特に重要とは思えないものが、
実際は意外に重要。

世の中にはこんなものが結構数多いですよね。

株式市場にもあり、

長期債利回り、
特に米国のそれはとても重要です。

現在それは3%前後で推移していますが、
ご存じでしょうか。

私は毎日必ず一度はこの数字をチェックすることにしています。

米国市場はもちろん為替相場、
そして東京市場にもその上下動が大きく影響するからです。

では、長期債利回りとはどんなものか。

通常長期債利回りといった場合、
10年国債の利回りのことになります。

米国の10年債は世界でもっとも売買が盛んな金融商品であり、
それが買われている場合は利回りが低下し、
買いが少なくなると利回りは上昇します。

そしてその変動する数値がいわゆる市場金利と呼ばれるものです。
つまり世界中から売買されるのですから、
それは市場で自然に決まる金利。
こうなるからです。

改めて書くまでもなく、現在は市場があらゆるものを主導する時代。

そのため市場は、中央銀行が決める金利よりも、
自らが決める決める金利を重視することになり、
その動向を常時注視している、
いや、そうせざるを得ないのが実際です。

では、この利回り、
経済にどんな影響を与えるか。

利回りが上昇することは、金利の上昇となるのですから、
米国経済にとっては少し錘が重くなる。

こういうことになります。

最近ではそれは3%台に乗ったのですが、
金利という錘は、経済が強い場合、
次第にその重さが強まって行きます。

当然次第にそれが経済の成長拡大に負担になり、
それに歯止めがかかり、
やがてそれに耐えきれなくなって失速。

こういうこともあるのですが、
必ずそうなるわけではありません。

巧みに錘を重くして行ければ、経済の成長拡大は持続しますので、
当然政府もFRBも今後そうなるよう尽力することになりります。

現在のところ見通しはどうなのか。

まず当面の経済失速は考えられません。
少なくとも3%台には平気で耐えられるでしょう。

4%台となると当然負担が増すものの、
それでもなお失速してしまうようなことはないでしょう。

では、5%台は?

いまはそこまで考えることはないものの、
この水準になるとさすがに影響は免れない、といえます。

しかし前述したように、そこまで上がるにしてもまだまだ先のこと。
いまから案じるのは早すぎます。

で、現状ですが、
米国の長期債利回り上昇は、ドル高円安要因であるため、
東京市場にとってはたとえ米国市場が下げても、
円安がサポートしてくれるため、
米国市場ほどは下げない。

こんな展開になる確率が高く、

米長期債利回りの上昇は、
一部のアナリストたちがそれを米国経済の失速要因として、
強く警戒を促したとしても、東京市場にとっては、
さほどマイナスに働かない。

こう見て、冷静な対応をしたいものです。
円安で輸出関連株に買いが入りやすくなるからです。

上がらないまでも、下げにくい。

こんな展開が見込めますので、

長期債利回り上昇=株安。

こう単純反応しないようにしたいものです。


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