2018年11月07日

田村隆一「帰途」について 9

『「言葉なんかおぼえるんじゃなかった」という一行は、後悔のように聞こえます。そして作品全体も、言葉の無い世界を空想してみると、その世界はとても願わしい世界だと言っているようにも聞こえます。本当にそうなのでしょうか。本当に詩人(ぼく)は、言葉のない世界を望ましいと感じてそう言っているのでしょうか。その点について、各チームの意見をまとめて発表しなさい。』という課題が出されました。
ななお
 ほんとにそうだね。言葉がなかったら、立ち去るんだよね。言葉をおぼえたから、立ち止まるし、帰ってくる。だからおぼえなきゃ良かった、って言ってるの? やっぱり面倒くさいんじゃ・・・?
とうり
 そうか。分かってきた。言葉があるから、「涙」や「血」の意味を共有できて、理解できるんだ。意味が分かるからこの人はその「涙」や「血」を無視して離れてゆくことができないんじゃない? 第3聯の2行のあとに「ぼくたちの世界にもし言葉がなかったら/ぼくはただそれを眺めて立ち去るだろう」が入ると、「涙」の意味の流れも「血」の意味の流れも分かり易くなると思う。なんか、同じことをそれぞれ2回、繰り返しているみたいだな。



osakabekenshou at 21:30│Comments(0) エッセイ | 

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