わが国のコンビニエンスストア業界は、セブンイレブン、ファミリーマート(ファミマ)、ローソンの3社がほぼ市場を独占してます。なかでもセブンは、1996年に首位になって以降ほぼ独占的に断トツの1位を守ってきました。ところがここにきて異変が起きています。
24年3〜11月期のコンビニ本業の利益が、セブンは1829億円、ローソンが829億円、ファミマは733億円です。金額だけはセブンが断トツですが、前年同月比の増減率ではローソン10.1%、ファミマ0.8%に対してセブンは−8.1%です。一人負けの状態です。
コンビニ店オーナーにとっては最も関心の高い日商額にいたっては、ローソン+4.3%、ファミマ+1.7%に対しセブンはー0.2%です。どう見てもコンビニ業界全体が不振なのではなく、セブンの一人負けの気配が強いデータになっています。
その原因も、プラス組の2社のうちローソンは人気だった「悪魔のおにぎり」を復活させたり、チキン総菜「からあげクン」を抽選で無料提供があったり。ファミマにしても「背徳飯」が事業最高利益を上げるなど、コンビニ店での買い物にワクワク感を取り戻して成功しています。
一方セブンはというと、カナダのコンビニ会社から買収提案をされ下手をすると買収されるか、創業の伊藤家に買い取られるか微妙な立場。最近はセブンの商品は高いという声もお客さんからよく言われるようです。1強2弱と言われたコンビニ業界に変化が生まれる可能性も出てきました。
【ひとり言】
カナダからセブンに最初に買収提案を受けた時、セブン側からの返答は「当社の本源的価値およびそれら価値を顕在化する機会を『著しく』過小評価しています」 あたかも評価を高くして金額を引き上げるなら考えますと聞こえます。セブンはこのあたりから、対応の仕方を大きく踏み違えているように思います。2弱の2社には是非今の順位をひっくり返してもらいたいものです。

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