おっす。いや、Ops!
RYOだ。
この前はゴメンな。パパラッチが自宅まで押しかけてきやがって話が尻切れトンボになっちまった。
悪かったな。
実はその時のパパラッチ、いつもお世話になってるキムラさんでまったく問題はなかったんだ。
あっプス!
キムラさんってのはインディーズの頃から世話になってるカメラマンさんだ。もちろん実家はカメラ屋だぜ。
売れ出してからもキムラさん以外には写真を撮らせないようにしてる。
みんなが雑誌で見る俺らってのは全部キムラさんの撮影なんだ。
そうそう、あの日もキムラさんに雑誌インタビュー用の写真を頼む約束をしてたらしいんだ。
スケジュールが詰まり過ぎててすっかり忘れてたってわけだな!てへ。
「このやろうお前ら!お前らには撮らせねぇって何度も言ったろうが!!」
「ちょちょっ!りょりょりょRYO君!僕だよ僕。カメラマンのキムラだよ!」
「あっプス!キムラさん!すまねぇ!今日だったか!?」
「そうだよRYO君。まぁ忘れるのも無理ないねぇ。忙しいからねぇ。」
「いやぁ悪い悪い。じゃあ入ってくれよ。早速はじめようぜ!!」
俺以外のメンバーは前日に撮り終わってたんだが、俺だけ「スキー教室」があったもんで後日キムラさんと二人で撮ることにしたんだったよ。
すっかり忘れてたんだな!てへ。
小一時間が過ぎ・・・
「いやぁRYO君。最近徐々に風格というかオーラが出てきたんじゃないか。」
「まぁ最近は【オーラの泉】とかって言われるからな!」
「いいことだよ。それじゃ最後撮っちゃおうか。」
「おう!」
パシャ!パシャ!
(ハァハァ・・・)
何だ!?キムラさん!?
息切れ?
吐息?
息切れ吐息?いや、桃色吐息?
何故!?
WHYなぜ?
「はぁはぁ・・・よしじゃあ次、サイドからも撮っとこうか。じゅるり・・」
「(?)おっ・・・おう!」
(ハァハァハァハァハァハァ)
キムラ!顔が赤い。興奮か!?興奮してんの?なんなの!?
「じゃあ、そう、RYO君。・・はぁはぁ。じゃあ、ゆっくり脱いでいこうか。」
「おっ・・・おう!・・・いや『おうッ』じゃねぇよ!キムラさん!なんで脱ぐんだよ!!」
(ハッ!!)
「ゲフンガフンッ!!
おっといけない・・・ おっといけない・・・
・・・おっといけないっ!!」
「???」
「ハァハァ。・・いやぁついついいつもの癖でね。最近はグラビアが多かったもんだからつい。カメラマンの性ってやつだよ。ねぇ。そうだよね。・・・・そうだ。そうだ。」
「あっああ・・・。」
「そうだ。そうだ。僕は大丈夫。僕は大丈夫、ぼくは大丈夫ボクハダイジョウブ。ボクハダイジョブボクハダイジョブ・・・・・・ブツブツブツ・・・」
そうつぶやきながらキムラさんは俺の家を後にした。
あんなキムラさんは初めて見たぜ・・・
でも・・
今度はちゃんと脱がしてくれよな!!
ハッ・・・
(しまった!!)
ゲフンガフンッ!
いや・・・あの、ゲフンッ!
またな!!!