むかしむかし、ある所にお爺さんとお婆さんがいました。

良くある、昔話の冒頭です。

そうしたお話よりも、もっと、昔話をしましょう。

むかしむかし、ある所には、物質と呼ばれる存在など、ありませんでした。

物質と呼ばれる存在など、ありませんでしたから、誰も年老いず、誰も死なず、食べなくとも寝なくとも良かったのでした。

ですので、お爺さんもお婆さんも居ませんでした。

食べなくとも良いので、誰も争いませんでした。

みんな、とても幸せでした。

好きな人と、いつまでもずっと、一緒に居られたのでした。

今、地上の人々は不幸です。
それは、物質の世界で生きているからです。
物質の世界で生きている限り、幸せにはなれないのでした。

むかしむかし、みんな、幸せでした。
人間の登場: 霊魂が示した新しい神話


水波一郎
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のるか&そるか

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