし込むスタイルですので、
この絵はダンサーを描いたのではなく、音楽そのものの絵です。

とはいっても、この絵からコサックダンスを感じ取れるかと言われれば微妙なところ。
特に日本人には馴染みのないミュージックですしね。

弊職はイエモンの楽園を思い出しました。
フリーハンドの綺麗すぎない曲線と、あまり激しすぎない色遣いがセクシーな気がします。
エレキギターの音楽が聞こえてきます。


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ピエト・モンドリアン「Composition C (No.3) with Red, Yellow and Blue」(1935年)

モンドリアンの作品も音楽的です。
パズルを組み合わせたようなキチッと感以上に、賑やかな感じがしませんか?

彼の作品はブギウギとかそういう類のノリノリでアゲアゲなミュージックっぽいです。
直線の効果なのか、リズムが正確な感じなんですよね。
かといってクラブミュージックほど弾けていないというか。

画面を通して見てしまうとやっぱり音楽っぽさは半減してしまいます。
ぜひ本物を見て欲しいです!


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アレクサンダー・カルダー「Antennae with Red and Blue Dots」(1953年)

日本ではあまり知られていないアーティストですね。
モンドリアンに強く影響を受けた人で、モンドリアンの絵を3次元化するが如く、モビール製作を行いました。

会場では先に作品解説のパネルを見つけ、
「はて…カルダーの作品なんて見当たらないけど、一体どこなんだろう?」
と思ったら、なんと頭上にありました。

天井からモビールを吊るしているので、背の低い弊職の視界には全く入りませんでした!
しかし、人の動きが起こす風なのかエアコンの風なのか、モビールを微妙に揺らしていて面白かったです。
魚の骨みたいなのですが、なんとも言えないベストバランス。



③1部屋に1アーティスト

高校の教室1つ〜2つ分の部屋をまるごと1人のアーティストで埋め尽くした展示は必見です。
どの部屋も世界観の濃度が高くて心がぐらつきますよ!

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マーク・ロスコ(1903-1970年)の「シーグラム壁画」シリーズ

ロスコルームといえばDIC川村記念美術館ですね。
そちらよりも明るめの色彩の絵が多いかなーという印象です。
写真では明るい部屋に見えてしまいますが、実際は他の部屋よりも少し暗いです。
一気にロスコの世界に浸れます。

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抽象画の部屋でこれだけ沢山の人々がゆっくりしている…文化的な人たちですよね。

シーグラム壁画を見て何を思おうと自由なのですが、
四角の大きさからして扉かなー窓かなー
なんて考えると楽しいです。
でも扉も窓もぼやーっと消滅しかかっているようにも見えますし。
あれはどこに続く扉なんでしょうね?

ところで、ロスコの作品は1点1点離れて展示されますが(いわゆる普通の展示方法)、
本人の構想では隣同士をピタッとくっつけて展示する予定だったらしいです。
壁一面を絵画で覆い、壁画にしてしまおうという構想です。


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ルイーズ・ブルジョワ(1911-2010年)の作品たち

六本木ヒルズの巨大クモとしてお馴染みのルイーズ・ブルジョワです。
手前にクモが見えますね。

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彼女の作品は痛々しいものが多いです。
赤の使い方がとても大胆。
脚だけがぶら下がるのも非常にグロテスク。
子供時代の不遇がベースになっているのかな、という気がします。

でも、なぜか勇気を貰えるような感じしませんか?
悲しい出来事や不幸な出来事を芸術にぶつけ、乗り越えてきたブルジョワの逞しさと美しさが作品から滲み出ていると思うのです。
女性らしい強さのお手本ですね。

ところで、アーティスト・ルームはちょくちょく展示替えがあるようです。
ロスコルームは常設だと思いますが、ブルジョワの方は期間限定かと思います。
どんなアーティスト・ルームがあるのかについては、ご旅行の日程と公式HPのガイドを照らしてご確認くださいませ。



④なにこれ…現代アートの最先端

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Gunther Uecker「White Field」(1964年)

同じサイズの釘がある規則に従って並べられているようです。
パチンコみたいな感じでしょうか?
よく見ると釘の打ち込まれる角度が絶妙に変わっています。

どこが面白いのかと言うと、見る角度によって印象がガラっと変わるところですね。
さらに照明の当て方によって影の向きが変わるので、展示する方も飾りがいがあるでしょう。


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Bridget Riley「To a Summer's Day」(1980年)

単純に波線を重ねたようにも見えるのですが、
キチッと重ねるのではなくズラして重ねることによってリズム感を生み出しています。
ずっと見ていると線が動いているような錯覚が起こり、クラクラしてきます。


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Cildo Meireles「Babel」(2001年)

ラジオが積み重なってタワーになっているのですが、音が出ているのか、物凄くうるさい!!
(音源はラジオではないような気もします)
ラジオがピコピコ光り、複数人のアナウンサーの声とジャズっぽい音楽が同時に聞こえます。



逆に惜しかったところ

①エスカレーターの効率が悪い

インフラ問題なのですが、もうね、どうしてこうなっちゃったのかと!

日本のデパートを想像してみてください。
1階から3階まで移動するとき、エスカレーターを使いますよね?
1→2、2→3階とスムーズに移動できると思います。
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ところが、テート・モダンはこんな感じ。
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回り込まないと次のエスカレーターに乗れない!
これが地味に非効率です。
ギャラリーが広くて立ち疲れているので、できるだけ無駄な動きは省きたいのです…



まとめ

アートの今が生きる楽園!

他にもミロやマグリットなど、超一流の作品もあり、今のアートを牽引するアーティストの作品もあり。
物凄く広い美術館なので、アート好きなら丸一日ここで過ごせます。
現代アートの激流の全てをテート・モダンだけで満喫できます!

テート・モダン、ロンドンに来たらぜひ行ってみてくださいね!



関連情報

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川沿いにある美術館なので、眺めも最高です。
この日は天気が不安定で暗かったのですが…

テート・モダン 公式HP

今回紹介したカルダーやブルジョワに関しては日本語の文献が少ないのですが、こちらの本がおすすめです。
近現代で知っておきたいアーティストが網羅されています。

ダリのロブスター電話も掲載されています。


今回のイギリス紀行で巡った美術館の感想はこちら。
大英博物館「北斎展」
ナショナル・ギャラリー
テート・ブリテン
ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館
シャーロック・ホームズ博物館

イギリスと日本の美術館の違いをまとめた記事はこちら。
旅行前に押さえておくと役に立つでしょう。
優れているのはイギリスと日本の美術館はどっち?実体験で検証しました!


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