2017年08月22日

平田俊子「石を蹴る」について 8

 『第1聯・一行目「不用意に小石を蹴ってはいけない」とありますが、その理由を分かり易く説明しなさい』という課題が出ました。チーム ななお りの まな ディーン たお
ディーン
 『わたし』と『あなた』とは人同士だよね。だから言葉で世界を共有できるんだよね。だけど・・・小石とあなたは、言葉を共有していない。あれ? それじゃ、世界を共有できないよ。
ななお
 待って。でも、『石を蹴る』って、小石とわたしが関係を持つってことかもしれないよ。ほら、だって、この後、わたしと小石って切っても切れない関係になってない?
りの
 ほんとだぁ。そうだよ。『石を蹴る』って、小石とわたしが関係性を持ってしまうってことなんだよ。だから、覚悟を決めろよって話になるんじゃない?



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2017年08月21日

昼ながら幽かに光る(短歌十二首) 猖榾雄 4

猖榾雄の歌、三首について調べて発表する課題が出されました。
1.海底に夜ごとしづかに溶けゐつつあらむ。航空母艦も火夫も
2.棒高跳の青年天につき刺さる一瞬のみづみづしき罰を
3.馬を洗はば馬のたましひ冴ゆるまで人恋はば人あやむるこころ
チーム えりか すず ごう そうた
「海底に」について 
ごう
 歌の内容を散文的に辿ってみたいと思います。海底には、沈没した空母たちが横たわっています。ひっそりと、静寂と沈黙の中、空母たちは次第に腐食してゆきます。それを「溶けゐつつあらむ」と言ったと思われます。そしてそうやって朽ち果てて行くのは航空母艦だけではありません。空母と一緒に海底に沈められた乗組員たちも、そこでは同じようにイメージされています。艦船の心臓であるボイラーに火を送り続けた火夫たちの亡骸もまた、空母と一緒にその海底で腐って行きます。



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2017年08月20日

平田俊子「石を蹴る」について 7

 『第1聯・一行目「不用意に小石を蹴ってはいけない」とありますが、その理由を分かり易く説明しなさい』という課題が出ました。チーム ななお りの まな ディーン たお
りの
 まな、それ、えっと・・・待って。城崎先生のあの三角形の図の『関係性』っていう言葉、関係ないかな。
たお
 私たちの共有世界は、わたしとあなたとの関係性の上に成り立っている。共有世界は言葉を介して共有されている。言葉によって作り上げられた世界だ、確かそういう話だったよね。えっと、【ノートをめくる】ここだ。【みんなに図を見せる。】



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2017年08月19日

昼ながら幽かに光る(短歌十二首) 猖榾雄 3

猖榾雄の歌、三首について調べて発表する課題が出されました。
1.海底に夜ごとしづかに溶けゐつつあらむ。航空母艦も火夫も
2.棒高跳の青年天につき刺さる一瞬のみづみづしき罰を
3.馬を洗はば馬のたましひ冴ゆるまで人恋はば人あやむるこころ
チーム えりか すず ごう そうた
「海底に」について 
すず
語句の意味について発表します。「航空母艦」とあるのは、太平洋戦争で沈んだ空母を指していると思われます。大日本帝国海軍の赤城や加賀という空母だけではなくて、アメリカ軍のレキシントンやヨークタウンといった、戦争で沈んだすべての空母を指すと考えて良いようです。
「火夫」について調べたところ、次のような意味がありました。『 _个鬚燭人。火手。かまたき。◆ 柄デで)機関員の旧称。』です。ここでは△琉嫐、機関員の旧称と考えられます。
 猖榾雄さんは昭和16年、21歳で徴用されています。その後終戦まで呉海軍工廠に勤めていました。烈しいアメリカ軍の爆撃と、広島への原爆投下を20代前半で経験しています。ヒロシマのキノコ雲を実際に目にしたことも含めて、これらの戦争体験が、猖椶気鵑寮こΔ鮓るまなざしの基調となっていると言われています。



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2017年08月18日

平田俊子「石を蹴る」について 6

 『第1聯・一行目「不用意に小石を蹴ってはいけない」とありますが、その理由を分かり易く説明しなさい』という課題が出ました。チーム ななお りの まな ディーン たお
まな
 なんか、怖い。
ななお
 だね。何を試されるんだろう。
ディーン
 それが第2聯に書いてあるんだな。
りの
 小石を蹴って、放っておけなくなるって、どういうことかな。
まな
 なんか、特別な関係になっちゃったりして。



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2017年08月17日

昼ながら幽かに光る(短歌十二首) 猖榾雄 2

猖榾雄の歌、三首について調べて発表する課題が出されました。
1.海底に夜ごとしづかに溶けゐつつあらむ。航空母艦も火夫も
2.棒高跳の青年天につき刺さる一瞬のみづみづしき罰を
3.馬を洗はば馬のたましひ冴ゆるまで人恋はば人あやむるこころ
チーム えりか すず ごう そうた
「海底に」について 
そうた
まず始めに発表するのはこの歌です。
「海底に夜ごとしづかに溶けゐつつあらむ。航空母艦も火夫も」
この歌は、処女歌集「水葬物語」(昭和26年 1951年刊行)に収められています。初出は同人誌「Methode」(メトード)です。口語訳を言います。
海の底で、毎夜毎夜、静かに溶けていっているだろう。沈められた航空母艦も、そこに乗っていた火夫たちも
以上です。



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2017年08月16日

平田俊子「石を蹴る」について 5

 『第1聯・一行目「不用意に小石を蹴ってはいけない」とありますが、その理由を分かり易く説明しなさい』という課題が出ました。チーム ななお りの まな ディーン たお
りの
 「試される」ってどういう意味?
たお
 調べました。試すとは、「(1)実際にやってみて、力の程度・真偽などを調べ確かめる。試みる。「実力のほどを―・す」「性能を―・す」(2)実際に使ってみて、剣など武具の強さを調べる。「且は鎧の金をも―・し/保元(中)」これは『大辞林』です。
ディーン
 んー、(1)かな。武具じゃないねぇ。
りの
 うん。何かの力を試されるんだ。だから、覚悟を持って、小石を、蹴るなら蹴りなさいっていうことね。



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2017年08月15日

昼ながら幽かに光る(短歌十二首) 猖榾雄 1

猖榾雄の歌、三首について調べて発表する課題が出されました。
1.海底に夜ごとしづかに溶けゐつつあらむ。航空母艦も火夫も
2.棒高跳の青年天につき刺さる一瞬のみづみづしき罰を
3.馬を洗はば馬のたましひ冴ゆるまで人恋はば人あやむるこころ
チーム えりか すず ごう そうた
「海底に」について 
えりか
 猖榾雄さんについて発表します。
 塚本さんは歌人、詩人、評論家、小説家として活躍した人です。寺山修司さん、岡井隆さんとともに「前衛短歌の三雄」と呼ばれていたそうです。出身地は滋賀県です。おじいさんが近江地方一円にお弟子さんのある俳諧の宗匠、お師匠さんのことですが、宗匠だったそうです。始め、三菱商事に就職をして、サラリーマンになっていますが、お兄さんの影響で作歌を始めたそうです。1943年に地元の短歌結社「木槿(むくげ)」に入会します。以降、たくさんの歌集を発表しています。Wikipediaには80冊と書かれていました。
 第一歌集は1959年の「水葬物語」です。1949年に杉原一司さんと同人誌「メトード」を刊行するのですが、杉原さんは翌年亡くなってしまいます。その同志である杉原さんを追悼する歌を編んだものが「水葬物語」です。
 猖椶気鵑虜酩覆枠深娘妥で幻想的な比喩やイメージに溢れています。方法意識も際立っていると言われています。
 以上です。



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2017年08月14日

平田俊子「石を蹴る」について 4

 『第1聯・一行目「不用意に小石を蹴ってはいけない」とありますが、その理由を分かり易く説明しなさい』という課題が出ました。チーム ななお りの まな ディーン たお
ななお
 分かった。じゃ、病んでる説は撤回するよ。ゼロから読み始めます。これでいい?
りの
 さすが、ななちゃん。
ディーン
 じゃあ、考えよう。「不用意に小石を蹴ってはいけない」って言っているけど、何でだろう。
まな
 はい! 「あなたは石に試される」から。
ななお
 だよね。わたしもそう思うわ。



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2017年08月13日

昼ながら幽かに光る(短歌十二首) 釈超空 26

釈超空の歌、三首について調べて発表する課題が出されました。
1.葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり
2.たたかひに果てにし子ゆゑ、身に沁みて ことしの桜 あはれ 散りゆく
3.沓下ゆ出でたる指を 生き物の如く見て居り。悲しむにあらず
チーム ななお かすみ ふみの ディーン

「沓下ゆ」について
かすみ
 絶対ダメです。歌って良いことと悪いことがあります。
ディーン
 いや、歌って良いことと悪いことなんていう区別は、文学の世界にはないんだよ。私たちの共有世界の外にあるのが文学的世界なんだからね。
かすみ
 でも、いやです。えーん(泣きまねをする)
ディーン
 (笑い)と言うわけでした。以上で発表を終わります。



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2017年08月12日

平田俊子「石を蹴る」について 3

 『第1聯・一行目「不用意に小石を蹴ってはいけない」とありますが、その理由を分かり易く説明しなさい』という課題が出ました。チーム ななお りの まな ディーン たお
ななお
 詩は、私たちの当たり前のコードでは書かれていないの?
りの
 ななちゃん、復習してないな? 詩は私たちの共有世界の外を直接目指す言葉なんだよ。城崎先生、一年生の時からずっと言ってるよ。
ななお
 憶えてます。共有世界のコードが私たちのコードってことか。言われてみれば当たり前か。
まな
 なるほど。理解した。
たお
 だから、詩人が使っているコードを捜しながら少しずつ読んでいかないと、どんな詩でも、わかったって感じにはならないんだよね。



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2017年08月11日

昼ながら幽かに光る(短歌十二首) 釈超空 25

釈超空の歌、三首について調べて発表する課題が出されました。
1.葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり
2.たたかひに果てにし子ゆゑ、身に沁みて ことしの桜 あはれ 散りゆく
3.沓下ゆ出でたる指を 生き物の如く見て居り。悲しむにあらず
チーム ななお かすみ ふみの ディーン

「沓下ゆ」について
ディーン
 それでそういう眼で釈超空の歌を見るようになったんですが、もしこの歌が1914年頃の歌で、自分のことを慕って上京してきた教え子たちと同居生活をしている時の歌だったとしたら、「抒情のない抒情」ではないかもしれない、と感じたんですね。つまり「悲しむにあらず」というのは、全く反対の感情があることをほのめかしているのかもしれない、それをはっきりと言えないからムズムズする指を見ながら、ムズムズするような歌を歌ったのではないか、と思いました。ムズムズというのは、楽しくて仕方がない、という意味です。つまり可愛い子と一緒に生活できるんだから、極貧の生活なんてちっとも悲しくないんだ、という意味です。でもこの読み方は、女子チームから猛反対を受けて没になりました。



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平田俊子「石を蹴る」について 18

 『第1聯・一行目「不用意に小石を蹴ってはいけない」とありますが、その理由を分かり易く説明しなさい』という課題が出ました。チーム ななお りの まな ディーン たお
ななお
 え? みんな孤独死するの? それも変じゃない?
たお
 ちょっと待って、谷川俊太郎の「二十億光年の孤独」で、人間の本質的孤独のこと勉強したじゃない? あれ、今のディーンの言ってることと関係ないかな?
りの
 あ!
まな
 もう、脅かさないでよ。
りの
 そうだよ。たおの言ってること正しいよ。だって、本質的孤独は、この三角形の外の体験なんだもん!



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2017年08月10日

平田俊子「石を蹴る」について 2

 『第1聯・一行目「不用意に小石を蹴ってはいけない」とありますが、その理由を分かり易く説明しなさい』という課題が出ました。チーム ななお りの まな ディーン たお
ディーン
 よし、じゃ、ゆっくり説明するからね。よく聞いてね。記号は単独では意味を持つことが出来ないんだ。複数の記号が寄り集まって、互いに関係し合う中でやっと意味を持つことが出来るんだよ。その複数の集まりは、全体として記号が働ける枠組みを作っている。その枠組みのことをコードって言うんだ。先生はコードというのは言葉の一覧表だって説明したことがあったけど、本当はもう少し複雑で、コードの外に出てしまうと、言葉は意味を失ってしまう。コードが僕たちの中にちゃんとあるから、僕たちは言葉の意味を理解することが出来るんだ。例えば、机と椅子と教科書とノートと筆記用具というような言葉の群れとその使われる場である教室について知っているから、僕たちは机のことも椅子のことも教科書のことも理解できるんだ。そういう言葉が働ける枠組のことをコードって呼ぶんだよ。



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2017年08月09日

昼ながら幽かに光る(短歌十二首) 釈超空 24

釈超空の歌、三首について調べて発表する課題が出されました。
1.葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり
2.たたかひに果てにし子ゆゑ、身に沁みて ことしの桜 あはれ 散りゆく
3.沓下ゆ出でたる指を 生き物の如く見て居り。悲しむにあらず
チーム ななお かすみ ふみの ディーン

「沓下ゆ」について
 これは「ハチは知っている」というブログに書かれていて、國學院大學と折口信夫のことを書いているんですが、結構読んでびっくりしてしまいました。今でこそ、ゲイは当たり前に世の中が受け入れていると思いますが、明治大正昭和の前半をゲイとして生きるのはなかなか大変だったのではないか、と思います。
 前に発表した折口春洋のことも、mixiユーザー(id:20556102)さんが日記にこう書いていました。
「迢空の養子にして恋人、あるいはつれあい、と言うべきか。」と書いていて、目が点になりました。



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2017年08月08日

平田俊子「石を蹴る」について 1

 『第1聯・一行目「不用意に小石を蹴ってはいけない」とありますが、その理由を分かり易く説明しなさい』という課題が出ました。チーム ななお りの まな ディーン たお
ななお
 この詩、変な詩じゃない? 病んでるよね。特に最後の方。
まな
 んー、そうだねえー・・・
りの
 でも、詩は変な言葉で書かれるものだから、言葉の奇妙さに騙されちゃいけないんだよ。
たお
 わたしもそう思う。私たちの当たり前のコードでは書かれていないんでしょう?
ななお
 コードって何?
ディーン
 コードについてはちゃんと調べたよ。
まな
 ディーン、教えてたもれ。



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2017年08月07日

昼ながら幽かに光る(短歌十二首) 釈超空 23

釈超空の歌、三首について調べて発表する課題が出されました。
1.葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり
2.たたかひに果てにし子ゆゑ、身に沁みて ことしの桜 あはれ 散りゆく
3.沓下ゆ出でたる指を 生き物の如く見て居り。悲しむにあらず
チーム ななお かすみ ふみの ディーン

「沓下ゆ」について
ディーン
 今のかすみちゃんの発表がチームとしての結論なんですが、ぼくは一人だけ異論を唱えていました。
 色々調べていて、折口信夫さんは男色でゲイだった、という記事を見つけました。
 こんな記事です。読んでみます。
 「医者であった父親が家の中で母親、母の妹、出入りの芸子と同居し関係を持つという複雑な環境で育つ。また色白で虚弱体質のうえ、右眉毛付近に青痣があったため、身体的劣等感も強かった。それらの事情からか、非常にストイックな性格で、学生時代には自殺未遂を繰り返し、赤面症で、ゲイで同性愛者(相手には必ず眼鏡と坊主頭を要求した)であり、コカイン中毒で、自分の本当の母親が他にいるのではないかという妄想(=来歴否認または孤児妄想といわれる)にとりつかれていた。」



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2017年08月06日

2005「シャガールと木の葉」 149

「祖母」
第6聯「祖母が腰をのばして陽だまりに立っている/その姿は永遠だ/この騒がしい星の上で」
 陽だまりに立つ祖母の姿は、その為に永遠となる。静まり返った永遠だ。今と感謝に満ちあふれた永遠だ。この騒がしい星から遠ざかって、今と感謝に満ちあふれた永遠は、祖母と見つめるわたしとを包み込む。
 「その」という指示語が邪魔をして、最終聯の力を削いでいないだろうか。「この」も同時に距離を持ち込んでいる。
「祖母が腰をのばして陽だまりに立っている/姿は永遠/騒がしい星はとおざかり」なんていう風に、第6聯の世界が私自身には感じられる。勝手な読み方なのだけれど。



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2017年08月05日

昼ながら幽かに光る(短歌十二首) 釈超空 22

釈超空の歌、三首について調べて発表する課題が出されました。
1.葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり
2.たたかひに果てにし子ゆゑ、身に沁みて ことしの桜 あはれ 散りゆく
3.沓下ゆ出でたる指を 生き物の如く見て居り。悲しむにあらず
チーム ななお かすみ ふみの ディーン

「沓下ゆ」について
かすみ
 この歌の特徴は抒情が何処にもないというところです。歌の中でも、「悲しむにあらず」と言っています。私たちは不思議な空白の感覚を歌っているのではないかと思いました。
 三句目の「生き物の」四句目「ごとく見て居り」と見わたすと、「o音」が連なるのが分かります。「も」「の」「の」「ご」「と」「を」の六つの「o音」が、重く響いていると思いました。指は目の前で動かされているのだと思います。けれども、それを見ている歌人の心が止まっているのかもしれません。重く止まったまま動かないのではないかと思いました。そのおもしろみを捉えた歌ではないかと私たちは考えました。中心は三句目と四句目です。
 山本健吉は「ユーモラスに聞こえて、しかも人間という生き物のやる瀬なさが迫ってくる。」と述べているそうです。



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2017年08月04日

2005「シャガールと木の葉」 148

「祖母」
 そうだ、第1聯には「祖母の母」が登場していたのだ。第5聯はそれに対して「孫たち」なのだ。つまり時間はこれから先へと向かってゆくのだ。古ぼけてきた祖母の人生は祖母の人生の終わりを暗示する。ところが時間と空間は彼女の人生の範囲で終わらずに孫たちの時間と空間に受け継がれてゆくのだ。ちょうど祖母の母から彼女が眉を受け継いでいるのと同じように、孫たちも彼女の生を受け止めて時間と空間を引き延ばしてゆく。



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