シリーズを 制して晴らす 秋の空


「円城寺 あれがボールか 秋の空」
昭和36年(1961年)に開催されたプロ野球日本選手権シリーズを題材にした詠み人知らずの一句です。後楽園球場で行われた第4戦9回裏2アウト2ストライクの場面で南海ホークスのジョー・スタンカ投手が投じた勝負球を円城寺満球審が「ボール」と宣告し、猛抗議も翻らず次の投球を打たれて逆転サヨナラになってしまい、2勝2敗のタイになるはずが巨人が王手をかけてしまったという大きな判定があったことが日本シリーズの歴史の1つと伝えられています。

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阪神電車の神戸三宮駅に乗り入れた8両編成の近鉄9020系(奥)です。手前側の車両は9820系と思われます

あれから59年経った今年の「SMBC日本シリーズ2020」は奇しくも同じ顔合せで南海ホークスを引き継いだ福岡ソフトバンクホークス対読売ジャイアンツとなりました。しかも巨人のホームゲームが京セラドーム大阪で開催されることでホークスが大阪で日本シリーズを戦うことになったのです。

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近鉄9020系(左)と9820系の連結部です(神戸三宮にて)

京セラドーム大阪は前身の阪急ブレーブスが近鉄バファローズと合併して誕生したオリックス・バファローズの本拠地であり、最寄駅は阪神なんば線のドーム前駅なので、南海・阪急・近鉄・阪神がホークスの健闘を祈っているのではないでしょうか?

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神戸三宮駅2番線の端まで使う8両編成の近鉄車両です

京セラドーム大阪で日本シリーズが開催されるのは平成13年(2001年)以来19年ぶりで、当時の大阪近鉄バファローズがパ・リーグ覇者として球団初の日本一に挑みました。ただし阪神なんば線が未開通だったことで近鉄沿線から近鉄電車で直接乗りつけることが出来ず、悲願のシリーズ制覇は叶いませんでした。

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近鉄9020系の車内です。ロングシートが配置されています

歴史にタラレバは禁物ではありますが、もし平成13年当時に阪神なんば線が開業済だったら「シリーズ21」と称される近鉄9020系・9820系が大活躍したことでしょう。シリーズ21は「人にやさしい・地球にやさしい」をキーワードに21世紀のスタンダードを目指して平成12年(2000)年に登場した車両です。平成13年には鉄道友の会よりローレル賞を受賞しました。

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取材対象は近鉄奈良方先頭車9122で、ローレル賞プレートが取付けられています

シリーズ21の大きな特徴は、ロングシートの扉付近が両肘掛け付シート「らくらくコーナー」になっていることです。高齢化社会への対応とされていますので、一瞬座るのをためらってしまいますが、かと言って先にその隣に座って肘掛けを占有するのも気が引けてしまい、初見だと非常に迷って「らくらく」には程遠い状態となるのです。

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近鉄の車両は奈良方に優先座席が設定されていますが、上の写真では左側のみが優先座席となっています

今日の日本シリーズ第2戦はホークスが13得点で大勝、日本一まであと2勝としました。まるで近鉄のいてまえ打線と阪神のダイナマイト打線が乗り移ったようによく打ちました。福岡で日本一が決まって京セラドームには戻ってこない可能性が大きいですが、日本シリーズは何が起こるか分かりません。我々野球ファンは口が滑っても「巨人は○○より弱い」とは言わないようにしましょう。

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「らくらくコーナー」を正面から撮影しました

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先頭に最も近い「らくらくコーナー」からは前面展望もなんとか見ることが可能です。地下区間から出ると秋の空がきれいでした

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甲子園駅にはホームを覆うドームが設置されています

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武庫川駅で取材を終了しました

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近鉄大阪線では2610系(左)と連結する9020系に遭遇したことがありました(青山町にて)

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平成28年(2016年)当時の9051の車内です

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急行で青山町から大阪上本町までの利用でも「らくらくコーナー」なら大丈夫でしょうか?

では、魚を捕まえに行ってきます!