2020年10月30日

熊野古道麦酒、新潟産を買う&飲む

熊野古道のことなどほとんど知らないのに、南紀方面にGO TOトラベル。古道の1%ぐらいしか歩かないので、申し訳ないので(←ウソ)、地域振興券をもらって土産店でチケット散財する中で、「熊野古道麦酒」350㎖三本セット箱入りを購入。

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帰宅後に冷やして飲むと、「どこかで飲んだことがあるような」味に感じた。缶の裏側の細かな文字を読むと、販売会社は和歌山の会社なのだが、製造者は新潟県で有名なビール会社だった。新潟産の熊野古道ビールのわけだ。どこかで飲んだことがあるような味というのは、別の第三の県の名産でもあったのかもしれない。考えてみれば、ビールの原料が有名なわけでもないし。

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さらに気が付いたのだが、店頭で買う時に缶の裏側を確認しようにも、三缶セットで箱に入っているわけだ。というか、箱に入れたのには理由があった、ということだ。敵ながら・・・。

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ついでに湯浅の町で買った、パウダー状の醤油。あまり醤油の味がしない。ラベルには、『The SOY Powder』となっていて、必ずしも醤油ということではないとも取れるが、では、一体なんだったのだろう。ビンが空になった頃にはわかるだろうか。
  
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2020年10月29日

眼下の敵(1957年 映画)

米国と西独の共同制作の戦争映画。第二次大戦の時に、米国の駆逐艦とドイツの潜水艦(Uボート)の一対一の対決を描いたもの。漁師とマグロの戦いにも似ている。

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あるUボートは機密書類の受け取りのために目的地に急いでいたところ米軍の駆逐艦に発見される。逃げるか攻めるか。両者とも逃げたら映画にならない。Uボートは魚雷攻撃が最大の武器だが、魚雷はかわすことができる。一方、この駆逐艦には魚雷発射管がないため、潜水艦の攻撃には爆雷を海中に放り込む。この場合は爆発する深度を設定するので、深度が合わないと攻撃失敗となる。

互いの船長は策略を練りに練り、さらに相手の頭脳の裏をかこうとする。

実際には、魚雷でも爆雷でもなく、両者の体当たりという原始的な戦法で両艦とも沈み、多くの兵は救命ボートで脱出する。

奇妙なのはドイツ兵が英語を話すこと。ドイツで上映される時は米軍兵がドイツ語を話すのだろうと推測したが、その事実はないそうだ。米国中心主義だ。

米軍駆逐艦長を演じるのは、ロバート・ミッチャム。ドイツ軍潜水艦長を演じるのは、クルト・ユルゲンス。本作をはじめドイツ軍の指揮官を演じることが多い。日本軍の役を演じることが多い渡辺謙と同じ。驚くのは彼の本名。クルト・グスタフ・アンドレアス・ゴットリーブ・フランツ・ユルゲンスだそうだ。

もっと悲惨なシーンを見たい人には物足りないかもしれない。
  
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2020年10月28日

醤油の町、湯浅

今ではそういうこともないのだが、ずっと若かったころ、海外から日本に戻った時に「日本の匂い」を感じることがあった。土地によって匂いはあるのだろうが、日本のそれは、醤油に近い発酵臭だった。あるいは魚醤の匂いだったかもしれない。

その醤油のふるさとというのが和歌山県の湯浅ということになっている。

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鎌倉時代に中国の禅僧が、和歌山の由良にある興国寺に渡来する時の手土産が金山寺味噌の製法だった。その上澄みや沈殿物を精製し醤油を得たということのようだ。その醤油を大量に作り始めたのが、湯浅の町。興国寺は山中にあるが、湯浅は海岸に近く交通の便に優れている。そして醤油の製造所が並ぶ町になった。

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また、大手の醸造所だった濱口家は、大需要地の江戸をみすえて千葉県銚子で醤油の製造を始めた(ヤマサ)のだが、和歌山と銚子を往復して仕事をしていて、たまたま安政の大地震=大津波の時には和歌山にいた。高台の安全な場所に地域住民を避難させるために、田の稲に火を放って逃げ道を明示して多くの人を助けたといわれる。新暦だと1854年12月24日のはずなので、枯れた稲だったのだろう。「稲むらの火の館」という記念館もある。

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現在は、醤油製造していた当時の用具が並ぶ醤油博物館や金山寺味噌、醤油販売店などが残る歴史的町並みが保存されている。売店でパウダー状の醤油を買ったのだが、特に醤油の味は感じないのだが、例の味覚異常になったのだろうか。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)たび

2020年10月27日

文豪が足を運ぶ玉津島神社

紀三井寺にお参りした後、海辺にある玉津島神社に足を運ぶのが古くからの習いだったようだ。通例に従い、玉津島神社に。

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お祀りしている神は天照大御神の妹、稚日女尊と神功皇后。のちに絶世の美女と言われた才女、衣通姫(そとおりひめ)も祀られている。本朝三美人とか和歌三神の一人とされる。美しさが衣を通しても輝いているという意味の名である。

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彼女たちに参れば、自らの文才を磨けると勘違いするものが多く、在原業平、紀貫之、小野小町も訪れている。小野小町も世界三美人と言われるが。いかにも人間的な歌人である。

花の色は移りにけりないたずらにわが身世に古るながめせしまに


おそらく衣通姫の美というのはギリシア神話の女神アテネのような冷静な知的美貌だったに違いないだろう。境内には小野小町が上着をかけた塀があるのだが、もちろん当時のものではない。

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そして、松尾芭蕉は春の終りに紀三井寺の桜を楽しみにやってきたのだが、すでに花は散った後で、おおいに嘆いたそうだ(芭蕉は多くの場合、名所に着く一日前に、一句をしたためているので、当日、パッと咲いた花の句を披露する予定がだいなしになったのだろう)。いささか感情的な句を詠んだ。

見上ぐれば桜しもうて紀三井寺


見上ぐれば、と詠むのだから本当は玉津島神社のある和歌の浦から紀三井寺は見えるので、山に上がらなかった疑惑も感じる。

行く春に和歌の浦にて追いついたり


紀三井寺の春は終わったのに和歌の浦では、まだ春が残っていたという意味でいいのだろうか。山の春の方が先に終わるというのは合点がいかない。違う種類の桜なのかもしれない。

そして、夏目漱石。和歌山新聞主催の講演会を終えた後、和歌の浦、玉津島神社に足を伸ばしている。小説『行人』に書かれているそうだ。

知らない方が良かった話だが、芭蕉も、漱石も、当地を訪問後、5年で他界したそうだ。私は文豪ではないので、関係なしとしておくが、なかなか記憶からは消えないものだ。必殺五年縛り。携帯の契約か?
  
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2020年10月26日

赤い月(下)(なかにし礼著)

上巻を読んだ後、1週間も経ってしまった。上巻では満州の地で終戦を迎え、ソ連兵の蛮行に追われるように逃げ回ってやっとハルピンに辿り着いた森田酒造の森田母子の苦闘が描かれていた。

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下巻ではさらに、日本政府から見捨てられた満州移住の日本人の悲劇が浮き彫りになる。悲劇の連続だ。ソ連は男たちを強制労働に引き立てていくし、後を引き継いだ中国は、戦犯容疑で生き残った者を間引いていく。さらにアヘン中毒者の話。特務機関員など要領のいいものだけが助かり、何かにこだわりや主義主張を持つものは、現実の前に気力も切れていく。

そして帰還船。とにかく、命以外のすべてを捨てて、祖国に戻っても国のできることはない。とにかく戦争は大失敗だったわけだ。

その50年後の後日譚。時が進んだだけで、生き残った者たちの記憶は消えることはない。なかにし礼の原点とも言える重質な長編だった。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)書評

2020年10月25日

『海のほとり』岡嶋和幸展

丸の内三丁目のエプソンスクエア内のギャラリー「エプサイトギャラリー」で開催中の岡嶋和幸展に立ち寄る。

前々から、そこにギャラリーがあることは知っていたのだが、タイミングが合わずというか、コロナ禍の結果、ためらっていたのだが、近くにGOTOイートする機会があったので。

岡嶋さんの題材は海なのだが、海そのものというよりも海と人間のかかわりのような撮り方も多い。

一つのパターンが日本海側の海岸。鳥取から京都方面まで車で撮影ポイントを探していたそうだ。もう一つのパターンが千葉の海。千葉県に居住されているようで、千葉の海岸は、ほとんどが人工的に利用されている。海で生活する人の生業を捉えている。

たぶん展覧会の写真をそのまま、ここに掲載するのは問題があるので、小さく縮小したが、故郷の福岡にある「猫の島」の猫も撮られている。

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後で調べると、驚くことがあったのだが、福岡県には、いわゆる「猫の島」がたくさんあって観光地となっているようだ。地島、大島、小呂島、玄海島、柏島、姫島の六島もある。

そして、日本海の海岸のことを考えてみると、少し理由がわかるような気がする。

まず、新潟あたりから日本海一帯、そして九州北部といったところの海を写すということは、おおまかにいって南から北にカメラを向ける。太陽は背中側にあるから波の陰影は薄く映りやすい。太平洋だと具悪で北から南に向くので波頭の影は、こちら側にできて、海の色のコントラストが強くでる。

日本海側の海を写すのが好きというのは、穏やかな海を好み、太平洋の海が好きというのは賑やかな海面が好きということだろうか。

東北地方は東西関係なので、撮影時刻によってさまざまなのだろう。
  

2020年10月24日

名誉四段免状のこと

先週、横浜市歴史博物館で開催中の「緒方拳」展に行った時に、緒形拳(1937-2008)の新国劇時代の師匠である北条秀司氏(1902-1996)のことが紹介されていた。「拳」という字を芸名に決めたのは北条氏の妻だそうだ。この北条秀司氏の舞台脚本の最高作の一つが「王将」。三部作になっていて、阪田三吉の一代記であり、緒形拳のはまり役であり、村田英雄のヒット曲にもなった。

北条氏に対し日本将棋連盟は二度にわたり段位免状を贈呈している。舞台のヒットに対し三段。歌謡曲のヒットに対し四段である。帰宅後、念のため問題図書である「将棋紳士録」で確認すると、鎌倉市の正確な住所と電話番号とともに「四段」の欄にその名前が記載されている。

展覧会には、その四段免状が出展されていたのだが、残念ながら撮影禁止だし筆記具も持っていなかったため、文面を復元できないのだが、明らかに通常の免状と異なっている。通常の免状は段位によって異なるのだが、基本的には「長く将棋の勉強をして強くなったので、〇段を允許する」という内容なのだが、最後のところが「名誉四段を」というようになっている。普通に考えれば、「長く勉強をしたわけではないですが、将棋の市民権向上に役立ったので、お礼に名誉〇段を差し上げます」という文面のはず。特に政治家に持っていくことが多い。

一方で、ゆるキャラで有名な「くまモン」も平成26年に初段免状をもらっている。その免状部分の画像を見ると、一般免状と同じだ。「つとに将棋に丹念して研鑽怠らず進歩顕著なるを認め、ここに初段を允許す」。

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知り合いに名誉〇段を送られた人がいないので、現代でも名誉免状と一般免状が別個に存在するのか調べるのは難しい(両方持っている人はレアだろうし)。


さて、10月3日出題作の解答。

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大駒ビュンビュン。

動く将棋盤は、こちら。(flash版、edgeは不可)

gif版はこちら。
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今週の問題

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駒を動かすことが必要。いわゆる飛車角ダブルプレー。

わかったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(2)しょうぎ

2020年10月23日

和歌山といえば、みかんと梅干と柿の葉すし

和歌山の北部を紀北といい、南部を紀南という。実は、みかんは北側で梅干は南側。そしてもう一つ有名なのが「柿の葉すし」。

全国的に柿の葉寿司は「奈良・和歌山」「石川」「鳥取」の三ヶ所で食されているそうだが、元祖は「奈良・和歌山」のようだ。紀ノ川沿いの山奥に人々は住んでいるのだが、海産物を川沿いに運ぶのに、柿の葉を使ったようだ。道の駅で見つけて、通常のサバではなく、「ウナギ」であることから即パク。

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思えば、今年初めてのウナギである。

そして、ミカン地区を一気に通り過ぎ、みなべ市へ。みなべは漢字だと南部と書く。ここの公立高校が南部高校。この高校で品種改良された梅の木でとれるのが南高梅というそうだ。

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ホテルでの夜の食事だが、3月に行った能登半島のホテルとは大違いで寂しい。それでも陶板焼きのようなものが多い。「紀州梅真鯛と太刀魚のしゃぶしゃぶ鍋うどん付き」や「鶏の梅すき焼き」。なんでも梅干を投入してしまう。

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「さんま焼き目寿司」も食べたのは初めて。量は少ない。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)あじ

2020年10月22日

南紀へ(紀三井寺)

先週末、和歌山へ旅行に行った。単独で行くよりも、旅費、宿泊費、ガイド料金のすべてをパックにした方が、還元額が多いので、某旅行社のパック旅行に参加。まあ、個人旅行の方がいいのだが、実質50%バックの魅力は大きい。

まず、南紀ということばと紀南という言葉がある。南紀とは紀伊の国の南ではなく、南にある紀伊の国という意味で、おおむね和歌山県を指し、紀南とは和歌山県の南を指すので南紀の紀南というと和歌山の南という意味になる。

前回、和歌山に行った時は、関空、和歌山城、友ヶ島といったところから大阪へ北上したが、今回は新大阪からバスで南下。和歌山市にある紀三井寺へ。今年は開創1250年。50年に一度の秘仏御本尊御開帳ということ。大行事である。50年に一度と言うことは、和尚様方も経験はないし、コロナによって前例主義も使えない。

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まず、山の途中にある本堂まで一直線の石階段がある。三百段以上だ。しかも小雨。手すりをつかみたいが、感染リスクもあるのですぐにつかめるように手を手すりに近付けた状態で登る。心臓に優しくない。マスクなので酸素不足でもある。来月になるとエレベーターが動き出すそうで、ここで心臓が止まると、「一ヶ月後に来れば悲劇は起きなかったのに・・」と言われそうなので、肺の底にある最後の酸素を使う。

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そして、境内に辿り着く。木造の本堂の奥に今回公開された「本尊・十一面観世音菩薩立像」と「千手観世音菩薩立像」が並ぶ。両仏像とも開山した時の為光上人の手彫だそうだ。

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そして、新型の「大千手十一面観音像」総漆金箔張木造立像としては日本最大である。あまりに新しい。

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珍しく84円切手が貼られた塚がある。『文塚』といって全国の郵便局で、差出人も郵送先も不明のため行き先不明になった手紙類を集めて供養するための塚だそうだ。

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さらに幸福観音という仏像が立っている。「(第二次大戦で)敗戦後、中国大陸からの脱出行はドイツのユダヤ人虐殺にも比すべき惨状をきわめた。国家に軍に見捨てられた非戦闘員や婦女子幼童の多くは。飢餓死疫に倒れ・・・・荒野に屍をさらした。・・・」

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偶然にも読んでいる途中の、「赤い月(なかにし礼著)」にも同様の惨状が書かれている。裏を返せば、日本国、日本軍が行ってきた蛮行に対する返礼ともいえるわけだったのだろう。こういう碑は全国にあるのだろうか。

なお、寺院の敷地内には、飲めば現世の罪がすべて消えるという魔法の湧き水があるのだが、きょう罪が消えても、明日の罪までは消えないため罪深い人にとっては効果は限定的だろう。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)たび

2020年10月21日

赤い月(上)(なかにし礼著 小説)

なかにし礼氏と言えば歌謡曲の作詞家が表看板だろう。初期作品は「石狩挽歌」「時には娼婦のように」、レコード大賞曲3曲「天使の誘惑」「今日でお別れ」「北酒場」をはじめ無数の詞を書いている。一方で、直木賞作家でもある。彼の執筆の源は、少年時代のある経験にあるのだろうが、それは敗戦直後に母親とともに満州から死に物狂いで日本に帰還した経験だ。

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元々、父親が小樽から満州に渡り、荒野の中に酒造工場をつくって財をなしていたのだが、たまたま父親が商用で出張中に、ソ連軍が攻撃を開始、まもなく日本が降伏し、ソ連人、中国人が一斉に敵に回り、逃げ惑う日本人を襲う構図になる。さらに一家が住んでいたのは牡丹江という場所で、遠回りでも大都市であるハルピンに辿り着かなければならない。

もっとも著者は生き残ったから作詞家になったのだから、同邦人の遺体ゴロゴロを乗り越えて帰還したのは確かなのだが、次々に想像を絶することが起きるわけで、見栄も義理も財産もすべて捨てなければ前に進めない。上下巻の半分しか読んでないので著者の意図を誤解している可能性はあるが、「知恵」と「根性」と「幸運」がサバイバルに必要なのだろう。

実は、前半の部分を読んだあと、紀州方面のトラベルにGOTOしたのだが、引揚中に起きたことについて考えさせられることもあったが、下巻を読んでからにしよう。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)書評

2020年10月20日

今夜、ロマンス劇場で(2018年 映画)

この映画、綾瀬はるかのための映画といって過言じゃない。もはや世界に一本しかない白黒フィルムの中の王女がスクリーンから抜け出してくる。そのフィルムを何回も見続けていた映画助監督(坂口健太郎)の前に現れた白黒仕様の姫は、きままにカラー版の世界を探索しはじめるのだが、予定調和的に姫と助監督の距離は近づいていくのだが、手をつなぐことすらできない秘密があったわけだ。

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映画としては、巧妙な作りとなっていて、高齢になった助監督が病院で最後の時を刻んでいる時に、当時書いていた未完のシナリオを仕上げることになる。ストーリーはスクリーンから飛び出した姫のこと。

過去の別の映画で使われたシーンのオマージュが次々に登場するのだが、真似をするわけではなく、映画好きを試すようになっている。古い映画館が閉鎖されるシーンがあるのだが、高校の時にこっそり通っていたいくつかの映画館、半分くらいは残存している。個人的には、席がガラガラの方が好きなのだが。
  
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2020年10月19日

ナニカアル(桐野夏生著 小説)

凄いところに題材を見出して書かれた小説。奇書といってもいい。虚実入り混じっているのだろうか。作家、林芙美子の評伝のようで、どこまでが真実なのか。

林芙美子が早世したあと、夫で画家の手塚緑敏が遺稿類を整理している時に発見したという手記について、林芙美子のめいで、緑樹の後妻でもあった女性が芙美子ゆかりの文学者に相談するところから、すべてが始まる。

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漂泊の作家だった林芙美子が、毎日新聞の国際ジャーナリストである七歳年下の斉藤某と不倫を重ね、ついには妊娠、出産ということになり、生まれてきた子を養子ということにしたという内容なのだが、戦争中の南方(シンガポール、インドネシア)慰問中に、斉藤某と密会する場面は、斉藤のことを米軍スパイと疑っている憲兵たちとのやりとりと合混じり、緊迫した場面を作っている。

単なる不倫小説ではなく、日本の開戦から敗戦までの内地、外地の状況が丹念にに記録されている。

殆どが実話の中に、この作品が置かれているわけで、本作はフィクションなのか、実話なのか。容易に判別できない構造になっている。

桐野夏生はミステリーが基本分野なのだが、幅広い作風で、ぼちぼちと読んでいきたい作家である。


新宿区にある林芙美子記念館は林芙美子の自宅を新宿区が買い取って記念館にしたもので、近いうちに訪問して本作の真偽について館員の方に確認してみようかと思う。
  
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2020年10月18日

俳優緒形拳とその時代

横浜市歴史博物館で開催中(〜12/6)の『俳優緒形拳とその時代』。なぜ、ここで今なのかは定かではないが、晩年は横浜の窓から海の見える家に住んでいたことと、今年10月が13回忌だったからだろうか。

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本展だが、資料がたくさんある。パネルや記念品など。何しろ元々は新国劇(劇団名)で活躍を始め、事実上のメジャーデビューが1965年NHK大河の太閤記。主演の豊臣秀吉を演じた。今思っても、どうしてそういう運びになったのかわからない。さらに翌年の大河「源義経」で助演の弁慶を演じる。2年連続でNHKに出続けたわけだ。

特徴のある顔付きなので、秀吉や弁慶の顔もああいう四角形だったのかと勘違いした人も多いだろう。

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映画やテレビドラマで活躍を続け、新国劇から足を洗った結果、劇団は衰退し解散ということになった。もっとも劇場で時代劇を見るという習慣自体が廃れたということかもしれない。

無数の映画の中には海外受賞作もあるが、興行的にはサッパリだったようだが「女衒 ZEGEN」という映画があった。「女衒」というのは女性の性的人身売買のブローカー。今や「人類の敵」ということだろう。ところが、米国で奴隷売買が禁止されたずっと後でも日本では女衒が職業として存在していて、特に日露戦争後、中国・東南アジアへの日本人の進出に合わせて海外遊郭が増加し、日本から女性が遊郭で働くことになり、元々、その気がなかった村岡という男が、業界に足を突っ込み大富豪になってしまうわけだ。

緒形拳は、その村岡を怪演する。日本が帝国主義に走るのに協力して女衒仕事で金を儲けるというのを肯定的に演じるので、「緒方ってそういう男だったのか」と思われたらしいが、戦前の映画じゃないのだから、そういう非人道的な男を演じることが逆説になっているというべきで、他の映画でも同じような構造が多い。

ところが緒方拳や三國連太郎といったパワフルな男優だが、現在の日本では欠員中というべきだろうか。パワフル女優が多すぎるような気もするので、変名の上、男装出演で倍稼いだらどうだろう。綾瀬春夫とか宮沢利一とか・・


なお、横浜市歴史博物館と神奈川県立博物館を間違える人が多いそうで、間違えないようにHPに注意が書かれている。まったく違う場所で、修正するには市営地下鉄で30分位かかる。間違える人は確信的に間違えているので、途方に暮れてからHPを見ることになるのだろう。さらに横浜開港資料館と開港記念会館というのも間違える人は多数(私もかつて間違えた)だが、こちらは徒歩5分の距離である。
  

2020年10月17日

駒落ちを嫌がる理由に新説

王座戦は永瀬王座が防衛し、タイトル戦ドミノは4連続タイトル移動で終了した。次は竜王戦。両対局者はドミノ終了のことなど知らぬ顔で臨むのだろう。

さて、将棋を教えていると、小学生や幼稚園児と対局することになる。覚えたての子と指すときは、駒落ちで指したいが、駒を落とされる方は、メンツをつぶされるように思う子もいる。なので、とりあえず6枚落ちとか言わないで飛車角落ちにしましょうか、と言ってあげる。

どうしても駒落ちは嫌だという子には平手で指すが、くれぐれも負けないように指すので負けないのだが、ある時、「駒落ちは嫌」という子に理由を聞いたところ、思ってもいないことを考えていたようだ。

「(上手に)飛車角がないと、飛車角をとれないから嫌だ」ということだそうだ。平手で指してみたが、絶対に飛車角を取られないように気をつけた。


さて、10月3日出題作の解答。

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1017kk


角の威力で詰める。

動く将棋盤は、こちら。(flash版、edgeは不可)

gif版はこちら。
1017g



今週の問題

1017m


駒を動かすことが必要。いわゆる飛車角バッテリーの簡易型かな。

わかったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。
  
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2020年10月16日

『当店炊きあげ』

「当店炊きあげ」、という謎の食べ物があらわれた。「炊きあげ」でなく「焚き上げ」と書くと、店が赤字で破産したようなイメージになるが、漢字が違う。

販売しているのは、三大コンビニチェーンの1/10程度であるが4番目のコンビニの「ミニ・ストップ」。その数が少ない上、偏在している店舗網のさらに一部の店で扱っている。ご飯を各店舗で炊くからで、一日3回調理しているようだ。

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基本的には、「おにぎり」だが「ミニ弁当」もある。不思議なことに社のホームページにはメニューの記載がない。100円おにぎりには『いつものおにぎり』という変な名前がついている。上級品を出したのに、下級品に「いつも」はまずいだろうと思うが、それはこのコンビニのマーケティングがザルだからだ。

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今回は、おにぎり二種(焼きしゃけ、海老天)。158円と188円。一般の工場で作るおにぎりは100円なので、この当店炊きあげは1.5倍以上。といっても2個買うだけなので、味の方が重要だ。実は、前日は、「当店たきあげ ミニ弁 タルタルチキン竜田BM」368円を食べて、感心した。絶品弁当だ。

今まで、個人的なコンビニ4社の弁当ランキングは、7 > F > M > Lであったが、Mが1位になった。

サークルKがファミマに統合されたことで、また弁当の種類が減ってしまって4社になったのだが、毎日コンビニ弁当でランチをしている人もいる。月火水木金と5日間のうち、4社のうちどこかの社が週二回だったはず。これからは、そもそも週に数回だけ出社する人も増えるわけで、弁当戦線はレッドシー状態になるのだろうか。

ミニ・ストップの不思議なところは「QUOカードが使えないこと」。株主優待券としてQUOカードを送ってくる会社が多いので、使わないと溜まってしまうので、どうしても大手三社優先になってしまう。
  
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2020年10月15日

アパートの鍵貸します(1960年 映画)

ビリー・ワイルダー監督。ジャック・レモンとシャーリー・マクレーンが主演のラブ・コメディ。原題は『The Apartment』。この『The』が重要だ。特別なアパートの一室。

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保険会社の週給サラリーマンのバクスターは給料に見合わぬ立派なアパートに住んでいる。そして、毎日、帰宅時間はちょっと遅い。理由は、同じ保険会社の管理職(日本的に言うと課長)4人に日替わりで自分の部屋を3時間ほど貸している。理由はそれぞれの課長の逢引き場所としてだ。ラブホテル替わりだ。その見返りは、社内での昇格。

4人から管理職昇格を推薦された彼は、部長からの昇進通知を期待していると、ついに部長室へ呼ばれる。そして、今までの課長たちへの部屋貸しのことをすべて知られていることを知る。そしてクビを覚悟した時に、思わぬ提案を受ける。部長にも部屋を貸すように迫られる。見返りは部長補佐の椅子。

1週間は5日しかないのに、これで5人に部屋を貸すことになったのだが、一方、彼はエレベーターガールに恋をしてしまう。

ところが、部長が部屋に連れ込んでいたのは、このエレベーターガールだった。

その後、様々な事件をいくつか続いて、最終的にこの二人は一見幸せそうな関係になるわけだが、冷静に考え直すと、彼らの幸せの陰で不幸になった人たちが多数発生しているわけだ。


これを書きながら調べているとシャーリー・マクレーンの実弟は「明日に向かって撃て」のウォーレン・ベイティ(ビーティ)ということだそうだ。また、ジャック・レモンはハーバード大学の理系学部卒業ということだそうだ。余計な学歴だった。
  
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2020年10月14日

故事にみる国家指導者の肺炎治療

トランプ大統領が新型コロナウイルスによる肺炎の治療に「抗体カクテル」を用いて成功したと自負している。日本では元女子ゴルファーの夫が感染したあと、「アビガンで治った」、「抗体があるからマスクは要らない」と威張ったものの共感者は現れない。基本的にずいぶん違う国民のわけだ。

また、大統領は「モノクローム抗体のカクテル」の他、既存の「レムデシビル」と「デキサメトロン」も投与しているので、本当に「抗体カクテル」の効果かどうかは明確ではない。

実は同じような事例が、77年前に起きていた。1943年(1941年説あり)。場所はロンドンだ。

肺炎になったのは、ウィンストン・チャーチル。英国の首相だ。第二次大戦の最中で、まだ戦況は好転せず、必死に耐え忍んでいる状況だった。首相が病に倒れるわけにはいかない。

そこで新薬として登場したばかりの抗生物質ペニシリンを投与したところ、二日で効果が出たということになっている。

もちろん、チャーチルが背負っていたのはイギリスという国家の未来であり過去の歴史でもある。トランプ大統領が背負っているのは、自分の地位の確保ということで、価値が全然違うわけだ。(負けると、檻の中に入れられるのだろうか?)


話がよじれていくのは、ここから。

日本でも、敵米・英の指導者であるチャーチルがペニシリンで回復したという残念な情報が1944年1月に入っていて、同様の研究が始まり、同年末には分離に成功している。しかし、最近、「チャーチルがペニシリンで治ったというのは、朝日新聞の海外特派員の捏造で、実際はサルファ剤で治っただけだ」と言われ始めているらしい。朝日叩きなのだろう。

この部分の真偽だが、新説の方が間違っていると思われる。当該の記事は1944年1月27日の4面「敵米・英最近の医学界(1)チャーチル命拾いズルホン剤を補うペニシリン」という見出しの記事。ズルホン剤はドイツ語で、英語ではサルファ剤。つまりサルファ剤に加えてペニシリンを使ったことが書かれている。今回のトランプの治療と同様の話のわけで、どちらの薬が効いたのかははっきりしないが、少なくとも捏造ではない。(ただし、多くの場合、ペニシリンは肺炎には効果的のわけだ)。

この頃、朝日、毎日、読売の三社は軍にべったり擦り寄って、ビルマ、マレー、インドネシア、フィリピンなどで、それぞれが新聞を独占的に売ろうとして、朝日はジャワでの拡販を保証されていた。政府批判の捏造記事なんかあり得ない状況だった(ゾルゲ事件と関係がある)。(フィリピンは毎日、ビルマは読売、マレー・スマトラ・シンガポールは同盟通信中心で地方紙13紙の連合体。なお同盟通信は、戦後、解体し共同通信、時事通信に分かれた。)

さらに、ペニシリンの効果によりペニシリンの発見者であるアレクサンダー・フレミング氏は1945年にノーベル賞を受賞したのだが、その後、米国でも賞を受賞した時に、米国の財務長官が有名なスピーチを行っている。フレミング教授がチャーチルを二度助けたという話だ。

話は、さらによじれる。

ヴィンソン財務長官が授賞式に明かしたエピソードいうのは、1880年代に英国で起きたこと。チャーチルの家系は英国革命の時に活躍した一族だそうで、貴族だった。英国の田舎に行っていたチャーチル少年が、遊びに熱中して小川に流されたそうで、助けを呼んだそうだ。「ヘルプ・ミー」とかだろうか。「プリーズ」は付けなかっただろう。貴族だから。それを聞いた「農家の少年であるフレミング」は川に飛び込みチャーチルを助けたことがあった、というもの。

実は財務長官の話と言うのもいい加減で、フレミングよりチャーチルの方が7歳年上で、助けることはできないだろう。どうも実際は、フレミングの父親がチャーチルを助け、恩に着たチャーチルの父が謝礼を持って行ったところ、「礼には及ばず」ということであったため、「では、幼少の息子さんにも息子のチャーチルと同じように教育の機会を作りましょう」という提案をして、フレミングはロンドンに行き、医学の研究に向かうことになり、ペニシリンを発見し、チャーチルを救い、ノーベル賞を得ることになったようだ。


ところで、大統領の方だが、「回復を誇らしげに語るために、仮病を使ったのではないか」とまで疑われている。真偽は別にしてみっともない話だ。さらに、大票田で共和党が有利なはずのテキサス州では郵便投票の妨害をするために、郵便投票可能なポストの数を制限するため、ポストの閉鎖を急いでいるらしい。なにしろ、全米で最も投票率が低いらしく、郵便投票が増えると、不利になるからだろう。  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)市民A

2020年10月13日

吠える その他の詩(アレン・ギンズバーグ 詩集 柴田元幸訳)

『吠える その他の詩』は一般に、『吠える』と略される。1956年に発行され、ギンズバーグは一夜にしてカウンターカルチャーの寵児となった。

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1950年代の米国は行き詰まり感が漂っていて、反抗と自由がテーマのこの詩集は、後世の米国、つまり現代の米国の文化の中に生きているわけだ。

日本語訳で50ページ程度の詩集の中の21ページが『吠える』であるが、それが3部に分かれていて、一部は、米国の混迷を示す単語が羅列されていく。二部は、その混迷の理由を示し、三部では向かうべき方向が示される。それがカウンターカルチャーだ。

以前、カウンターカルチャーの本を大量に読んだ時期があった。

それと、日本語訳ではなく英語版を入手すれば良かった。短いし。和訳では蔵書としての価値はゼロだし。

翻訳者の柴田元幸氏の別の訳書を専門サイトで見ているうちに、ついポチ買いしてしまった。  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)書評

2020年10月12日

ルビーロウカイガラムシの駆除

「そよご」という形の定まらない庭木がある。和風の樹木はあまり植えてないのだが、わけがあって植えている。その枝に、びっしりと付着物があり、葉もスス病のように見える。

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調べると、「ルビーロウカイガラムシ」というそうだ。日本語で書くと、「ルビー蝋貝殻虫」。ルビー色の蝋でできた貝殻虫ということになる。

卵から孵った幼虫が樹木の栄養を吸い取って、しばらくして樹木にしがみ付くと、体から蝋分がでてきて、気温が下がるにつれ厚く固まっていき、そのシェルターの中で越冬し、6月頃に自分の腹の上に産卵。そして死んでしまう。そしてしばらくして幼虫がはい出してくる。10月の段階は、幼虫が成虫になって越冬準備をすること。この蝋のシェルターはほとんど農薬をブロックしてしまう。天敵は蜂の一種だが、ここにはいない。

もっとも効果的な駆除方法は、軍手をして、直接指でゴシゴシすることだそうだ。樹木の全枝に虫が固まっている。

軍手よりもビニール手袋という歯医者用のようなのがやりやすい。ただ、指先に虫を枝からはがす感触が残るので、夢に見る可能性がある。

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約1時間作業したので、虫の数は2000個ぐらいではなかっただろうか。

はがした虫も撮影したが、こちらも相当に気持ち悪い。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)市民A

2020年10月11日

伊勢山皇大神宮、横浜市の一之宮かな

桜木町駅から少し離れた丘を登っていくと、比較的わかりにくいところに伊勢山皇大神宮がある。立派な神社なのだが、由緒はそう古いわけではないが、横浜の総鎮守ということだ。鎮守と言うとムラのようなイメージだが、実際はムラだったわけだ。それも漁村。すべてが変わったのは、ペリー提督の脅迫外交からだ。

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ここに開港の歴史を書くことはやめておく、それをめぐっては多くの武士が戦って死んだわけだ。開国に反対していた勢力が勝って、大々的に開国してしまったわけだ。ストーリーが難しすぎる。

それで、新しい町の象徴として明治3年(1870年)に横浜の町と港の安全を祈願して政府と県が出費して神社を建てた。今年が150周年になる。結構、人工的な神社なのだが、そもそも横浜の町は突然、外圧によって始まったので、すべてが人工的だ。日本で最初の○○というのがやたらに多い「日本最初のカジノ」に向かって邁進している市長もいる(リコール署名が始まっているが)。

横浜らしいエピソードとしては、この神社の創建時にアイスクリーム(あいすくりん)が配られたそうだ。

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ところで、日本国が統一国家になったあと、全国に『国』ができた。おおむね現在の『県』のようなもので、それぞれの国ごとに一社の『一之宮』、『二之宮』、・・・という神社のランキングを与えた。いずれも多くは自然発生的な「地の神」であったはず。

実は、神奈川県について勘違いしている人が大勢いる。

神奈川県=相模国で、東京都=武蔵国。

それで、相模国の一之宮は昔も今も「寒川神社」であるので、「寒川神社こそ、わが土地の神様」と思って初詣にいく人も多い。

実は、相模と武蔵の県境というのは、大きく神奈川県の中に食い込んでいて、横浜市の西の方の戸塚区の中の方なのだ。したがって人口の多い川崎市の全部と横浜市の大部分は武蔵国だったわけだ。

では、武蔵国の一之宮はどこかというと、また複雑で、三社が「われこそは武蔵国一之宮である」と標榜している。

聖蹟桜ヶ丘にある『小野神社』、府中にある『大國魂神社』、埼玉県にある『氷川神社』。埼玉も武蔵の国だったわけだ。

実際には元々の一之宮は『小野神社』だったそうだ。ずいぶんと小さい村の鎮守といった感じだそうだ。昔のままなのだろう。氷川神社のような大神社に抜かれたそうだ。もっとも江戸市内の住人は江戸時代に他所から移り住んだ武士や町人で百姓のように土地そのものが余剰生産物を作りだす源泉と言うことではなく、たんに消費生活者だったので、神田明神とか山王神社といった町の神社を愛好したのだろう。

さらに言うと、『小野神社』は、東京都といっても多摩川を渡って西側。つまり神奈川県みたいな場所なのだ。

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ということで横浜の住民が、寒川神社に行こうが伊勢山皇大神宮に行こうが、小野神社に行こうが、その他どこに行こうが、おかしいこともないのだが、行ったら100円でも賽銭箱に投入した方がいいだろう。

伊勢山皇大神宮の賽銭箱にはコインではなく、かなりの「札」が投入されているのが、外からも見えるようになっていて、お賽銭相場が把握できるようになっていて、便利なのだが、余計なお世話ともいえる。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)おさんぽ

2020年10月10日

タイトル戦ドミノの目が残った将棋王座戦

10月6日、王座戦第四局、永瀬王座に挑んだ久保挑戦者が勝ち、五番勝負の行方は最終局に懸ることになった。圧倒的に優位だった永瀬王座が最終盤でひるんだところに寝技が入り、200手を超える一局になり逆転。

4タイトル戦連続で挑戦者がタイトルを奪取している「タイトル戦ドミノ」が終わるかと思ったが、まだ目が残っている。両者の棋風が「勝つ手より負けない手」を好むことで一致しているようで、簡単には終わらないだろう。

 棋聖戦 渡辺→藤井
 名人戦 豊島→渡辺
 王位戦 木村→藤井
 叡王戦 永瀬→豊島


さて、9月26日出題作の解答。

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簡単に言うと、飛車のいる場所に6七の角を移動させるということ。

動く将棋盤は、こちら。(flash版、edgeは不可)

gif版はこちら。

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今週の問題

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目を凝らして考えようということだ。

わかったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(2)しょうぎ

2020年10月09日

卒業(1967年 映画)

ニュー・シネマでは有名な映画で、公開されてから53年も経っている。この頃の映画が、最近になってリマスターされている。4K化にあまり意味はないが。

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記憶力の問題だろうが、いつ観たかも定かではないが、部分的には思い出すが、全体の粗筋は忘れてしまっていたし、他の映画の記憶と混濁している。しょうがない。

落ち着いて考えて調べ直すと、監督のマイク・ニコルズはこれが監督として2本目。前年の1作目『バージニア・ウルフなんて怖くない』で、いきなりアカデミー賞の監督賞にノミネートされた売り出し中。主演のダスティン・ホフマンは事実上のデビュー作、キャサリン・ロスは2本目、音楽で使われたのは1年前に初ヒットを出したサイモン&ガーファンクル。

そういった、「ここからすべてが始まった」映画ということになる。

現代の常識から考えると、主演のベン(演:ダスティン・ホフマン)が、東部の有名大学を卒業し、西部のパサデナに戻ってきて、プールのある自宅で大パーティがあって、卒業祝いがアルファロメオというのも米国人にしか共感が得られないだろうし、パーティを機に父親の友人の人妻と不倫を始めながら、次第にその娘(演:キャサリン・ロス)に惹かれて結婚しようと思いつき、ストーカー行為をはじめたり、その娘も産婦人科医のバカ息子と二股交際を始めたりするのだから、「青春映画」というより「コミカル映画」に分類されるのだろう。

結婚式での花嫁誘拐事件というのが、衝撃的シーンで、その中でキリスト教の象徴である十字架を使って追っ手から逃れるシーンがあって、反キリスト教感をまき散らすが、監督も主演男優も音楽グループも欧州から逃げてきたユダヤ系なので、そういうものかもしれない。

最後のシーンは、逃げ出すときに乗ったバスの中の二人なのだが、最後に不安な表情をチラッとみせたあと完結する。この不安は、「逃亡した後に起こる厄介なことに対する不安感」ということになっているが、個人的には、この作品にかけた監督や主演男優や主演女優や楽曲提供者が、今後の自分たちの運命を決定する『この映画の客入り』を心から心配しているということではないだろうか。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)映画・演劇・Video

2020年10月08日

一才柚子に結実が

二年前に鉢植えから、地面におろした一才柚子だが、昨年ははじめて一個だけ結実。

一才柚子というのは一年間隔で結実する種類だそうで、毎年結実するほどの体力がなく、途中で実が落ちるといわれる。今年は六輪の花が咲いたのだが、ということで期待しないうちに大きくなっていた。全体で五個の実が大きくなっている。

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ところが、ネットで調べると、この一才柚子だが、熟すと緑色から黄色になるようだ。驚くことはなく、柑橘類の多くが緑から黄色になってしばらくすると食べごろになる。柚子も緑のまま絞ったり、冬至の頃に風呂に浮かべたりするのは黄色なのだが、そういえば昨年の一個は緑のまま要観察したのだが、色が変わるそぶりがなかったので、もいでしまったのだが、気が早すぎたのかもしれない。

ただ、一才柚子の特徴である結実する年と落実する年が交互にくるという法則通り、油断すると実が落ちてしまうかもしれない。

実は、その前に、この木が「一才柚子」であるという記憶だが、あまりはっきりしないのである。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)あじ

2020年10月07日

掃部山公園の主は

横浜の桜木町駅から海とは逆の方に進むと野毛地区があって、にぎわい座とか野毛山動物園とか市の中央図書館などがあるのだが、それより東京寄りにも低い丘があり、そこには自然を生かした公園があって、かなり大きな銅像が立っている。

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公園の名は『掃部山公園(かもんやまこうえん)』。銅像の主は、井伊直弼。そう、歴史上の大人物である。なんといっても、江戸時代を通して制限していた外国との交易を認めた(開国)。そして、反対派を粛正していった(安政の大獄)。

そして、あろうことか徳川家の一員であるはずの水戸藩士によって、江戸の真ん中で暗殺された(桜田門外の変)。

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幕府の大老であったことから、明治以降は、評判が最低になり、戦後の、アメリカナイズの中で再評価されるかといえば、そんなこともない。考えてみれば、井伊直弼がいなければ、幕府も朝廷も薩長もこぞって攘夷論者だったので、英米仏連合軍が江戸京都大坂の三都市を占領していたかもしれない。日本はなくなっていたかもしれない。

一方、横浜という町は、日本の開港地になったことで、漁村から外国人街になり、疎開地のような関内地区ができあがり、江戸改め東京で仕事をする外国人が横浜から通勤できるように鉄道が敷かれた。すべては井伊直弼さまのお陰なのだ。

井伊直弼は大老であったため、畏れ多くて周りは名前で呼ぶわけにはいかず、名誉職である井伊掃部守の役職部分の「かもんのかみどの」と呼んでいた。桜田門外の変のあとの川柳では、「井伊掃部(いいかも)と雪の寒さに首をしめ」と掃部を鴨と呼ばせている。

明治時代に旧井伊藩士が私財でこの山を買い、井伊家に寄贈したが、井伊家は後年横浜市に寄贈。開国50年の時に初代の銅像が立つが、その後、大戦中の金属供出により溶かされてしまう。1954年の開国百年の年に、この像が再び建てられて、以後、横浜の中心部を見下ろしている。

公園は、雑草が生え茂っていて、まるで「夏草や、つわものどもが夢の跡」状態だ。

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公園からはランドマークが良く見える絶景の場所の一つだ。

井伊直弼は政治家としての評価が問題になるのだが、もう一つの顔が茶道および茶菓子。江戸を代表する大茶会を開催していた。茶会の華は、道具であり、また茶菓子である。江戸の多くの菓子店は、井伊家の大茶会に茶菓子を出品できるかどうかが大問題で、日夜新製品の開発に勤しんでいて、それが日本の和菓子文化を育てることに繋がったというのが定説である。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)歴史

2020年10月06日

マイナポイントに苦戦の図

マイナンバーカードを普及させようという下心から、コロナに乗じて補助金をつけようと、見えるのだが、本来は既にカード取得者には補助金を払わず、新規取得者だけに優遇したいはずだが、マーケティングの中でも最も難しい問題だ。DMでノベリティを付けて誘客する際も、長く来てない客ほど高額の景品を渡したりするのだが、常連客にばれると面倒なことになる。ゴルフ場のばら撒く割引券を使うと、会員権を買ってもらった会員様の料金より安かったりして大騒ぎになる。

マイナポイントだって、既存のカード取得者にとっては、ただのサービス。新規の取得者がいなければ、政策の失敗と言うことになるだろう。

それで、既にカード取得者だったので、補助金貰ったら申し訳ないような気がしていたが、街角から現れた制服姿の二人組に無理筋の難題をふっかけられ、9000円を取られたので、少しはとりかえすべく、補助金略奪に参戦した。

そもそも、簡単だと思っていたのだが、

調べていてわかったのは、パソコンではマイナンバーカードの読み取りがないため、完結しないこと。そうなるとスマホかセブン銀行等になるのだが、あいにくスマホには栃木産の皮のケースが、がっちりはまっている。取り外すのは大変だし、ケースが壊れる可能性がある。

まず、スマホでカバーを付けたままやってみることにする。ダメならそこで考える。

ところが、当初の計画では、GOTOトラベルを旅行会社で予約して、その代金をクレジット払いにして、その代金から補助金を引いてもらえばいい、という計画だった。

よく使うのはJCBとVISAなので、マイナポイント対象一覧表を探すと、掲載されていない。クレジットでは有名なのはM井S友カードだけで、それでもいいかと思ってM井S友カードのサイトで調べると、ポイントを現金として使う場合はポイント×0.6になると書かれている。つまり20000円を使うと5000ポイントになるが、現金としてクレジットの請求書から差し引く場合は3000円分になるということ。2000円はどこに消えるのか??

PayPayでもいいのだが、使える店が減少しているし、イオン銀行からのチャージがなぜか停止になったため事実上ほぼ使えなくなっている。

ということで、調べ直しになり、イオンクレジットカードかnanacoなら、さらに2000ポイントの上乗せがあり、GOTOトラベル料金を支払うにはnanacoでは無理なので、イオンクレジットを選ぶことにしたのだが、これがまた認証が難しく、本人のスマホ宛にワンタイムパスワードが送られたり、相当行き詰まっていく。そしてイオンの認証が終わってからマイナンバーカードの認証を始める。こちらは、4桁の暗証番号が必要。なんとか作業終了する。

そして、マイナポイントは予算に限度があり、財源に到達すると終了ということで、ただちに、イオンクレジット(マスター)でオンライン決済をしようとするが、最終段階でイオンのカードが拒否された。どうも3D認証というのがあって、それをクリアしないと使えないカードになっている。JCB、VISA、MASTER、AMEXの4種は3D認証しておかないと海外のホテルに泊まれないと脅迫的に書かれている。

で、それも難しい作業を続けているうちに、突然認証終了となる。そして、ついに目的が達成することになった。

作業達成までに最も必要なことは、根性だろうか。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(2)市民A

2020年10月05日

ラブ・ソングが聴こえる部屋(川西蘭著 小説)

短編集である。『マイ・シュガー・ベイブ』『チープ・スリル』『ジェラス・ガイ』『マイ・ラスト・アフェア』の四作。

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文庫本のカバーの裏側に書かれた解説は、

===ぼくたちの愛は、とても素敵なハーモニーだった。豊かな情感とはじけるような青春の中に、あなたへの限りない愛と、ぼくへの確かな信頼があった・・・。===

軽快な会話で知と愛をやさしく奏でる4つの恋愛楽章。


となっている。裏カバーに本の粗筋を書くはずはないので、これだけでは何もわからないのだが、小説から引用した二行だけでも感じるのは、「村上春樹の表現に似ている」こと。

実際、4作とも、村上春樹的な感じが50%くらいある。ただ、あいまいで不可思議な男女の関係を、少し突き詰めようとするのが川西蘭的方針で、男女がたがいに理解できない部分に突き当たると、結論に進まずに、都合よく片方がいなくなったりするのが村上春樹なのかもしれない。(最終の『マイ・ラスト・アフェア』では、古来より不自由な愛の終着点として選ばれる方法の中でも、吹き出す赤い液体量が半端ない行為に至るわけだが、思いとどまった方がよかったように思う)

本作が発表されたのは1985年から86年であり、村上春樹が短編を書きまくっていたのは80年台前半でよく符合する。

その頃は人間関係というのは複雑ではなかったのだなあ、と小説を読んで、いちいち考えたりすることが多かった。インターネットやコロナとか、われわれは、どこに向かっていくのだろうか。

そういえばノーベル文学賞の季節だ。私立大学の星の今年は・・

小説とはまったく関係ないが、

川西蘭氏の経歴が書かれていて今年60歳。思い当たることがあって(実際には思い違いだった)、現在位置を調べたのだが、各種検索でも山形県の東北工芸大学教授ということになっているが、大学のHPの教員紹介には名前が記載されていなかった。1時間ほど格闘した結果、東京の有明にある武蔵野大学の教授に就任されている。もちろん創作を担当している。有明も武蔵野の一部なのだろうかと思ったが(元々、海だし)、田無の浄水場の近くにあった大学が移転しているようだ。武蔵大学という大学もあり紛らわしかっただろう。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)書評

2020年10月04日

再生の空間(地主麻衣子/山口啓介・横浜市民ギャラリー)

横浜の美術館もトリエンナーレとともに動き出している。その中でも野毛の市民ギャラリーで開催中(〜10/11)の『今日の作家展』。いわれは1964年から40年間開かれていた同展が2016年より復活。そして5年目の今年がコロナの影響を受けた。

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建物は、地下一階、地上4階の5層なのだが、本展は1F(地主麻衣子氏)とB1(山口啓介氏)の二人展になっていて、他の階はお休みになっている。もったいないが色々と都合があったのだろう。

さて、地主さんと山口さんだが、各種パンフの中に両者の写真があった。

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地主さんは1984年生まれ。珍しい苗字に記憶があるので、どこかで作品に触れているような気がする。

本人は、そう思っていないかもしれないが『メキシコシティの探偵』というビデオインスタレーション、とても良い。探偵と言っても殺人事件の捜査をして、犯人を追い詰めたりはしない。メキシコシティの中の様々な男女のカップルを隠し撮りすることにより、特に女性の視点で様々な年代の男女の出会いと別れをテーマにしている。地主さんがこの作品の題材としたのが、2003年に50歳でなくなったチリ人(メキシコ在住)作家ロベルト・ボラーニョの『電動まぶたの世代』という詩だそうだ。

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山口さんは1962年生まれ。世に出たのが大型の銅版画だったので、版画家と思われているが、絵画もあれば立体もあるそうだ。本展出品の一作が『地球・爆』第10番より「黒い涙」。蛸は氏の中心的造形だが、本作では鮑を腕で握りつぶしている。

他の作品にも共通だが、常人には及びもつかないような絵画である。

会場は桜木町駅からみなとみらいとは逆方向の野毛坂の方向で、伊勢山皇大神宮の向かい側にある。坂を上るのが苦しい方には、送迎車が待機している。
  

2020年10月03日

双玉詰将棋がなぜ邪道感なのか

少し前から『双玉詰将棋』のことを考えていた。『双玉』とは二枚の玉将のことで、敵と味方の両方の王様が使われることを指す。といっても、玉が二枚じゃなくて玉将と王将のわけだから『玉王詰将棋』が本当のはずだが、といっても最近は平等主義が行き届いていて玉将が二枚の『双玉駒』もあるらしい。

江戸時代の詰将棋は二世名人大橋宗古によって、打歩詰が確立したことにより隆盛を極め、『詰物』と呼ばれていたのだが、おそらく双玉詰将棋はなかったはず。明治以降も、大道詰将棋という怪しい世界の中に蠢いていたわけだが、表に出てきたのは昭和の前半のはずだ。

江戸時代は家元制度という封建制度があって、「革新」はご法度だったのだろうが、明治以降にすぐに隆盛になったわけでもないし、現代でも『双玉は邪道』と思っている人も多いだろう。

チェスの世界では、プロブレムやチェックメイト問題でもほとんど双玉(キング白黒2枚)だ。これは実戦の延長にあるのと、そもそも駒が少ないのでキングが活躍しないと様にならないということもあるだろう。

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日本将棋でも、双玉詰将棋と言うのは、現実に起こりうる(あくまでも形式上)形のわけで王が一枚の普通の詰将棋より馴染みやすいはず。ではなぜ邪道なのだろう。

あれこれ考え抜いた末にだどりついた思考の終着点だが、逆説的ではあるが『双玉は実戦的だから』ではないだろうか。本来、詰将棋は攻める側が一方的に王手を組み立てるようになっていて、途中で反撃を食らったりするはずはないはず。勝負で言えば、「詰みは勝ち、不詰みは引分け」のはずが、「不詰みの中でも負けがある」という感じが嫌なのだろう。


さて、9月19日出題作の解答。

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途中で打った歩が邪魔駒になる図。

動く将棋盤は、こちら。(flash版、edgeは不可)


gif版はこちら。
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今週の問題も入玉図。入玉図も邪道感があるが、本来は入玉こそ詰ましにくく詰ませた時の達成感が大きいのだが、多くの将棋指しは入玉された嫌な経験があるのだろう。

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ヒント:結局、追い返す。

わかったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。

  
Posted by ota416 at 00:00Comments(2)しょうぎ

2020年10月02日

アルゲリッチ 私こそ、音楽!(2012年 映画)

数ヶ月前にNHKのBSプレミアムで放送された映画を今ごろ観る。現在、世界で最も高名なピアニストのマルタ・アルゲリッチ(Martha Argerich)の人生を映画監督の娘、ステファニー・アルゲリッチが撮っている。

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冒頭のシーンが出産シーン。困惑するのは、この映画の構造が明らかになる前の出産なので、生まれたのがピアニストなのか映画監督なのか、映画監督のこどもなのかよくわからない。後で振り返ってもよくわからない。要するに映画監督の眼でアルゼンチン生まれのピアニストを中心とした一族のことを映しているということが徐々にわかってくる。

そして、女系家族のようだ。映画の構造上、家族の構造が先に明らかになるのは父親のこと。こちらもピアニストだが、こどもの頃、離婚している。父親には3人の妻(もちろん同時じゃない)がいて4人のこどもがいる。一方、母親にもたぶん3人のそれぞれ異なる夫や愛人の子がいて、一番上の娘の存在は長い間秘密にされていた。2番目の相手の男がシャルル・デュトア。彼は子連れ結婚だった。(しかし、チョン・キョンハと浮気をしたのが発覚して日本公演に向かう途中の機内で夫婦ケンカになり、入国せず、そのままUターン。( )内は映画には登場しない)

ピアニストの方に戻ると、母親はウクライナ出身のユダヤ系の亡命者。教育ママで大統領に頼んでウィーンの音楽学校に娘を入れ、16歳から活躍させる。常にサングラスをかけ目を見せないようにしていたそうでミステリアスだ。

ピアニストは、20歳頃、憧れのホロヴィッツの顔をみたくてニューヨークで彼の家の近くに住むことにしたが、実際には会えなかった。(注:その頃のホロヴィッツは58歳だったが40代後半から12年間の長い休眠状態を続けていた。ホロヴィッツもユダヤ系でウクライナから米国に逃れている。母の母国の英雄だったのだろう)


音楽のことを書くべきだろう。アルゲリッチ(母)のピアノは、かなり思い入れのある弾き方で、好き嫌いがわかれる(と思う)。ミステリアスに弾いて観客に判断をゆだねるのではなく、「わたし流のショパン」というような思いが極めて強い。映画の中の本人の音楽論や経歴から言って、「世界最高のピアニスト」を目指したのだろうと感じる。

また、本人は、シューマンを弾くことが最高の幸せと言っている。シューベルトには批判的な感じだ。なぜベートーベンやモーツアルトやショパンではなくシューマンかというと、最も感情を移入しやすいからだそうだが、その感覚はよくわかる。

書き忘れていたが、この映画には、アルゲリッチ一族やデュトアなどが登場するが、全員が役者ではなく本人である。(冒頭の出産シーンが誰なのかはわからない)

最後に、日本公演の映像が流れるのだが、日本を代表するシーンが、新幹線の中で箸で駅弁を食べながら富士山を観るというのは、「ちょっと違うな」と思わざるを得ない。毎度ながらの日本人観だ。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)映画・演劇・Video

2020年10月01日

BOTTICELLI(疫病の時代の寓話)バリー・ユアグロー著

新潮社の月刊書評誌「波」に『オヤジギャグの華』という楽しい連載を書いているバリー・ユアグロー氏がコロナ禍の中、ニューヨークで自宅缶詰になっている4月5日から5月11日の間に12編の寓話を書き、日本にいる翻訳家の柴田元幸に送った原稿をイグニションギャラリーという出版社で小冊子にまとめた。一応43ページまであるが、相当薄い一冊だ。測ってみると厚さは2.2ミリ(センチではない)。でも、792円の本である。

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12編だが、日本語にして1編が、約1000文字。このブログがだいたい1000文字なので、私が12編書くのは12日だ。ユアグロー氏は37日かけている。

順に題名を並べると、

 ボッティチェリ
 ピクニック
 鯨
 影
 スプーン
 猿たち
 戸口
 サマーハウス
 風に吹かれて
 岩間の水たまり
 夢
 書く

ボッティチェリとはルネサンス期の画家だそうだ。私は、早とちりしていて、「デカメロン」の作者のボッカッチョと混同していた。デカメロンは1348年から1353年にかけて大流行したペストによって、欧州の年が封鎖され、監禁状態の中で10人が10話ずつ語るわけで、現代のデカメロンかと思っていたら、まったく違う。

病はボッティチェリと呼ばれた。ラファエロ、と呼ぶ者もいた。

唐突で、理解できないが、理解できない話が続いていく。そう、夢の中のような話だ。

連載中の『オヤジギャグの華』も夢と現実が混然としている。そういう作家なのだ。

南アフリカ出身で、米国に居住し、日本には長期にわたって滞在していて、日本文化への造詣が極めて高い。

日本に住めばいいのではないだろうか。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)書評

2020年09月30日

ドコモのNTT完全子会社化の件

NTTがドコモを完全子会社かするようだ。TOBの必要資金は最大4.3兆円。外部調達するらしいが、なかなか理解できない。

とはいえ、個人的にNTTに資金をつぎこむ気もないし、ドコモ使う予定もないので、真剣に資料を分析する気力もないので、概論的な話になるのだが、

なぜ、合併ではなく外部資金調達で完全子会社にするのだろう。4兆円を外部から調達すれば、例えばコストが1%としても400億円のコストアップになる。

仮定1:NTTの方が給料が高く、合併して年収を合わせると社としてコストアップする。
仮定2:当初は合併を検討したものの、企業価値の差が甚だしく大きく対等合併できない可能性。NTTの価値の中にはドコモの利益(キャッシュ)分が含まれていて、それを引くと親会社が吸収されたように見えるため、見栄を張った。NTTの生み出す価値はほとんどがドコモの価値に近いのではないだろうか。

携帯電話料金の話と関連があるようでないような感じだが、そう簡単な話ではないと思う。

よく、消費が伸びないのは、通信料が家計を圧迫しているからと言われるが、そもそも、通信料金が安い携帯会社が爆発的にシェアを得られないのは、逆説的には、通信料を減らしてまで買いたいものがない、ということではないだろうか。通信料減らして月に1万円を浮かしても、家やクルマが買えるわけでもない。使えるお金が年12万円増えても、決定的に豊かな気持ちにはなれない。第一、デフレから脱却できない。給料を月1万円、増やすべきなのだ。

あるいは、もっと高額で能力の高いプランが登場し、一方でもっと低額でスペックを落とした安いプランも登場し、携帯格差というようなことになるかもしれない。上級国民と下層国民。

切り口を変えてAUとソフトバンクの戦略だが、NTTグループと言うハイコスト企業がいるため、ドコモ(裏にNTT)が企業として成り立つレベルの料金プランに追随するだけで自動的に儲かることになっていたのだろう。NTT&ドコモの意志決定は多数の取締役の合議によるのだろうか、ソフトバンクはワンマンだ。たとえば、今後、料金値下げでドコモが損益分岐点ギリギリの価格になっても他社は追随すればまだ余裕がある。こういう状態は経済学の教科書にはないが、日本ではよくある現実だ。プライスリーダーではなく、ボーダーラインプライスリーダー。


NTTの人事から退社した人物を知っていて、すっかり前になるが、彼が新職場に移った頃の話だが、「社員が多すぎる」ということを言っていた。最近になって解決したと思うが、「電線の管理をする人たち(俗にいう電線マン)」と各局ごとに大勢いた「電話交換手(ほとんど女性)」が経営の重しになっていたそうだ。

さらに社員数が多すぎるため、個別の勤務査定などが困難なため、新入社員が入社しても、ずっと何年も「入社試験の時の点数」と「出身大学」で同期の順番を付けていたそうだ。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)企業抗争

2020年09月29日

白粉花の不思議

自宅の周りには、あまり飲み屋がないため、歩き+バス<30分という範囲に探索範囲を広げていて、その店からの帰り道の街路樹の脇に盛大に咲き誇った花々があり、一本の木の様な草なのに、何種類かの色の異なる花が咲いているので記念撮影をしてみた。白地に赤が不規則に混じっている。白い花もある。

osiroibana


何の花なのかわからない。画像から花の名前を確定してくれるアプリもあるのだが、成功したためしがない。人間の顔認証より難しいのかもしれない。

そういう時は、画像を「類似画像検索」すると、かなりの量の画像がヒットする。いくつかの画像元を追っていくと、ほぼ解る。もちろん勘違いして別の花だと思い込んで書いている人もいるので、いくつか読まないといけないが、当面は花認証よりも役に立つ。

この花の場合、ヒットしたのは2種類の花で、一つはインパチェンス。イメージは近いが、花や葉と言った部品は不一致だ。そうなると、『白粉花』となる。白い粉の花だと勘違いすると、ケシということになるが、そうではない。「オシロイバナ」。白粉はおしろい。

なぜ、おしろいというかというと種が黒く、その種の中に白い粉状物質が詰まっているから。妙な命名だと思う。

日本に伝わったのは江戸初期で、原産地は南米とのこと。鎖国後であればオランダ経由、その前ならスペインかポルトガルによるのだろう。

この花の蜜が大好きなのは「スズメガ」だそうだ。オシロイバナの種や根には、トリゴネリンという物質があり、食べると嘔吐や腹痛を起こす。神経系に異常反応を起こすそうだ。しかし、最近になってアルツハイマー症の予防薬として注目されているそうだ。

オシロイバナの前で、空腹に襲われてどうしても何か食べたくなった場合は、近くにスズメガの幼虫を探そう。そちらは十分に食用になるそうだ。食レポ期待・・・
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)おさんぽ

2020年09月28日

炎のなかの休暇(吉村昭著 自伝的小説)

戦中、戦後直後の著者自身の動乱の時代を題材とした自伝的小説。

その時代を生き抜いた人(生き抜けなかった人も)の人生は思うようにいかなかった人がほとんどなのだろう。そして戦後、うまく新時代に生きた人、対応できなかった人。つまり明治維新によって失業したサムライのようなことなのだろう。

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8編の短編からなる本書は終戦から三十余年で発表されている。体験が熟成された頃なのだろう。主人公は、「私」であるのだが、私小説とはかなり異なって、「私」の行動や、感情を客観的に書いている。他のドキュメンタリー的作品群と同じ書きかたである。

いくつかの作品は、戦後だいぶ経ってから、かかってきた一本の電話から始まったり、故郷に行って様々な思い出が蘇ったことから始まったりする。

近所の心中した一家のこと、学校の同級生のこと、父親が愛人宅で空襲にあって行方不明になり、死体の転がる中、捜し出したこと、ロシア革命で日本に亡命した白系ロシア人一家が収容所に送られたこと、そして、徴兵検査で乙種合格となり、応召を待つ間に終戦となったこと。結核で肺と肋骨の大部分を失ったこと、そして戦後、兄の経営していた工場で住み込みで働いていた男が亡くなり、引き取り手が現れない中、著者が骨壺を抱えて遺族に届ける話。

著者が書く記録のような小説、淡々と感情を押し殺して筋書が進んでいくことが多いのだが、ずいぶんと波乱万丈な経験をしたことで、文体が完成したのだろうと思ってしまう。

彼の著書は、内容が重いので、気力を集中させて読まないといけない。とうていあれだけの作品を書かれているので全読破などできるはずはないが、読了29冊目だと思う。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)書評

2020年09月27日

市ヶ尾彫刻プロムナード『ユニコーンのいるバードテーブル』

市ヶ尾彫刻プロムナード第11回は、『ユニコーンのいるバードテーブル』。市ヶ尾第三公園内にある。

中野滋、宮内淳吉、平井一嘉の三氏による共作。中野氏と宮内氏は当プロムナードの他の作品も手掛けられている。

unicorn1


本作は、構造上は何かの鉢を持った女性の頭の上に大きな盆が乗っていて、そこに鳥が集まって水を飲むのか穀物や害虫を食べに来るのか、いわゆるバードテーブルになっている。

あたまの上に鳥が集まるのはなんとなく気持ちが悪いかもしれない。カラスやアオサギやハヤブサなんかがきたら怖すぎる。

unicorn2


そして、謎の生物であるユニコーン。バードテーブルのすぐ上に隠れている。鳥をねらっているのだろうか。逆にカラスの餌になりそうでもある。このプロムナードには、ユニコーンが他にもいる。『魚風景』という作品には、ここのユニコーンと同じ種類の生物がいるし、『きら星からにばる』のユニコーンは馬サイズだ。

unicorn3


そして、タイル張りの小屋の頂上には、猫の仲間の一頭が見下ろしている。鳥やユニコーンを狙っているのかもしれない。

そして、この女性が持っている鉢のような容器には、ローマ字が刻まれている。撮影した時には気付かなかったが、本稿を書いている時に気がついて、画像拡大してみた。

unicorn4


ローマ字では「KOI NO SUGATA YA HA」。

さらに漢字も見える。「恋 姿 花」。大いに気になる。

その場で気付いたら、鉢の裏も撮影していたのだが、検索していると、最初に出てくるのは、美空ひばりのシングル曲(「花の恋姿」)。ダウンロードすると262円かかる。それから「大友花恋の○○姿」というのがある。○○のところに「水着」とか「男装」とか入れるわけだ。

ということで、あきらめかけていたところ、うっすらと手掛かりがあった。「人は人を恋の姿や花に鳥」というタイトルのブログがあることがわかる。そのままだ。

そして、その俳句のようなものを調べると、やっとの思いで、ある句に行き着いた。
「人は人を恋の姿やはなに鳥 其角」。はな=花だろう。

其角(きかく)は榎本其角。芭蕉の弟子で蕉門四哲の中でも最も冴えた句人だ。生前に、自分の代表作1004作を選んで、五元集と名付けていた。その中の一句である。

意味は今一つしっくりとは判らない。恋をしている人の対人関係は、花に集まる鳥のようだというのだろうか。花に集まる鳥はハチドリしかいないし、花に群がる虫に鳥は群がるわけだ。バードテーブルに集まる鳥を狙うユニコーンとかそのユニコーンを狙う猫、ということかな。そんな不気味なテーマの彫像を公園内に置くとも思えないし。

芭蕉の人気に比べ其角の人気は百分の一ほどだろうが、この際、読んでみると、俳諧の中から「軽み」を追求した芭蕉に対し、其角は「諧謔」の方を追及したとも考えられる。


一応、横浜市青葉区の公認した「彫刻プロムナード」はこれまでの11作で終了。あとは総集編だけである。

区内には、他にも町中に多くの彫刻があると、つけ加えておく。
  

2020年09月26日

タイトルの移動続く

指摘する人がいないのだが、将棋のタイトルの移動が続いている。

棋聖戦 渡辺→藤井
名人戦 豊島→渡辺
王位戦 木村→藤井
叡王戦 永瀬→豊島

これから、王座戦、竜王戦、王将戦と続くのだが、どうなのだろうか。


さて、9月12日出題作の解答。

0926k


0926kk


手掛かりがないところを攻める。序の三手がポイント。

動く将棋盤は、こちら。(flash版、edgeは不可)

gif版はこちら。
0925g



今週の問題。(微修正しました。1三桂追加。)

0925x


手数は1桁。捨て駒あり。

わかったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(2)しょうぎ

2020年09月25日

南欧風料理、ごちそうさま

そろそろ外食に行かないと、料理店が満員になっているという噂を聞いて、市内(横浜)の南欧風料理店を予約する。

まず、南欧と言うのは、イメージ単語だと思っていたのだが、どうも国連とかCIAの分析とかによると、厳密に国名が決まっていることに驚く。

それも狭義の南欧と広義の南欧があるようで、狭義というのは、ほぼイメージ通りでイベリア半島(スペインとポルトガル)とイタリアやギリシアやキプロスのような地中海沿岸国のこと。ポルトガルは地中海には面してないのだが、どういう分類でも常に南欧だ。

広義の南欧というのは、バルカン半島の諸国を含むのだが、小さな国家がたくさんある。

いずれにしてもフランスは含まれない。欧州の地理に疎いのだがイベリア半島というのはどこからなのだろう。国という意味でない場合、フランスの一部の地域も南欧に含まれるらしい。

で、ポルトガル料理とかスペイン料理とか、特定の国に絞って営業できるのは都内三区ぐらいだろうから、その辺一帯を総称して南欧というのだろう。インドネパール料理と言いながら、タイ料理も食べられる店もあるし、なにしろ今はこだわったりしたら、すぐに倒れてしまう。出前でも弁当でも粗利があればなんでもやるしかない。

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それで、タコのカルパッチョに始まりスパニッシュオムレツやハモンセラーノ、アサリのワイン蒸し、シシトウのフリット、トマトとチーズ、車海老味のパエリア、ビスタチオ入りのジェラートと食べ進んだのだが、素材も味も日本料理風に感じたのだが、たぶん味覚異常と言うことではないと思う。

よく考えると、南欧料理ではなく南欧風料理ということに気付いた。

細かいことをとやかく言うような時節じゃないわけだ。悪口は控えめに。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)あじ

2020年09月24日

ときめきに死す(1984年 映画)

シネノアールというかニューシネマというか、そういう感覚の映画だ。評価は平均3点だが、1点と5点に分かれている。

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主演は沢田研二。孤独で、対人関係が築けない工藤を演じる。ナイフ愛好家で、暗殺の実行犯を期待されている。

工藤は、ある目的のため北海道の海の近い町の別荘にやってくる。管理人は故杉浦直樹氏演じる大倉。元は歌舞伎町の医者。実際にストーリーは彼の眼で進められていく。

そして、二人の元にパーティガールの梢ひろみ(演:樋口可南子)が派遣されるが、工藤は女性の体には興味を持たずに来るべき決行の日に備えてトレーニングを続けるが、梢はそんな彼に徐々に親近感を持ち始める。

そして襲撃決行の日、3人を操る黒幕組織が指示したターゲットは新興宗教の教祖である谷川会長。海辺の町に会館を建てるための講演会に訪れた会長の周りは、襲撃者を待ち構えていたかのように警察をはじめ警備陣が固め、事は工藤の思い通りには進まない。逮捕された工藤を乗せたパトカーや谷川会長を乗せて逃げ去る車列の前に、別のクルマが現れ、全車が緊急停止した時に、離れた陸橋からの狙撃者の一撃が会長を捉える。

つまり工藤は、釣りで言えば、生餌だったわけだ。そこで、血が噴き出して上映終了となる。

沢田研二氏は、来年公開のキネマの時代では代役出演で主演に決まっている。久しぶりの映画出演で少し心配する。樋口可南子氏は、やはり名優といっていい。樹木希林亡き後の性格女優の女帝の座を狙ってもいいと思う。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)映画・演劇・Video

2020年09月23日

この人は、今

まず、2013年9月7日、アルゼンチンの首都、ブエノスアイレスで撮影された画像だが、出典を明らかにしたいのだが、同じ画像がネット上に溢れていてよくわからない。数秒の差の何種類かの画像が存在する。

gorin


7年後の今、それぞれの方々の現在位置を確認してみた。

さらに、本来、招致に至ったのは、これらの人物だけではない方々の尽力があったということもあるので、その方々の現在位置を確認してみる。

まず、画像版の方。左の方から

荒木田裕子さん:当時は日本オリンピック委員会理事。(バレーボール)。
 現在は東京オリ・パラ組織委員会理事他

滝川クリステルさん:当時はタレント。招致委員会プレゼンター(おもてなしスピーチ)。
 現在は大臣夫人他。

太田雄貴さん:当時はフェンシング選手。五輪銀メダリスト。
 現在は、国際フェンシング協会副会長。

小谷実可子さん:当時は招致委員会理事。五輪銅メダリスト(シンクロ)
 現在は、JOC理事他。

猪瀬直樹さん:当時は東京都知事。この画像の10か月前に、5000万円を持って走り回る。
 現在は、作家に戻るも、執筆の速度は遅い。

安倍晋三さん:当時は総理大臣。任期中の最大の功績といわれるが、就任一年目。
 現在は、衆議院議員、元首相夫人の夫。

森喜朗さん:当時は招致委員会評議会議長。元首相。
 現在は東京オリ・パラ組織委員会会長。

佐藤真海さん:当時はパラリンピック出場選手(陸上)。招致委員会プレゼンター。
 現在は、パラトライアスロン選手として東京五輪出場を目指す。

他の貢献者。巷間言われている招致重要貢献者は4人とされる。
 竹田恒和さん:当時は招致委員会理事長。IOC委員。オリンピアン(馬術)。票集めを差配。
  現在は、旅行会社経営。

 水野正人さん:当時は招致委員会事務総長。元ミズノ会長。世界を回り根回しをした。
  現在は、IOCスポーツと環境委員会委員、JOC理事・副会長

 高円宮妃久子親王:高円宮妃。開催地決定投票の前にIOC総会で東日本大震災救援活動に対しての謝辞を述べた。
  招致に失敗した場合、皇室のイメージダウンになるとのおそれから、招致委員会とは別行動となった。
  現在も、高円宮妃久子親王

 滝沢クリステルさん:総会での、おもてなしスピーチ。略歴は既出(上記)。  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)市民A

2020年09月22日

なら国際映画祭に河瀬直美監督登場

多くの映画祭が中止されている中、「なら国際映画祭2020」が9月18日に始まった。この映画祭の生みの親ともいえる河瀬直美監督もオープニングに登場。

ところで、河瀬監督といえば、今回の東京五輪の公式映画を手掛けることになっていて、本来ならば今が一番忙しい時期だったはず。ところが、ご存知の通り、とりあえず1年間延期。しかも、来年に確実に開催されるかどうかもはっきりしない。

それで、公式映画だが、五輪が開催された場合は、コロナ禍によって一年遅れてしまった顛末(つまりコロナの世界での拡大状況と一年延期になった事情)を映画に組み込むことになるだろうから、コロナ関係の撮影をしたり、一年間、代表を先延ばしにされたアスリートたちの日常の撮影も必要だ。

しかも、実際に開催されないこともありうる。撮りかけの映画はどうなるのだろう。あるいは、開催されなくても開催されなかった顛末を含む映画を作ることになるかもしれない。(というか、製作費を政府が支払うかも問題だろうが、開催中止の場合、そういう費用問題があちこちに山積みになる)

とはいえ、「五輪ができて、よかったね」という方向の映画になるのか、「五輪ができずにガッカリ」という方向の映画になるのかわからないまま撮影を続けていくのは、至難の業だろう。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)映画・演劇・Video

2020年09月21日

木暮荘物語(三浦しをん著 小説)

三浦しをん氏の小説をずいぶん読んでいる。読みやすいわけだ。といって、展開がわかっている間抜けなミステリー的ということではなく、読者の予想の範囲の上限のようなストーリーの意外性はある。何を読もうか悩んだ時には、彼女か吉村昭を読むことにしている。(吉村昭氏の方は、大量の著作があるので、読み切れるわけはない)

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本作は、世田谷の代田にあるボロアパート木暮荘の住人たち(一部はストーカー関係者)がそれぞれ主人公になる。短編が七編。少し前に読んだ吉田修一「パレード」は、5人の共同生活者が一つずつの短編の語り部になるのだが、本作の登場人物は、別の部屋に住んでいて、それぞれに関係はあるが、いわゆる濃厚接触者ではない。

せいぜい、壁や天井の穴から私生活をのぞき見したり、のぞき見させたりという程度だ。

あえていうと、大家さんの飼い犬ジョンのための短編も書いてもらえたらよかったのにと思う。のぞき見し合っているような住人の倒錯性を犬の目で見るとどうなのか。

登場人物はどこか人間的に弱さが目立つように書かれているのだが、究極的に不幸になる人はいない。もっとも可哀想なのは、5年に一度しかトリミングしてもらえないジョンのような気がする。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)書評