心配した雨も降らず、2月27日のユーカリフェスタ参加公演「ロンド」は無事終演しました。

南部生涯学習センターという、樟葉の劇団の私たちにとってはアウェイの場所、しかも10時半という
開始時間でお客様に入っていただけるか心配してましたが、ほぼ満席で(これは他の団体さんのお客様もふくまれているのでしょうが)、たくさんの方に見ていただけ、感慨無量です。

ずっとこの劇団で自分のオリジナル作品をやりたいと思っていました。
2年前、「タンシンフニン」で一度自作を上演し、それなりに手ごたえを感じていたので、
今回「ロンド」の上演を提案しました。

いつも難航する脚本選びが、今回は推薦してくださる方もいて、わりとすんなり決まったのですが、
元々の脚本の書き直しに入ったものの、遅々として進まず。

今回難関だったのが大女優・妃奈子さんのあつかいでした。

元々の脚本では、アイドル女優の舞台にかつての大女優・妃奈子が共演するが、下手なアイドルに苛立ちつつも、お客の興味がもはや自分にないことに絶望し、やめる気でホールから失踪する設定だったのですが、「大女優ともあろう人がそんなに簡単に舞台を投げ出すか」という意見があり、だいぶ設定を変えました。

結果的には、かつての当たり役でカムバックをはかった大女優が、演出家と喧嘩して出てくる。が、頭を冷やすために出てきただけで、最終的には自らの衰えを感じつつも、舞台への闘志を燃やし、再び帰っていく設定に変えました。自立した女性像になったと思います。

また妃奈子さんの舞台「マドモアゼル」の役柄マリーのシーンを盛り込み、マリーが役柄とオーバーラップするようにしました。

「おかしいわね、ジャン=ミシェル。一年前はこんなこと考えもしなかった。お金持ちで綺麗で人気のあったこの私が、トランク一つでパリを旅立とうとしている。一年で私、すっかり年をとったわ」

マリーのセリフを書くのは楽しかったなあ。

舞台装置はカフェテーブルを二台、赤いバーのスツールを三脚借りてきて、喫茶店ぽく見えるように配置しました。また壁にも古びた喫茶店にあるようなモチーフを様々飾り、舞台装置はなかなか好評だったようです。

音響はなんと本番のホール機材ではうちのMDが再生されず、自前のMDラジカセはホールのスピーカーにつなげないということで、急遽MDラジカセの前にマイクを掲げることで対処しました。
録音方式が違うらしく、気をつけなければいけません。

衣装は持ち寄った衣装を交換したり、あれやこれやしているうちに、うまいことカラフルな色で、色分けされて好評でした。


実は今回、本番二日前に体調不良者が二名出て、真っ青になりました。
一名なら最悪演出の私が代役で出ることもできますが、二名は完全にアウトです。
幸い二人とも前日には復活し、リハーサルもすることができました。

一時は上演が危ぶまれたのに無事に上演できたことで、狐につままれたような気がします。


前日リハーサルの一回目。昼ごはんを食べてすぐということもあり、グッダグだでした。
最悪だ。テンポは悪いはセリフは飛ぶわ、最悪。
プロンプの声がしょっちゅう飛ぶ事態

しかし、すぐ続けての二回目。
覚悟を決めて、舞台監督にプロンプをやめてもらうようお願いする。
一度やって調子が出たのか、芝居が滑らかに続き、私が「こうなったらいいのに」「こうだったら面白いのに」
と思っていたところがどんどんはまっていき、
プロンプが無いせいか、皆の間に緊張感があり、話に説得力がある。
自分が書いた脚本なのに話に引き込まれ、気づいたときにはラストの音楽が鳴っていました。

泣きました。
役者の演技に泣かされたのかもしれない。
でも、今目の前で見たものが信じられませんでした。

素人の、女ばかりの(現在は一名入団)、高齢の、
今までかんばしい評価を受けたことの無い劇団の舞台だろうか、これが。

話がちゃんと通っていた。

舞台上にあがり、「よかったです」の「よ」の字位で、涙が溢れて言葉にならず。

皆もさすがにうれしそうだった、と思う(涙でよく見えなかったけど)。

皆、私の肩を叩きながら言いました。
「まだ泣くのは早いよ。明日本番なんだから。まだ早いって」
「まだ早いよ」




その通りでした(笑)


というのは冗談だけど、やはり朝早い本番のせいか、舞台の調子は良くなかった。
リハーサル通り行けば最高だったんですが、……なかなか難しいなあ。
しかし評判はまあまあで、劇団員の皆も晴れ晴れとした顔をしていて、それが本当になによりです。

皆がうれしそうな顔をしているのが、最高にうれしい。

ご来場いただき誠にありがとうございました。