2022年12月07日

替玉

就職希望者にとって、第一の難関であるウェブテストで、替玉受験が横行していたらしく、最初の逮捕者が出た。依頼した女子学生と答えを送った会社員の男だ。会社員の方は、4年間で4000回、一回2000円で1000万円ほど稼いでいたそうだ。(計算上は800万円だが)

ある意味、人助けでもあり、人の弱みに付け込んでというか。この種の行為は既に数十%の学生が利用しているという推測もあるようで、スピード違反よりも捕まる確率がずっとずっと低いわけで、女子学生の方は「運が悪い」という以外ないし、会社員の男の方も「運が悪い」ともいえるし、「いずれ捕まっただろう」し、犯罪感覚がなかったのかもしれない。

そもそも、こういう専門家でなくても困り果てた知人に頼まれれば、誰でも請け負うのかもしれない。例えば親とか。そして、この種に関わった場合、頼んだ方も頼まれた方も口は堅いわけだ。

逮捕容疑は、私電磁的記録不正作出・同供用容疑ということらしい。

ただ、委託した女子学生の方を逮捕したとすると、1年間で約1000人に対応していたわけだから、他の999人はどうなのだろう。さらに以前での提供者のうち、すでに希望した会社に入社している人も数百人はいるはずだ。

ところで、そもそも学生の採用の第一段階でウェブテストで振り落とすとか、大丈夫なのだろうか、出題されている問題は、「クイズ」だ。会社はクイズ王が欲しいのだろうか。しかも何段階も入社障壁を設けている一方で、一般の会社ではコネ入社はあるだろうし、ウェブテストで落とされる学生の無念を考えれば、微妙だ。

私自身、替玉を頼んだことはないが(中州でラーメン食べた時も替玉しなかったし)、学生の頃からの友人が、社内の部長昇格試験に二年続けて落ちていて、見るに見かねて審査対象のレポートを全面的に書き直したことがある。結果的に部長になり、おそらく生涯賃金は2000万円位増えたのだろうと思うが、いまだにその時の報酬は届いていない。だからといって被害届を出すわけにもいかない。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)市民A

2022年12月06日

Atelier Sunoiro 展

島根県浜田市にある「Atelier Sunoiro」で活動する何人かのダウン症の人たちによる作品展が、横浜市民ギャラリーあざみ野で開かれていた。一枚が50×65センチ。

sunoiro


色鮮やかで楽しくなるような構造だ。技法や材質について書けば、アクリル絵具で水彩紙に描かれている。アクリル絵具は水彩画と油彩画の中間のような画材で、速乾性があるので重ね塗りしても色が混じったりはしない。

便利なものができたもので、多くの展覧会でも幅を利かせている。

よく展覧会に行くと、テラピン油の香りがしたものだが、アクリル絵具ではテラピン油は使わないので、あの匂いもない。

作品は2019年から2021年に書かれたもの。
  

2022年12月05日

胡蝶蘭再生、成功か失敗か

今年の初めに、近隣の新聞配達会社が行っている「胡蝶蘭再生プロジェクト」に参加して、一鉢に二株埋められた再生胡蝶蘭をいただく。数か月後に、もう一鉢いただいたので、二鉢四株となった。胡蝶蘭には土は要らず、僅かな水分と日光と少しだけ温かい気温があればよく、今のところ枯れずに葉を増やしている。

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問題は、花芽が出てくるかどうかだが、もうあきらめていたところ、この数週間で一斉に芽のようなものが出始めた。

kocho2


ただ、花芽の場合だけではなく根の場合もあるそうで、今後、下向きになるのか上向きになるのか、よくわからない。

ただ、中古のゴルフクラブをもらって、磨いているような気になることもある(リアリズム)。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)市民A

2022年12月04日

点と線

ゴールライン上にボールが残っていたかどうかで論争になった試合で、1mm残っていたという画像が出回っている。実際には、連続的に見ないと既にボールに足が当たっているので、足が当たってから線の内側に入ったのか、あるいは、ボールが足に当たった瞬間で足はボールの位置には影響がないという見方もできる。問題を絞ると、白線の右側の縦の直線とボールの最も左側のの位置関係ということになる。

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実は、この画像で気になったのは、その1mmではなく、ゴールラインの上の方を見ると、わずかに白線が歪んでいるように見えること。

普通、ゴールラインは直線と思われているが、人間による作業は不適正なこともある。

そうなると、ゴールラインは「直線でなければならないが、少しゆがむこともある」ということになる。そうなると、実際のゆがんでいるかもしれない白線が基準なのか、直線であるべき白線が基準なのかということになる。白線を引くのも一大事だ。

さらにいうと、サッカーコートは芝生であり、芝に白線を引くのは「白い粉」である。芝面に白い粉によって白線を引くわけで、芝が伸びたり足で踏まれて粉が飛び散ったりしたらどうなるのだろう。粉というのは一粒ずつの固形物であり、線ではなく点である。たくさんまとまっているから線のように見えるが、本来は粉がまとまっている部分とそうでない部分との臨界が線なのだが、ミクロの世界まで行けば直線のはずはない。ボールの表面の凹凸や歪みとかもキリがない。

バスケットなどのように線がはっきりしていたり、野球のホームベースのように五角形が置いてあれば極めて精度は上がるはずだが、サッカーやラグビーのゴールラインがはめ込み式の白い板だったら危ないかもしれない。

ところで、そもそも点とか線とかというのは数学的には面積を持たない概念なので、現実世界に持ち込むのは危険なわけだ。さらに突き詰めると、アナログな位置という情報をデジタル化して計るという方法の是非ということになる。何か世界の事象がすべてデジタル化していくと、世界がデジタルでできているように感じるのだが、実際の宇宙空間はアナログでできているわけだ。  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)スポーツ

2022年12月03日

奨励会ノンスルー棋士

小山玲央アマが棋士編入試験に挑んでいる。前回挑んだ里見女流の場合、女流棋戦が年間50局もあるのに、合格したらどうするのだろうと思っていたのだが小山アマの職業は将棋講師というなら、プロになるのに支障はない。将棋講師をアルバイトにしても講師料は5倍は固い。注目は、彼は奨励会に所属したことがないこと。報道によれば、もしプロになると現制度になって初めてということだそうだ。

ということは、現制度になる前にはいたということを意味していて、その人物のことはわかっていても名前を出したくないということなのだろうと、考えてみた。自信はあまりないが、「花村元司氏」ではないだろうか。もと真剣師。真剣道場経営者。プロを虐めすぎて木村義雄名人が若手棋士との試験対局を提案し、4勝2敗で合格。昭和19年。終戦の前年だった。

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ということで、『東海の鬼 花村元司伝(鈴木啓志著)』を借りてきて読んでみる。なにしろA級16年ということで超一流にして、鬼のような手を大量に指している。1985年67歳で現役のまま病魔に倒れたのだが、絶局と言える一局でも鬼手が出ている。先手の高橋道雄九段に対して△1七銀打! 先手が棒銀で銀交換に成功したと思われた後に逆用。この後、入玉模様の熱戦になり終局は236手で花村九段の勝ち。

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絶局の定義は難しいが、棋士最後の一局が白星というのはルール上、極めてめずらしい。早世された棋士を中心に(存命の棋士も)調べてみたが、最後の一局が白星であるのを確認したのは、花村九段の他、村山聖九段と中原16世名人ということなのだが、少し関係があった。


さて、11月19日出題作の解答。

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今週の出題。

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わかったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。


  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)しょうぎ

2022年12月02日

数年ぶりのサンマーメン

急に寒くなってきて食べたくなったのが、『サンマーメン』。横浜のソウルフードだ。崎陽軒のシュウマイがソウルフードと思われているが、真の横浜市民(通称ハマつ子)はそうは思っていない。中華街の巨大な焼売を知っているから。崎陽軒はあくまでも「駅弁」と思っている。

それで、『サンマーメン』だが、醤油ベースのラーメンの上にもやしを中心に野菜をゴマ油で炒め、わずかにとろみをつけてトッピングしている。発祥の地は中華街といわれるが、オリジナルの中国料理ではないと思われる。

数年前までは、人間ドックを受診していたみなとみらいの医療施設のビルの階下にあった中華料理店にサンマーメンのメニューがあったが、全国チェーンのレストランに駆逐されてしまった。

さかのぼること数十年。横浜市に移住した時、引越しのあと近くの中華料理店で食事をしたのだが、その時に食べたのが『横浜の味、三馬麺』だった。当時は三馬麺と書かれていた。舌に刷り込まれてしまったわけだ。

ところが、今は横浜で麵と言えば「家系ラーメン」。サンマーメンは消滅寸前だ。かろうじてサンマーメンを出している店の会があるようで、それを頼りに近隣を探すと、調べた限りでは青葉区と都筑区の二区(人口は約50万人)には3軒あるようで、江田駅の近くにある一軒で頂いてきた(いただくと言っても代価は払うわけで、正確にいうとサンマーメンと商品代+消費税を交換したということ)。

sanmamen


ちょっと驚いたことにメニューには、サンマーメンではなく、もやしラーメン(サンマーメン)となっていた。もはや、( )内に入ってしまって消滅寸前といったところだが、もしかしたら、サンマ―とはモヤシという意味なのだろうか。

味的には中道を求めているように思う。醤油スープは薄すぎず濃すぎず。ゴマの香りは強くもなく弱くもなく。もやしの量は多くもなく少なくもなく。

味に変化を求めるなら、酢をかければいい(はず)。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)あじ

2022年12月01日

57歳の女性を穴に落としても事件じゃない?

TBSがバラエティ番組でクイズ不正解者を穴に落とす企画で、松本伊代(57)さんを腰椎圧迫骨折(全治3ヶ月)に追いやった事件。11月24日に発生。

穴の深さが2.7mという説と1.5mという報道があったが、他の回の時の映像を見ると、人間の背よりずっと深い。というか1.5mだったら首から上は床の上にあることになる(それの方がシュールだけど)。

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TBSの説明だと、今まで2回やっているので安全と考えたということだが、説明になっていない。今までは安全確認していなかったのだろうか。落ちた時の状況はわからないが、四角なウレタンブロックでは、足の小さな女性の場合、すき間に足が入ってしまうかもしれないし、体重によって量を変えているようにも見えない。ウレタンブロックをネットや布で覆っておけば、足が沈んで衝撃が大きくなることはなかったはず。

床が開く方式のようだが、左右の開きに差があると横向き落ちとか逆さ落ちもあるし、そもそも企画に知性をまったく感じない。そもそも間違えると、再起不能なんて「現代日本のダメなところ」そのものだ。

そして、ウレタンがないとケガをするから穴の中にウレタンを入れたのだろうが、それでもケガをしたということは、業務上過失致傷罪にあたると思うがどうなのだろう。十分に犯罪的だ。


本件は、被害者も穴に落ちることを認識していたが、バラエティの中には、突然に落とし穴に落とす場合もあるが、そもそも落とし穴を作って人が落ちるのを待つこと自体、十分に犯罪だろう。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)災害

2022年11月30日

ダイヤルMを廻せ(1954年 映画)

ヒッチコック監督のミステリー。小品といった感じの作品で、妻の不倫に気付いた夫が、妻の殺人および遺産相続を目当てに殺人を画策する。舞台は英国のたぶんロンドン。

といっても、「殺人事件の第一容疑者は配偶者」という古今東西万国共通のルールがあるので、自分の手を汚さないように、殺人を依頼する男を探し出す。高校生の時の知人で、その後汚れた人生を歩んでいる者を脅したり、使い古した札束で犯行計画に引き込む。

もっとも、頼まれた方も殺人の経歴はなく、殺し屋初仕事ということで、失敗してしまう。かわいそうなことに、首をストッキングで締めようとして失敗する。ナイロン製で伸縮自在だったのかもしれない。逆にハサミで刺殺されてしまう。

それで慌ててしまうのが依頼主の夫。妻からの電話で急遽家に戻り、なんとか取り繕い、警察には、不倫ネタで脅された妻が脅しに来た男を殺したように思いこませることに成功。

妻は、その後、死刑判決を受ける。

ところが執行の前日に登場したのが妻の不倫相手で、アメリカ人の推理小説家の男。執行を免れるように推理を重ねているうちに、真相に近づいていく。同様に警察も夫に疑いを持ち始める。

つまり、観客は「無実の罪を着せられた女性が死刑になるのではないか」という観点で観ることになる。だから謎解きでない。

それと不倫女性が観客の同情を得るためには美女でなければならないわけで、主役は夫ではなく妻の方だろう。演じるのは、グレース・ケリーだ。14歳年上のイングリッド・バーグマンと並ぶクール・ビューティ。奇しくも1982年に乳がんで亡くなったバーグマン(67)の半月後に運転中の脳梗塞で崖から転落して亡くなる。女優としての活動は5年間ほどだった。モナコ公妃にならなければ、多くの大作に出演しただろうと思う。

彼女のための映画といってもいい。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)映画・演劇・Video

2022年11月29日

失点は、犯罪か?

サッカーの試合で1―0で負けたことで、戦犯探しがはじまっている。

そもそも負けたことは1点取られたことよりも、1点も取れなかったことにもあるわけで、失点がなくても勝ったわけではなく、失点1と得点0の複合原因のわけだ。

そして、問題を失点の方に絞ると、いくつかの原因の積み重ねによって、シュートが放たれ、それをGKが掌に当てたものの弾かれたボールは後ろに飛んでいき、ゴールに吸い込まれたわけだ。

失敗1→失敗2→シュート→GKの手をはじく→GOOOOOAL

これが、本当の事故で死傷者が出て、大損害を被ったような場合、因果関係のどれかがなければ大惨事にはならないのだが、通常は最後の要因がなければ事故にならないわけで、時間軸で最後の原因が一番の重大原因とされることが多い。たとえば、依然として原因の特定が難航している知床遊覧船事故の原因にしても、船長判断で早々と引き返していれば沈まなかった。

ということは、

GKの身長があと10センチ高ければということになる。

ちなみに3人のGKの身長は、185センチ、187センチ、197センチということだ。もっとも、背の高さの責任は、選手にはないわけだ。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)スポーツ

2022年11月28日

短歌ください(穂村弘著)

歌人である穂村弘氏が雑誌『ダ・ヴィンチ』で、読者に短歌投稿を募集している。毎回「お題」が変わる人気シリーズで、2008年から、現在まで継続している。

その2008年から2010年までの分を『短歌ください』として、単行本→文庫→電子書籍として発刊。電子書籍で読んでみた。

選ばれた作品と、その解説を穂村弘が行っている。

案外、歌人一人の歌集だと息苦しくなるが、大勢の歌集(つまり万葉集スタイル)だと、感動が深いような気がする。

おそらく掲載短歌には著作権があるので、紹介しないが、『お題』は

恋愛、色、数、音、眠り、家族、セクシャル、機械、人名、匂い、乗物、時間、地名、音、飲食、暴力、お金、薬、癖、日本、トイレ、動物、記憶、異性、虫、宝物。

と、幅広いように思えるが「ふるさと」とか定番はない。2011年以降、採用されているかもしれない。平和なお題が並ぶが、選ばれた中には「生と死」を匂わせる歌も多い。

解説は俵万智氏で相変わらず、鋭い。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)書評

2022年11月27日

太平洋戦争の記録(三館連携企画展)

前の世界大戦で大敗北したことが風化しないようにということで、政府がいくつかの記念館を維持している。その三館が合同で企画展を開いている。場所は都心からかなり離れた横浜のあざみ野にある横浜市民ギャラリーあざみ野。会期末ギリギリ。

sankan


三館とは、昭和館、しょうけい館、平和記念展示資料館。

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昭和館は戦中、戦後(昭和30年)の日本国内で庶民をとりまく暮らしがどう変わっていったのかを中心に展示している。
しょうけい館という名称は戦傷病者の悲劇を後世に継承しようという意味の展示館。
平和祈念展示資料室は、引揚者とソ連の強制収容所での実態を明らかにするための資料館。

あえていうと、なぜ戦争になったのかという資料館は存在しない。言わずとも解っているということだろうが、解らない人も増えているようだ。

見るべきものは、結構多かったというのが実感だった。

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よく言われる「赤紙」。正式には、臨時召集令状となっている。徴兵検査の上、丈夫な青年から順に戦場に送られていった。赤紙の現物は、他の紙資料とは異なり、色落ちもなく鮮やかなままであることが、なぜか不気味に感じる。

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そして水木しげる先生のこと。大きく取り上げられている。生地の境港の記念館にも行ったのだが、戦後、苦労の末一流になったことが展示の大部分だったと記憶するが、その前に、赤紙で徴兵され、ラバウルで銃弾を受け、片腕を切断し、やっとの思いで日本に生還したところを自身の筆で書いたものが展示されていた。

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先生は運良く麻酔をかけて意識のないうちに手術されたのだが、多くの手術は麻酔もなしに衛生兵が体を押さえ込んで行われたそうで、その絵も展示されていた。(今回は一切触れれていないが、敵軍に追われて急遽転進の際、負傷者を置き去りにしておくと敵の捕虜になるため、無理やり青酸カリを口の中に押し込むのも衛生兵の仕事だったということを聞いたことはある)

そして、引揚とソ連のラーゲリのこと。ずいぶんあからさまに表に出している感じだ。ロシアに対する遠慮を捨てたということだろう。一応、ソ連側の言い分として「戦争で多くの労働者が死んでしまったので、代わりが必要だった」ということになっていることは書かれている。
  

2022年11月26日

ハダシの記録係

藤井竜王に広瀬八段が挑戦している竜王戦第五局で記録係が和服を着用していることが報じられている。もっとも、コロナ以前は竜王戦の記録係は和服を着用していたそうで、着付係との間の感染対策で洋服になっていたそうだ。今回の記録係は自分で着付ができる人だったそうだ。もっとも、竜王の3勝1敗で迎えた第五局ということで、これが最終局になり、終局後にカメラが入った時のためのヴィジュアル対応ではないかと挑戦者が思うかもしれない。

ところで同じ組み合わせで今月14日に行われたA級順位戦だが、ABEMAで一部始終が放送されたこともあり、対局の内容ではなく「記録係の態度」で盛り上がっていた。

なにしろ、足は崩しっぱなしで、あぐらを飛び越えアヒル座りになったり、舟をこいで居眠りしそう(あるいは眠ったか)だし、体の動きは激しいし、ネクタイはないし上着もない。ずっと動き続けているので、とにかく目立つ。そもそも対局者よりも画像の正面に映るのは記録係のわけだ。

そして、同時進行で、記録係の態度に関してネット上で不毛な論争が起きていた。

実は、最も気になっていたのは「ハダシ」のこと。朝から裸足だったのだろうか。もしかすると、最大の失敗は「居眠りすること」なのだが、すでに半眼の構えだったようで、本人は絶対に居眠りしないように、ハダシになって眠気を飛ばそうとしていたのかもしれない。

しかし、将棋界で「ハダシ」は絶対にダメなのだ。話を江戸時代まで戻すと、毎年11月17日に囲碁将棋の日が行われ、江戸城黒書院で対局が行われていた。しかし、将棋指しは寺社奉行管轄で江戸城に行くには袴は認められなかった。商人と同じだ。さらに足袋もご法度。

このため寒さに耐えかね、寺社奉行に対して、江戸城内での足袋着用願いを提出し、認められている。江戸時代を通して、棋士の身分改善は、この足袋着用許可だけだったようだ。

つまり400年前に将棋のルールが完成して以来営々と身分改善に努めてきた棋界を、「ハダシ」は一気に崩壊させる愚行のわけだ。

そして、奨励会幹事の渡辺大夢棋士は記録係を務めた奨励会員について「しっかり対応させて頂きます」と自己のツイッターで宣言をしている。マスク着用しなかっただけで「負け」にするほどの組織なので、少し恐ろしい。


さて、11月12日の出題作の解答。

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今週の問題。

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解ったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。  
Posted by ota416 at 00:00Comments(2)しょうぎ

2022年11月25日

栽培植物と農耕の起源(中尾佐助著)

1966年に岩波新書から発刊された本書は植物学者である著者の49歳の時の著作。その後、氏はヒマラヤ山麓から中国の中緯度帯から西日本にかけての照葉樹林文化論を提唱する。

本書では、主に主食である穀物やイモ類や豆類について、現在から過去に向かって、どこから来たのかということを明らかにしていく。もちろん、1966年にはわからなかったことは、そのまま出所不明ということを書くが、例えば「イネ」にしても、2022年でもはっきりわかっていない。また大麦にしても小麦にしても同様で、現在、大生産地だからと言って、そこが起源とは、まったく言えないわけだ。

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よくわからないのは、それらの人類が食べている植物は、人間が改良したり、人口の移動で別の場所からやってきたり、さらには今では雑草となっていても、もともとは主食であって、別の作物を作り始めたため、放置されたものも多い。野生と雑草は、同義語ではないわけだ。

たとえば、ヒエは米作の前に改良されて食べていたのだが、その中にイネが混じっていてそちらの方がもっと良いとして、顧みられなくなり雑草の類にされたのだが、江戸時代、イネが不作の時は食べていたわけだ。

芋やバナナだって、数多くある品種の、どれが先にあったのかが問題になる。

欧州で作られて、ほとんど雑草扱いになっている穀物にDigitaria Sanguinalisというイネ科の植物がある、本書ではマナ・グラスとなっているがオニメヒシバと和名が与えられている。イネの収量が悪くなるので大敵で、放置すると庭や牧草地でも占拠されるそうだ。現在は欧州の低温地(ドイツやポーランド)で動物の飼料用に栽培されているようだ。しかし、この種子はロシア人にとっては、スープに入れるとその味が忘れられないということらしい。

当然禁輸になっているだろうが、種があれば一年で大収穫できそうだから効果は今一だろう。

ところで、日本は、米食だったものが、いまや小麦とコメの消費量は拮抗している。世界のどこでも小麦からコメにゆっくりと転換が進んでいるようだが、日本は逆行している。

さらに奇妙なのは、世界ではほぼ食べる人がいなくなり、ビールとウイスキーの原料と考えられている大麦を、日本人が一定の量、食べ続けていることだそうだ。

大はずれかもしれないが、拘置所や刑務所では今でも健康のため麦飯(麦入り米食)を続けているそうなので、いつまでも安定的な需要があるのかもしれない。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)書評

2022年11月24日

ドイツ人のこと

日本チームのワールドカップの初戦は、ドイツ戦で、この原稿を書いているのは開始時刻より前で、タイムアップの少し前に公開する予定なので、結果がどうなるか、また、その後、両国の国民が相手国のことをどう考えるのかは、まったく不明。

そもそも今まで関わったドイツ人は一人だけで、なぜか英語の語学教師というややこしい関係だった。彼の家に行って、英語で会話を楽しむという変なレッスンだったが、普通の英語で、ドイツ語的発音ではなかった。一方、頭は固そうで、こと宗教問題の会話になると、俄然、エンジンが始動し、聖書の話が出てくるとお手上げになる。キリスト教系の幼稚園に行っていただけの知識なので・・

ということで、なるべく宗教や政治の話を避けて、食べ物の話などに方向を曲げるのだが、なかなかドイツ料理の話題は難しい。ビールとジャーマンポテトとバウムクーヘンしか知らないし。

ところで、ドイツ人は日本人が嫌いだ、という説がある。世界大戦の件だ。といっても若い人は第一次大戦と第二次大戦の時の国別チーム分けを知らない人が多いそうで、日本がどこの国と戦ったのかも知らないそうなのだが、ドイツは第一次大戦でも第二次大戦でも大敗している。日本は第一次大戦ではドイツの敵でドイツが中国の一部に持っていた租借地『青島』を攻撃し、多数のドイツ人を捕虜として日本国内に収容。さらに太平洋中部のドイツ領を日本の統治領にして南洋庁という役所で管理した。作家の中島敦もデビュー前には南洋庁の職員として、それらの島で島民に日本語を教えていた。

その時に「領土を横取りされた」と、怨念を感じている人がいるそうだ。

次に第二次大戦の時。ドイツ軍はフランスに侵入し、占領した上、傀儡政府を作っていた。そのまま試合終了のタイムアップを待てばいいはずだったのに日本が米国を相手に真珠湾攻撃を始め、そのためアメリカは日本と交戦状態になり、その結果、イタリアとともに日本と軍事同盟を結んでいたドイツは米国と直接交戦することになり、北のソ連軍と西の米英軍との二方面作戦に追い込まれ、またもすべてを失った。

「日本が戦争を始めなかったら、ドイツは勝っていた」と、怨念を感じている人がいるそうだ。

それは、誤解だ、と言っても耳を貸すことはないだろう。


また、ドイツ人はなんでも不必要に緻密に考えるという日本人女性の話を講演会でうかがったことがある。スーツのポケットの中には男女とも小型のドライバーを入れていて、時間があると、身近にある道具や電気製品や家具のねじがきちんと締まっているか確認をするというものだ。

ただ、日本のネジというのは、ドライバーで締めると何回転かすると固くなってきて、まあこれくらいか、というところで終わりにするのが多いが、ドイツの製品を組み立てると、ネジを回す回数が決まっていて、その回数まで来ると、カチッと動かなくなって、二度と戻すことができなくなるようなものが多いと感じている。

サッカーでもカチッと守られて、どうにもこうにもならなくなる、とか・・

ジャーマンポテトを食べながら観戦しようかと思ったが、ポテトもベーコンもないことに気付く。ソーセージとビールにしようと思うが、どちらも日本製。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(2)市民A

2022年11月23日

大惨事の人類史と日本への影響

最新刊『大惨事の人類史』の著者、スタンフォード大学シニアフェローのニーアル・ファーガソン氏が月刊経団連誌の寄せた講演録を読んだ。ファーガソン氏はスコットランド生まれで、オックスフォード、ハーバードで教授を歴任し、今はスタンフォードに所属。経歴も気になる。さらに名前のニーアルだが「Niall」と書く。ずいぶん変わった名前だ。猫の鳴き声に似ている。

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氏によれば、世界史は災難や災害の連続だそうだ。まず日本の安倍元首相の暗殺事件についてだが、日本は1930年代には暗殺が多発していて、その結果は重要な変化(軍部政権に向かう)をもたらしたが、現代の暗殺は重要な意味を失っている、としている。(実際には今回の暗殺は、まったく氏の予想外の方向に向かっていて、その意味、与党の宗教的政党に何らかの類が及ぶ可能性は否定できない)

次に100年前。第一次大戦とスペイン風邪が同時発生していた。現在ではウクライナ・ロシア戦争と新型コロナウイルスのパンデミックが同時に発生しているが、14世紀の黒死病やスペイン風邪に比べれば人口比の死亡率は低いし、ウクライナでの戦争も、人類がかつて経験した戦争に比べれば小型だそうだ。

ところが、第四次中東戦争のあと原油価格の高騰によりインフレが起こったのと同様にウクライナでの戦闘は経済に影響を与えている。

戦争のタイプでいうと、ウクライナでの戦闘は直ぐには終わりそうもなく、むしろ朝鮮動乱のように硬直化に近いかもしれない。

そして、米中関係は、新冷戦の時代に入りつつあり、米中経済共同体という概念はなくなっていて新たな同盟ができつつあるところである。その時に、米国の最大同盟国といえば欧州ではなく日本であるということのようだ。もちろん、知らないうちに日米で連携していて、ある朝起きたら、日本はアメリカに組み込まれているということになるかもしてない。
  
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2022年11月22日

山河の子(2018年 映画)

『山河の子』は、PFFアワードに2018年に応募された映画。これも東京MXテレビで放送されたもの。日本映画大学第四期生の卒業制作だそうだ。監督は胡旭彤(コキョクトウ)。中国人だが10代から日本に住んでいる。

甘粛省慶陽市の農村を舞台に、村で唯一の小学校に通う子どもたちとその家族を追ったドキュメンタリー。

中国の格差社会を底辺の方から撮っている。貧しい小学生ばかりで、親が出稼ぎで家には帰らず、祖父母が育てているとか、母親が亡くなって父親が子供を育てているが、そのため収入がなくなり、毎日を生きるのに精いっぱいの家庭とか、幼児の時に父親に殺されかけた子とか・・・それでいて小学校では英語を教えている。

そして、小学校を卒業すると、村を出て山を越えた町の中学に行き、もう村には戻ってこない。

こういう映画を撮って、監督は中国には帰れないのではないかと心配になるが、上映会には北京電影学院も協力していて、中国の実際の格差は、映画どころではなくもっと大きいのではないかと推測できるかもしれない。

『山河の子』というタイトルだが、『山河』は文字通り、山や川といった自然豊かな場所を指すのだが、意味を転じて『国家』を指す場合もあるようだ。実際、中国大陸を飛行機で移動すると、眼下には広大な農地はあるが山や川はそう多くないような気がする。「表の意味は田舎を指すが、裏の意味は中国全土」ということかもしれないが考え過ぎだろうか。

格差社会だが、映画の中でも中国は徒労かもしれない格差縮小目標を立てているが、日本は格差拡大を放置しているようにしか思えない。

それと、貧しい家庭の生活風景だが、どの家庭でも垂涎物の中華料理を食べていて、横浜中華街を凌駕している。  
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2022年11月21日

モラトリウム・カットアップ(2015年 映画)

東京MXテレビが不定期で(日曜に)放送するPFFアワードの優秀作は一本が1時間弱とスピーディだ。PFFアワードはPIA FILM FESTIVALの略で、新人映画監督の登竜門と言われ、160名ものプロの監督を育てているそうだ。

2015年の作品である『モラトリアム・カットアップ』は、柴野太朗監督23歳の時の作品。主人公のフミヤはデジタル社会を拒否したアナログ人間。テレビでさえ、アナログ放送廃止を受け止めようとしていて、家族が地デジテレビを買ったことで口喧嘩になる。

ところが、高校を卒業した後、デジタル拒否のフミヤには友達がいなくなる。いわゆる「めんどうな奴」という範疇になるわけだ。

撮影技法とか筋回しには技巧を感じるのだが、デジタル対アナログのような問題は、つまらないわけだ。どちらでもおよそ変わらないだろう。柴野監督は、その後も身近なテーマで作品を撮り続けている。
  
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2022年11月20日

旅籠 綿屋

横浜の北部に住んでいて、近くを国道246号線や東名高速が東西に延びている。また並行して東急田園都市線も伸びている。国道246号線は起点が東京の三宅坂で、赤坂見附、青山、渋谷までは別名は青山通り。そのあと、三軒茶屋が三つ又になっていて南側が246号線で北側が世田谷通り。

三つ又に三つの茶屋があった。南側の道が大山街道と言われ、伊勢原にある大山阿夫利神社に詣でる江戸の旅人が歩いていた。江戸時代は早い朝食を食べ、次が夕食なので、旅人はお昼ごろに茶屋に寄って団子などの菓子を食べてエネルギーチャージをしていた。ちょうど三軒茶屋のあたりだろう。なかには茶屋から出て方角を間違えて江戸市中に戻ってしまった者もいたそうだ。

そして荏田宿から30分ほど進んだところにあるのが、旅籠綿屋。この場所は東西に延びる大山街道と南北に延びる日野往還の交差点だった。日野往還は神奈川宿と日野を結ぶ街道で、新道に代わっているが今でも重要な道だ。来月はゴルフ場に行くために通ることになっている。

この交差点は江戸時代は竹の下下宿と呼ばれていたそうだ。「下宿」というと江戸時代は「単に安い宿泊地」という意味だったそうだ。それが明治になって「まかない付きで共通のトイレ・バスのある安い貸間」ということになった。要するにホテルではなく月決め賃貸に代わった。

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そこにあるのが木造の建物で、明治15年に建設されたそうだ。現況は、普通の建物で表札もある。「旅籠 綿屋」ということだが、現在は個人の方がお住まいになっているようだ。

「綿屋」というのは、寝具が木綿ということだろうか。今でもベッドをポイントとするホテルもある。

ということで、ときどきは地元ネタで。  

2022年11月19日

羽生九段復調のなぜ?

あと一期で、タイトル100期に迫ったまま数年間停滞していた羽生九段が最近好調だ。とはいえタイトル戦の挑戦権を得られるのか、あるいはタイトルを勝ち取れるのかははっきりしないが、ここ数年とは別人のようだ。

なぜ?

叡王戦以外の七大タイトル戦で、それぞれの最後に出場した時の結果を見てみた。(平成のことはすっかり忘れた人もいるので西暦で表示)

竜王戦 2018年 失冠   対広瀬(1−4)
名人戦 2018年 挑戦失敗 対佐藤(天)(2−4)
王位戦 2017年 失冠   対豊島(1−4)
王座戦 2017年 失冠   対中村(1−3)
棋王戦 2014年 挑戦失敗 対渡辺(0−3)
王将戦 2015年 挑戦失敗 対郷田(2−4)
棋聖戦 2018年 失冠   対豊島(2−3)

結果を見れば、少しずつ不調になったというより、2017年から18年にかけて、特定の相手が苦手になったわけではなく急に調子が落ち込んだということだろう。

なんらかの原因があって不調になり、そして何らかの原因がなくなりつつある、ということだろうが、残念ながら推測できない。

将棋以外の副業(証券会社の講座にゲスト出演したり)が多かったことはあったようだが。

いまさら、強くなっても困る棋士も多いだろうが。


さて、11月5日出題作の解答。

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今週の問題。

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解ったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。

  
Posted by ota416 at 00:00Comments(2)しょうぎ

2022年11月18日

みかん大福

川崎大師の参道で開業し、川崎市や横浜市に多くの店舗を構える和菓子店の末廣庵の最近の季節商品が、『みかん大福』。地元のJAと協力関係にあって、時々季節商品が登場。原料はみかん農家の調整品だろうか。

みかんはそのまま食べるならMサイズやLサイズがいいのだろうが、大福にするとなるとみかんのサイズより大きくなるのだろうから、やや小さな方がいいだろう。

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といってもあくまでも生育途中の青いみかんでは酸っぱ過ぎるだろうから。あくまでも蜜柑として完成したものの、少しだけ小さなものを使うのだろう。

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二つに切ってみると、おおむね想像した通り「いちご大福」と同じ方式だが、みかんの外側の皮はそのままなのか。若干削ってあるのかはよくわからない。調べようと思った時には体内に入ってしまっていた。

たぶん、金柑や柚子のサイズでは小さすぎるし、大型の柑橘類では巨大過ぎるから、このサイズしかないのかもしれない。

味は十分おいしいが、皮とみかんの間の体積は少ないが、餡の量は少ない(あくまでも「いちご大福」と比べて)。  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)あじ

2022年11月17日

隠し剣 鬼の爪(2004年 映画)

藤沢周平原作である。2002年の『たそがれ清兵衛』、2006年の『武士の一分』と合わせ三部作の二作目だ。もちろん『たそがれ清兵衛』が大好評だったから、二作目、三作目であり、一作目を超えられなかったから、打ち止めになったのだろう。『武士の家計簿』、『武士の献立』は全く方向が違う喜劇だ。

下級武士とそれを支える女優という構造で、なんらかの武士の不合理な因習がからむ。そして藩内の秘め事とか、出世争いの巻き添え。そして美しい風景。

主演は孤高の下級武士を演じる永瀬正敏と家事手伝いの松たか子。身分を越えた恋愛だが、そういう場合の便法(いったん知人の武士の養女としてから婚姻する)もあるのだが、それでは映画にならない。剣の達人であるが人を斬ったことはない。

藩を裏切り、江戸幕府と通じていた盟友を斬る命を受けてしまうわけだ。『たそがれ清兵衛』は真田広之と宮沢りえの主演で、やはり藩命で人斬りに向かうのだが、真田広之は貧乏で、二本の刀の長い方は質屋に出して流れてしまい、竹に銀紙なのだ。二本目の刀は切腹用なので短い。そちらは本物なので、それで斬り合いをしなければならない。

永瀬正敏は仕事の前に師匠に稽古をつけてもらい、必勝戦術を教わる。さらに討ちもらした場合に備えて周りを鉄砲隊が囲んでいる。決闘シーンがもっと技巧的だった方が良かったかもしれない。

『たそがれ清兵衛』では、真田広之は役目をまっとうし武士としての身分を確とさせたものの、幕末の戦乱の中で命を落としたのだが、同じく幕末を生きた『隠し剣』の永瀬正敏は、武士の身分を捨て、江戸に上って商売に生きることになる。もっとも剣にしか生きていなかった男にできるのは「剣道の道場」ぐらいかもしれないが。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)映画・演劇・Video

2022年11月16日

国立博物館 国宝展、もはやHPは要らない

東京国立博物館で開催中の『国宝展』のこと。多くの国宝を広く集め、早くから大々的に宣伝していた。会期は『10月18日から12月11日まで』。

一体、希望者のうち何人が観覧できたのだろうか。

期間をおよそ2週間ずつ4期に分け、オンラインでチケットの予約を受け付けていて、昨日は11月29日から12月11日までの最終の受付開始日。今までの3回は申し込むページまでは進めるが予約できる日はないということ。1日を1時間ずつの枠に区切って一日8回の枠があるのだが(週末は増枠あり)、全日程がいっぱい。そしてついに昨日午前10時の受付開始を迎える。当初のコロナウイルスの予防接種他と同じだ。電子時計を用意して1秒以内に予約ページに辿り着いたが、予定の日は開いていたが空いている時間枠は見えないので、最初でも最後でもない時間帯を選んだところで画面は固まり、しばらくして白くなる。意味不明。

同じようなことを繰り返すと、少し進む場合もあれば、すぐにダウンしてこちらの設定に問題があると指摘する。イープラスの予約サイトでは全貌が把握でき、売切となっていた。そのうち国立博物館のサイトでも繋がることができるが、その時にはすべての日、すべての時間帯が売り切れ。おそらく数秒で終わっていたものと思える。

しかし、枠を作ったということは、入場者=チケット購入者+招待者ということで、最初から入場可能人数はわかっていたわけで、過去の例などから言えば予想倍率が高いことがわかっていただろうから、抽選のようなことにしてほしかった。いまさらご禁制の転買チケットを探す気にもならないが、これで終戦となった人も多いだろう。

あるいは入場者数は部屋面積から割り出した感染リスクによって決まったのかもしれないが、それなら同時開催の他の展示を減らして面積を拡げればよかったのだろう。


せめて、豪華絢爛なHPは目の毒なので、即刻閉鎖して入場者だけでこっそり楽しんでいて欲しい。

開催前は、博物館員が、この展覧会に向けての国宝の借り受け期間の調整とか、展示の工夫とか熱意をもって語っていたのだが、「それがどうしたの」という気持ちになる。
  

2022年11月15日

メールボックスを整理

久しぶりにPCの中の未読メールの山を片づけることにした。作業中にわかってきたがおそらく2年前に大整理したようだ。

アドレスは沢山持っているが使っているのは主に3種類。その他のアドレスは誰にも教えてないので、届いているのはすべてスパムメールのはず。

3種類の中で一つは将棋の仕事用だけなのでそもそも片づけるほどじゃない。主に使っているのがケーブルテレビ系のアドレス。そして後述するgmail。このケーブルテレビの受信メールの中の未読メールは約45,000通。読んだメールもあるので50,000通ほどか。

前の整理の時にどこまで捨てたのか覚えてないが2年間で40,000通が貯まるとすると一日55通ということ。大部分はメルマガ。ネットショッピングで購入したりしたあと、次々に送られてきて、その都度配信停止をすればいいのだが、どうも根気がなく、たまり続けるとゴミ屋敷になる。

それで、OUTLOOKでメールを日時順ではなく、差出人順にする。最初にABCがきて次がアイウエオ順。全部ゴミ箱か、古い物をゴミ箱にするか、全部ゴミ箱の場合は、メールを開いて配信終了を依頼する。細かな問題はそれなりに起きる。配信停止しようとすると、そのアドレスにはメールを送ってないなど返ってくることもある。

そして4時間後に未読メールは400程度になり既読メールも大幅に削除。

ところがgmailの方は2年前には整理していないし、そもそもケーブルテレビのアドレスに来たメールは全部gmailに転送していた。しかもその多くはケーブルテレビの方で読んでいるので開く必要がない。ということで未読メールは90,000もある。使われている容量は8ギガ。確か15ギガを超えると使用停止になるらしいので、そろそろなんとかしなければならないが、もう気力がない。方法だけは知っているのだが後回し。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)市民A

2022年11月14日

やっかいな食卓(御木本あかり著 小説)

知人の書いた小説が小学館から出版された。新人の類なのでささやかで目立たない装丁になっている。平台に重ねられるわけではなく最初から棚に並べられるので、やはり背表紙にパンチがあった方がいいかなとは思うが、いまさらだ。

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少し前に、別の知人から「おおたさまへ」から始める丁寧な書簡つきで無償で贈られた本の感想を差し置いて、こちらに感想を送るには抵抗感があったが、読んですぐ書くのが書評の鉄則いうこともあって著者を不愉快にさせただろうと思われる一文を送った。

もっとも、シェークスピアだって源氏物語だって気に入らないこともあるのだから、個人的な読者のわがままかもしれない。


大雑把に言うと、本書は冒頭に嫁姑戦争がある。題名通り、料理の上手な姑と料理下手の嫁、そして中立を装う夫という犬も読まないような筋で、結末を心配する。本の厚さからいって、姑殺害計画が立てられ、毒殺成功寸前で不発が続き、最後は家族旅行で福井県の東尋坊に観光に行くというような結末を想像するが、基本的には本書は遵法精神であふれていて、刑事や警官、検視官や消防士は登場しない。

一方、途中で一人の少女が登場する。本作品の登場人物はほとんど全員が欠陥人間だが、その中で、唯一の完璧人間だ。その少女のそれまでの、そしてこれからの人生という縦向きの時間軸と嫁姑関係を中心とする同時代軸が交わることで、限りなく刹那的な安寧な時間が訪れ、登場人物に追い立てられたかのように著者は筆をおくことができる。

もっとも読者にしてもほとんどの人間は欠陥人間のわけで、完璧な少女に共感をもって感情移入したいと思う人は一握りなのかもしれない。もっとも欠陥人間の特徴として、自分こそ完璧人間と思っている人間が多い。

次作は、刑法、民法、そして憲法無視の巨悪がまかり通る悪漢小説を期待したいと思っている。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)書評

2022年11月13日

追憶のサムライ(横浜・中世武士のイメージとリアル)

横浜市歴史博物館で開催中の『追憶のサムライ』展。サブタイトルが「横浜・中世武士のイメージとリアル」(〜11月27日)。

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横浜市の歴史博物館であるので、神奈川県の歴史ではなく横浜市の歴史館であり、これが難しい。いわゆる横浜といえば横浜駅から桜木町、関内、中華街あたりの沿海部をイメージされるだろうが、あのあたりは江戸時代は海だった。海では歴史を語れない。

すべてはペリー提督が来てから動き出した。中途半端な埋め立て地を、きちんと整備し、開国後は外国人居住区が完成し、東京までの鉄道も開始され海外では当たり前のことが、どんどん横浜に流れ込んだ。だから日本最初の〇〇といようなものは無数にある。

明治時代を歴史と考えなければずっと昔にさかのぼることになる。といっても鎌倉時代の花形は鎌倉で横浜ではない。

ただ、京都の方から見ると、鎌倉の後背には三浦半島の中心を南北に貫く丘陵がある。鎌倉幕府がどう考えていたのかは伝わっていないが、三浦半島の東西の通り道として山を削って抜け道のような道が作られていて、三浦半島の東側の北の方は、横浜市金沢区となっている。そこには鎌倉市街地からあふれた寺院などがあって、歴史的資料が残っている。

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苦しいながら、その細い糸で、今日の鎌倉武士のブームに乗っている。

その代表が、畠山重忠。鎌倉幕府初期の要人で、聡明で勇敢で人情に厚く、武士の中の武士と言われる。もちらん魑魅魍魎の鎌倉初期では、彼に長命は許されず、無実の罪を着せられ、幕府の敵とレッテルが貼られ、現在の二俣川付近で討死にしたと言われる。

二俣川というと、ゴールド免許を失うと二俣川の自動車運転免許試験場に行くことになっていて、トラウマの大きな駅なのだが、次回もそこなので、畠山重忠関係史跡を歩いてみようかな。
  

2022年11月12日

芋掘り

将棋教室で小学生低学年や園児に将棋を教えているのだが、ゼロから始める子も多い。といっても覚えられない子はほぼいない。覚えられない子の例は、「覚えている間に興味がなくなり、やめてしまう子」という類例と「スタディ将棋」で覚えたものの、スタディ将棋の駒と将棋の駒の関係がわからず、いつまで経ってもスタディ将棋の駒でないと指せない子ということになる。駒の大きさが全部同じで動ける方向に→が書かれているのだが、自分で使ってみても苦戦する。結構、駒の大きさで種類を認知しているのかもしれない。

それでスタディ将棋から抜け出せない子の母親の「駒を買ってあげたらどうでしょう」とやんわり言ったのだが、なぜかその後、母親も将棋を覚えることになって、結構楽しんでいるそうだ。

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そして、ついに子供の芋掘りの収穫品の一部を頂戴することになった。小振りだが、味も口触りも遜色ない。将棋界では芋は芋筋とか芋攻めとか、あまりいい意味には使われないが何かないかな。


さて、10月29日出題作の解答。

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今週の問題。

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Posted by ota416 at 00:00Comments(2)しょうぎ

2022年11月11日

稲荷をすぐには食べなかったわけ

三河方面の最終回は、豊川稲荷の「お稲荷様」。事前情報では門前に多くの店が並び、食べ歩きも可能という感じだったのだが。

ちょうど月曜日だったからか、95%の店舗がシャッターを下ろしていた。こういう情報はあまり周知されていないが、何度もでくわしたことがあり、つどがっかりする。

門前の数店が店を開けていて、選ぶ楽しみもなく焼稲荷を買う。このあと豊橋に戻り、新幹線「こだま」で横浜に帰る途中につまむ算段だ。この日はお昼頃に岡崎で八丁味噌の工場見学をし、「味噌アイス」を口にしただけで、そろそろエネルギーのチャージが必要だ。

豊橋駅での新幹線への乗り継ぎもギリギリ間に合って「こだま」に乗れた。たまに「ひかり」が停まるようだが、幸運はめったにない。

その段階で気が付いていなかったのは、めったに「こだま」に乗らないからなのだが、発車してから気が付いたのだが、飲み物がない。喉も乾いているが、そういえば・・

こだま号には車内販売がないことを思い出した。手遅れである。

ただ、いくつかの駅で「のぞみ」や「ひかり」に追い抜かれる際、少し長めの停車時間がある場合がある。その時に駅のホームに走り、自販機で一本買ってくればいい。もちろん要領はよくないといけない。

そして、スマホで検索していると、そういうことを考えている人もいるようで、追い抜かれ停車駅毎のホーム上の自販機の場所と対応する号車が表になっている。つまり停車時間の2分ほどの間にあらかじめ対応号車でスタンバイし、ドアが置いたら自販機にダッシュ、すばやく車内に戻ればいい。

もちろん、そういう時に限ってけつまずいたり、財布を落としたり、1000円札を入れたら釣銭がないと宣告されたり、後続電車が遅れていてダイヤ変更で直ちにドアが閉まって置き去りになるリスクはある。動きが身軽でなければならないため、お稲荷様は座席に残して走らないといけないだろうから、自分が置き去りになると、お稲荷様が座席の主となり東京駅に向かうことになる。

結局、チャレンジ中止。頭をよぎっていたのは日本の数ヶ所で発掘されている真っ黒に炭化したオニギリ。縄文時代の後期から弥生時代前期のものが多い。ムラの男は狩猟を行うため、朝から出発し夜獲物を持って帰ってくる。女はムラの中で稲作を行う。そして狩猟に出かけた男にオニギリを持たせていたようだ。餌を与えられて働かされていたとも言えるのだが、なんらかの理由で食べられないままになったオニギリが数千年の後の現代人に謎を提示しているわけだ。


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結局、お稲荷さまは、夕食ということになり食費が一回分浮く。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)あじ

2022年11月10日

The Rolling Stones/Let’s Spend the Night Tonight

もうすぐサッカーのワールドカップが始まる。今年は参加国が増えたのでどうしようかと思っているのだが、全試合を録画して観ることが多かった。まあ放映料の問題で、多くの試合をタダで見ることはできないようだが、過去の大会の時は録画するためにビデオのHDに溜まっている映像を少しでも片づけていた。

ということで、まず今年の7月にNHKBSで放送していたローリング・ストーンズのライブ映画を見る。音楽関係の映画の場合、困ったことは、1.3倍速とか2倍速で見るわけにもいかないので1時間半のものは1時間半が必要がある。

本作は1981年の米国内のコンサートを1982年に映画にしたものだ。まだメンバーは40歳前後であり、驚くことに多くのメンバーは40年後の今でもほぼ同じ衣装で同じ楽曲を同じように演奏している。

この今年7月の放送を見た人のコメントがかなりあるが、若い人は「ほとんどの曲は初めて聞くが、全部新鮮でノリがいい」というようなものが多い。そういうのを読むと年配者は敢えて口を閉ざすことが多いが、本音では「ほとんどの曲は知っているが、全部新鮮でノリがいい」ということだろう。

ストーンズのパフォーマンスを分析する能力などはないが、歌詞もボーカルも衣装も下品な感が漂うが、歌詞の内容は通俗的であるものの、現実感があり、メロディに独特の節がある。小節の終わりに「ダッダッダ」ととどめを刺すようなリズムが入る。ダンサーが困るわけだ。日本のサザンも同じような路線なのだろう。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)音楽(クラシック他)

2022年11月09日

442年前の月

皆既月蝕&天王星蝕という二つの天体イベントが11月8日に重なった。日本で月蝕と惑星蝕が重なるのは442年前の1582年以来ということ。その時は月+土星の組み合わせだった。天王星というのは謎の多い惑星で、最大の謎は地軸(自転軸)が公転軸に対しほぼ90度(つまり横向き)になっていること、原因がわからないようだ。地球の地軸が傾いていることもわかっていない。

日本では、信長の天下統一が着々と進んでいて、おそらく信長は月蝕を安土城で眺めたのではないだろうか。

満月が、短時間で暗くなり、そしてしばらくして光を取り戻すことに2年後の本能寺での凶事を連想しなかったのだろうか。

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ところで、天王星は6等星なので肉眼では、ほぼ見えないと言われていたが、一流メーカーの双眼鏡で夜空を眺めれば肉眼では見えないいくつもの星が見える。その中に天王星があるのだろうと納得しておく。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)市民A

2022年11月08日

豊川稲荷で勘違い

三河の旅の最終は豊川稲荷。京都の伏見稲荷と並ぶ双璧だ。境内には数多くの狐の像が並ぶ。

実は、伏見稲荷が神社であることから、豊川稲荷も神社と思っていたが、豊川稲荷は仏教(曹洞宗)だった。では門前にある大鳥居は何だろうということだが、江戸時代は神仏混交だったというのだが、実際はもっと奥が深い話のようだ。

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神社サイドの見立てでは、明治になっての神仏分離の時に多くが神社になり、少数が寺院になったということで、稲荷の本筋は神社だ、ということになる。

一方仏教サイドの見立ては、豊川稲荷は元々が寺院であり、所有する秘仏が手に稲穂を持っていることから稲荷信仰が始まったということになる。

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どうも日本古来から狐を神の使いと考える信仰があったようだ。また稲作を祈願する人々がネズミの駆除に活躍する狐を祀ったということかもしれない。

また稲は江戸時代では通貨と同様だったので金満信仰の中心だったのだろう。

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そして狐の集団は、ちょっと怖い。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)たび

2022年11月07日

ナイン・ストーリーズ(サリンジャー著)

サリンジャーといえば『ライ麦畑で捕まえて』という戦後米国の最高レベルの傑作がある。とはいえ、それが傑出しているため、その他の作品は「ライ麦畑」を書くための習作という見方すらある。

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あるいは、『ライ麦畑』に至るまで、色々な物を書いていたということだろうか。時代は第二次大戦を挟んだ時期だから思想や作風が変わっていくのは仕方がない。著者もノルマンディー上陸作戦に参加し、戦後はパリで軍務に携わっていた。

本作が読みにくいのは、電子書籍ということもあるが、ちょうどそのころの米国社会のことなど、日本にはまったく紹介されていないことも理由だろうか。大戦争の後で人心が殺漠としていたことがわかるような愉快になれないストーリーも多い。

晩年サリンジャーは、主に『ライ麦畑』による所得で、長く隠遁生活をしていたようで、書いていた量と公開された量がかなり異なっていて、未公開作も多いと推定されているようだ。できれば『とうもろこし畑で逃げられて』というような長編がみつかると嬉しい。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)書評

2022年11月06日

二度目の見学もいいものだ

三河方面から関東に向かうのに、名鉄に乗り岡崎に寄ることにした。岡崎と言えば、家康か八丁味噌だ。秀吉と蜂須賀小六が出会った矢作橋もあるが時代考証により嘘が判明している。

まず、名鉄西尾線だが、三河吉田駅から名古屋方面に向かうが、途中駅で「名古屋のおばちゃん」4人が乗ってきた。全員マスクをしているのだが、列車の端の方のいわゆるシルバーエリアの横向きシートに二人ずつ向かい合って座り、ただちに会話が始まる。ボックスシートではなく普通の車両なので、だいぶ距離があるのだがおかまいなくマスクのまま大声でつまらない話をしている。長い車両の反対の端まで聞こえる音量だ。思えばコロナの最初の頃の拡大地の一つは名古屋のジムだったような記憶がある。厚さ1センチのマスクをいつまでもつけていこうえんてほしい。

その後、乗り換えて岡崎公園前駅に着いたのは11時25分。目的地は「まるや味噌の工場見学」。八丁味噌を名乗れるのは、「まるや」と「角久」の2社だけだが、以前「角久」の見学をしていたので、今回は「まるや」を考えていた。場所は駅から数分。11時30分の回に間に合うか電話を掛けるが、すげないことばが帰ってきた。「11時30分の回は5分前集合なので終了です。12時から1時はお昼休みなので、午後の部です」。ということで、「角久」の方に電話を掛けると、「昼休みはないので、12時からの見学可能です」とのこと。無論、そちらに二度目の見学となる。

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二度目なので、基本的な製造工程は覚えているのだが、ちょうど味噌の袋詰めや樽の搬送をしているところだった。昼休みは交代勤務でとっているのだろう。実は味噌の話ではまったくないのだが、面白い資料を見つけた。

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「店主の早川家に、名字帯刀を許す」という許可証が展示されていた。現代語訳も並んでいるのだが、今一つ理解しにくいのが内容で、誰が早川家の許可をしたのかとか、その理由が、「なんらかの金の取り立てを代行した」と書かれていること。もしかしたら寄付金ではまずいので、小さな虚言なのだろうか。それと最大の注目は許可された日時だ。

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明治2年正月。

まず、明治2年だが慶応4年と明治元年というのは実は同じで、新政府が年の初めの方に使われていた慶応4年というのを全部帳消しにしてなかったことにしたわけだ。つまり明治2年正月というのは新政府になって1年も経っていない時期のはず。

苗字は明治3年に、公家、武士以外の平民に許され、その後、明治8年に平民苗字必称義務令が発せられ徴兵のために苗字が義務付けられ、世界で最も苗字の種類が多い国になった。廃刀令はその翌年だ。

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見学の後、人気の味噌ソフトを試してみる。味噌が入るとすぐに溶けるようで大忙しになるが、なかなかの味だ。

実は味噌ソフトの他、伯方の塩の工場で塩ソフトを食べたことがあるし、東京の箱崎にあるヤマサ醤油系の美術館で醤油ソフトを食べたこともある。

料理の基本は「さしすせそ」とも言われ、塩の「し」醤油の「せ」(戦前は「せうゆ」と書いた)、味噌の「そ」をクリアしたことになる。「さ」は砂糖なので無論だし、後は「す」になる。「酢」をかければサ行完結だ。  

2022年11月05日

脱マスクで反則負け

三年間名人位に就き、永世名人に二番目に近い棋士である佐藤天彦九段が、対局中に30分ほど脱マスク対局をしたと指摘され、1時間ほどの審議の末、反則負けになった。

別室で結論を待っていた佐藤天彦九段の元に「反則負け」が通告されたわけだが、なんとなく連想したのは、江戸城中で抜刀した浅野内匠頭のこと。お預け先となった陸奥一関藩主の田村屋敷へ当日のうちに幕府の使者が訪れ、切腹の沙汰を通告。直ちに血の海となった。

江戸の事件は発生したのが11時30分頃で江戸城不浄門から田村邸に送られたのが15時50分。到着が16時30分。その1時間40分後の18時10分に悪魔の使いがやってきたわけだ。

少し前に吉良上野介の地元に旅行していたので連想してしまった。江戸の事件の通りだと天彦九段の応援者が「永瀬憎し!」ということになるが、さすがに現代人は方向違いに気が付き、天彦九段は将棋連盟に不服申し立てを起した。

一般の声は、色々あるが大きく言えば
1. 注意もしないで、いきなり反則負けは重過ぎる。
2. そもそも規定が曖昧。
3. もうマスクは必要ない。
4. 裁定が出るまで長すぎる。
5. 立会人がいなかった。

というようなことだ。過去に一二三九段の「待った」事件も立会人がいなかったような気がする。

また天彦九段の申し立ての中心論点は、故意と過失の法律的差となっている。

順に考える。

1.まず、いきなり反則負けの件だが、もし、脱マスクが反則負けであるなら、マスクをしていないことを第三者が指摘することは「助言」ということになり収拾困難になる。脱マスクをしていた方が気付いていない場合は、当人への助言だが、相手の脱マスクに気付いていない相手の対局者が第三者の指摘で気が付けばマスクしている方が助言を受けたことになり反則になる。

2.規程が曖昧ということは、その通りだ。アウトとセーフの線引き条件が、数値化ができていないし、その勝負が負けなのか、もっと重い罰なのかもはっきりしない。

3.マスクが必要ないかどうかは、50センチの距離で頭を突き合わせて10時間を過ごす行為の実験を行った人がいるのだろうか。うなったり声を出す人もいる。将棋対局は、感染リスクが比較的高いと思われる。

4.裁定が出るまで長かったのは、何分間マスクを外していたのかを映像で確認するためだったそうだ。つまり事実確認。

5.立会人がいなかった件だが、立会人の権限を明確にしないと、さらに問題が起きるかもしれない。本件でいえば、現場に高名な棋士がいたとしても、できることは、事実関係の確認で、御沙汰は将棋連盟の会長の一存か、緊急会議ということだろう。将軍綱吉の時代と同じだ。

次に天彦九段の主張の中心である、故意か過失かによる差というのは主に刑法関係では量刑に大きな差があることを示している。本格的な反駁書がスピーディに登場したのだが、個人事業者にとって持つべき友は、弁護士ということだろう。

私見だが、故意か過失か、見分けるのは難しい。「ちょっと外したまま、うっかり規定時間より長くなった。申告して自爆するか、そっとマスクを着用して知らんぷりするか、注意されるまでは、はずしたままでいいかなあ」・・とか。

一方、反則による勝敗およびそれによる得失を論じる基本は刑法ではなく民法とか商法といった法律群ではないかと思う。それらは、故意でも過失でも、ダメなものはダメというのが多い。本人の問題ではなく、損をする相手側の立場を尊重するわけだ。対戦相手からすれば、相手がマスクを外して清々しい頭脳で対局を続けるのは故意でも過失でも同等に不利になるからだ。ボクシングの試合で、グローブのオンスを間違えたら故意でも過失でも失格になりさらに損害賠償まで発生する。

大岡越前流に裁定するのなら、

クレームが発生した段階で、天彦九段にマスクを着用させ、対局は続行し、仮に負ければそのまま敗局とし、勝ってしまった場合は、マスクを外していた間の指し手に対して永瀬王座にはどこか一ヶ所で「待った」を認めて、そこに戻してから指し継ぐというようなハイブリッド裁定がいいのではないだろうか。


さて、10月22日出題作の解答。

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今週の問題。

1105m


わかったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。
  
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2022年11月04日

西尾スイーツ&カフェ 攻略不首尾に

西尾市は吉良義央による京都御所との交流により、宇治にならぶ抹茶の産地になり、自ら小京都とも言っている。その流れから、昨今は西尾スイーツというジャンルができているそうだ。駅前の観光案内所でも何種類かのパンフレットを渡され、地図に〇までつけていただく。

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インスタの登場する前から有名だったのかどうかはわからないが、緑色というのは、やや映えないかもしれない。

これらのカフェは主に〇〇製茶とか〇〇園といった製茶場の直売所に併設されているのだが、どうも素晴らしいお値段のようだ。前々から、スイーツの中に無理やり緑のお茶を混ぜなくても、スイーツをいただくときに珈琲のように茶を飲めばいいのではないかと思っていたし。

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言い訳のようだが、レンタカーを借りてウナギを食べたり、島に渡ったり、祭りのはしごをしたり、吉良温泉に浸かったりしているうちに、時間はなくなってしまい、実は市内の中心に近いところにある「カテキン堂」には行ったのだが、両サイドの空き地のどこが駐車場なのか見極めがつかず、『カテキン焼』という抹茶大判焼を手にすることが(もちろん口にすることも)できなかった。

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近隣の道の駅に『抹茶モンブランアイス』があったが、手作り感がないものを目の前で作るのはやめた方がいいような気がした。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)あじ

2022年11月03日

吉良ワイキキ海岸の夜

西尾市の南、三河湾に面する地域は海水浴場としても有名だ。称して『吉良ワイキキ海岸』となっている。宮崎海水浴場と恵比寿海水浴場の二つのビーチに分かれる。もちろん、規模も名声も本家には及ばないが、ハワイ州政府の許可は得ているとされている。

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関東にいると海の砂は黒っぽいが、西日本に行くと白い砂の海岸も多い。本家のワイキキの砂はオーストラリアの砂漠から運んだらしいが、吉良のワイキキは自前だろうか。

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ビーチに平行に観光船が走っているが、サンセットクルーズだ。旅行の事前計画では現地で確認してから乗るか乗らないか考えることにしていたが、予想よりも小さな船体なので遠慮することにした。

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さらに暗くなると、電飾された観光船となるが、乗っている方は自分の船は見えないわけリゾートホテルの観光客用ということだろう。

そろそろ関東に戻りはじめることにする。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)たび

2022年11月02日

棒の手(西尾市)

『おまんと祭り』(西尾市の中畑八幡社)と同日開催されていた祭りが、近くにある田貫町の神明社で行われた『棒の手』。二社の距離は1キロ弱で、ほぼ同じ時刻に行われるので、両方を見学するのには便利だが、初めて見るのでスケジュールを把握するのは難しい。だいたいにして、どちらにも他県からの見学者は数人といったところだ。しかも駐車場は1キロほど離れた矢作川の河原にある駐車場。つまり、駐車場と二つの神社が一辺1キロの三角形のようになっていて、当日は快晴で30度近い中をウロウロすることになる。

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さて、棒の手とは不思議な呼び方だが、江戸時代に帯刀を許されなかった農民の武芸で、西尾町に伝わるのは「鎌田流」と呼ばれている。原則的には(実際には違うが)農民には苗字が許されていなかったので鎌田という苗字がついているのは妙な感じなので、室町時代に遡るのかもしれない。

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簡単にいうと棒術だ。2メートルぐらいの棒を振り回して戦う技で地元の青年には保存会で教えているようだ。

保存と言っても、現代日本では刀を振り回す戦いは禁止されているし、警察官だって日本刀の稽古はしていないだろうから、棒術は最強の格闘技かもしれない。

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『棒の手』はあくまでも祭りの奉納儀式なので、本当の神事は午後行われるようなので、さらに午前中は学生による演技披露ということであったのだが、それでも棒ではなく長刀と小太刀の戦のような演技もあった。

宮本武蔵は巌流島で佐々木小次郎と戦う際に、刀ではなく渡舟の「かい」を使ったとされるが、どこかで棒の手を会得していたのかもしれない。戦いに負けた小次郎は武蔵に殺されたことになっている。棒で殴られても直ぐには死なないだろうから、殴られ続けられてさぞかし痛い思いをしただろう。  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)たび

2022年11月01日

おまんと祭り(西尾市)

東海地方で行われている『おまんと祭り』だが、滞在中だった西尾市でも行われた。矢作川に近い中畑八幡社で行われているがコロナで2年間中止されていたそうだ。

『おまんと祭り』だが、広場を走り回る馬の首にしがみついて何十メートルか走るわけだ。成人になった時とか、厄年の男がチャレンジするそうだ。(自主的か義務的かはわからないが)

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会場にはすでに木の枠が完成している。そして何頭もの馬が交互に登場する。何しろ馬だ。人間よりずっと早くずっと大きい。首につかまれず失敗したら大けがをするかもしれないし数百キロの体重で踏みつけられるかもしれない。

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そして、ついに馬が走り出す。

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柵の外にいても馬が柵内を円形に走るため、衣服に砂がかぶってしまう。

西尾市に生まれないでよかった・・

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言うことを聞かずに勝手に独走する馬もいる。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)たび

2022年10月31日

梨泰院の悲劇

不意に亡くなられた多くの方のことを思うと、なんとも悲しくなり客観的なことを書くのも気が引けるが、ブラック・ジョーカーの習性なのでお許しいただきたい。

梨泰院の事故のあと、過去の花火大会での事故と比べられた記事が多いが、もっと極似しているのが『永代橋崩落事故』だと思う。文政4年8月19日(1807年)に隅田川の河口近く(当時)にかかる永代橋が落橋した。橋の東側にある深川の富岡八幡宮で12年ぶりに行われた祭礼(深川まつり)に江戸市中から集まった人たちの重みで老齢化していた橋が崩落。死者400人行方不明者1000人とも言われる。江戸の人たちの多くは泳げなかったはず。プールもなければ海水浴場もなかったので水泳経験がなかった。

そして、俳諧師で、狂歌の元祖とも言われる「大田南畝」は、まさにブラックジョークともいえる一首を読む。

永代とかけたる橋は落ちにけり きょうは祭礼 あすは葬礼

年のため、私も「おおた」を名乗っているが、子孫ではないので一首詠んだりはしない。

永代橋は将軍綱吉の50歳の誕生記念の1698年に架けられ、3年後には赤穂浪士が討ち入りのため渡っている。それから100年余りも修繕しながら使っていたようだ。同橋は関東大震災の時も崩落して死者をだしている。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)市民A

2022年10月30日

不法行為で解散命令ではまずいのでは

違法行為があった場合は調査中でも教団の解散の可能性があるという見解に加え、違法行為の中には(民法上の)不法行為も含まれるという政府の方針が決まったようだが、いくつかの観点から問題があるように思える。

一つ目の問題点は「解散命令」によって「これにて、一件落着!」となってしまうかもしれないこと。教団がなくなれば、過去のできごとが綺麗に消えてなくなり、信じてもいない団体に選挙応援をしてもらうという人間としての背信も忘却の彼方になってしまう、あるいはそれが解散の効果なのかもしれない。

二つ目の問題だが、民法上の不法行為というのは、ほとんどの場合は「これこれの不法行為の結果、こういう損害を被ったのだから、被害金額をかえしてほしい」という損害賠償的な裁判に多いわけだ。

ということは、悪魔退治として2千万円の献金を払ったが、「全額返しなさい」とか「1千万円位は返しなさい」というような判決が考えられる。対象は教団、および関係する人物たちになるだろう。

ところが教団に解散命令が出れば、おそらくは日本の信者も幹部社員も置き去りにされ、母国や他国に資産の多くを持ち出されてしまうのだろう。民事裁判が行われて、返金命令を出そうにも、既に教団が存在しないということになれば、幹部社員をいくら絞っても知れているだろう。

そして、結局は信者置き去りの教団の日本撤退のようなことになるような気もする。


そもそも、憲法には宗教の自由だけではなく、宗教の強制を禁止する条文もあるわけだ。背景は戦前の国家神道の押し付けへの反省という意味がある。戦前でもキリスト教などが禁止されていたわけではない。問題は「宗教の自由」の方ではなく「宗教の強制」だったわけだ。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)市民A

2022年10月29日

『囲いの破り方』(及川拓馬)

何冊か将棋の本を近くの書店で購入。景気刺激のバラマキ策の一環で、県が補助する「かながわpay」と横浜市が補助する「レシ活」の両方がダブルで適用される書店があって、合計で40%分のポイントになる(両者ともほぼ終了)。さらに年末調整で経費にすると少なくても市民税分10%が低減になるので約半額ということになる。実際に将棋講師をするときのテキストの制作のヒントになる。エルモ囲い崩しの手筋とかよく知らないし。

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ところで本著『囲いの破り方』の著者である及川拓馬氏だが名前に「馬」と将棋用語が入っている。将棋棋士の中には香とか桂とか歩などを名前に持つ方も多いように思うが、親が将棋好きだったからなのか、本人が潜在意識として感じていて将棋を指し始めたとかあるのだろうか。ちなみに囲碁の用語である、白とか黒とか石とか囲とかはあまり名前には見ない。(杉田玄白とか新井白石はいるが)


さて、10月15日出題作の解答。

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今週の問題。

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解ったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(2)しょうぎ