2021年01月17日

「えのすい」最小のスターは

新江ノ島水族館には、様々なスターがいる。イルカショーに登場するバンドウイルカやカワウソ、ウミガメ、そして一ひねりしたのが触れるサメとか。

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一方で、どこの水族館でも人気があるのが、「クラゲ」だ。動きが優雅で芸術的で、ゆったりとした動きなので、撮影しやすい。そもそも不思議な生物だ。生物の進化の体系図から完全にはみ出した生物で、どこから発生したのかとか、今後の進化の方向とかよくわからない。化石がないのだろうと推測。

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通称「えのすい」の新江ノ島水族館にも多くの種類のクラゲがいて、とても名前を覚えられないが、光の関係で黄色に見えるクラゲがいた。不思議なことにほぼ全部が足を上にして浮遊している。いわば、『さかさくらげ』。

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ここで、いったん話は違う方向に進むのだが、『さかさくらげ』は温泉マークの俗称なのだが、元々は単に温泉のマークだったのが、昭和時代の中頃までは、いわゆる「連れ込み宿」。現代風にいうと、「ラブホ」のことを指していた。いつしか本物の温泉は、このマークを使わなくなったわけだ。

風俗関係史にたいして詳しいわけではないが、時代に対して移ろげなのは間違いなく、現代の常識で考えるのは違うのだろうけど、今も温泉マークを掲げているラブホは、あるのだろうか。どうも日本にはなく、韓国にはあるらしい。そもそもマークが日本から韓国に伝わったのか、その逆なのかもよくわからない。

実は、こういうのを後で調べながら書いていたのだが、驚いたことに本物の「サカサクラゲ」という生物がいるそうだ。

基本的には海底にいて、体(頭)を下にして足を海藻のように上向きにしてヒラヒラと擬態して獲物を待つそうだ。省エネ漁法だ。

しかも、本物のサカサクラゲは、新江ノ島水族館にいるそうだ。つまり「最小のスター」を見損じてしまったということだ。
  

2021年01月16日

将棋教室二ヶ所開始で感じる仮説

神奈川県の人口は922万人。東京都は1396万人。66%、つまり2/3なのだから、東京の新規感染者が2000人/日で、神奈川が1000人弱というのは健闘しているのかもしれない。一方、病床確保の方は東京より先にお手上げになっている。

こんな中で不要不急の極みとも思える将棋教室が開かれているのも不思議だが、今、講師をしている二ヶ所とも横浜市の傘下の組織なので、おそらく開催されるのだろうと思っていたら、その通り開始になった。姿の見えないステルス型市長と知事だからしょうがない。

ところが、この二ヶ所だが、受講者の受講料が異なっているのだが、1月からの講座では受講料の高い方が3倍に増え、受講料の安い方が2/3に減った。

これをどう考えるか、あれこれと考えてみたのだが、仮説ではあるが、こどもたちの家庭の経済状況がコロナ下で格差が開いてきているのではないか、と感じている。

また。藤井二冠のように、毎年1億円を今後40年間稼ぎ続けるように親が期待している節もあるのだが、そういう熱意は受講料の高い方により強いように感じる。


さて。1月2日出題作の解答。

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正月らしく全駒使用にした。さらに馬は縁起がいいという左馬。

両王手の筋に寄り道付き。4四に捨てるコマが金ではなく、と金であるのは、正月から「金」を捨てたくはないから。


今週の問題。

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動き出したら、意外に簡単かも。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(2)しょうぎ

2021年01月15日

悪魔の話(池内紀著 悪魔学)

まず、悪魔の数。ノーベル文学賞を受賞した20世紀前半のオーストリア人作家、兼悪魔研究家のカネティによれば2つ説があって4463万5569という説か約11兆。

別の学者によれば悪魔は6軍団あり、66大隊に分かれ、さらに666小隊に分かれ1小隊には悪魔が6666体いるので、17億5806万4176体ということ。

当時の世界人口は15億人程度なので、第一の説だと人間30人対し悪魔一体。
第二の説だと人間の数とほぼ同数の悪魔がいることになる。そしてもっとも多い説だと人間一人に対して700もの悪魔がいることになる。


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個人的には、人間の数だけ悪魔がいるのだろうと思う。そもそも悪魔は形を持たない。ほうきに乗って世界を飛び回るのは魔女ではなく、単なる魔法使いだ。

人の心の中にいて、ときどき現れ、人間の気持ちを捻じ曲げてしまう。

ところが、日本では、悪魔ではなく「天狗」がいて感情を支配する。

そして、本物の悪魔は、もっとずっと小さいウイルスだったわけだ。実際、かなり気の滅入る本だった。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)書評

2021年01月14日

ピアニシモ(辻仁成著 小説)

1997年に生涯最高と思われる『海峡の光』で芥川賞を受賞した著者のデビュー作『ピアニスト』は1989年に発表され、すばる文学賞を受賞している。

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あえて厳しい見方でいうと、『海峡の光』の中に漂う不気味に緊迫した不安感が本作にはあまり感じられない。不安はないわけではないが、なんとなく漂流感覚で生きている若い人たちの日常が、どれだけ読者に共感されるかというのは疑問があると思う。そもそもデビュー作の1989年は、バブルの頂点。ここから日本は崩れていった。もちろん崩れる要素はその前にあったわけだが、その後の暗い時代を生きてきた現代人は、小説よりももっと大きな不安を感じていくわけだ。

思うに、歴代の芥川賞作の中でも『海峡の光』は異様な輝きを持っている。そもそも函館の少年刑務所から泳いで逃げようとする少年の話だ。『ピアニシモ』は都会のコンクリートジャングルの中で浮遊する少年少女の話なのだから対極だ。

その後、著者は軽作派に戻っているように見える。個人的推測なのだが、『海峡の光』を書き上げた時の疲労感に、著者が耐えられなくなったのではないだろうか。作家は小説の主人公をどうやって紙の上に固定するか、すべての責任を持っているわけで、泥沼の中でもがく人物を作るのは、精神と体力をすり減らすのだろうか。

また、2021年現在、多くの読者は、苦しかったり悲しかったりするストーリーは現実として目の前にあって困窮しているのだから、能天気に明るく愉快なストーリーを求めているのかもしれない。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)書評

2021年01月13日

ガス燈(1944年 映画)

イングリッド・バーグマンの主演作の中でも本格的なミステリー。

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幼児の頃に早世した母のかわりに育ててもらった有名音楽家の叔母が殺されたロンドンの邸宅で、新婚の夫と暮らすポーラ(演:イングリッド・バーグマン)。夫は、毎夜外出して何時間かしてから戻ってくるのだが、外出中はなぜか、室内のガス燈が暗くなる。さらに寝室の階上からは微かな物音が。

また、ポーラの記憶にないのに、家の中で不思議な現象があって、精神状態の異常を疑わせることが増えてくる。

実は、各家庭にガス管でガスが送られてきて、それで室内の灯りをまかなうという習慣が日本にはないので、当初は意味がよくわからないことがあるが、映画の中で、他の部屋でガス灯を付けると一部屋当たりのガス供給量が減るので、暗くなるという現象がなにげなく説明される。

そして、10年前の殺人事件をオクラ入りまえに解決しようという、執念深い刑事が登場する。刑事は、新夫が怪しいと睨んでいるのだが、およそ半分ぐらい進んだところで、刑事の活躍が始まるのだが、その頃には観ている側もウスウス気がついている。

そもそも、夫役のシャルル・ボワイエだが人相が悪い。有名人物で言うとカルロス・ゴーンに似ている。やっていることが似ているかどうかは裁判が行われないので明確にならないが、前の殺人事件の時に狙っていた国宝級の宝石が見つけられなかったため、法定相続人であるポーラと結婚し、階上(三階)の部屋に封印されていた遺品の数々を調べていたわけだ。

そして、刑事と格闘の末、お縄になる。会社法違反ではなく強盗殺人罪なので保釈中に国外逃亡することはなく、厳しい処罰が待っているのだろう。16世紀のロンドンなら、縛りクビにされ、顔にタールを塗られてロンドン橋から逆さづりにされたはずだ。

ところで、本作は1944年に米国で公開になっている。世界はまだ大戦争中であるのに、ミステリー映画を米国の大衆が観ているというのに、本当に驚く。

米国と欧州の両側で活躍したバーグマンだが、女優の中の女優というか本作でも非の打ちようがない。闘病の末1982年に67歳で亡くなり、老女の役を演ずることはなかった(はず)。
  
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2021年01月12日

畳替

畳の部屋があって、二十年近く、畳を替えてなかった。和室をやめて洋室にするということも考えたが、とりあえずサブルームだし、急な来客対応とか、親類とかの急な宿泊とかユーティリテイにするには和室の方が便利だし、洋室では二面ある厚さ17センチの六寸盤の顔も立たない。そして、なにしろ大改造には大費用が必要。

ということで、畳店に実地調査してもらうと、畳本体はそのままで畳表だけの張替えで大丈夫ということになる。しばらく前から畳店のチラシやHPで調査していたのだが、素材と質によって信じられないような価格差がある。さらに依頼した店によっても大きな差がある。つまり高い店で高級品を買うのと、安い店で低級品を買うのではブランドショップと百均のような差があるわけだが、どちらも実用上はそんなに大きな差があるわけじゃない。

また、古い知識では、国産のイグサ製が最高だろうと思っていたのだが、そうではないらしい。人工の畳というと、柔道場のビニール畳をイメージしていたのだが、最近の人工畳は、紙製だそうだ。要するに、紙のこよりを細くしたような素材をイグサのように編んだ製品で、耐久性に優れていて、価格も一般のイグサより高かったりする。

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ただし、紙製では畳の香りがないわけだ。そう、旅館の香りがしないわけ。もっとも旅館の香りは2〜3ヶ月だけなので、どちらがいいかは、個人で決めるしかない。

実際には、色々な検討項目の中で、「畳店による価格差」というのが絶対的大問題なのだ。あまりにも法外な差がある。

ということで、比較的大きな会社に頼むことになったのだが、これも人それぞれだろう。何ヶ月か前に恩賜された10万円のゴルフクラブのお釣りの残金がなくなった。

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そして、並級品ではあるがイグサ製を選んだので、畳の色が黄色から緑色に変わる。旅館の香りが部屋に漂ったわけだ。掃除機を使うと、畳の中の香りを吸い出してしまいそうなので強度「弱」にしている。

旅館などは客室や宴会場の多くが畳敷きなのだから、維持費は高いのだろうと苦労が偲ばれるわけだ。
  
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2021年01月11日

米国民主主義の行方

まず、大統領の「あおり」によって、大統領支持者が国会議事堂に侵入&占拠した事件に関して、1967年に制定された米国憲法修正第25条により大統領を罷免する話が浮上している。実際には、修正第25条は4つの節から成り、1節から3節は、大統領が亡くなった時、手術などで一時的に職務が行えない時、自ら辞任する時の規定で、大統領をクビにするのは4節である。1967年はジョンソン大統領の時で、彼が大統領に就任したのはケネディ大統領が暗殺されたことにより、その後に大統領の引継ぎの根拠が成文化されたわけだ。

そうなると4節は他の3節とは異質な内容になっているのだが、ベトナム戦争が泥沼化している時だったので、4節はジョンソン大統領を念頭においた制度だったのか、あるいは単に大統領が辞める場合のケース別を網羅するためのものだったのか、よくわからない。

4節では、副大統領が国務大臣の過半数の賛意を受けて下院議長、上院仮議長(制度上は上院議長は副大統領なので仮議長となっている)に届け出ることになる。その後、4日間の間に大統領が異議を申し出ると、両院とも2/3の賛成でクビが議決される。

任期は1月20日までなので、まだ間に合うわけだ。その場合、最も重要人物はペンス副大統領ということになる。そして、彼は4年後の大統領候補を狙っているはずで、そのために国民に対する印象操作をどうしようかと考えているはず。ペンス氏が動かない場合、議会側から弾劾手続きを始めるということになるが、これが成立するとペンス氏が大統領になる。

付け加えると、大統領は2期八年が上限という憲法修正がある。仮に今、1週間大統領を務めたとして、自分が大統領になった時、その数日を理由に2期目に立候補できないということになるかというと、途中交代の場合は2年以下の場合はゼロカウントになるそうだ。


ところで、これでトランプ支持者は減ったであろうものの消滅するわけでもなく、一方、民主党の方も社会保障の拡充を基本政策とするグループのバイデン政権への批判もあるようだし、もしかしたら2大政党という長年の慣習を捨てて、例えば4大政党のような形に変貌することだって考えられる(かも)。

もっとも対中国政策や地球温暖化対策にしても、結局、中国に市場を荒らされていることや異常気象が多発して、なんとかしなくてはならなくなったことなど不都合なことに対処する必要に迫られたからで、理念に基づく政策でもないわけなのだから、誰が大統領をやっても同じことなのかもしれない。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)市民A

2021年01月10日

「えのすい」の大物スターたち

昨年末に新江ノ島水族館に行った。この自粛中に水族館に行くのか、と言われそうなので、題名だけでも、公式の俗称(つまり愛称)である「えのすい」と変えてみた。

水族館には、どこでもスター選手がいる。まったくスターがいなかったのは、オアフ島のホノルル水族館だった。ホノルル大学はホテル学科が有名だが、海洋研究もしているのだから大学主導で奇抜な水族館をつくればいいのにと思ったのだが。

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「えのすい」にはいくつかのスターがいる。なんといっても、大型のバンドウイルカが空高くジャンプして、観客席を水浸しにするイルカショーが凄い。イルカの知能が高いというのは周知だが、どうも新米のキャストなどイルカに調教されているように見える。

もっとも、イルカが空高くジャンプするのは、本物の海が見たいからなのではないだろうか。

困ったことに複数の小学校から、遠足?で大量の子どもたちが入ってきて、座席が埋まってしまう。混まないところに逃げ回る。イルカたちに見られたような気がする。

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そして、カワウソ。漢字では「獺」とか「川獺」とか書く。イタチに似ているとか「うそ」という言葉が使われるので、不人気動物だったが今や大人気だ。二ホンカワウソは絶滅した可能性が高いといわれ、類縁のユーラシアカワウソを日本に密輸しようという人たちが大勢いる。

川に棲み、魚を捕まえて、岸にたくさん並べて、うれしそうに踊るのが獺祭といわれ、人気の日本酒になった。社長は札束を並べてうれしそうに踊っているのかもしれない。

動きが異常に早く、撮影は困難なことが多い。

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そして大水槽に複数の魚が回遊している。そもそも江ノ島の前にある海は相模湾。関東には東京湾があり、三浦半島の先に相模湾があり、伊豆半島の向こうが駿河湾(静岡だが)。それぞれ旨い魚が違う。(水族館で寿司ネタのことを考えるのは不純かな。そういう人間は女子高の教師になってはいけないだろうね)

そして勉強不足のため、見逃してしまった小さなスターのことを書かなければならないだろう。
  

2021年01月09日

またも危機にある将棋教室

一都三県に緊急事態宣言で、またも講師先の将棋教室が休会の瀬戸際になっている。運営形態が違うものの、上部団体が横浜市の組織が二つあって、結局、下に下にという伝達でどうなるか。小中学校の休校は求めないものの合唱などのクラブ活動は取りやめるようにということらしい。将棋は、大声は出さないのだが、なにしろ向かい合って座る。

もっとも、横浜市長と神奈川県知事はどちらも何もしない狛犬という感じだ。あるいはステルス。しばらく放置なのだろうと予測している。


さて、12月26日出題作の解答。

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初手が気持ちのいい手。

動く将棋盤は、こちら。(flash版、edgeは不可)

gif版はこちら。
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今週の問題。

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玉を危険な場所に誘導する。

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Posted by ota416 at 00:00Comments(2)しょうぎ

2021年01月08日

ロブスター・サンド

12月の初旬に江ノ島に行った。新江ノ島水族館の入場券(定価2500円)をもらっていたのだが、期限が12月末。なんとなく、月末にはロックダウンではないかとも思えたので慌てて行ったのだが、考えてみれば県知事は「何もしない主義」だったのだから、慌てることはなかったわけだ。

それで、まずランチから。このあたり、どこも満員30分待ちが通常だったはずだが、どこも閑散ウェルカム状態。国道に面していて派手なデザインの『レッド・ロブスター江ノ島店』に入る。テーブルは7割程度埋まっていた。店員の方が念入りにテーブルと椅子の消毒をしていた。ここまで念入りの店はあまり見ない。

ということで、さっそくメニューを開くと、しばらく行ってなかったうちに「ロブスター」だけではなく「オイスター」に力を入れているようだ。

といっても、オイスターには白ワインとなると、そのあと飲酒運転ということになるわけで、オーシャンセットというセットメニューにする。

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前菜類一式のお皿とロブスター・サンドのお皿と二皿でてきて、ドリンク付きである。

ロブスターを食べたことがある人も多いだろうが、エビとカニの間の味だ。基本的にはザリガニなので、エビよりもカニの味に近い。ハサミを除去すると伊勢エビに似ているが、伊勢エビと称して料理を供出すると、ほぼ見破られるだろう。伊勢エビを食べたことのない人には通じるだろう。

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実際は、このサンドだが、かなり大きく、しかもソースがたっぷりなので、ホットドッグみたいに気軽には食べられない。フォークとナイフで皿の上でバラバラにして食べることになる。たぶん流儀は間違っているだろう。

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海にはサーファーが散見されるわけだが、江ノ島にいる人は、それぞれ目的の違いはあるものの、すべて「お互い様」なので密を注意する人は、誰もいない。そのうえ、複数の小学校の遠足一同様ご用達大型バスが、次々に水族館の駐車場に入っていくので、慌てて水族館に向かう。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)あじ

2021年01月07日

小さいおうち(2013年 映画)

本作は中島京子氏の直木賞受賞作『小さいおうち』を原作として、2013年、山田洋次監督により映画化される。

舞台は、現代と太平洋戦争直前の東京の富裕家庭とがリンクする。当時、玩具会社重役だった平井家の「赤い屋根の小さいおうち」に住み込んでいた山形出身の女中(演:黒木華)が老年になり書き始めた自叙伝を基にストーリーが進んでいく。映画の大部分は戦前の平井家に起きた事件を追っていく。

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本映画、平井家の美人妻を松たか子が演じる。夫の会社の絵画学校出身の若手社員と美人妻の燃え上がる不倫を目の前にして黒木華演じる女中がオロオロするのだが、ついに破局は召集令状によってもたらされる。といっても「家政婦は見た!」という軽いノリで観たらいけないだろう。

実は、主題は複合的にいくつもあって、昭和12年から20年までの日本国民の移ろげな心情、戦争の悲惨さ、戦時下における秘められた恋愛、富裕階級の破滅、そして、生き残った青年や女中の人生回顧。その一つ一つに主人公が異なっている。ベルリン映画祭で黒木華が助演女優賞を受賞したが、見方によれば、彼女が主演で松たか子が助演なのかもしれない。

実は、ネット上には異常ともいえるほど「様々なネタバレ解説」が多い。原作と映画と、いくつか意図的に変わっている点があるから、さらに難しい。

自分的に割り切れないのは、冒頭で元女中が亡くなった時の遺品の中に、習作っぽい小さな赤い屋根の家の絵があったこと。映画の中では一瞬で廃棄処分の段ボールに入れられてしまったのだが、その絵は誰がいつ描いたものなのかというのがずっと割り切れないでいた。

実は原作小説にはないそうで、その絵画を描いたのは美人妻の不倫相手には違いないのだが、ということは原作では女中(黒木華)は奥様(松たか子)に恋をしていて、青年との不倫を終わりにさせたかったことになっているが、映画ではさらに女中と青年が直接会っていたことを示していて、さらに美人妻のこどもの述懐の中で「海の話」が語られ、それが裏付けられていたことに気付く。

そうなると、多くのネタバレ解説よりずっとずっと深いものが霧のように漂っているということなのだろうか。

ところで、この映画でも、松たか子は、戦時下に軍国主義批判をしたり、不倫関係にはまったり、ギリギリの役を演じている。主演のはずなのに、助演の黒木華ばかり評判になったり、こういう役を続けることで少しずつ心を削られていったのだろうと思う。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)映画・演劇・Video

2021年01月06日

10宅論(隈研吾著 住宅論)

今をときめく建築家といえば、隈研吾氏だろうか。国立競技場の3000億円新設プランが破綻した結果、隈氏プランが採用されたというのも、ラッキーそのもの。角川ミュージアムも彼の設計だ。どちらかというと、建物の基礎的な骨格はガッシリした造りにして、重厚なデザインが多いような気がする。本書の中で安藤忠雄氏のことにも触れているが、安藤氏も少し前は「今をときめく」状態だったが、さすがに80歳となると馬力が落ちているのだろうか。

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実は、この書物は、個人の住宅について10のパターンにわけ、各グループごとに住宅の特徴やそのグループの住宅を好む人たちの考え方をまとめている。ただ、途中から、少しずつ趣旨が変わっていくように感じるところがあって、そもそも10のパターンというようにまとめていいのかなと読者が感じることがある。

さらにあとがきでは、「この本はでっちあげ、フィクションのたぐいで・・」という意味のことが書かれているのだが、あきらかに最初の方は、著者の熱弁が語られるわけだ。書き過ぎて収束困難になったのかもしれない。

では10のパターンとは、
1. ワンルームマンション派
2. 清里ペンション派
3. カフェバー派
4. ハビタ派
5. アーキテクト派
6. 住宅展示場派
7. 建売住宅派
8. クラブ派
9. 料亭派
10.歴史的家屋派
である。

落ち着いて考えると、1、4、10は現実に存在する住宅空間の中で、自分の好みのタイプの住宅に住もうというコンセプトである。

2、3、8、9も現実に存在する空間ではあるが、ペンションやカフェバー、クラブ、料亭というのは、それらを好む人たちにとっては心穏やかになる空間ではあるものの、住宅ではないため、生活空間を含んでいないので完全な形では存在しない。

5、6、7は家の設計方法で、建築家に設計を任せるか、モデルルームを比べて選ぶか、建売住宅を見て買うかという差である。

この中の5のアーキテクト派の中に、安藤忠雄氏のことがあり、日本の建築は洋物の設計図を翻案しているだけだったが安藤氏は洋物から離れた独自の主張を持っていると称賛している。例として茶道の千利休を挙げ、唐物による茶道を、利休なりの世界に変換してしまい和風の茶道を確立させたのと安藤忠雄の設計は同じだ、と論ずる。

実際、安藤氏は大学に行かずに独学で建築士試験に合格している。洋物の真似をしようにも洋物にそう多く触れたわけでもなかったのだろう。一方、隈氏は東大卒で在学中には多くの有名教授の指導を受けている。卒業後はコロンビア大学に留学するなど、洋物の中にいたわけだ。

そういうところが、設計の差になっているのではないだろうか。不安定さを強調する安藤忠雄と安定感を強調する隈研吾ということだろう。

なお、隈研吾氏が建築家になった理由だが、少年の頃は、横浜市の大倉山の旧家に住んでいて、いつも父親が家の修繕をしているのを見て、建築が好きになったということだそうだ。大倉山といえば、私も一時期住んでいたことがある。さらに、話題のプリンス小室圭一家も大倉山の住人だ。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)書評

2021年01月05日

カンガルー日和(村上春樹著 小説)

『カンガルー日和』は村上春樹の短編小説集。文庫本で約250ページだが17の短編が200ページ書かれて、最後の『図書館奇譚』という中編は約50ページある。17の短編は、手法的にはニューヨーカー的な切れのいい小咄というパターンと、身近なところに潜む不条理というパターンに分かれるだろうか。多くが、その後の長編小説の中に埋め込まれているように思える。

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そして『図書館奇譚』。「図書館」と言えば『海辺のカフカ』ということになるだろう。そして、本短編集が発売されたすぐ後に発刊された『羊たちをめぐる冒険』の影の主人公である羊男が、登場している。羊はその後、『ダンス・ダンス・ダンス』につながっていく。「奇譚」という単語は、その後の『東京奇譚集』にて登場するのだが、関係は薄いような気がする。『東京奇譚集』は難解である。

ある意味、村上春樹の全貌は、『カンガルー日和』の中に詰まっている、とでもいうべきかもしれない。


しかし、過去に読んだ小説を読んでも既読感がないというのは、自分がボケたのか、あるいは読めば読むほど細部が見えてきて面白くなる作品という作家の腕なのか、どちらなのだろう。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)書評

2021年01月04日

「目を見る文化」は定着するか?

昨年の終り頃に、書いてみようかと思っていたネタが、「目を見る文化」。

「文化」とは大げさすぎるが、日本人は、相手の目を見ないで話す、と言われる。

会社の新人や若手社員教育でも、初対面の人の目を見て話すようには教えない。目の間をなんとなくあいまいに見て話すことを勧める。とりあえず、目を見て話す人は少ないし、初対面では無難さが求められる。

ただ、「目は口よりも物を言い」というコトワザもあるぐらいで、目も使い方によっては表情を多彩に作ることができるが、基本的に演技練習をしないで使うと、大失敗する。

そして、昨年は、どこに行ってもマスクをしなければならなくなり、さらにマスクの汚損等に備え、外出時には替えマスクも2枚は常備しないといけない、という状態だった。雨の多い地方では、「弁当忘れても傘忘れるな」というコトワザがあるが、「傘、弁当忘れてもマスク忘れるな」だ。(コトワザじゃなくリアルだけど)

必然的に、対人関係といってもマスクをしたまま会話をすることになるので、顔の表情は目だけしか見えないわけだ。近くのスーパーなどで、見知ったような人がいても、目と顔の骨格だけで知人とは特定できずに声をかけそびれたこともあるだろうか。(双方で顔を見比べたこともあった)

つまり、会話の時には、無意識にでも相手の目を見るしかないわけだ。そういう日常を続けていれば、来るべきマスクレス社会に戻った時も、目を見る文化が継続するのではないだろうかと思ったわけだ。

とはいえ、1年や2年や3年?で、人間の習性が変わるわけはないだろうとも思える。さらに昨今のサード・ウェーヴでは、会話の前に、外に出ること自体が禁止されそうな感じになってきたようで、会話の機会そのものが激減し、文化どころじゃなくなりそうなのだ。


ところで、前々から思っていたが、現首相だが、顔は笑っていても目が怖いなと感じていた。目が怖いのを口元の笑いでカバーしていたのだろう。ところが、不織布の特に大きなマスクをしていることが多く、怖い目しか露出していないので、それも支持率低下の一因なのだろう。

今さら、眼術演技の練習は無理だろうが、目以外の露出を多くすることによって、用心棒のような表情が少しは和らいで見える効果があるだろう。思い起こせば、スモールサイズで評判だった恩賜のマスクがあったはず。
  
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2021年01月03日

源氏物語絵屏風を吉兆庵美術館で鑑賞

和菓子の老舗の一つである吉兆庵には岡山と鎌倉に二つの美術館を持っている。その岡山の方で開催中(〜1月31日)なのが、『ジャパン・ビューティ』展。その目玉が「源氏物語絵図屏風・六曲二双」江戸時代の作である。

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ごく簡単に書くと、平安時代中期に書かれた源氏物語(著者:紫式部)は、まず百年後に絵画化される。(映画で言えば、原作小説が映画になるようなもの)

最初は「絵巻」となる。源氏物語は全54帖もあるので、ある意味では絵巻には都合がいい。第一帖からはじめて各帖の中心場面を並べるわけだ。

そして、室町時代の後期に、屏風絵と襖絵という大型の絵画が描かれることになる。

さらに江戸時代には版画として一冊の本として出版されることになる。

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展示されているのは、屏風絵である。本展では、屏風絵を屏風本来の立て方にして展示している。よく、屏風を伸ばして板のようにしてガラスケースの中に絵画のように展示する場合があるが、本来の立て方だと見え方が異なる。六曲二双というのは、六枚の屏風が二枚ある(つまり12面)ということ。結局、立った姿を見ると、二枚でワンセットということになる。

この12葉に54帖中14帖の絵画が描かれているのだが、基本的にはどの帖も主人公の光源氏が愛人を次々に渡り歩く話なので、各帖ごとに光源氏と女性が描かれると、光源氏が14人分になってしまうはずだが、そうはなっていない。

詳しく分析することはできなかったが、どうも二葉につき、光源氏一名登場で、その両側に二つの帖の描写が行われているように見える。後で確認できると思っていたが、『源氏物語絵屏風学』などないわけで、今一つ、自信がない。
  

2021年01月02日

ことしもよろしく(詰将棋編)

本来なら、『コロナ』立体あぶりだし詰とか作ればいいのだが、そもそも「形状派」じゃなく「ストーリー派」なので、上手く作れない。『コ→ロ』の1手転換はできると思うが、『ロ→ナ』は思いつかない。作れてもほめてもらえないのは間違いないし。

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ということで、本日用意したのは、単なる数分内に解けるはずの七手詰。一応、全駒使用だが9枚。(くれぐれも年賀詰コンクールには参加しないので)

むしろ、この問題に秘められた事情を考えてほしい。

普通に考えると、1一馬はなぜ生角ではないのか。4五とはなぜ金ではないのか。

わかったと思われた方は、最終手と手数(七手)とご意見をコメント欄に書いていただければ正誤判定します。


さて、12月19日出題作の解答。

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ドアを開けて帰ろうと思って、忘れ物を取りに戻ったら、ドアが閉まって帰れなくなった図。

動く将棋盤は、こちら。(flash版、edgeは不可)

gif版はこちら。

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Posted by ota416 at 00:00Comments(2)しょうぎ

2021年01月01日

謹んで、今年を考える

新年になっても、何も嬉しいことはない。とりあえず、ステイホーム。1月後半になると、そのままステイホームか、GoToか、ロックダウンか。三択らしい。クイズなら、いずれか一つが正しく、二つは間違っているのだが、コロナに限っては、正解がないのかもしれない。

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個人的には、年の後半に行事が多いはずで、五輪観戦、旅行、将棋関係のあること。

逆に前半は、春になってから1件こども将棋教室の講師を頼まれていて、既存と合わせると3ヶ所目になるのだが、こういう展開になるとは、あまり予想していなかった。人生の漂流?ということ。誰かの影響で将棋人口が増えたのと、高齢指導者のリタイアという二つの要因の結果だ。こども教室と言っても個々のレベルは違うし、それぞれに準備が必要で指導は簡単じゃない。(一般の方は、将棋の実力と年齢は比例すると思われるかもしれないが、まったく関係ないので、誤解から様々な問題が発生する)

と言っても、現在考えられるすべての予定は、「大いに不確実」ということだから、明るい気分にはとてもならない。丑年らしく、ひとことでいうと、

もぉ〜
  
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2020年12月31日

平家巡礼(上原まり著)

少し前に岩波ジュニア新書『平家物語を読む』を読んで、なんとなくもう少し踏み込んでみようかと思うとともに、琵琶法師の語る平家物語を聞いてみたいと、たぶん無理だろうと勝手読みして書いたのだが、琵琶法師ではないが、琵琶奏者の語る平家物語というのは、実在していることがわかった。というか琵琶を弾く場合、平家物語は定番みたいなものらしい。

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そうとは知らず、平家の滅亡に向かう歴史を歩き続けた女性の著作を手に取って読み始めたのだが、著者の上原まりさんは、琵琶奏者だった。祖母の代からの琵琶奏者であるととしかも、平家ゆかりの神戸市出身。さらに、宝塚のスターだった。神戸、琵琶、歌い手ということになれば、平家物語ということになるしかない。実際、youtubeには彼女の「祇園精舎の鐘」の演奏が並んでいて、いつでも聞きたいだけ聞ける。

本書は平家物語の種類とか、成立の秘密にも触れられているが、平家物語の登場人物、それぞれのエピソードが書かれ、それに対応する悲劇の段が挙げられている。さすがに岩波ジュニア新書には書かれていない残酷な事実も、本書では確実に記されている。人物で平家物語を見ると、後白河法皇と源頼朝という二人はとらえどころのない妖怪になっていて、平清盛は、常識の存在しない宇宙人のようになっている。

平家の巡礼というのは、京都六波羅、鹿ケ谷、神戸福原、屋島、壇ノ浦、寂光院といったところだ。個人的には鹿ケ谷と寂光院は行ったことがないが、その他の場所で感じた気持ちは著者とほぼ同じだ。

僧俊寛の悲劇の場所である鬼海島には、いつか行ってみたいような気がする。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)歴史

2020年12月30日

羊をめぐる冒険(村上春樹著)

GoToが事実上、破綻に向かっていて、結局、個人的には内向の時代に向かっているわけだ。というわけで、再度、村上春樹を何冊か読んでみようかと思い立つ。自分の読書パターンは、特定の作家をかなり読むことが多く、古くは三島由紀夫、石川淳、そして村上春樹はほとんどの中心作を読んでいる。小川洋子は半分ぐらいかな。吉村昭もたくさん読んでいるが、その何倍もの著作があるだろう。

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本作、講談社文庫で上下巻のある本格的長編である。ストーリーは現実と非現実が混じり合い、「ノルウェイの森」を除く多くの作品につながっている。名前は出さないが、村上春樹の影響を受けた作家はたくさんいるのだが、本家以外がこの非現実の世界を書き始めると、あっという間に妖怪小説になってしまう。

巧みに世界を切り替えるために、著者は、一気に世界を裏返すのではなく、裏側の世界のほころびのような事象を小出しにしていくわけだ。主人公にかかってくる電話の内容を第三者の女性が知っていたり、北海道にわたって羊のことを調べ始めると、いつの間に羊博士のところにたどりついたり。

気になっているのは、村上春樹の作品ではしょっちゅう使われる、この現実世界と非現実世界の混合だが、「羊」では、それほど多いわけではないのだが、年を重ねるにつけ非現実世界での事象を書く比率が高くなっているように感じる。

この拙文を書きながら考えてみると、現政権、前政権あたりの非現実感が漂う政治って小説に似ているような気がする。なぜ、たいして能力も人気もない現実遊離した人が政権を担うことになるのだろうか。

この本で、2020年の読破数は100となった。(といっても『羊』は再読である)
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)書評

2020年12月29日

青春ピカソ(岡本太郎著)

世界の巨匠ピカソに日本の巨匠岡本太郎が挑むといった趣旨の本だが、どうも挑むのではなくひれ伏しているようにしか見えない。

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岡本太郎だって、常識を破るために格闘を続けた巨匠であるのだが、太郎に言わせれば、ピカソにはそもそも打ち破る常識というのが存在しない。すべて自分の考えたことを実現しているということ。

岡本太郎の方の話では、ルーブル美術館で、セザンヌの絵をみて涙が止まらなくなったというから驚きだ。もっとも、私も涙は出なかったが驚愕したのはルノアール展だが、セザンヌには、そう感動しない。ただ、岡本太郎の表現をよく読むと、技法的に自分を超越していて感心した、という類の涙だったのかもしれない。裏側には、岡本太郎自身が「両親がともに有名な芸術家であった」という重い事実を背負っていた心理的プレッシャーがあったことも書かれている。

後半は、ピカソに会いに行って言葉を交わし、アトリエを見せてもらうことが中心に置かれる。岡本太郎はピカソのことを十分に研究して、対話に臨むが、若い頃のピカソの言動について質問をしようとするが、ピカソ自体が覚えていなかったり、そういうつもりじゃない、といった話になり、まとまりに欠ける。

結局、岡本太郎は「ピカソはピカソである」ということに到達する。誰もそれをさまたげることはできない。

岡本太郎もピカソほどではなくても「太郎は太郎だ」という行動様式になり、多くの作品を残した。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)書評

2020年12月28日

体は全部知っている(吉本ばなな著)

13編の短編集。著者以外には書けない短編。題材がいかにもユニークで、文体が軽いわりにディープなことが書かれる。

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その多くが長編にした方がいいのではないだろうかという思いにさせられる。

会社の生き地蔵のようなおっちゃんのことを書いた『田所さん』。アロエを栽培しているうちに立派になりすぎて、切るに切れなくなり、何か霊的なものを感じてしまう『みどりのゆび』がいい。

何といっても『いいかげん』。喫茶店に行って預金通帳を開いて、女性店員に巨額の残高を見えるようにする、通称「通帳おじさん」のこと。深い理由があるわけでもなさそうだ。もしかした紀州のドンファン的?

著者は少しだけ風変わりな人物を造形するのが得意だが、ごく最近の日本や世界の状況は、そういう風変わりな人間が、小説の中と同じようにたくさん実在していることなのだろう。

何か小説書きにくい時代になってきたのかなと思っている。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)書評

2020年12月27日

エンゼルロードは踏み荒らされて

小豆島に行った時に、時間があれば行きたいと思っていたのが、エンゼルロード。日本に数多くあるウユニ塩湖の一つ。干潮になると沖にある島との間が陸続きとなって、歩けることになる。もちろん、ウカウカしていると満潮になって戻れなくなる。

そして、島内観光バスが1日の旅程を終えて、岡山行きのフェリー発着港である土庄港へ戻る途中(港から1.5キロ)にエンゼルロードがあり、ちょうど島との間に道ができる干潮の始まりの時間だったのだ。幸運がいくつか重なる。

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ということで、さっそく、バスを下車して歩き出す。妙なもので、エンゼルロードに行こうという物好きは、バスの中で二人だけ(性別は省略)。同じバスに乗っていた人なのだろうか。何時間も一緒だったはずだが、あまり記憶になかった。ということで、自然と一緒に歩き出したが、実は、バスを降りたところからエンゼルロードまで5分位あり、その5分間で細い回廊は渋谷駅前のような混雑になっていた。最も狭いところは幅数十センチなので、よろけると靴が海水に浸かってしまう。臨時同行者もいつの間にかいなくなってしまった。

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そして小島の樹木には、絵馬ではなくホタテの貝殻がたくさん吊るされている。願い事を書いて残しておけばいいらしい。もっとも畠中恵著『しゃばけ』シリーズの中には多数の神様が登場するが、頼まれると、わざとできなくするような性悪な神様もいるらしいから気を付けた方がいい。

人々の願いというのは客観的には笑えることが多いので、いくつか読んでいるうちに、大問題のことが書かれている貝殻があった。


ちんちんの病気が
早く直りますように



ことばの通りに解釈していいのだろうか。鍵は、「ちんちん(以下、チンと略。)」の意味だろうか。

自分のチンだろうか、カレシのチンだろうか、あるいは飼い犬のことだろうか。

しかし、犬にそんな名前は付けないだろう。  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)たび

2020年12月26日

将棋クロスワードの難問

将棋ペンクラブの会員に「将棋ペン倶楽部通信」が送られてきた。クローズドの秘密結社みたいな会らしく、内容を書くわけにはいかないが、末尾に将棋クロスワードがあった。マス目は将棋らしく9×9。

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そもそも将棋もクロスワードも頭脳ゲームである。二人でやるか一人でやるかの差はあるが、それぞれに達人がいるのだろう。その一つの難しいゲームの達人が集まってクロスワードを作ったそうだ。やはり、予想通り難しい。一日では終わらなかった。というか、本来はヨコのカギとタテのカギがあるから、全部のカギが解けなくても、タテとヨコを組み合わせると解けていくのだが、そういう方法は好きじゃない。完全クリアを狙うべきということで、ヨコのカギを先に全部解こうとしたわけだ。

そして、最も難しいヨコのカギは、二文字で「首相の名前」。めったに国民の前に姿を見せないので思い出せないが、「す」と「が」を入れればいいのだろうが、その前の総理も「あ」と「べ」の二文字だった。クロスワードを作るのに、どれだけ時間がかかるかわからないが、もしかしたら、前総理の方かもしれない。あきらめてタテのカギを使うと、わかってきた。「ミノガコイ」というのがタテのカギとなり、前首相の名前を入れると、「ミノベコイ」になってしまうわけだ。


さて、12月12日出題作の解答。

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動く将棋盤は、こちら。(flash版、edgeは不可)

gif版はこちら。
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今週の問題。

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初手の発見がやっかい。

わかったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。  
Posted by ota416 at 00:00Comments(2)しょうぎ

2020年12月25日

とろトロトロ丼

最近、よく紹介されている、「道の駅・足柄 金太郎のふるさと」。魚介、牛、豚の名産地に近く、食通に人気になっているらしい。金太郎は熊に乗っていたはずで、魚介類を食べたという伝説は残っていない(が、北海道の熊は鮭を好んで食べる)。そもそも「足柄」という場所は適用区域が広い。

地図を見ると、東京の方から西に向かうと、富士山の南側に抜けるまでには、正面に塊のような山岳地帯がある。そこが足柄だ。これを超えるには北の方の山間を抜けるか、南側の熱海の方へ向かうか。北ルートは現在の東名、新東名、JR御殿場線。南ルートは新幹線、東海道線、そして中間が箱根路だ。

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そしてこの「道の駅・足柄」は北側の大井松田ICで降りて、真っすぐに正面の大雄山への道を5分進み、スターバックスの角を左に曲がったところにある。道は大雄山で行き止まりだ。道の駅にはふさわしくない場所に思える。箱根の入り口と書かれているが、ある意味、正面の山の向こうに行くには、北に回って御殿場に行くか南に下って小田原に行くかして、それから箱根だ。

つまり、箱根の入り口とは言えなくても、相州牛、相模豚、小田原の海鮮品と食材には良い場所であるわけだ。

というわけで、東名高速大井松田ICからハンドルを切ることなく、一般道を直進し、スタバの交差点で左に曲がって10秒で到着する。さらにいうと、自宅から4回ハンドルを切ると高速道路に入るので、計5回曲がれば着くことになる。

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そして、お目当ての食堂。大奮発して3000円以上払えば、ウニとローストビーフの丼が頂けるが、その半分以下の価格で「トロとろとろ丼」をいただく。マグロ丼にトロが使われているという意味だ。さらに伊豆特産のワサビ付。

ひつまぶしのように3種類の味が楽しめることになっていて、醤油、ごまだれで味をつけて食べた後、魚介出汁をかけて締める。

食事が終わったら、地元名産品や野菜を買って、来た道を戻る。ハンドルを5回切って家に着くが、車庫入れ時にうまくいかず。右左に二回ずつ余計にハンドルを回した。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)あじ

2020年12月24日

赤ひげ(1965年 映画)

黒澤映画の最高峰について、あれこれ書く技術は持ち合わせていないので、あっさり書くしかない。主役の赤ひげ医師を演じるのが三船敏郎。長崎帰りの生意気な若い医師を演じるのが、売り出し中だった加山雄三。三船の総合的医術を見下していた蘭学かぶれの若手医師が心を入れ替えて心酔していくと書くと、ああ、ベテラン刑事と大卒生意気刑事の署内バトルものドラマだろうと思われるかもしれないし、そういう観かたもあるだろうか。

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時代と場所は幕末に江戸に作られた小石川養生所。今の東大病院の元の元の元だろうか。金もなく薬もなく身寄りもない町人たちが次々に運び込まれ、地獄のような治療が行われていた。これも世界の歴史では、そういうものだった。平清盛だって武田信玄だって治療の甲斐なくなくなった。本映画の最後でも、服毒による一家心中から少年を助けるのに看護師たちが最後に行ったのは、井戸の底にいる地獄の主に対する助命の合唱だった。

この映画、長いので、途中でトイレットタイムが設定されている。前半は新旧二人の医師の物語だが、後半の事実上の主役は、吉原から赤ひげが力づくで救出した12歳のおとよ(演:二木てるみ)。彼女の心は救出時は温度0度みたいなもの。それが時間とともに溶けてゆくのだが、怪演だ。前半でも香川京子が演じる狂女が怪演をしていて、映画の骨格を作っている。

そして、海外、国内で本映画は多数の映画賞を受賞したのだが、なぜか加山雄三にはトロフィーがなかったようだ。

加山雄三と言えば『若大将シリーズ』となるが、『赤ひげ』出演時にはすでに若大将を演じ始めていた。

なぜ、若大将とは正反対の泥まみれになる映画に出たのかを考えてみた。勝手な推測なのだが、当時、映画は二本立て興行だった。しかし、赤ひげはどうだったのだろうか。なにしろ3時間超だ。一本仕立てではなかっただろうか、あるいは短い軽作とパックとか。

そうなると、東宝の売り出している加山雄三を見ることができないわけだ。というようなことを有機的にあれこれ考えた上の共演だったのではないだろうか。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)映画・演劇・Video

2020年12月23日

ガンバレ、マッキー

今年は、庭に様々な小動物を見つけたのだが、年末おそらく最後になると思うのが、カマキリ。実は、ほとんど同じ場所に2週間前からとどまっている。敷地の中の通路と庭の境に鉄柵があるのだが、その柵の足を立てるため、地上から20センチほど煉瓦を積んでいる。その地上から20センチの煉瓦は非常に居心地がいいのだろう。陽当たりは良く、煉瓦は暖かく、また地上から高さがあって夜も余熱があるのだろう。煉瓦の片側は芝なので、捕食できる昆虫がいるのかもしれない。アリの巣もあるはず。

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最初は気にしなかったのだが、なんとなく家族風に思えてきて、「マッキー」と名前をつけてみた。雌雄不明なので、「カマちゃん」でもいいかと思ったが、たぶんメスだろう。というのも、軽く調べると、寿命は数ヶ月で、日本ではオスは10月末頃まで、雌は11月末までらしい。既に12月下旬だ。まあ、なんでも長寿はいい。見ている限りでは一日10センチほどしか動かなくなって、人間をみても威嚇しなくなった。

通路側に降りてくると、踏みつぶし事故になるので、暗くなると要注意だ。宅配便も危ない。最近は配達が夜にまで及んでいる。

カマキリは、メスが交尾の時にオスを食べてしまうと言われ、メスとオスが同数ならいいが、そううまくいかないはずだから、どちらか余るのだろうとも思える。もしかしたら、そういうパートナーに恵まれなかった個体で、いまでも相手を待っているのかもしれない。

もうすぐクリスマスなのに。

雪が降らないことを天に祈る。

12月27日に力尽きました。ごくろうさまでした。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)市民A

2020年12月22日

二文字宰相

あるクロスワードパズルを解いていたら、ヨコのカギということで、2マスに首相の名前を書くことになっていた。少し考えることになった。そういえば、今は「すが」だが、前は「あべ」だった。クロスワードが完成するまでの日数を知らないのだが、問題を作る時には「あべ」だったかもしれない、と思ったりしたのだ。

ところで、「あべ」の前は「のだ」。その前は「かん」であることに気付く。何と4連続2文字だ。

ということで調べてみると、二文字宰相は非常に少ないがいる。二文字の最初は、原敬。平民宰相として有名人だ。そのあと昭和14年後半に阿部信行氏が140日務めているが戦前は2人だけ。戦後も岸、三木、宇野、羽田、森と散発的に発生し、突如として菅、野田、安部、菅と4連続になった。やはり4連続は規則性なき特異現象なのだろうか。

現内閣は、早くも窮地に追い詰められているようだが、ポスト菅として二文字候補を探すと、野田聖子氏以外いないような気もする。日本共産党のトップも二文字だが、キャスティングボードを得た場合はチャンスがあるかもしれない。そういえば前のトップも二文字だった。

注1:茂木氏は「もぎ」ではなく「もてぎ」と読む。
注2:蓮舫氏は「れん−ほう」ではなく、「さいとう−れんほう」。

調査漏れは多いと思うので、自薦他薦があればご紹介のほど。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)市民A

2020年12月21日

平家物語を読む

高校生の頃、好きな古典文学は「大鏡」と「平家物語」だった。『大鏡』は、平安時代の最終盤に180歳と190歳の男性(貴族)が過去を語り合うというスタイルで書かれた歴史書で、中心人物は藤原道長。

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一方、平家物語の主人公は平清盛。彼の前の時代から平家が亡びるまでの歴史を平家側の従軍記者みたいな感じで書かれている。実際は琵琶法師が全国行脚して、この悲しい物語を各地で語っている。平家が滅亡してそれほど経たないうちに、この悲劇が全国に流布したのだが、中には平家滅亡の全貌を知らないまま落武者となり、琵琶法師の語りを聞いて現実を知った者もいただろう。ある意味、戦争文学の傑作だろうか。

滅亡を受け入れるという日本的精神の起源は、平家物語ではないかとも思える。

本書は、その平家物語の中から代表的人物を選び、それぞれのパーソナリティをまとめている言わばダイジェスト版になっていて、まったくのお手軽本である。

平忠盛、俊寛、義仲、義経・・ 性格の悪いところを強調して書かれている。そういえば壇ノ浦(下関)にある平家一門の墓に行ったが、あまりにかわいそうなほど空しい。

ところで、平家物語を本ではなく『語り』で聞きたいなあ、と無理な願望を抱きつつある。DVD全集とかあったとして、聞き続けたら、暗い性格になるだろうか、あるいは生者必滅のような醒めた気分になるのだろうか。

  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)歴史

2020年12月20日

愛のボラード

小豆島の『二十四の瞳映画村』の道を挟んだ反対側の海に面した駐車場の一部に、純白の巨大な構造物がある。曲線が美しいが、なんだろうと思わせる物体だ。

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題して、『愛のボラード』。清水久和氏の作だそうだ。瀬戸内芸術祭の作品。島内にはいくつかの瀬戸内芸術祭関連の作品があるが、その中で、最も『愛』ということばにふさわしいかもしれない。なにしろ、抽象的で、あいまいで、見る人によって感じ方が違うが、万人的な形態だ。

ボラードというのは船が岸壁(桟橋)に着岸(着桟)したときに、暴れないように、ロープで陸地側に固定するのだが、ロープのループ状になった先端を引っ掛けるかぎ型の柱のこと。この白い芸術作品と形は同じだ。だいたい船舶の前中後に2〜3本程度のロープを取るので岸壁に何ヶ所か打ち込まれている。もちろん本物は鉄製だ。

『愛のボラード』クラスの大きさの物も、超巨大船を止める時には使われるが、最近の日本では、着岸中に大地震、大津波が来る時に、すぐさまロープをはずして津波に直角に全速で進むことが必要なので、ボラードの先が電動になっていて、人手をかけずに鍵型の先が開いて船を自由にするようになっていて、それでは機械的過ぎて芸術にはならない。

後で調べると、このボラードは素材はFRP(硬質プラスティック)ということ。小型のレジャーボートなどの素材で、地元の小型船の造船所で作られたそうだ。つまり、本物のボラードは中の詰まった鉄製なのだが、こちらは中空のプラスティック。『愛』の本質をついている。

FRPで作る船の寿命だが、大事に大事に使っても30年くらいだろう。これも『愛』の有効期間並だ。もちろん途中で大トラブルに遭うと、そこで航海終了となる。

また、しばしば愛は燃え上がることがあるが、このボラードは可燃物なのだ。後始末のことを考えなければ『燃え上がる愛のボラード』というのも見てみたい。もちろん夜間にライトアップしてデジタル表現で炎を表現すれば、後始末の心配はないが、事前に消防署には連絡しておいた方がいいだろう。
  

2020年12月19日

あと一枚

今期の竜王戦では羽生九段のタイトル戦100期制覇へのチャレンジが失敗した。一期の重みがこれほどとは、当人も思っていなかったかもしれない。

では、具体的にタイトル戦で勝つとどういうことになるか。思い出した画像がある。王座戦の授与式のパーティで、表彰式が終わった後のちょっとした歓談タイムに、会場の傍らに無造作に置かれていた允許状と賞金(たぶん目録)のし袋を見つけて写しておいたのだ。羽生王座にとって何十枚目の物かは知らないが、あまり大切そうにはされていない。

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ほとんどの棋士にとっては、この紙一枚を得ることなく棋士生活を終わりにしていくのだろう。文面さえ知らないかもしれない。また、一枚だけ持っている棋士もいるだろう。ゼロの方には関係ない話で恐縮だが、一枚の方は桐箱に入れて金庫に保管した上、コピーを額に入れて、応接間(があれば)に飾っているだろうか(想像)。

一方、99枚も持っている場合、桐箱は嵩張るから、紙だけを即位順とか棋戦ごととか分類して、整理箱に詰めて押し入れの隅に積んでいるのではないだろうか。応接間に飾るのは『国民栄誉賞』の方だろう(想像)。

ところで、允許状の文面で、気になることがある、

貴殿ハ今期王座決定戦ニ優勝サレマシタ依テ茲ニ第五十六期王座ヲ允許シマス

となり、将棋連盟の会長の署名押印となっている。

もし将棋連盟の会長が優勝した場合は、文中の『貴殿』のままなのだろうか。『拙者』が正しいはずだ。


さて、12月5日出題作の解答。

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1219kk



動く将棋盤は、こちら。(flash版、edgeは不可)

gif版はこちら。
1219g



今週の問題。

1219m


自動ドア式

わかったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。


  
Posted by ota416 at 00:00Comments(2)しょうぎ

2020年12月18日

小豆島佃煮の意外なルーツ

小豆島は醤油の大産地である。したがって佃煮で有名なのは驚かないが、小豆島佃煮の父ともいうべき人物「武部吉次」氏。島内に石碑があり、記念館(実は土産屋)がある。佃煮の父の胸像が置かれている。

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しかし、佃煮の父がなぜ着物ではなくスーツを着ているか、大いに疑問が湧いてくる。

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解説を読んでいくと、思いがけないことが書かれている。小豆島佃煮は第二次大戦後の終わった年、つまり昭和20年(1945年)に始まったそうだ。

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日本中が飢餓に苦しむことになり、結局はサツマイモの蔓(つる)まで食べることになる。といっても硬くて旨くない。そのため、蔓を溜り醤油でぐつぐつと煮込んでから食べるようになったのだが、それが小豆島佃煮の始めだそうだ。


ところで、日本全国ベースの佃煮物語は1582年の「本能寺の変」に関係があるそうだ。

本能寺の変は明智光秀が、動機不明ではあるが、主君の織田信長を宿泊していた寺ごと焼き討ちにした事件だ。

それから先の一週間が、各武将にとっては大混乱となる。誰の味方に回ればいいのだろう、ということなのだが、徳川家康だけが特殊事情だった。本拠としていた岡崎城から花見気分で大坂堺にいた。手勢は僅かだ。

岡崎に戻ろうとしても紀伊半島横断は危険だ。ということで海路ルートを考えた。大坂にあった佃村の住人が漁船と保存食の小魚の佃煮を分け与えたことから岡崎に生還できた(紀伊半島の間道を抜けたという説もある。海陸合わせ技だったのだろうか。)。江戸時代になり、家康は佃村の住人34名を江戸に招待して永住権と漁業権を与えた。土地は佃村になり、小魚の醤油煮は佃煮になったと言われる。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)あじ

2020年12月17日

さすらいのカウボーイ(1971年 映画)

アメリカン・ニューシネマの代表作の一つである「イージー・ライダー」の脚本を書き主演でもあったピーター・フォンダが監督兼主演で臨んだのが2年後の『さすらいのカウボーイ』。ニューシネマを西部劇に持ち込んだ。

ピーター・フォンダは父親のヘンリー・フォンダとは折り合いが悪かったと言われるが、ヘンリーは西部劇の大御所だ。何か関係があるのだろう。よくわからないが。

日本で言えば、西部劇は大岡越前とか水戸黄門、暴れん坊将軍みたいなもので、ある程度型にはまっていた、藤沢周平作の映画化などは、江戸時代そのものは否定しないが封建制度の矛盾をテーマにしている。ある意味ニューシネマともいえる。

舞台は西部開拓時代の米国。妻子を置き去りにして放浪している主人公(ハリー)は、アーチ、ダンと三人で組んで牧場の使用人として流れ者になっていたが、ダンは三人でカリフォルニアに行こうと言い出す。そして、ある町で、ダンは自分の名馬に目がくらんだならず者に殺されて馬を奪われる。ハリーとアーチはその馬を奪い返し、西部行きはとりあえず断念してハリーが置き去りにした妻の元にダンの馬を連れて戻ることにする。

そして、ハリーはあれこれあった後で妻とよりを戻し、アーチは単身で西部に戻ることにするが、ここで致命的なミスを冒す。ダンの馬に乗っていったわけだ。鼻筋の白い目立つ顔の馬だった。途中で馬に乗るアーチは再びならずものたちに捕まり、ハリーは彼を助けに向かう。激しい銃撃戦で敵は全滅するがハリーも被弾して亡くなってしまう。

最後は活躍した主人公が撃たれて亡くなるのがニューシネマにはよくあるパターンだ。日本にはカウボーイもいないし、有史以来、警察的な組織は存在していたので、「銃を撃ちまくった方が正義だ」という考えには、なんとなく同調しにくい。

一方、現在の米国の白人の先祖の多くが、こういう西部劇的乱暴さのある社会を生き抜いてきたわけで、時代錯誤的な復古主義にこだわる人が多いのもわからないわけではない。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)映画・演劇・Video

2020年12月16日

小豆島のオリーブ

小豆島の産業の柱の一つがオリーブ。島内には多くのオリーブ農家があり、各家庭レベルでもオリーブの木があって収穫しているそうだ。

そして観光と言うことなら、オリーブ園だが、実は二つある。それも隣接。今回は、『道の駅小豆島オリーブ公園』に行ったが、隣が『小豆島オリーブ園』。どういう関係なのかよくわからないし、道の駅の方も道の駅らしくない。

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実は、瀬戸内海の北側の岡山県でもオリーブ栽培が盛んな地域がある。数年前に訪れた牛窓地区。そこにも『牛窓オリーブ園』があり、そちらの方が素朴だ。いくつかの丘にオリーブがたくさん生えていて実際のオリーブ園の中にはるばる訪れる観光客を入れている感じがある。

小豆島の方は観光地。もとより両県のオリーブ園の比較をする人は少ないし、牛窓の方は近くに他の観光名所があるわけでもない。素朴な方は牛窓だ。また、オリーブ栽培技術をスパイできるのも牛窓だ。

そして、小豆島のオリーブ公園は、あきらかに瀬戸内海=エーゲ海、小豆島=ギリシアという方程式を具現化している。サイズはまるで違うのだが。

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庭園には奇妙な石の駒のような彫刻が置かれている。ギリシアで行われていた『陶片追放』の陶片を拡大したものだそうだ。ギリシアは直接民主主義の国で、何でも選挙で決めるのだが、おそらく選挙制度の欠陥に悩まされていたのだろう(米国みたいだが)。選挙の補完として、日本の「リコール制度」のようなものがあって、不正な議員については「陶片追放」の制度があった。真ん中に心棒のある駒のような陶片はセーフで、心棒のないベーゴマのような陶片はアウト。アウトになると都市を追われる。

この無罪用の巨大陶片にはギリシア語が記されている。

ΨΗΦΟΣ ΔΗΜΟΣΙΑ (プシーフォス ディモシーア)


投票と公民 と言う意味だそうだ。

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建物内には土産売り場と並んで記念館があるが、強くギリシア風を意識している。最も中心に展示されているのは、ギリシア神話に登場する「アテネ像」。女神ではあるが、理性の塊。数多くの神々の中で最高の知性の持ち主。IQ300クラスだろうか。ゼウスの婚外子だ。

一方、ギリシア神話の対極の女神がビーナス(アフロディテ)。この建物内の左の端にあるトイレの前に、ミロのビーナスが立っている。正面玄関に置くのは、やはりウソっぽいからだろう。そこに置くなら、近くの高校の美術部のデッサンの練習用に寄付した方がいいだろう。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)たび

2020年12月15日

真相はこれだ!昭和8大事件を撃つ(祝康成著)

まず、有名なノーベル賞作家と同じ名前のことだが、著者が生まれたのは川端康成氏がノーベル賞を受賞した8年前なので、何の関係もないだろう。

本書は平成13年に発表されている。昭和8大事件に226事件や終戦御前会議は入っていない。本書はすべて戦後のこと。しかも大事件と言えるかどうか疑問があるが、事件に関係した人にとってはいずれも人生最大の事件に近いともいえるが、日本の裏社会は幅広く繋がっていることも多く、いくつかの事件の背後に、重複した人間関係があるかもしれない。

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本書での8大事件とは、以下。

1. 美智子皇后「失語症」の真相
2. 府中「3億円事件」で誤認逮捕された男の悲劇
3. 丸山ワクチンはなぜ「認可」されなかったのか
4. 美空ひばりが「紅白」から消えた日
5. 発案者不明?!「成田空港」最大のミステリー
6. 疑惑の「和田心臓移植」33年後の新証言
7. 潜水艦「なだしお」東京湾衝突事件で隠されていた「無謀運転」
8. 世紀の対決「猪木・アリ戦」の裏ルール

1については古くて新しい問題であるのは自明のとおりで、要するに「天皇家御一家」「その他皇族」「宮内庁」という三者が、それぞれ連携しないで動いたり意見を言ったりするということの狭間に入ると、なかなか心苦しいことが起きるようになっているようだ。

2.三億円事件の捜査中に浮かび上がった容疑者を、アリバイも調べずに逮捕してしまうだけではなく、M新聞に情報がリークされ、顔写真入りで公開されてしまう。その後、アリバイが見つかって無罪放免になったものの、世間では「本当はやっているのではないか」と思われ続けた悲劇についてである。

3.丸山ワクチンも「アビガン」みたいな話で、認可されないままになるのだが、その背景に大手製薬会社による役人接待との関係があるのではないかという内容だ。確かにアビガンは元はフィルム会社(が買収した小振りな製薬会社)だし。

4.もNHK、大手プロダクション、不祥事(マル暴)といった筋の話だ。

5.成田空港が、なぜそこにできたのか、という重大な政策プロセスが見えないということなのだが、本書ではよくわからない。推測記事のような気がする。そもそも政策決定に至る過程は記録にはない。例えば、旭川空港に降りる時、着陸の少し前から外を見ていると、町を通り過ぎてから森林の上をかなり飛んで車で1時間ほど離れたところに空港がある。そこも森林の中を切り開いて作っているのだが、なぜ、市内にもっと近いところに作らなかったのだろうと疑問の山に押しつぶされそうになる。

6.和田心臓手術については、現在ではほぼ明らかになっている。現代でも大学病院というのはドクターの実験室と言えないわけでもなく、それぞれの大学病院周辺の住民はよく知っている場合も多い。「入院したら、必ず切られる」とか。

7.「なだしお」。これは、かなり核心をついた記事だと思う。ジャーナリズムもいい加減だと思うが、海の上の事件は、なかなか真実はわからない。裁判官だって真実に近づくのは困難を極めるし、防衛庁や運輸省のさまざまな思惑が絡んでくる。人命がかかっていなかったらうやむやだったのだろう。

同じような話が、関西空港の連絡橋に荒天下にタンカーが漂流してぶつかった事故(か事件)。当初はタンカーの船長を責める公式の調査報告書が作成されたが、その後、海難審判では報告書の内容には触れられずに船長に対し、乗船停止1ヶ月という形式的な審判が言い渡された。元々、船員は2〜3月間連続して乗船して、1ヶ月は船から降りて休養するのだから、ほぼ意味のない審決だ。というのも、外野から見れば、事故調査委員会も海難審判庁もすべて国交省の組織であり、自らに火の粉のようなことにはしたくないと想像できる。それでも船側が悪いといっているのは、この後始まる(かもしれない)民事訴訟に関係があるのだろうが、読みが違っていたのは船主がかなりの反骨主義者で、弁護団を揃えたこと。一方の関西国際空港はオリックスとフランスの会社の合弁会社という民間会社になっている。ジャーナリズムもこういう長い時間がかかるストーリーを地道に取材してもらいたい。

8.「猪木×アリ」戦。こういう捉え方もあるのかと驚いた。盛り上げに盛り上げ、後に引けなくなってから、シナリオの合意ができず、ぶざまなショーになったが、考えてみればボクサーとレスラーが台本なしで試合をすれば、もっとも合理的な結論が、寝技と立ち技ということだったのだろう。それでもアリの足の裏側には猪木のキックのダメージが残ったらしい。晩年の健康不調の原因になったのかもしれない。猪木のあごを狙うのではなく、足にパンチを炸裂させればよかったのかもしれないが、足を相手に腕を振り回していたら、現実よりも、さらに滑稽な試合になっただろう。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)書評

2020年12月14日

銚子渓おさるの国

こどもの頃に小豆島に行った時、猿に囲まれて怖い思いをしたのだが、現在は逆手をとって猿と人間が共存している。といえば聞こえはいいが、安住の引き換えに大人しく見世物になることらしい。

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まず、モンキーショー。猿も飼育員も一生懸命だからよいのだが、猿が竹馬に乗って歩くのを見て、なんとなく違和感を感じてしまう。人間だって竹馬に乗れるのだから猿が乗れないはずはないではないか。どうも仲間はずれになった猿のお仕事のようだ。

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珍しいのは、猿への餌やり体験。何がおかしいかっていうと、人間が檻に入って鍵をかけてから檻の外にいる猿に餌を与えるそうだ。刑務所で服役者から賄賂をもらう感じだろうか。なんとなく倒錯感がある。猿の惑星かな。

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そして、猿のソーシャルディスタンス。単に一人分ずつの餌を離れた場所においている結果だそうだ。たぶんに新型コロナ対策の意味かもしれない。おさるの国側からすれば、観光客より、猿の方が重要だ(言い過ぎかな)。

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いずれにしても子猿は可愛い。猿は全部で500頭ぐらいいるらしく、約300頭のAグループと約200頭のBグループに分かれているらしい。ボスが2頭。アメリカのようだ。中道派はいない。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)たび

2020年12月13日

壺井栄文学館

小豆島を代表する映画は『二十四の瞳』。その小説としての原作者である壺井栄(1899-1967)を中心とした文学館が「二十四の瞳映画村」の中にある。

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映画は1954年に木下惠介監督、高峰秀子主演で公開された。そして1987年には田中裕子主演で二度目の『二十四の瞳』が公開されている。その時には、すでに町は戦後の風景に変わっていたため、セットを作って撮影が行われ、その時に作られた建物をそのまま映画村にしている。その中に1992年に文学館がオープンしている。

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展示の中心は、もちろん壺井栄関連の遺品や、書斎の復元、生原稿などだが、小豆島出身の作家として、詩人の壺井繁治(1897-1975)とプロレタリア作家の黒島伝治(1898-1943)のコーナーがある。

壺井繁治は壺井栄の夫で、戦前は反戦運動家で入出獄を繰り返していた。黒島伝治は農民の視点で反戦を主張していた。一般のプロレタリア作家(小林多喜二他)は労働者の立場に立っていたが、小豆島出身の3人はほぼ同じ頃に生まれ、こどもの目、農民の目、詩人の目というようにそれぞれの視点で表現していた。

大正14年(1925年)壺井栄と繁治は結婚し、現在の世田谷区三宿や太子堂に居を構えたそうで、近所には林芙美子、平林たい子が住んでいたそうだ。太子堂は女流作家の街だったわけだ。
  

2020年12月12日

花月園特別対局室

竜王戦第五局は豊島竜王が羽生九段の挑戦をかわし4勝1敗で防衛したが、場所は箱根の花月園ホテルの特別対局室。

対局画像を見ると、既視感がある部屋で、さっそく過去のブログを調べると、2007年にこの部屋の見学をさせてもらっていた。当時の写真と較べると、差異は感じられない。通常は普通の宿泊に使われているということで、部屋番号は秘密(というか知っているが)で、隣に継の間があって、そこに主催者が控えているそうだ。

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ホテルの方の話では、加藤一二三名人から谷川名人にタイトルが移動したのが、この対局室ということだそうだ。2007年に聞いた話では、七番勝負の終りの方で予定されることが多く羽生全盛時代だったので、ここまで回ってくることはめったにないと言われていた。今回も本来であれば第六局の予定だった。

さらに、記憶に残る対局は、谷川名人誕生の時の他、もう一つあるそうで、対局で負けた方の棋士が落胆のきわみとなり、ホテルにことづけもなく帰ってしまったことがあるそうで、その時は靴を残したままスリッパで姿をくらましたそうで、「絶望感のあまり、もしものことがあったのでは」ということで、全館全庭園内の大捜索をされたそうだ。棋士名は教えてもらえなかったし、靴の行方を聞くのも忘れてしまった。

さて、11月28日出題作の解答。

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九段目に落としてから詰める。九段下問題だ。

動く将棋盤は、こちら。(flash版、edgeは不可)

gif版はこちら。
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今週の問題。

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手数の割に素直な問題。手順前後しないことが重要。

わかったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(2)しょうぎ

2020年12月11日

二十四の瞳映画村

『二十四の瞳映画村』は無論のこと、小豆島を舞台とした映画『二十四の瞳』のテーマパークである。原作は壺井栄、監督木下惠介、おなご先生を演じる主演は高峰秀子。実際、原作の中には瀬戸内海の島の小学校が小豆島にあるということは書かれていないのだが、壺井栄の出身地が小豆島と言うことで、原作発表の翌1953年から54年にかけて小豆島の実在の校舎や建物を使って撮影された。しかし、それは映画村と少し離れた場所だった。

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そして、1987年に朝間義隆監督、主演田中裕子で新たに『二十四の瞳』が撮影される時、既に、旧校舎の周りは電柱や舗装道路が取り巻いていて、結局、海辺に大々的にセット(つまり建物)が建てられることになる。そのセットをそのまま残して『映画村』になった。ということで、見た目よりも建物はしっかりしている。

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実は、事前にDVDを借りて観ておこうかとも思ったのだが、太平洋戦争前夜と敗戦後の島の学校におきた大きな不幸(つまり戦死や病死や失明といった戦争による犠牲)を、敗戦国日本がどうやって癒していくのかという映画なのだ。個人の人格を超えた戦争による不条理は苦手だ。結局、あらすじ読むだけにした。

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映画村内には文学館や映画館もあるが、『キネマの庵』という建物では、やはり小豆島で撮影が行われた『八日目の蝉』の特集が行われていた。これもまた重いテーマ(誘拐)を引きずる映画で、中でも重大な場面の舞台が小豆島である。しかし、こちらは「人の業」をテーマにした映画であり、耐えられる範囲内だ。

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そして、小豆島の産業の一つの柱が醤油製造。醤油ソフトを頂くことにするが、思いの他、美味だった。味噌ソフト、醤油ソフト、塩ソフトと非日常のソフトを制覇しているのだが、どれも通常のソフトより超絶的である。味覚神経壊滅的旨さだ。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)たび

2020年12月10日

山桜(2008年 映画)

田中麗奈と篠田三郎のW主演の時代劇で、原作は藤沢周平の短編小説。舞台は藤沢周平のお得意の海坂藩。山形県の庄内藩をモデルにしているようだが、実際に作家が書くように次々と事件が起きていたら、とっくにお取りつぶしだろうか。大岡越前の芝居もそうだが、そんなに重大事件が続発することはないだろう。

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要するに、飢饉になって農民と大名の両方が財政的に窮乏した時に農民から搾り取って大騒動になるというのはよくあるストーリーだが、本作にはひねりが入っていて、財政再建のため、新田開発しようというプランが藩内に浮上する。

しかし、土地開発には投下資本と労働力が必要になる。長期目標のために目先の事態がさらに悪化するということ。GoToか自粛かという現代的テーマに変えてもいいが、そうはいかないのは、新田開発派の重臣が、バッサリ切られてしまう。斬ったのは、藩の最強剣士のわけだ。

一方、この最強剣士には長い間思い続けていた人妻がいた。偶然にも人妻は未亡人になっていて、実家に出戻るかどうか悩んでいて、ついに出戻り→剣士と再婚を決意した時に、剣士は城内でバッサリ事件を起こし、その処分決定は、江戸勤務が明け、殿さまが地元に戻る時まで延期される。

そして、ついに殿の帰還の行列は領内に入ってくるのだが。

判決は・・

実は映画はここで終わるわけだ。普通、ストーリーは起承転結となるのだが、本作に限っては、起承転で終わってしまう。結論を知りたい場合、原作を買って読むという方法があるのだが、小説もここで終わり。念のため、作者の未完の絶筆ということではないということは明らかである。

実は、藤沢周平の小説を読んだことはない(藤沢周の小説は何冊も読んだが)のだが、多くが映画になっていることに、今さら驚く。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)映画・演劇・Video

2020年12月09日

寒霞渓の上から鷹狩り気分に

小豆島最大の見どころは「寒霞渓(かんかけい)」だろうか。地元では日本三大渓谷と言われるそうだ。そして季節は秋深し。紅葉の季節だ。

ロープウェーの頂上駅は海抜612m。そして海岸線からはるかに遠くまで見えるはずだが、曇りがちで、そう遠くは見えない。個人的見解だが、遠くの陸地が見えない方が雄大さが感じられるはずだ。

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実際は山頂まではあと200mあるそうだ。なぜ瀬戸内海に、山があるのか、よくわからなくても実際に山が存在する。本来はロープウェーで登ったり、徒歩で這い上がるかのはずだが、根性がないため観光バスに乗ったまま上がってくる。まったく派手なデザインのバスで、GoToのおかげで1台ではなく2台目が仕立てられたそうだ。

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この遠くが望める展望台だが、鷹取展望台と名付けられている。3〜4世紀に即位していたと言われる第15代天皇の応神天皇が鷹狩りをしたと言われる。山の上から鷹を放って獲物を待つわけだ。子猿とか攫ってきたのだろう。応神天皇は日本書紀と古事記では異なるが120歳位の寿命で、子の仁徳天皇は100歳位の寿命だとされる。もっとも古代天皇の寿命は1年で2歳進むという説がある。根拠は薄いのだが、1年=2歳説をとると色々な疑問が氷解するそうだ。

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また、応神天皇が実在しないとすると、堺市の仁徳天皇陵、応神天皇陵は誰の墓地?ということになるし、現代的問題としての皇位継承問題にも関係ある。応神天皇のあと、16代仁徳天皇に続き五代下って25代武烈天皇の後継者が絶え、5代戻って応神天皇の皇子の一人から五代降りて継体天皇が、越前国(福井県)から急遽登場した。

あくまでも男系男子とこだわると、古代の前例を超えていくことになる。

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紅葉は、実はロープウェー駅が最高の発色を示している。渓谷よりも高いところにあるからだ。
  
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