2021年11月05日

2022年4月診療報酬改定に関連して、医療技術評価分科会での評価状況資料が厚生労働省HPに掲載された。

令和3年度第1回診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会 議事次第令和3年11月4日(木)10:00〜於 オンライン開催

医療技術評価分科会における評価の対象となる技術(案)診調組 技-1-2によると、「学会等から医療技術評価分科会に提案書の提出があった技術 」 は 908 件であった。
 ⓵うち、医療技術評価分科会における評価の対象となるもの 754 件 (日本病理学会要望 8件)
 ⓶うち、医療技術評価分科会における評価の対象とならないもの 154 件 (日本病理学会要望 1件)

⓵学会等から医療技術評価分科会に提案書の提出された技術のうち、医療技術評価分科会における評価の対象となるもの(日本病理学会分は以下の8件)

◎ 未 712101 連携病理診断診療情報提供料 日本病理学会 3475 (*1)(*2)
✕ 未 712102 病理診断デジタル化加算 日本病理学会 3480 (*3)
✕ 既 712201 病理診断料 日本病理学会 3485
✕ 既 712202 施設基準通知 第84の3 100分の80の廃止 日本病理学会 3489 (*4)
✕ 既 712203 連携病理診断の体制強化 第84の3 施設基準の見直し 日本病理学会 3494
? 既 712205 がんゲノムプロファイリング検査のための病理組織標本作製等 日本病理学会 3504
✕ 既 712206 センチネルリンパ節生検 日本病理学会 701201と重複。 3509
✕ 既 712207 病理診断管理加算 日本病理学会 3514

⓶学会等から医療技術評価分科会に提案書の提出のあった技術のうち、医療技術評価分科会における評価の対象にならないもの
(≒ペンディングになった病理学会要望)
✕ 既 712204 悪性腫瘍病理組織標本加算 日本病理学会 制度や指導管理、基本診療料等に関する提案。 3499 (*5)

(参考:日本臨床細胞学会)
✕ 未 728102 婦人科子宮頸部細胞診自動判定支援加算 日本臨床細胞学会 4082
✕ 未 728103 細胞診精度管理料 日本臨床細胞学会 4087
✕ 未 728104 国際標準病理診断管理加算 日本臨床細胞学会 4091
✕ 既 728201 細胞診断料の見直し(婦人科細胞診への適用) 日本臨床細胞学会 4095
✕ 既 728202 迅速細胞診(検査中の場合)、適応疾患の拡大 日本臨床細胞学会 4100
✕ 既 728203 免疫染色、細胞診標本への適用拡大 日本臨床細胞学会 4105
✕ 既 728204 液状化検体細胞診加算の見直し 日本臨床細胞学会 4109
✕ 既 728205 迅速細胞診(検査中の場合)、乳腺、甲状腺への適用拡大 日本臨床細胞学会 4113

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今後、委員による事前評価を経て、第2回医療技術評価分科会としての評価結果が取りまとめられ(令和4年1月予定)、中医協に報告される。
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行頭の◎、✕は医療技術評価分科会(2022/01/18)における評価。◎は評価の方向、✕は評価対象外。?は「中医協総会において、当該提案の全部又は一部に係るテーマについて議論が行われている。」とされたもの。

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厚生労働省 令和4年度診療報酬改定についても参照ください。

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(*1)診療報酬増減額は病理判断料削除費用を反映させていないもよう。(80億円を超えるようなことはない)

(*2)判断料とは言っても、細胞診判断料には婦人科医による検体検査評価が含まれている。細胞診判断料については減額できないのではないか。(婦人科細胞診と非婦人科細胞診について診療報酬は別建てになっているを思い起こす必要はないか)

(*3)要望資料ではWSI装置について、管理医療機器兇前提になっている。すでに連携病理診断をデジタル画像で実施する場合は、WSI装置は医療機器認証を必要としないので、二重基準(double standard)を要望していることになる。また過去に国や自治体の助成金で購入した多数のWSI装置(医療機器ではない)は使えないことになる。(医療政策やデジタル政策は政府内部で各論が揃わないことがある)

(*4)100分の80の要件は、検査センターで標本を作製する場合、連携病理診断の施設基準1回目申請時に問題になる。連携病理診断の施設基準を得た後は、連携病理診断を追加するとき、送付側・送信側が連携病理診断の施設基準を提出するが、受取側・受信側が追加して提出する必要はないので、100分の80が問題になったことはない(地方厚生局等によって異なるかも)。
医療機関で作製した標本やホルマリン材料を病理診断科で標本化すれば、100分の80要件は気にしなくて済む。

(*5)そもそも悪性腫瘍病理組織標本加算は施設基準届出が必要。「再評価が必要な理由」にある不具合はない。地方厚生局担当者によって、理解が異なる可能性があるので、以下の資料を担当者に示してはいかがか。
中医協第488回 主な施設基準の届出状況等 中医協総-13-1 3.9.15を見ると、平成30年から診療所 保険医療機関が悪性腫瘍病理組織標本加算を届出ている医療機関数は7件以上あり、漸増している。

(c)SHIMADA, DPJ, 2021 
(起稿:2021/11/05 改訂:2021/11/06, 2021/11/09, 2021/11/11, 2022/01/21)

(23:03)

2021年07月01日

保険医療機関を届出ている診療所(*)のうち診療科名に 病理 の文字が含まれているものを調査しました。
病理診断科のみでの開業よりは、他の科目に病理診断科を追加している施設のほうがが多いようです。(一覧には、保険診療が成立しえないものも含まれている可能性がありますので、ご留意ください)
また、一覧に記載のない、病理診断科を標榜しながら保険医療機関の指定を受けていない病理診断科診療所も知られています。

これらの病理診断科診療所が行う連携病理診断について、診療報酬が正しく評価されるように、診療報酬改定を待っております。

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郵便番号順。
記載は
No. 
郵便番号 医療機関所在地
 医療機関名称 管理者氏名 (診療科名)
の順。

1
〒001−0021 札幌市北区北21条西4丁目2−25 セゾン・ドゥ・ブランシェ北21条 1階
 札幌皮膚病理診断科 阿南 隆 (病理)

2
〒064−0801 札幌市中央区南1条西22丁目2−23  ケイキ円山701
 SPC病理診断科 近藤 信夫 (病理)

3
〒103−0012 中央区日本橋堀留町一丁目1番3号  パインクレストビル5階
 中央病理診断科クリニック 日本橋本院 木口 英子 (病理)

4
〒104−0031 中央区京橋三丁目1番1号  東京スクエアガーデン4階・6階
 医療法人 鉄蕉会 亀田京橋クリニック 岸本 誠司 (内 腫瘍内科 感染症内科 糖尿病内科 乳腺外科 婦 外 心外脳外 整外 ひ 放 歯外 呼内 呼外 病理 循環器内科 腎臓内科 形成・美容外科 消化器内科 消化器外科 耳い)

5
〒105−0004 港区新橋六丁目23番7号  新橋TSビル6階
 病理診断科 パス・リンク 鷹橋 浩幸 (病理診断科)

6
〒112−0003 文京区春日二丁目11番 8号304  藤和春日ホームズ
 ようようインターナショナルクリニック 楊 陽 (内 病理診断科)

7
〒145−0065 大田区東雪谷二丁目16番1号  ホワイトハイム石川台 1階
 仁小児科 村上 仁彦 (小 病理)

8 〒151−0051 渋谷区千駄ヶ谷一丁目2 3番12号 イルカクリニック
 三浦 一郎 (内 病理診断科)

9
〒153−0042 目黒区青葉台一丁目27番10号  アーベイン青葉台3階
 中目黒医院 加藤 洋 (内 ひ 消化器内科(内視鏡) 大腸・肛門外科 病理診断科)

10
〒181−0012 三鷹市上連雀四丁目3番 3号  川口ビル1階 
 医療法人社団 千実会 あきやま子どもクリニック 秋山 千枝子 (小 精 乳腺病理診断科)

11
〒182−0005 調布市東つつじケ丘三丁目53番地11 
 東つつじケ丘 さくらクリニック 神谷 増三 (内 老人内科 糖尿病 内科 脳外 病理)

12
〒204−0004 清瀬市野塩5丁目280番地2
 酒田クリニック 酒田 一秀 (内 心内 婦 皮小 神内 精 産 外 漢方内科 老年内科 病理診断科 消化器内科 消化器外科 肛門外科)

13
〒205−0003 羽村市緑ケ丘三丁目16番地9  公園通りビル101
 DPJ細胞病理医院 島田 修 (病理)

14
〒231−0021 横浜市中区日本大通58  日本大通ビル
 神奈川県予防医学協会中央診療所 小林 理 (内 呼内 婦 外整外 ひ 放 病理 消内 循内 乳外)

15
〒261−0002 千葉市美浜区新港32− 14
 公益財団法人ちば県民保健予防財団  総合健診センター 鈴木 公典 (内 呼内 婦 放呼外 病理 他)

16
〒273−0031 船橋市西船4−20−5  三和ビル5階
 医療法人社団三立会  千葉病理診断科クリニック 大村 光浩 (病理)

17
〒329−0403 下野市医大前三丁目7番地15
 東日本病理診断科医院 廣田 紀男 (病理)

18
〒362−0015 上尾市緑丘3丁目3−1 1−2  PAPA上尾ショッピングアヴェニューB棟2階
 埼玉みらいクリニック 岡本 宗史 (内 皮 整外 病理 呼内)

19
〒371−0005 前橋市堀之下町16−1
 公益財団法人群馬県健康づくり財団診療所 茂木 文孝 (内 消 外 婦放 病理)

20
〒376−0601 桐生市梅田町1−22− 2
 藤井医院 正和 信英 (内 小 病理診断科)

21
〒422−8006 静岡市駿河区曲金3−5−5
 静岡曲金クリニック 真砂 園真 (内 皮 アレ リウ 病理 他)

22
〒450−0002 名古屋市中村区名駅4− 6−23  第三堀内ビルディング13階
 ゆうこ乳腺クリニック名駅 落合 裕子 (他 病理)

23
〒457−8511 名古屋市南区白水町8
 だいどうクリニック 宇野 雄祐 (内 他 精 リウ呼内 小 外 整外 脳外 皮 ひ 産婦 眼 耳い 放 臨床 病理 小外 形外 リハ)

24
〒458−0924 名古屋市緑区有松300 3
 つつみ病理診断科クリニック 堤 (病診)

25
〒501−0296 瑞穂市穂積1851番地の1
 朝日大学医科歯科医療センター 藤原 周 (内 整外 病理)

26
〒510−0303 津市河芸東千里155番 1
 ゆう心のクリニック 小塚 優子 (心内 精 病理)

27
〒520−0852 大津市田辺町15−39  メディシャン フローエ 2F
 大津病理診断科 山田 英二 (病理)

28
〒525−0057 草津市桜ケ丘4−7−1 0
 草津病理アカデミー 「桜ヶ丘病理診断クリニック」 天野 殖 (病理)

29
〒541−0041 大阪市中央区北浜二丁目 1番7号  EDKビル8階
 医療法人 アストロイノベーション 淀屋橋クアトロアールクリニック 菅野 渉平 (病理)

30
〒553−0007 大阪市福島区大開1丁目 13番8号
 医療法人英仁会 大阪ブレストクリニック 芝 英一 (一般 外 婦 形外 放リハ 麻 病理)

31
〒564−0036 吹田市寿町1丁目4番1号
 医療法人鳳樹会 杉本憲治クリニック 山下 博司 (内 胃 病理)

32 
〒600−8474 京都市下京区西洞院仏光寺上る綾西洞院町760西洞院ビル3階
 医療法人 和行会  西洞院仏光寺クリニック 岡部 友子 (内 病理)

33
〒603−8445 京都市北区鷹峯藤林町6−9
 鷹峯雑賀診療所 雑賀 シン子 (内 小 病理)

34
〒604−8106 京都市中京区堺町通御池下る丸木材木町676番地SHICATA HU IT BLD
G7階
 医療法人堺町御池病理診断科クリニック 原田 大輔 (病理)

35
〒606−8204 京都市左京区田中下柳町 20−6  2F
 宗皮膚科・病理診断科医院 宗 愛佳 (皮 アレ 病理 美容皮膚科)

36
〒616−8012 京都市右京区谷口垣ノ内町12−7
 土橋医院 土橋 康成 (内 胃腸内科 病理)

37
〒631−0821 奈良市西大寺東町二丁目 1番63号  サンワシティ西大寺3F
 中岡内科クリニック 中岡 伸悟 (内 小 消 放 病理)

38
〒650−0046 神戸市中央区港島中町6−5−1 モードピア2F
 前田病理診断ひょうごクリニック 前田 盛 (病理診断科)

39
〒720−0032 福山市三吉町南2−11−25 
 福山市医師会健康支援センター 山鳥 一郎 (小 病理 内)

40 〒730−0031 広島市中区紙屋町二丁目 2番2号
 嶋本消化器専門病理クリニック 嶋本 文雄 (病理)

41
〒813−0012 福岡市東区香椎駅東三丁目24番6号2階
 みかさみらいクリニック 古賀 孝臣 (内 外 美外 病理)

42
〒814−0002 福岡県福岡市早良区西新 2−7−8 ラクレイス西新2階
 今山修平クリニック&ラボ 今山 修平 (皮 アレ 病理)

43
〒852−8117 長崎市平野町23番5号
 長崎病理診断科 岸川 正大 (病理)

44
〒857−0011 佐世保市春日町29−1 4
 山口医院 山口 紀子 (外 内 小 病理消化器内科 乳腺外科)

45
〒869−0624 宇城市小川町江頭393−1
 小川中央クリニック 鍬田 和久 (内 消 循 呼内外 病理 臨床リハ 他)

46
〒901−2422 中頭郡中城村新垣545−1
 中部病理診断科 仲間 健 (病理診断科)

47
〒920−0067 金沢市二宮町15番36号 
 シーピーエル病理診断科クリニック 小西 二三男 (病理)

48
〒930−0804 富山市下新町1−1
 富山病理診断ラボクリニック 松能 久雄 (病理)

49
〒960−8164 福島市八木田字榎内13−12
 福島病理研究所 渡邉 一男 (病理)

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(*)2021年5月31日  各地方厚生局から公表されている 保険医療機関コード の表について 診療所を選択し、診療科名 に「病理」の文字が含まれるものを抽出しました。 (DPJにて字句等整理しましたが、もれや住所、科名等の誤りがあるかもしれません)

(c)SHIMADA, DPJ, 2021
(初稿:2021年6月1日 改訂:2021年10月31日)


(15:45)

2021年04月17日

保険医療機関間の連携による病理診断(連携病理診断)は漸増している(2021/04/17現在752件。スクエルによる)。

連携病理診断は公的病院等での導入が多いようであり、大学病院等の規模の大きい病院と院内で病理標本作製ができない比較的規模の小さな病院が連携して病理診断を行うことが実現している。「すべての病理診断を医療機関で行う」は認知され始めている、といえよう。

一方で、診療所や民間病院では、病理標本作製ができないことが多く、検査センターにホルマリン材料を送付し、病理学的検査報告書が臨床医の病理判断に利用されている。この場合、診療報酬上は病理診断ではなく病理判断(脱法的)であるが、医療施設規模から見て、良性悪性のスクリーニングの意味合いがあり、病理学的検査結果を臨床医が判断して、病理診断科が整備されたがん拠点病院や大学病院等に患者を紹介するという流れができている。

病理診断科診療所でも、連携病理診断の施設基準を届出ている場合は、病理ガラス標本、デジタル病理画像、ホルマリン検体を受取り、診療所内で作製した病理標本を観察して病理診断を行うことができる(診療報酬制度が整備された)。この場合に、診療報酬について按分(*)しない方針の連携病理診断のみが、経営的に成立する。その実績もある。
しかし、大勢としては、病理診断科診療所での連携病理診断は導入が進まない。
病理診断診療所の場合、連携病理診断施設基準として、病理医(経験年数の縛りあり)2名以上の常勤が必要であり、連携病理診断の価格を合議し按分すると、病理診断科診療所は成立しないからである。
    (*)保険医療制度において、合議ルールは連携病理診断だけにあるのではない。病理以外にも「保険医療機関間の連携による〇〇」というものがあり、その費用は医療施設の合議(価格の按分)によって決める仕組みとなっている。
診療情報提供料を診療報酬で評価するべきであるとの声もあるが、連携病理診断の成立要件として、別紙様式44が導入された経緯からは、別紙様式44は連携病理診断と一体となって、診療報酬評価されていると解される。(別紙様式44について、診療情報提供料を、診療報酬項目として、新たに設定することには無理がある。そのため病理判断料を削除し、診療情報料を設定しようという考えが生じる)

すべての病理診断を医療機関で行うための、落としどころとして診療報酬上に「連携病理診断」が整備された。診療所や民間病院にも、連携病理診断が広がることを期待したい。

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衛生検査所で行われている病理学的検査について、病理専門医が関与している部分を病理診断として、診療報酬を認めてほしいという意見がある。
この要望には無理がある。日本の診療報酬制度は公的保険制度であるため、医療機関でないもの(検査センターの多くが株式会社である)に診療報酬を評価(保険料支払い)することはできないからである。また「専門医」を企業広告に用いることはできない。これらは検査センターに常勤する病理医(定年退職後に常勤するので多くは65歳以上)には理解しにくいようである。

他にも、気になる点がある。検査センターが受託した病理学的検査の病理標本について検査報告書作成アルバイトがあり、多くの病理医が請け負っている。「「病理診断は医行為」であり、衛生検査所において病理診断が行われることは許容されない」と表明しながら、その一方でアルバイトに精を出すことになってはいないか。

国民のためのよりよい病理診断に向けた行動指針2019の5頁で「医療法や医療法施行規則等関係法案の改正」の記載があるが、将来、医療法改正がなされ、医療提供施設として「病理診断施設」が追加されるとすれば、患者の病理診断について診療報酬価格の直接請求(支払基金等。患者窓口負担は振込用紙やオンライン請求等)が実現するのではなかろうか。検体検査としての病理学的検査も残るであろう。
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2021年4月24日 追加
本日、第110回日本病理学会総会シンポジウム9(SY9-1)で、衛生検査所 荒唐鼻研 長谷川某氏が質問に立ち、
「(某氏が勤務している)衛生検査所は全国ネットワークを構築している(検査センターの検体搬送能力は優れている)。病理診断科では連携病理診断のために医療機関間ネットワークは構築できない」と主張した。演者は、衛生検査所は病理材料搬送ができるようになったと聞いていると回答された。
「衛生検査所は輸送業認可を取っており、医療機関間で(検体検査としてではなく)検体搬送のみを請け負うことができる。このサービスを利用すると医療機関間で病理材料を搬送することができる。連携病理診断の搬送問題は解決した」と、私から追加発言させていただいた。

平成の時代には、「医療機関間で検体を搬送することができない」ことを理由に、連携病理診断を反対する病理医勢力があったが、今は、病理検体の搬送について輸送業認可をとった衛生検査所に委託することができる。時代は令和であり、「搬送ネットワーク」を以って、連携病理診断に反対することは現実的ではない。
また、病理標本作製のみの新規項目(病理医記載なしの病理学的検査)を販売している衛生検査所もある。この連携病理診断を目的とした病理標本作製により、医療機関に返った病理標本を用いて、院内病理医または連携病理診断が可能になっている。
検査センターは、病理学的検査において 進化している ことに気が付いていない方がいるのである。もはや検査センター常勤病理医は病理医のセカンドキャリアにはなり得ないのではないか。

つくづく残念なのは、昔「衛生検査所は駄目である」と主張していた病理仲間が、検査センターに就職したら「病理診断科での連携病理診断は成立しない」と公言すること。まさに病理的医師!

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2021年5月5日 追加 【留意したい点】

・開業した病理診断科診療所にとって、検体または病理標本をどのように集めるかが、最初に立ち上がる壁である。
検査センターの病理標本を孫請けすると、病理学的検査が病理診断科の中心業務となり、保険医療機関指定が継続できない可能性もある。連携病理診断として診療報酬価格取引に変更することは容易ではない。病理材料・病理標本送付側は、検査センター並みの取引価格を要求することになる。受取側が不利にならないためには、診療報酬改定を待って、病理診断科を新規開業したほうが良いと思われる。
    数少ないが、連携病理診断について、開業医の協力を得て、取引価格の按分を回避した病理診断科診療所がある。病理標本作製、病理診断を診療報酬価格で行うことができれば、病理診断科の経営は安定する。常勤病理医2名(病理診断管理加算)の報酬も確保できる。

    事実、当院でも、病理標本作製から病理診断まで行った連携病理診断は、赤字ではない。
・病理学会ホームページにある、2005年の新着情報「病院における検体検査業務の受託要件の緩和(案)に対する(社)日本病理学会としての意見」は病理診断科以前、連携病理診断以前の情報であるが、今でも、インターネット検索で上位に上がる。しかも「病院における検体検査業務の受託要件の緩和(案)に対して寄せられた意見について」厚生労働省医政局総務課(平成17年3月18日)にもリンクが生きている。
    2005年当時は病理学的検査しかなかったのであり、2005年のこの厚生労働省の文書をきっかけに、2008年病理診断科が標榜科目になり、2014年から2018年にかけて連携病理診断の診療報酬改定が行われたことを、思い出さねばならない。病理学会自身が、HP掲載を継続するについて、コメントを付すかどうか、対応すべき事案であろう。
・保険機関である病理診断科診療所は、「非営利」であることが求められる。病理診断の際に必要な、病理診断科診療所では実施できない遺伝子解析等特殊検査は登録衛生検査所等に委託する必要がある。この際の取引価格は非営利性を確保する必要があろう。(平成17年の厚生労働省資料が参考にされることがあるが、その後の法的改正は考慮されていないので、参考にはなりにくいのではないか)
    当院の場合は、特殊病理学的検査は病理診断科診療所における内部精度管理費用としている。
連携病理診断では、特殊病理学的検査ができないとなれば、連携病理診断に求められる質の高い病理診断に至らない。

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2023年6月1日 追加 【留意したい点2】
・保険医療機関が、保険医療を実施た場合、患者窓口負担には消費税はかからない。また保険者等から受領する料金については、消費税はかかっていない。したがって、保険医療機関間連携による病理診断については、消費税は対象ではない(はず)。
・外注先としてホルマリン材料を受取り、標本作製やデジタル化請負いした場合等は、保険医療機関であっても、「もの」代として、消費税対象となる(はず)。

・ここで疑問が生じてくる。「病理診断のために標本作製から請け負った場合はどうなるのか?」

汎用性のある回答はない。診断と標本作製を分離できるかどうかや、税務署がどのように考えるかどうかなどについては各論的である。
病理については、まだまだ未熟な世の中である。はっきりさせないでおくことが重要なことも多いのだろう。(講座プローベ周りの税制も曖昧なことが多い、かもしれない)


(c)SHIMADA, DPJ, 2021 (記事には個人的経験や個人的意見、一部推測を含んでいます。記事に基づくいかなる損害にも免責とさせていただきます)
(初稿:2021/04/17 改訂:2021/04/18, 2021/04/21, 2021/04/22, 2021/04/24, 2021/04/26, 2021/04/27, 2021/05/09, 2023/06/01)

(14:22)

2021年03月12日

病理学会が進めてきた「すべての病理診断を医療機関で行う」について、登録衛生検査所の対応が始まった。

大手検査センターの一つであるエスアールエル(SRL。HUグループ)が、ホルマリン固定組織から、病理組織診断用標本を作製する2項目を新規実施 (2021年3月15日) するとのことである。

SRL NEWS(検査情報) No.2021-25 実施日 2021年03月15日病理標本作製 (一般材料 項目コード Z011 0)、病理標本作製 (手術材料 項目コード Z012 7)
    NEWS(検査情報) によれば、「従来の病理組織検査(項目コード:5900 2)はホルマリン固定組織から、病理組織診断用標本を作製する項目は.....屮蹈奪標本作製、∪色スライド標本作製、8家鏡を用いた病理医による評価・判定、までを一連のプロセス」としていた。

    今回「『病理医による評価・判定のプロセスは自施設や他の医療機関等で行い、病理標本作製のみを委託したい』という要望に対応するため、病理標本作製のみを行う本項目を新規導入致します」という。

    プロセス´△琶鷙陲なされる。つまり「依頼いただいた病理検体について標本作製しました」等が記載された検査報告書が返送される。

    はなく、病理診断は医療機関で行われることになる。医療機関にへの宇された病理標本について、(非常勤)病理医が病理診断を行うか、病理標本と別紙様式44を病理診断科医療機関に送付して連携病理診断を行う。
    連携病理診断の場合には、別紙様式44を、送付・送信側医療機関から受取・受信側病理診断科医療機関に送付する必要がある。別紙様式44を検査センターが必要とすることはほとんどなく、検査依頼書があれば、病理診断用標本作製は可能である。別紙様式44を検査センターに送付されても、情報管理等において取扱いに困る。

一部の検査センターでは病理標本作製のみを行う病理組織検査について、数年前から対応していたことは知られていた。今回、大手検査センターが対応開始したことにより、ほかの大手検査センターも病理標本作製のみを行う病理組織検査の新規項目が発表されることが期待される。なお、当方で検索したところ、現時点で、ほかの大手検査センターホームページには、当該項目の Information等 は出ていない。

下記の「連携病理診断」のスキーム(中医協2016年)にある、衛生検査所 標本の作製 が、5年後の2021年に実現したことになる。

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参考資料 (中医協)
2016年保険医療機関に所属しない病理医との連携による病理診断 (4)
(図中の´↓Eは、SRL NEWSの説明にある´↓とは異なっています)

(c)SHIMADA,DPJ, 2021
(初稿:2021/03/11 改訂:2021/03/11, 2021/03/13,2021/03/18, 2021/03/27)


(00:24)

2020年09月18日

病理学会の㏋にある質問事項(令和2年6月18日)は 主語の置き方によって意味が異なってくる。句点の無い文章であり、主語が分かりにくい。意味,瞭匹瀛と意味△瞭匹瀛がある。

意味 敲絃倭澗里衛生検査所内でのことを示す】
    患者の病理診断に関し、採取後の検体を検査する行為(例えば標本作製、免疫染色や細胞診、遺伝子検査など)及び標本の病理学的所見を 客観的に記述する行為(例えば異型細胞が多い、好中球浸潤が多いなど)は医行為に該当せず、衛生検査所において実施することは問題ないが、その検査結果に基づいて、[検査センターに雇用された病理医が] 患者に対して、医学的判断を伴う罹患の可能性の提示や診断(病理学的診断)を行う行為は、人体に危害を及ぼすおそれのある行為であり、[検査センター内で] これを [病理医が] 反復継続する意思を持って行った場合は、医師法に規定する医業に該当するため、[検査センターではなく] 医療法に基づく許可又は届出がなされた 病院又は診療所において、 [病理] 医師が実施する必要があると考えるがどうか。
共通講習シンポジウムでは 意味 のように説明されていた。

意味◆敲絃倭鞍召榔卆幻〆砂蠧癲後半は医療機関内のこと】
    患者の病理診断に関し、採取後の検体を検査する行為(例えば標本作製、免疫染色や細胞診、遺伝子検査など)及び標本の病理学的所見を [検査センターに雇用/委託された病理医が] 客観的に記述する行為(例えば異型細胞が多い、好中球浸潤が多いなど)は医行為に該当せず、衛生検査所において実施することは問題ないが、
    その検査結果に基づいて、患者に対して、医学的判断を伴う罹患の可能性の提示や診断(病理学的診断)を行う行為は、人体に危害を及ぼすおそれのある行為であり、これを反復継続する意思を持って行った場合は、医師法に規定する医業に該当するため、医療法に基づく許可又は届出がなされた病院又は診療所において、[臨床]医師が実施する必要があると考えるがどうか。
意味△呂曚椶海譴泙把未蠅任△襦

病理学会ホームページ記事には「内容に関しては、これまでも病理学会内でしばしば議論されてきたことではございますが、今後、大学講座等も含む関係諸機関とも慎重に議論を深め、国民医療に影響が出るようなことがないように徐々に体制を整備したいと考えます。ご協力、ご理解の程、何卒よろしくお願い申し上げます。」とあり、,任△辰討癲↓△任△辰討睫圭發ない記載がなされている。

【複数の意味】
臨床検査技師法等に関する法律をよく知る専門家から、意味△里海箸任呂覆いと教えていただいた。
疑義照会に記載された内容は、まったく違った二つの解釈が可能である。あえて玉虫色にしたのではないかもしれないが よくできた玉虫色と思う。

そもそもは 次のような流れであるので、意味,任△襪海箸亡岼磴い覆ろう。3月6日の回答が意味△世箸靴燭蕁喫煙者が禁煙を唱えている状況に似ているかもしれない。

・2020年3月6日  厚労副大臣への要望書「すべての病理診断は医療提供施設で」 (PDF) (日本病理学会理事長名)

・2020年6月18日 病理学会からの質問事項と厚生労働副大臣からの回答 (PDF)
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【今後の方向】
「保険医療機関間の連携による病理診断(第13部病理診断 通則)」の改定(2016年診療報酬改定)に関連して、日本病理学会 深山正久理事長が(2016年9月2日)した。今後の方向は、「連携病理診断」であることに変わりはない。

    参考資料
    「国民のためのよりよい病理診断に向けた行動指針2019 2017 2015

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2021年3月13日 追加

提言から5年たった2021年3月 登録衛生検査所の1社から、「連携病理診断」に対応した病理組織診断用標本作製の新規項目が追加された。

(c)SHIMADA, DPJ, 2020 (文章は書きかけです。個人的な解釈・意見を含みます)
(初稿:2020/09/18 改訂:2020/09/19, 2020/09/21, 2020/09/22, 2020/10/09、2021/03/13)


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