インフレの続くこの国で、今店舗経営者の悩みは販売価格の引き上げが難しいことです。コロナ以降、価格を引き上げに失敗して店舗を閉じた例はいくつもあります。材料の仕入れ価格は上がり続けていますから、販売価格を上げないと経営は行き詰ります。
そ んななか2度の引き上げをしながらも、昨年2月以降21カ月連続して月次売上高が過去最高を更新しているのが「餃子の王将」です。フランチャイズ本部としても有名な王将ですが、事業展開の難しいインフレのなか確実に上向きの経営を進めています。
会社側の発表によりますと、好調の原因の一つは餃子を焼くプレート板を大幅に見直したことが大きいようです。3年に渡って自前のプレート板作りを進めていました。それが完成し本社負担で全店での導入が完了したようです。
一方ソフト面の調理に関しても、王将調理道場においてスタッフ誰もが、どこでも同じ味を再現できる社内教育に力を入れてきたこと。ともするとフランチャイズ本部は、加盟店開業前の教育には力を入れても、開業後に本格的なスタッフ教育や調理機器の改良は少ないです。
興味深いのは、王将の場合本部直営店が545店、フランチャイズ加盟店が186店。大体3:1の割合で出店しています。飲食店の場合、直営店の多いフランチャイズは上手くいくと云われますが、2:1や3:1あたりの比率が理想かも知れません。
【ひとり言】
フランチャイズ本部を比較するとき、単に現在の売行きばかりを比べないで本部内での新商品や新たな仕組みの導入を比べることも大事です。定期的に新たな仕組みを投入する能力のある本部は、今後の成長が期待できます。本部の中には、創業の時の商品をそのまま何年も変わらずに売っている本部もありますから、目先の売上げあけでなく経営内容にも注意が必要です。

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