埼玉の大腸肛門科女医(肛門・痔・大腸内視鏡)のブログ

大腸肛門病学会専門医。聖路加国際病院外科レジデント、社会保険中央総合病院(現東京山手メディカルセンター)などを経て、現在、新越谷肛門胃腸クリニック、川口肛門胃腸クリニック(平成27年2月~)にて大腸肛門科女性外来を担当。痔などの肛門疾患や便秘、大腸内視鏡検査などについての情報を、特に女性の患者様に向けて書いています。 「カテゴリ別アーカイブ」の「目次」を参照くださいませ。ブログの詳細については第1回「宜しくお願い致します」で。

お尻のまわりが熱っぽくて痛い!

これは肛門周囲膿瘍の可能性が高いです。

肛門周囲膿瘍(痔ろう)は痔核や裂肛に比べ、頻度が低い(特に女性)ので、記事にするのをつい延ばしてしまっていました。すみません

お尻の内側に「肛門小窩」というくぼみがあって、下痢などで細菌が奥に侵入すると、「肛門腺」という部分が感染します。炎症が進むと、膿がお尻の近くまで広がってきて、お尻の外から見てもわかるようになります。

このまま放っておくと、
パンパンに腫れて限界がきて、自然に破裂(かなり痛いが、破裂すると膿が外にあふれ出て痛みはなくなります)
膿がお尻だけでなく、太もものほうにまで広がることがあります。特に糖尿病など細菌に感染しやすい方は要注意です

なので、放っておかずに、怪しければ、肛門科を受診してください
基本的に、その場で膿を出すような処置(部分麻酔して膿の出口の穴をあけます)で症状は一気によくなります
そして抗生剤の飲み薬を数日飲んでいただきます。

炎症がごくわずかな場合は抗生剤だけで治療することもありますが、基本は切開です
しつこいようですが。抗生剤だけで中途半端に治療しても結局切開が必要になることもあります

そして、実はこれ約半数の方がまたできると言われ、その場合「痔ろう」と言ったりします。膿の通り道(トンネル)が残った状態です。この場合は後日、根治手術が必要になってきます

ちなみに何度も繰り返しているのに放っておくと、痔ろう(トンネル)が複雑化することもあるので、要注意です

便器が真っ赤に!

「便器が真っ赤になってしまいました
このような方、多くいらっしゃいます。

大量に出血する場合、内痔核と言ってお尻の奥のほう痔からの出血のことが多いです。お尻の奥は痛みを感じないのですが、血管が豊富で結構出血するのです

手術に携わっていると、本当に痔から「シューっ」と出血するのを目撃することがあります
たしかに、この勢いで出たら便器は真っ赤になるだろうなと、思います
ちなみに、実はそんなに出血していなくても便器に一滴でも血がポタリと落ちると、血がサーッと広がり、結構赤く見えるというのも、事実です。

少量の出血+痛みの場合、裂肛(切れ痔)からの出血のことが多いです。ただし、裂肛の場合は大量に出血するというより、痛みのほうがメインの症状のことが多いです。

③もちろん、大腸がんの症状の可能性も否定できないので、(40才以上のの方は特に)一度、大腸内視鏡を受けることをおすすめします

④そのほか、潰瘍性大腸炎などの腸の病気が原因で血が出ることもあります。


あくまでも参考程度ですが・・・。


過去リンク
「わたし、拭くときに血が付くんですけど、痔ですよね?」
http://blog.livedoor.jp/osr48/archives/424345.html

出産後のあなたができる4つの痔対策!


前回の記事からの続きです。
まずはここへ
「妊娠中のあなたができる3つの痔対策!」
http://blog.livedoor.jp/osr48/archives/43764150.html

さぁ、めでたく出産
赤ちゃんはかわいくてかわいくて本当に食べちゃいたいくらいだと思います
ところが、お産時にかなりの方がいぼ痔になります
赤ちゃんが産道を通るときに、直腸肛門をかなりうっ血させるのです


では、あなたができることを挙げてみます
①円座クッション(ドーナツクッション)
お尻にあたる部分が開いているクッション
が売ってますよね
お産後に腫れあがったいぼ痔には効果的
お尻だけでなくそのあたり全体の痛みに効きますのでお勧めです
ただ、このタイプのクッションを使用するとしても、長い間の座りっぱなしは痔の原因になるので注意してください

②便秘対策
授乳中は母乳に水分を奪われるのでかなり便秘になりやすくなります
食事、水分は基本ですが、特に最初の3ヶ月くらいは自分の食事や水分なんてところまで、気が回らないですよね私は産後は何度卵かけごはんですませたことか・・・(模範例ではありません)

授乳中でも使える便秘薬(軟便剤)もあります
。産婦人科の先生や肛門科で聞いてみてください
ただし、便秘薬を使用したとしても基本は水分摂取です。宜しくお願いします。

③お風呂であったまる
これこれ、かなりおすすめなのですが、経験上、お産後ゆっくりお風呂につかるのは不可能
赤ちゃんが寝ている隙に、1分くらいでじゃーっとシャワー浴びて終わりって方が多いと思います
その1分の間も赤ちゃんが心配で、シャワーからでてきて、赤ちゃんがスヤスヤ寝ているところを確認し、ほっとする、みたいな
ゆっくりつかれなかったとしてもシャワー(お湯)をお尻にあてて、おしりをあっためるだけでも違います

まぁ、落ち着いてきたら赤ちゃんと一緒にあったまる、試してみてください
かなり症状が引きます
お風呂が無理だとしても、これからの季節もクーラーガンガンとかは避けるなど、なるべく冷やさないようにしてください

④痔の薬
授乳中でも使用できる痔の薬もあります。一度肛門科を受診してみてください
どのような薬を使用するかはご相談に応じます。
私自身、産婦人科のDrの友人も多く、この件について色々話し合ったりしているので、ご安心ください
患者様の痔の状態に応じて処方いたします。


そんなわけで、今回は「出産後の痔の理由と対策」についてまとめましたが、これ(特に対策部分)は出産後でない方にも効く方法です
ぜひぜひ、試してみてくださいね


過去記事リンク
「妊娠中のあなたができる3つの痔対策!」
http://blog.livedoor.jp/osr48/archives/43764150.html
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