フランチャイズによる初めての開業

フランチャイズビジネスは、加盟前の開業ノウハウの習得と本部選択の段階で5割以上の成功、失敗が決ると云われます

2014年10月

フランチャイズとスポーツビジネスとのつながりは・・

 2020年夏季東京オリンピックの開催が決まって、スポーツや運動を提供するビジネスで開業を目指す人が急に増えています。

 元々高齢化の進む日本は、健康に対する意識が高い国です。そこにオリンピック開催が決まりましたから、スポーツや運動への関心が高まります。

 開業を目指す人は、この国民の心の動きを捉えて、ビジネスに結び付けることを考えた結果が、最近の開業志向と見受けられます。

 フランチャイズビジネスでのスポーツ、運動関連と言いますと、フィットネスジム、女性向け30分フィットネス、子供向け運動教室、野球、サッカー、ゴルフ教室、中古の運動器具店などが上げられます。

 例年、フランチャイズショーには、この種の提供会社が出展していますが、2年くらいの出展が限界で長く続きません。

 フランチャイズではない独立企業でもスポーツ教室の経営は厳しいですから、フランチャイズではますます苦しい経営になるようです。

 ただ、次第にスポーツビジネスが定着し、学習塾のように経営スタイルが確立しますと、将来が楽しみなビジネスでもあります。

【一言】

 フランチャイズの運動ビジネスで、唯一安定してお客さんを集めているのが女性向け30分フィットネスです。最大手企業は、加盟店を1300店以上出店しています。わが国は、フィットネス人口が米国の5分の1以下で、まだまだ伸びる余地があると言われます。オリンピックムードの中で、今後の拡大が期待されます。

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日本マクドナルドの加盟店の悲鳴が聞こえそう

 日本マクドナルドは、10月8、9日の両日、全国のフランチャイズ加盟店オーナーを集めての臨時説明会を開きました。

 日本マックの9月の既存店売上高は前月比−16.6%ですから、オーナーとしては本部に対し緊急の対策を求めています。他の外食産業に比べても、断トツに売上げを落としています。

 このところの売上げ減は、仕入先の中国企業が期限切れ鶏肉を使用していたことが、業績悪化の原因とされています。

 ただ、日本マックが不人気な理由には、仕入先の中国企業ばかりでなく他にも多くの問題点を抱えています。

 一番大きいのは、やはり店舗数が多すぎること。日本市場で出店するには、飽和点を超えています。一般的に、フランチャイズ店の場合は1000店が限度とされてきました。

 日本マックの場合は、3000店を超える店舗を国内に抱えています。しかも、本部の管理がしやすいように、大型店ばかりを揃え始めたころから経営が厳しくなっています。

 今年初めまで、前原田会長が直々に加盟店オーナー希望者を集め、フランチャイズ加盟を呼びかけていました。今になって、こんなに経営不振が続くとは夢ゆめ想像しなかったと思います。

 日本マックは好調期が長かっただけに、これからの不調が簡単には終りそうにありません。他の大規模フランチャイズについても、この心配はついて回ります。

【一言】

 フランチャイズで店舗数が800店を過ぎるような大型本部への加盟は注意したほうがよいです。コンビニはとっくに飽和点を過ぎていますが、他のフランチャイズでも多くの加盟店を抱えて身動きの取れなくなった本部はあります。世間も、フランチャイズもほどほどが良いようです。

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オーナーの立場を守ってくれるのは誰なのか

自分で起業するのは難しいけれど、フランチャイズに加盟してフランチャイズ本部から経営を教えてもらえるなら、開業も大丈夫と思っている希望者は大勢います。

 本部もフランチャイズ募集の時には、会社経営の経験がなくても開業は大丈夫ですとPRしています。

 今年8月、加盟店オーナーを辞めたSさんからメールを貰いました。彼は会社経営の経験がなくても大丈夫の本部の言葉を信じ、開業した一人です。

 その彼がオーナーを辞める原因は、スタッフとのトラブルです。一度目は、5月に店の売上入金が減っていたことです。

 彼は、フランチャイズの居酒屋を経営していましたが、ある日売上金が3万円ほど減っていることに気付きました。3人いるスタッフに聞いても、誰も知らないと言います。

 その1週間後にも、伝票上の売上げと入金と間に3万円不足していました。 このまま見逃しては大事になると思ったSさんは、スタッフ一人ひとりから聞き取りをしました。

 そんなときいきなり本部から呼び出しを受け、スタッフから「泥棒呼ばわりされている」と言った苦情があり、厳しく注意されました。売上金不足の話しても、本部の担当者は「自分で処理して」だけです。

 7月には、スタッフの残業を巡り、再度トラブルになりました。所定の時間より10分ほど延長して仕事をしてもらったことで、スタッフはサービス残業と騒ぎ本部に言いつける始末。

 オーナーのSさんと、スタッフ3人が対立する構図ができてしまいました。 他にも揉め事が続き、Sさんは加盟店オーナーとして不適格ということで、本部からオーナーを解約されてしまいました。

 「確かにわたしの行動にも問題はありましたが、契約を解約するのは不当じゃないですか」がSさんの主張です。こんなことでオーナーの首が切られますと、安心してフランチャイズオーナーになれません。

【一言】

 現在社会の流れは、ブラック企業を摘発する動きが起きていますから、フランチャイズ本部はスタッフとのトラブルを嫌います。決して、オーナーの味方ばかりをしてくれません。そのため、加盟店オーナーも、自分のポジションを本部は守ってくれませんから、自分で守るしかないです。

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不安定と安定のどちらを取るかで開業も変わる

 日本は、世界で最も「不確実性回避型」文化の国と言われます。確実や安定することが大好きで、不確実や不安定なことは避ける国民性があります。

 学生の多くは大手企業への就職を希望しますし、社会の決めゴトも大企業を中心とした発想をしがちです。

 中高年になると、老後の安心、安定ばかりに関心が向かい、残念ながら多くの人が望む安心、安定は逃げ水のように、目の前に現れては消えます。

 今から100年以上昔のことです。当時、欧米では飛行機安心開発に凌ぎをけずっていました。一昔前の宇宙開発競争のように、誰が長い距離を飛ぶ飛行機を作るかが関心事でした。

 誰もが、機体を安定して飛べる構造作りに専念するなか、米国にまったく逆の発想で飛ばそうとする人が現れました。ライト兄弟です。

 彼らは、機体を安定させることを諦め、最初から空中で不安定なままでも、操縦する人間の技術によって安定を保つことを考えました。

 これが現在の飛行機の基本的発想で、詳しいことは佐貫亦男著「不安定からの発想」(講談社学術文庫)に載っています。

 この発想は、人間が生きていくうえでも同じことが言えると思います。安定を求めだしますと、際限なく安定を求めますし、不安定に慣れますとそこそこ楽しい人生が送れます。

【一言】

  開業も飛行機作りに似ています。上手く飛び続けてくれるといいですが、失速して落下することも決して珍しくないです。そのため、誰もが開業に向いているとは思えません。よく考えて、発想の転換のできる人は、不安定の中の安定を探すことも悪くないです。

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セブンに対する「見切り販売」の最高裁判決

 セブン−イレブン加盟店とセブン本部の間で係争が続いていた、廃棄前の弁当を値下げする「見切り販売」に対して最高裁の判決がでました。

 最高裁は、加盟店オーナー4人の訴えを認めた東京高裁の判決を支持し、セブン本部の上告を退ける決定をしました。これで、加盟店は堂々と見切り販売をすることができます。

 本来、廃棄する弁当の損害は加盟店が被る仕組みになっています。本部はまったく懐は痛まないけれど、セブン−イレブンのイメージを落とすという理由で認めていませんでした。

 今から5年前には公正取引委員会も、見切り販売を制限しているとして、セブン本部に対し、優越的地位の乱用による独禁法違反で排除措置命令を出しています。

 問題なのは、裁判に勝ったことで加盟店の立場が変わるかと云う点です。現在のように、箸の上げ下ろしまで、本部に干渉される経営を続けるしかないのかと言うことです。

 残念ながら本部は、加盟店契約の期限には更新を拒否する権利があります。裁判で訴えられていた本部は、担当者を通じ更新拒否を告げていたと云う証言もあります。

 この問題の背景には、明治時代に公布された民法の契約事項が今も生き続け、本部と加盟店との間には、対等な取引が行われていない事情があります。

 また、この3年ほど本部は加盟店出店を大幅に増やしてきましたが、消費市場でコンビニ店が飽和状態になっている問題も影を落としています。

 コンビニ加盟の難しい事情は色んな局面で顔を出します。最高裁で勝ったことで、一概に喜べない加盟店の経営はますます厳しいです。

【一言】

 コンビニ市場は、このところ大きな変化が続いています。セブン、ローソン、ファミマの3強と言われてきましたが、ファミマが脱落しそうな気配で、2強時代に変わりそうです。アルバイト店員の不足は深刻で、オーナー家族が深夜勤務を行うのは常態化しています。各店舗の売上げが、徐々に下がる基調が続いています。本部ばかりが儲かり、加盟店はカツカツの経営を強いられる事情は変わりません。

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