拓殖大学井上ゼミ −インドネシア研究−

このブログは、インドネシア研究に取り組む拓殖大学政経学部井上ゼミの学生および卒業生の情報交換の場として設けられました。

インドネシアの鉱業エネルギー省によると、政府は国内電化率を2018年中に97.5%、2019年末までに99%にすることを目標に掲げています。

 今なお約2500か村が未電化とはいうものの、2017年末には電化率95.35%を達成しました。

 2009年当時の電化率はわずか66.28%、2014年でも電化率は84.35%であったことを思えば、インドネシア全土で社会資本の整備が急ピッチで進んでいることがわかります。

 地上最強・最大の毒ヘビといわれるキングコブラはインドネシアにも棲息しています。

 写真(detik.comから)は、自称ヘビ獲り名人の黄色い服のお兄さんが東カリマンタンで捕まえたキングコブラ。
 周りの子供たちの表情が「ありえへん!」と思うほど楽しそう・・・・。(\(◎o◎)/!

 一応、撮影時は安全を期し牙を折っていますが、3,4日でまた生えてくるそうです!

 それにしても子供たちの笑顔が・・・・

キングコブラ

インドネシアではこのところMCAと呼ばれる組織のメンバーの摘発が相次いでいます。逮捕者の中には大学の女性講師などもいます。

 MCAはMuslim Cyber Army (ムスリム・サイバー軍)の略称で、組織的にデマを拡散したり、自分たちの敵とみなした人物や団体のサイトにウイルス攻撃を仕掛けたりするイスラム教徒のグループです。

 インドネシア警察サイバー犯罪局長によると、MCA United の下で組織化された構成員は数十万人に上るとみられています。傘下組織のひとつはコンピュータ・ウイルスを敵のサイトに仕掛けるSniper MCAで、逮捕者の供述によると専門知識を必要とするその構成員は177人だそうです。デマを信用させるためのビデオや写真などを作成して拡散している下部組織もあるようです。

 MCAが関わっているとみられるインドネシアのインターネット上のデマ情報には、インドネシア共産党が復活していると危機感を煽るもの、イスラム教の指導者が異教徒に誘拐されたとか殺されたと流布して宗教対立を煽るもの、ジョコ・ウィドド大統領など彼らが政敵とみなす人物への徹底的な攻撃と侮辱などがあります。

 インドネシアの国会でもこうした事態を深刻に受け止め、国会議長は国防・治安委員会を通じて警察だけでなく国家情報本部(BIN)や国家サイバー・暗号本部(BSSN)も協力してMCAの組織の解明とその黒幕を突き止めることを求めています。

 2019年の大統領選挙に向けさまざまなデマも入り乱れた情報戦がこれからますます激化しそうです。

バリ島の物乞いは平均して1日あたり30万ルピア(約2500円)を稼ぐそうです。つまり1か月で900万ルピア(約7万5000円)もの収入になるということです。(Kompas.com,5 Februari 2018)。

 日本でしたら1か月7万5000円じゃ暮らしていけないでしょうが、バリ州の定めた2018年の最低賃金は1か月212万7157ルピア(約1万8000円)です。900万ルピアは会社のアシスタント・マネージャー・クラスの月給です。

 福祉部門を担うインドネシアの社会省が行った実態調査によると、バリ島のクタやウブド、デンパサールなど外国人観光客の多い地域を狙って物乞いで稼ぐ人たちは、定期的に毎月200万ルピア(約1万7000円)から600万ルピア(約5万円)を銀行預金しているとのことです。社会省の保護した物乞いが約500万ルピア(約4万2000円)の現金を所持していたとの事例もあります。物乞いの中には憐みをかうため身体障害や精神障害を患っているふりをする者も少なくないとのことです。

 観光で訪れたバリ島で物乞いに出会ったら、安易に憐憫の情を抱かないほうが賢明でしょう。

セリーヌ・ディオンが今年6月26日に東京ドームでコンサートをやることが発表されましたね。今回はこの東京でのコンサートを皮切りにマカオ、シンガポール、ジャカルタ、台北、マニラそしてバンコクを回るそうです。ジャカルタでの公演はもちろん初めて。7月7日にジャカルタ郊外のボゴールにあるセントゥル・インターナショナル・コンベンション・センター(Sentul International Convention Center)で開催されるそうです。

 そこで、ちょっと東京とジャカルタのチケット代を調べてみてびっくりしたので、以下に報告します。

 セリーヌ・ディオンの6月26日の東京ドーム公演は、VIP席が3万5000円でしかもお土産付き、S席が1万5000円、A席が1万円です。

 一方、7月7日のジャカルタ公演は、ダイヤモンド席が2500万ルピア(約22万円)、エメラルド席が1250万ルピア(約11万円)、サファイア席が10万ルピア(約8万7000円)、ルビー席が650万ルピア(約5万7000円)、ゴールド席が475万ルピア(約4万2000円)、シルバー席が375万ルピア(約3万3000円)、ブロンズ席が275万ルピア(約2万4000円)、グリーン席が150万ルピア(約1万3000円)で、しかもこれに15%の観覧税と手数料2万5000ルピアが加算されるのです。つまり一番安いグリーン席でも東京公演のA席とほぼ同額ということです。

 こんなに高くて売れるのかと思いきや、現地の報道によると1月19日午前11時からのネット販売開始と同時に予約が殺到し、昼ごろには完売したとのことです。それだけ富裕層も多いということでしょう。

 ちなみにコンサート会場のセントゥル・インターナショナル・コンベンション・センターの座席数は1万120席とのことです。東京ドームと比べると収容可能人数はかなり少ないので、必ずしもプロモーターがぼったくっているとは言えないのかもしれません。
 写真はセリーヌ・ディオンのジャカルタでのコンサート会場。

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 日本には私を含め「教授」の肩書をもつ人は6万9541人(2017年学校基本調査)もいますが、インドネシアで「教授」(Profesor)の肩書をもつ人はわずか5389人(2017年6月4日現在の科学技術・高等教育省発表)しかいません。インドネシアで「博士」学位を持つ人が「教授」の5倍の2万5394人もいること、日本の大学数が764校であるのに対してインドネシアの大学数が4504校であることなどを考えると、驚くべき少なさといえるでしょう。それだけインドネシアでは「教授」になるのは難しいということです。

 日本では教授への昇任審査は大学ごとに行いますが、インドネシアでは科学技術・高等教育省つまり政府が直接審査します。その審査を受けるためには、少なくとも次の4つの条件を満たさなければなりません。第1に、博士学位またはそれと同等の学位を有すること。第2に、博士等の学位取得後、少なくとも3年以上を経過していること。第3に、権威ある国際学術誌に研究成果を発表していること。第4に、大学教員として少なくとも10年以上の職歴があること、です。これらの条件を満たした人だけが政府に「教授」への昇任審査を求めることができるわけですが、有資格者でも承認審査を求めない人がかつては少なからずいたといいます。審査期間が3年から5年もかかったからです。ただこの行政の非効率に大学側からも批判の声が高まり、2016年以降は審査期間も2か月ほどに短縮されたようです。科学技術・高等教育省は「教授」を少なくとも2万2000人にまで増やすことを目標に掲げています。行政の効率化により博士学位所持者が積極的に教授審査を求めるようになれば、今後はインドネシアの「教授」も飛躍的に増加するかもしれません。

 ちなみにインドネシアでは大学教員を「ドセン」(Dosen)と言いますが、「ドセン」の学歴・肩書別内訳人数は次の通りです。学士3万4933人、修士12万9219人、博士2万5394人、教授5389人、医療分野の専門家(Spesialis 2222人、Subspesialis 403人、Profesi 2161人)。

 また、平成29年度の学校基本調査によると、日本の大学はこんな感じです。学長752人、副学長138人、教授6万9541人、准教授4万3722人、講師2万1952人、助教4万2199人、助手5795人。

スカルノ・ハッタ国際空港とジャカルタの中心部(スディルマン通りまで)を結ぶ空港鉄道(KA Bandara)が2018年1月2日、正式に開通しました。

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空港から終点のスディルマン・バル駅までの所要時間は57分。1日21往復が運行しています。最終的には南ジャカルタのマンガライ駅まで延伸される予定です。

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運賃は7万ルピア(700円弱)。ちょっと不便なのは現金では切符を買えないことです。クレジット・カードかデビット・カードで決済します。あと、自分の電話番号を入力したり、乗る電車(何時何分発か)を指定したり、行先を指定したり・・・うかうかしていたら指定した電車に乗り遅れそうです。

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車両はスウェーデン製で内装は中国とのこと。6両編成の車内はUSBポートもあり快適、飛行機並みです。

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空港駅に着いたら、そこからターミナル間を無料で走行するスカイトレイン(Skytrain)へ移動。

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1月4日に乗りました。本当にできるのかなぁ?いつ完成するのかなぁ?と思っていただけに、切符を現金で買えないことに不満は感じたものの、ちょっと感動しました!

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 インドネシアの調査機関アルバラ・リサーチ・センター(Alvara Research Centre)とマタ・アイル・ファンデーション(Mata Air Foundation)は先ごろ、インドネシアの中産階級(1か月の家計支出が375万ルピア以上=現在の為替レートで3万1250円以上)の宗教に関する政治社会意識調査を行いました。

 調査対象はインドネシアの主要都市に住む公務員(300人)、民間企業(400人)そして国営企業(500人)に勤める専門職員の計1200人。調査時期は、今年9月10日から10月5日。調査手法は面接調査です。

「フリーセックス(pergaulan bebas)は道徳的に誤り」と答えたのは96.3%でした。

「LGBTは道徳的に誤り」と答えたのは93.6%でした。

「売春街は道徳的に誤り」と答えたのは89.4%でした。

「歓楽街(Clubbing)」は道徳的に誤り」と答えたのは86.3%でした。

「異教徒との結婚は道徳的に誤り」と答えたのは81.2%でした。

一方、「一夫多妻は問題ない」と答えたのは40.2%、「離婚は問題ない」と答えたのは41.5%でした。

 このことからインドネシアの中産階級は性や社会生活に極めて保守的であることがうかがえます。言い換えると、イスラム色が強いということでしょう。このことは、次の設問への回答からも明らかです。

「中東のパレスチナとインドネシア東部地方に同時に同規模の災害が発生した場合、どちらを支援しますか」との問いに、イスラム教徒のパレスチナ人を支援すると答えたのは34.4%に達しました。インドネシア東部地方はキリスト教徒の多い地域ですが、同じインドネシア国民としてインドネシア東部地方を支援すると答えたのは56.1%にすぎませんでした。3人に1人以上が異教徒の同国民よりもイスラム連帯を優先するということです。

 中産階級の宗教的な不寛容性は政治意識にも表れています。

「非イスラム教徒が国の指導者となることを支持しない」と答えたのは29.7%でした。

「地方条例にイスラム法を導入することに賛成」と答えたのは27.6%でした。

 インドネシアは国家イデオロギーとしてパンチャシラ(建国の5原則)を掲げていますが、パンチャシラよりもイスラム教に基づく国家にすべきと答えたのは15.5%でした。しかも、そう答えたのが最も多かったのは公務員です。公務員の19.4%はパンチャシラよりもイスラム教を国の原理にすべきと考えているということです。イスラム国家の樹立のための聖戦(ジハード)に賛成と答えた者も19.6%でした。

確かに、「パンチャシラはインドネシアの国家イデオロギーにふさわしい」と答えたのは84.5%、「単一のインドネシア共和国は理想的な国家形態と思う」と答えた者は84.0%です。ですが、その圧倒的多数は道徳的には極めて保守的であり、3割以上が同国人の異教徒よりも外国のイスラム教徒により強い連帯感を持ち、政治的にも2割近くがイスラム国家を理想としているということは、やはりインドネシアに「多様性の中の統一」の危機が近づいているようにも感じます。

 11月1日以降、インドネシアの各州では、2018年の1か月あたりの最低賃金を相次いで発表しています。

 首都ジャカルタ特別区は2017年の333万5000ルピアから2018年には364万8035ルピア(11月3日の為替レートで約3万818円)になります。

 西部ジャワ州は2017年の142万624ルピアから2018年には154万4360ルピア(約1万3046円)になります。

 バンテン州は2017年の193万3180ルピアから2018年には209万9385ルピア(約1万7735円)になります。

 中部ジャワ州は2017年の136万7000ルピアから2018年には148万6065ルピア(約1万2554円)になります。

 ジョクジャカルタ特別州は2017年の133万7645ルピアから2018年には145万4154ルピア(約1万2284円)になります。

 東部ジャワ州は2017年の138万8000ルピアから2018年には150万8894ルピア(1万2747円)になります。ただし、インドネシア第2の都市スラバヤ市の最低賃金は350万ルピア(約2万9568円)です。州内の市や県の最低賃金は州の最低賃金を下回ってはならないという仕組みによります。

 さて、このようにジャワ島内の6州・特別区だけでも最低賃金の最も高いジャカルタと最も低いジョクジャカルタではおよそ2.5倍もの賃金格差があります。

 ちなみに日本の場合、今年(平成29年)の都道府県別最低賃金は、最も高い東京都が時給958円、最も低い沖縄県や鹿児島県などが時給737円ですから、1.3倍ほどの開きで収まっています。

 ジャワ島以外の主な州の2018年の最低賃金はそれぞれ次の通りです。

西スラウェシ州は210万ルピア(約1万77408円)。
南スラウェシ州は260万ルピア(約2万1964円)。
北スラウェシ州は280万ルピア(約2万3654円)。
バンカ・ブリトゥン州は275万5000ルピア(約2万3274円)。
北スマトラ州は213万2000ルピア(約1万8011円)。

英国の週刊誌「エコノミスト」のシンクタンク「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)」が12日に出した「安全な都市指数2017年」(Safe Cities Index 2017)の報告書では東京が89.80ポイントで世界一安全な都市とされています。

で、気になってインドネシアの首都ジャカルタはどうかと確認してみました。ジャカルタは53.39ポイントで57位でした。なんか納得いかないですねぇ・・・。フィリピンを悪く言うわけじゃないけど、フィリピンの首都マニラは54.86ポイントで55位、つまりジャカルタよりマニラのほうが安全って評価です。私は、ジャカルタのほうがはるかに安全な都市だと思うんですけど・・・。ってか、ジャカルタのどこが危険なんだろう???夜中だってふつうに歩けるし・・・。

ちなみに安全な都市ランキングに入っている東南アジアの都市の順位はそれぞれ次の通りです。

第2位  シンガポール(89.64)
第31位 マレーシアのクアラルンプール(73.11)
第49位 タイのバンコク(60.05)
第55位 フィリピンのマニラ(54.86)
第57位 インドネシアのジャカルタ(53.39)
第59位 ミャンマーのヤンゴン(46.47) 

日本ではパンダの赤ちゃんがシャンシャン(香香)と命名されたことが明るい話題となっていますね。インドネシアでも同様にパンダの明るいニュースがあります。

 9月28日、待望されていたパンダがついにインドネシアのスカルノ・ハッタ空港に到着したのです。インドネシアと中国の友好のシンボルとして貸し出されたのは、7歳のチャイ・タオ(Cai Tao)という名のオスのパンダとフー・チュン(Hu Chun)というメスのパンダです。

 パンダの受け入れ先はジャカルタ郊外のボゴールにあるタマン・サファリ・インドネシア(Taman Safari Indonesia)です。タマン・サファリ・インドネシアでは2014年からパンダの受け入れのために1300平方メートルの飼育場と10ヘクタールのエサ用竹林の造成に取り組んできました。

 種の保存目的(breeding loan)で中国からパンダが貸し出された国としては、インドネシアは16か国目になるそうです。

 パンダは10月下旬か11月初めからタマン・サファリ・ボゴールで一般公開されます。楽しみにしているインドネシアの子供たちも多いことでしょう。

 写真はインドネシアの空港に到着したパンダ。http://industri.bisnis.com/から。

パンダ

 今年7月29日に日本で公開された萩原健太郎監督作品「東京喰種 トーキョーグール」(主演:窪田正孝)が9月13日からインドネシアでも公開されています!すごいですね!!!

 しかも単館上映とかじゃなく、CGV Cinemas、Cinemaxx Theaters そしてPlatium Cineplex系列の全国各地の劇場で上映されています。でも、インドネシアでは観覧はR-21つまり21歳以上に年齢制限されています。

 ちなみにインドンネシアでの映画のチケット代は劇場により異なりますが、最近では3万ルピアから5万ルピア、日本円にすると300円から500円は当たり前って感じになってきました。日本に比べるとずいぶん安いと思われるかもしれませんが、急激に値上がりしています。まぁ、劇場もきれいな所が増えましたけど・・・。

 写真は「「東京喰種 トーキョーグール」のインドネシアでのポスター。

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 インドネシアを代表するシンクタンクのCSIS(戦略・国際問題研究所)は今朝(9月12日)、今年8月23日から30日にかけて行った世論調査の結果を発表しました。それによるとジョコ・ウィドド大統領への支持は2014年の就任以降、順調に高まる傾向にあります。つまり政権が安定化してきているということです。

 ジョコ・ウィドド政権の政策への満足度は、2015年の50.6%から2016年には66.5%そして2017年には68.3%になりました。就任当初と比べ17.7ポイントの上昇です。

 特に顕著な満足度の上昇がみられるのは、司法政策と経済政策と海洋政策です。

 汚職の撲滅や警察改革、司法マフィアの撲滅などを掲げた司法政策への満足度は、2015年の51.1%が2016年には62.1%そして2017年には64.0%になりました。2年前と比べて12.9%の上昇です。

 経済政策については家計の変化よりも交通網などの社会資本の急ピッチな整備が国民の満足度につながっているものとみられています。経済政策への満足度は2015年の30.0%から2016年には46.8% そして2017年には56.9%になりました。2年前と比べると、なんと33.3%もの上昇となります。

海洋大国化を目指す海洋政策への満足度は2015年の59.3%から2016年には63.3%そして2017年には75.5%になりました。2年前と比べて16.2ポイントの上昇です。

このようなわけで、ジョコ・ウィドド政権への支持率も極めて高いという結果がでています。現政権への支持率は、「強く支持する」が11.2%、「支持する」が55.8%で合わせると67%です。一方、「支持しない」は11.2%、「まったく支持しない」は1.8%で、不支持を合わせると13%でした。

次の大統領選挙は2019年ですが、来年8月には大統領候補者が確定される予定です。まだ先のこととはいえ、この世論調査を見る限りジョコ・ウィドド大統領の再選は固いものと思われます。

 つい先日、バリ島在住の日本人老夫婦が殺害されるという痛ましい事件が起こりました。この事件を聞いて、やはり海外は怖い。インドネシアになんて住むもんじゃない、と思った人もいるのではないでしょうか。でも、データでみるかぎり、インドネシアはとても安全な国なのです。日本に比べれば軽犯罪は確かに多いでしょうが、こと殺人となると、日本よりむしろ安全とさえ言えます。

 インドネシアと日本それぞれの警察発表によりますと、2015年の殺人事件数はインドネシアが1491件なのに対し、日本は933件です。インドネシアの人口は日本のほぼ2倍ですから、インドネシアの方が殺人事件の発生率は低いといえます。

 過去にさかのぼっても、殺人事件の件数は2011年にはインドネシアが1467件で日本が1052件、2012年はインドネシアが1456件で日本が1033件、2013年はインドネシアが1386件で日本が938件です。

 日本と比べてインドネシアは決して危険な国ではない。すくなくとも殺人事件に巻き込まれる可能性が高いとはいえないことがおわかりいただけると思います。

 インドネシアの中央統計局(BPS)は今年8月、国民の幸福度の調査結果を発表しました。これは生活への満足度や感情や生きがいを0から100に数値化したもので、インドネシア全国平均は70.69でした。

 全国平均を下回った州は10州です。幸福度がもっとも低かった州はパプア州(67.52)、次いで北スマトラ州(68.41)、東ヌサテンガラ州(68.98)、ランプン州(69.51)、西ジャワ州(69.58)、バンテン州(69.83)、西スラウェシ州(70.02)、西カリマンタン州(70.08)、ジャンビ州(70.45)、ベンクル州(70.61)でした。

 一方、幸福度がもっとも高かった州は北マルク州(75.68)、次いでマルク州(73.77)、北スラウェシ州(73.69)、東カリマンタン州(73.57)、北カリマンタン州(73.33)、ゴロンタロ州(73.19)、リアウ群島州(73.11)、ジョグジャカルタ特別区州(72.93)、バリ州(72.48)、西スマトラ州(72.43)でした。

 さて、この調査結果をどう分析するかはなかなか難しいです。経済状況と比例しないのが幸福度ということでしょうから。とはいえ、幸福度の高い地域は住み心地のよい地域、幸福度の低い地域は住み心地の悪い地域とは言えるのかもしれません。

 幸福度を都市部と農村部でみると、都市部(71.64)の住民の方が農村部(69.57)の住民よりも幸福度が高いです。

 男女でみると、男性(71.12)の方が女性(70.30)よりも幸福度が高いです。

 婚姻でみると、最も幸福度の高いのは未婚者(71.53)、次いで既婚者(71.09)、死別(68.37)そして離婚(67.83)の順でした。

 年齢別にみると、幸福度のもっとも高いのは24歳以下(71.29)、次いで25歳から40歳(71.13)、41歳から64歳(70.69)、65歳以上(69.18)で、インドネシアの場合、若い人ほど幸福度は高いという結果がでました。

マレーシアで開催されていた第29回東南アジア競技大会(SEA Games)が8月30日に閉幕しました。この大会で金メダル55個を目標に掲げていたインドネシアは38個にとどまり、金メダル数では参加11カ国中5位に終わりました。参加国の獲得メダル数は次の通りです。

第1位、マレーシア。金145個、銀92個、銅86個の計323個。
第2位、タイ。金72個、銀86個、銅88個の計246個。
第3位、ベトナム。金58個、銀50個、銅60個の計168個。
第4位、シンガポール。金57個、銀58個、銅73個の計188個。
第5位、インドネシア。金38個、銀63個、銅73個の計191個。
第6位、フィリピン。金24個、銀33個、銅64個の計121個。
第7位、ミャンマー。金7個、銀10個、銅20個の計37個。
第8位、カンボジア。金3個、銀2個、銅12個の計17個。
第9位、ラオス。金2個、銀3個、銅21個の計26個。
第10位、ブルネイ。金0個、銀5個、銅9個の計14個。
第11位、東ティモール。金0個、銀0個、銅3個の計3個。

 人口では東南アジア全体の約4割を占めるインドネシアですが、ことスポーツとなると、前回の2年前の大会でも5位、4年前の2013年大会でも4位という結果です。とはいえ、インドネシアは昔から弱かったわけではありません。1959年の第1回東南アジア競技大会から29回目の今大会までにインドネシアが金メダル数で第1位になった大会は10回あります。そしてそのうちの9回までがスハルト政権時代です。

今年8月29日のBBC Indonesiaには、改革期つまり1999年の民主化以降にどうしてインドネシアのスポーツは弱体化していったのかを分析したヘイダー・アファン(Heyder Affan)記者の記事が掲載されています。それによると、スハルト政権時代はいわばスハルト大統領の鶴の一声でスポーツ振興予算が組まれていたものの、民主化に伴い予算編成はそう簡単なものではなくなった。そのためスポーツ科学分野でも次第に近隣諸国から差をつけられていったということです。

インドネシアの青年スポーツ省のガトット事務局長によると、今大会で優勝したマレーシアの年間スポーツ予算は3兆ルピア(約300億円)であるのに対し、インドネシアのそれは5000億ルピア(約50億円)にすぎません。

そういえば私がインドネシアに留学していたのはスハルト時代の1990年代ですが、当時は確かに「Kita harus menang,kita harus menag…♪」(我々は勝たねばならない、勝たねばならない)という歌が盛んに流れていて、宿敵タイに金メダル数で負けたらスポーツ青年大臣は辞任するというくらいの意気込みでした。ふと当時を思い出しました。

sea games 2017

ロンドンで開催されていた世界陸上も閉会しましたね。日本人にとっては4×100mリレーをはじめ見どころ満載でした。ではインドネシア人にとってはどうかというと、さすがにウサイン・ボルト選手のラスト・ランやリレーでの転倒は大きく報じられていましたが、残念ながらインドネシア人選手の出場種目はありませんでした。
 そこで、インドネシア人選手の陸上競技の記録をちょっと調べてみました。
 以下は、インドネシア陸連(Indonesian Athletics Federation)の公式記録(2015年1月21日現在)と日本陸連の公式記録(2017年7月13日現在)を種目別に比較したものです。

 まず男子です。

100m走
インドネシア記録(10秒17):日本記録(10秒00)

200m走
インドネシア記録(20秒76):日本記録(20秒03)

400m走
インドネシア記録(46秒37):日本記録(44秒78)

800m走
インドネシア記録(1分49秒93):日本記録(1分45秒75)

1500m走
インドネシア記録(3分46秒21):日本記録(3分37秒42)

5000m走
インドネシア記録(14分04秒29):日本記録(13分08秒40)

10000m走
インドネシア記録(29分15秒77):日本記録(27分29秒69)

10Kmロードレース
インドネシア記録(29分25秒):日本記録(28分05秒)

ハーフマラソン
インドネシア記録(1時間07分17秒):日本記録(1時間00分25秒)

マラソン
インドネシア記録(2時間19分18秒):日本記録(2時間06分16秒)

3000m走
インドネシア記録(8分55秒91):日本記録(7分40秒09)

110mハードル
インドネシア記録(14秒11):日本記録(13秒39)

400mハードル
インドネシア記録(51秒29):日本記録(47秒89)

走り高跳び
インドネシア記録(2.10m):日本記録(2.33m)

棒高跳び
インドネシア記録(5.13m):日本記録(5.83m)

走り幅跳び
インドネシア記録(7.85m)、日本記録(8.25m)

三段跳び
インドネシア記録(15.99m):日本記録(17.15m)

砲丸投げ
インドネシア記録(16.87m):日本記録(18.78m)

円盤投げ
インドネシア記録(52.95m):日本記録(60.22m)

ハンマー投げ
インドネシア記録(55.96m):日本記録(84.86m)

やり投げ
インドネシア記録(75.58m):日本記録(87.60m)

十種競技
インドネシア記録(7013):日本記録(8308)

10Km競歩
インドネシア記録(43分50秒9):日本記録(38分03秒)

20Km競歩
インドネシア記録(1時間29分24秒):日本記録(1時間16分36秒)

50Km競歩
インドネシア記録(4時間29分24秒):日本記録(3時間40分12秒)

4×100mリレー
インドネシア記録(39秒78):日本記録(37秒60)

4×400mリレー
インドネシア記録(3分09秒54):日本記録(3分00秒76)


 次に、女子の部です。

100m走
インドネシア記録(11秒56):日本記録(11秒21)

200m走
インドネシア記録(23秒86):日本記録(22秒88)

400m走
インドネシア記録(54秒20):日本記録(51秒75)

800m走
インドネシア記録(2分06秒11):日本記録(2分00秒08)

3000m走
インドネシア記録(9分33秒00):日本記録(8分44秒40)

5000m走
インドネシア記録(15分54秒32):日本記録(14分53秒22)

10000m走
インドネシア記録(32分49秒47):日本記録(30分48秒89)

10Kmロードレース
インドネシア記録(33分23秒):日本記録(31分44秒)

ハーフマラソン
インドネシア記録(1時間13分01秒):日本記録(1時間07分26秒)

マラソン
インドネシア記録(2時間31分49秒):日本記録(2時間19分12秒)

100mハードル
インドネシア記録(13秒18):日本記録(13秒00)

400mハードル
インドネシア記録(59秒64):日本記録(55秒34)

3000m障害
インドネシア記録(9分49秒46):日本記録(9分33秒93)

走り高跳び
インドネシア記録(1.77m):日本記録(1.96m)

棒高跳び
インドネシア記録(4.10m):日本記録(4.40m)

走り幅跳び
インドネシア記録(6.70m)、日本記録(6.86m)

三段跳び
インドネシア記録(14.17m):日本記録(14.04m)

砲丸投げ
インドネシア記録(14.34m):日本記録(18.22m)

円盤投げ
インドネシア記録(50.68m):日本記録(58.62m)

ハンマー投げ
インドネシア記録(54.12m):日本記録(67.77m)

やり投げ
インドネシア記録(49.87m):日本記録(63.80m)

七種競技
インドネシア記録(5204):日本記録(5962)

10Km競歩
インドネシア記録(47分26秒84):日本記録(42分50秒)

20Km競歩
インドネシア記録(1時間40分25秒):日本記録(1時間28分03秒)

4×100mリレー
インドネシア記録(45秒00):日本記録(43秒39)

4×400mリレー
インドネシア記録(3分42秒25):日本記録(3分28秒91)

というわけで、すべての種目で日本記録がインドネシア記録を上回っていると思いきや、女子の三段跳びはインドネシア記録のほうが上でした。この記録は2013年にミャンマーで開催された東南アジア競技会(Southeast Asian Games)でマリア・ナタリア・ロンダ(Maria Natalia Londa)選手が樹立したものです。1990年生まれの彼女は走り幅跳びでもインドネシア記録保持者です。

写真は、女子の三段跳びで日本記録を上回る記録を持つマリア・ナタリア・ロンダ選手。

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 インドネシアのIndef(金融経済開発研究所)のビマ・ユディスティラ・アディネガラ(Bhima Yudhistira Adhinegara)氏によると、インドネシアの経済成長は3か国に大きな影響を受けているそうです。その3か国とは、中国と日本とアメリカです。(Gatra,2 Agustus 2017)

この3か国はインドネシアにとって重要な輸出相手国でもありますから、これらの国の景気が上向けばインドネシア製品への需要も高まり、またインドネシアへの旅行客も増えるというわけです。

 では、これら3カ国の経済がどの程度インドネシアに影響を与えているのかというと、Indefの推計では次の通りです。

 中国の経済成長率が1%高まれば、インドネシアの経済成長率も0.11%高まる。
 日本の経済成長率が1%高まれば、インドネシアの経済成長率も0.06%高まる。
 アメリカの経済成長率が1%高まれば、インドネシアの経済成長率も0.05%高まる。

 ただ現状として、日本の景気は停滞しており、アメリカも保護主義政策に向かっているので、インドネシア経済の引き上げに期待できるのは中国経済の伸びだけだというのが、Indefのビマ氏の見立てです。

 インドネシアの中央統計局(BPS)によると、2017年5月のインドネシアへの外国人観光客数は116万人で、前年同月(2016年5月)の91万5210人に比べて26.66%増でした。

 なかでも注目すべきは北スラウェシ州の州都マナド(Manado)への外国人観光客の激増です。マナドへの外国人観光客は、2016年5月は1118人でしたが、2017年5月には5589人、つまり前年同月比449%も増加しました!

 2017年5月にマナドを訪れた外国人観光客のうち78%(4936人)は中国人観光客です。次いでシンガポール(176人)、ドイツ(138人)、アメリカ(106人)、イギリス(87人)、ホンコン(74人)、マレーシア(67人)、オーストラリア(64人)、オランダ(62人)、フランス(47人)の順で、残念ながら日本からの観光客は上位10か国・地域に入っていません。

 マナドへの中国人観光客が激増した最大の要因は航空路線の開設のようです。2016年半ば以降、中国の8都市が空路でマナドと結ばれました。とはいえ、路線が結ばれたからといって観光客が増えるというものでもないでしょう。では、観光客をひきつけるマナドの魅力とはなんなのでしょうか。

 週刊誌Gatra(2017年7月26日付)の記事によると、中国人街(Kampung Cina)やアラブ人街(Kampung Arab)、さらにヘビやコウモリなども食材として扱うゲテモノ市場(Kuliner Ekstrem)などマルチ・エスニックな町の空気が外国人観光客を魅了しているようです。もちろん以前からダイビング・スポットとして有名なブナケン海洋公園も外国人観光客の吸引要因のひとつです。ブナケン海洋公園は現在、複数の省庁にまたがって管理運営がなされていますが、この管理運営権を地方に委ねてくれればさらに魅力的な観光開発を行えると北スラウェシ州知事のオリー・ドンドカンベイ(Olly Dondokambey)は中央政府に陳情しています。

 インドネシア最大の民間航空会社ライオン・エア(Lion Air)に中国とマナドの路線開設を働きかけたのもオリー州知事です。

 なかなか有能な州知事のようです。日本路線もマナドに乗り入れるといいですね。インドネシアの中でもマナドは日本人にとって居心地のよい町だというのが私の実感です。もっと多くの日本人に訪れてもらいたいと思います。

 写真はマナド郊外のトモホン(Tomohon)にあるゲテモノ市場。 TRIBUNMANADO.CO.IDから。

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数年前のゼミ旅行でフローレス島から小さな船を貸切で4時間くらいかけてコモド島まで行きましたが、今日(7月23日)、そんな船が沈没しました。

 コモド島に向かったこの船の所有者はセラヤ・ホテル(hotel Seraya)の経営者で、乗客はイギリス人2人、アメリカ人1人、マレーシア人1人だったそうです。幸いにも乗員・乗客は皆無事で、船内の緊急用ゴムボートのようなもので近くのマワン島(pulau Mawan)に上陸できたとのことですが、乗客がもっと多かったらどうなっていたことか・・・。

こんなニュースを聞くと、うかつにインドネシアに学生を連れてはいけないなぁと、ふと思ってしまいます。

 写真はその船が沈没しているところ。Kompas.comから。

コモド船沈没

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