2019年04月30日

改元祭りではなく天皇譲位であること

明日から令和元年になる。きょうまでが平成。実は明治時代が始まった明治元年は年の途中からなのだが、その年の正月から元年だったことになり、慶応4年は正月に遡り、無かったことになった。

そして、改元が話題になるのだが、そもそも天皇譲位に伴って改元になるのだから本来は嬉しいとか悲しいという問題じゃないはず。

ところで、最近、皇室では様々な問題が起きている。

真子さまの結婚問題については、父親は多くの国民の喜ぶ形でなければダメと言っているが、何パーセントの国民が賛成すればいいのかよくわからないが、半数以上の国民は、本人が貧乏でも構わないのではないかと思っているだろう。すぐに金持ちになるだろうし。

悠仁さま脅迫事件については、今のところ意味不明なのだが、学習院に行かないことが気に入らない勢力によるものだろうか。高校進学の時はどうするのだろう。そして大学は。秋篠宮家は新しい皇室像を描くというなら、真子さま問題も含めて旧習にとらわれず自由にやれば良いのではないだろうか。もっとも東大や早稲田のように学生が多いキャンパスに進むと、警護困難とも思えるし、N高校から放送大学とか・・

脅迫事件の容疑者は、戦前だったら、「容疑者逮捕の時に激しく抵抗され、やむなく発砲するしかなかった」ということにするのだろうが、現代では重罪にならないような気がする。まだ罪名も決まっていない。

そして、驚いたのが時の総理大臣が米国大統領に「スーパーボールの100倍も重要」と言って訪日要請したこと。これは天皇の政治利用にあたると思われる。過去に小沢一郎氏が民主党政権の時に習近平氏を天皇に割り込み面会を画策したのも政治利用に近いが、まあ順番の繰り上げ程度はいいだろうとしても、今回の発言はおかしい。そもそも天皇の政治的利用の最たるものは明治維新の薩長軍。官軍と称していた。

しかし、天皇の政治的利用を禁じるという規定は、憲法には見当たらないのである。天皇の政治参加の禁止は憲法に規定があるが、天皇を利用する方の規制は見当たらない。利用してもいいのだろうか。

それと気になるのが、天皇陛下の年齢と内閣総理大臣の年齢。総理大臣が天皇を利用しようとしても自分の方が年下だとなかなか言いにくい。これからは自分が年上になるのだ。

この天皇と総理大臣との年齢問題だが、明治以降の関係を調べてみると、実は、明治・大正の御代では、すべて天皇が年下だった。さらに昭和になっても年上総理大臣が続き、昭和47年に田中角栄が初めて年下の総理大臣になった。以後年下総理が続いたが、平成になって天皇の代替わりで、再び、宇野、海部、宮沢と年上総理になったが、細川内閣以降、一期(村山内閣)の例外を除き年下総理大臣となっていた。総理大臣の今後の暴走が心配だ。
  

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2019年04月29日

私鉄沿線ぶらり歩き−北綾瀬編4

北綾瀬駅の新設工事中の改札口から近くにあるのが法立寺。北綾瀬の散策に同行願ったさわやか風太郎さん(以下、さわ風さん)と、お賽銭を納めに行こうということになり、歩き始めるが、千代田線側が寺院の裏側になっていて、一回りすることになる。

といっても川崎大師のように裏に回るまでの間に門前町があって散財するということはない。寺の掲示板があって、アルミの踏み台に乗って行事予定を貼り替えている方がいらした。もしかしたらご住職かなと思ったが、作業中は法衣ではなく作業服なのでよくわからない。さわ風さんと、「住職か、否か」という話をして、「現役にしては高齢かな」という見立てをする。

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そして、いざ境内に入ってもお賽銭箱が見当たらない(本当はあったのかもしれない)。日蓮立像の裏の碑文を読むと、浅野家という家がこの寺院に深く関係していて開山に助力したことがわかる。墓地にも浅野家一族の墓石がならんでいる。

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そして、各家の手水桶が並んでいる場所があって、それぞれ家紋が入っているのだが、浅野家の手水桶について、さわ風さんから、「この家紋は『違い鷹の羽』ではないか、浅野内匠頭と同じだ」という指摘がある。にわかに緊張が走る。といっても確かめる方法がわからず、後日ということになる。

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後日、調べ始めると色んなことがあった。

まず、掲示板の入替をしていた方は、やはりご住職のようで、仏教界のビッグネームの方のようだ(与党の影の支配者ではない)。そもそも立正大学の学長もされていて、退職後、ご住職になられたそうだ。

そして、浅野家のことだが、浅野久右衛門という人物が江戸初期にいて、北綾瀬一帯に新田開発を行ったそうだ。ということで駅のあたりは久右衛門新田とも呼ばれていた。家紋については、浅野一族が『違い鷹の羽』を用いているが本家の方は羽の中にも渦潮が文様のように二重になっているが内匠頭は本家の簡易版を使っていた。しかも討ち入りの成功のあと、この簡易版をマネする家が多かったようだ。なかなか決定打にならない。

これらは東京都にある『浅野家文書』によるものが多いのだが、江戸初期の新田開発のことはよくわからない。しかし、根気良く調べていると、浅野文書には、安曇郡(長野県の長野か松本あたり)のことが記載されていて、1590年頃、小笠原秀政が浅野久右衛門に安曇郡稲尾の土地を与えているという史実があった。ちょうど年代は合うのだが、果たして長野にいた久右衛門と北綾瀬の久右衛門は同一人物か否か。浅野久右衛門が勤めていたのは小笠原家、戦国時代に苦戦して松本藩の藩主になっていたが、その後、家康に追随して、僅かな期間関東の古河城主になっていた。その後、再び松本城主に返り咲いている。部下も同様と思うので、関東に移住したところまでは確かだろう。

さらに浅野家のことだが、古くは清和源氏の流れに土岐氏があって、その一派が岐阜県の浅野というところに住んでいてことから浅野氏を名乗ることになったのだが、あまりはっきりしない。秀吉の外戚にあたる(といっても、ネネの親戚なので秀吉と血縁にはならない)。いずれにしても1200年の頃から1600年ころまではっきりしないので多くの浅野家分家が生じたものと思われる。

つまり、同一の久右衛門なのか否か、はっきりしないのだ。

しかし、副産物として、北綾瀬には金子五兵衛門の開いた五兵衛門新田とか新田が多いことや浅野ゆう子の祖先が浅野家にあること、幕末には北綾瀬に近藤勇が潜伏していたことなど、予想外の知識が増えたのだった。
  
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2019年04月28日

私鉄沿線ぶらり歩き−北綾瀬編3

北綾瀬の名所の三は、『ポルナレフの亀池』。

これは、大変な名所だ。なにしろ、その実在を証明するものは、地図上にないし、掲示類もない。しかし、ネット上には存在するわけだ。しかも、バーチャル空間にあるわけでもない。実際にそこに行った人の画像もあるし、近くの居住者からの「ポルナレフの亀池のそばに住んでいる」というようなつぶやきもある。

それらを総合すると、どうも東綾瀬公園の西側の野球用のグラウンドの外側にある池のようだ。

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ということで、ポルナレフの正体を調べるために、同行のさわやか風太郎さん(以下、さわ風さん)と野球場の周りを回る。少年野球の試合中で、どうも補欠選手たちが、代打に指名されるように素振りを繰り返しているが、バットを振り回しても野球がうまくなるはずはない。レギュラーになるには、守備の練習をした方がいい。内野守備がうまくて足が速ければ、左打席でバットに当てれば内野安打が打てるので、それで十分だ。二塁に進めば、視力の悪い子はサイン盗みのため、眼鏡が必要だ。

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そして、細長い池の周りを探索するのだが、そもそも亀がいない。代わりに鴨がいる。「鴨は青首の方が旨いそうですよ」と、さわ風さんに言うと、「他人に聞かれたら捕まるかも」と言われ、急に無口になる。亀もいない、ポルナレフもいない。なんのために歩いているのか。そもそも、駅に着いてからスマホで行き先を決めるのだから、混迷も仕方ない。

ここは引き下がって、後日、調べるしかない。


そして、ポルナレフの正体について、わかってきたのである。

ポルナレフ=ジャン・ピエール・ポルナレフ氏だった。氏は、コミック『ジョジョの奇妙な冒険』に登場するキャラクターでフランスの高貴な人物。(貴族のようなものだろうか)

そして、このキャラクターとそっくりな顔の実在の人物がいるわけだ。

ジャン・ポール・ポルナレフ氏=綾瀬はるかさん。

そして、亀のいる場所は東綾瀬公園なのだ。

つまり、「なぞ解き」で、「亀池とかけてなんと解く。答えはポルナレフ。どちらも綾瀬。」ということのようだ。とりあえず、命名の謎はわかったのだが、もう一つ解けない謎がある。

「亀はどこに行ったのか。」嫌な予感が漂う。

しかし、もう一度、ネット上の画像を調べていると、亀がいるとはなっているが、亀がたくさんいるということでもないようだ。亀池でなく鴨池でもよかったのかもしれない。


ところで、私も、あちこちに行っているのだが、亀池として最も驚いたのは、明石城のお堀。昨年来、奇妙なことが多発している明石市だが、天文台とともに市のシンボルである明石城だが、そのお堀には成長して大型化したアマゾンアカミミガメが大量に生息している。日光浴をしたり悠然と泳いだり、さらにはどこを登るのかわからないが、城内まできて、餌を探しているようで、15センチほどの亀が、おにぎりを食べているのを激写したことがあった。

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市長に一声吠えてもらわないといけないかも。「火ぃつけて、明石焼きにしてまえ!」
  
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2019年04月27日

令和改元製品

将棋教室で使用している級位認定証だが、「平成」が刷り込まれていた。ということで、急遽、将棋連盟に相談すると、すかさず、「令和認定書はできています」ということ。

この素早さは何だろう。元々ケチな組織なので。「紙を貼って対応ください」といわれるだろうと予期していたのだが、誰かのおかげで金回りがよくなったようだ。逆に囲碁界は金欠病らしい。もっとも囲碁はプロが多すぎるし、女流が弱すぎるとも言われる。

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そして、数日後に認定書が送られてきた。実は、紙貼り対応にそなえて「令和」と漢字の練習をしていた。


さて、4月13日出題作の解答。

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いわゆるミニ煙だが、この収束は煙詰めにはよく登場する。しかたない。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題。

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進むにつれ、邪魔駒が登場する。変化手順と正手順が似ている(欠点)。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ、正誤判定します。



  
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2019年04月26日

私鉄沿線ぶらり歩き−北綾瀬編2

北綾瀬名所その2は、しょうぶ沼公園。

その昔、この地は、無数の野生のノハナショウブが咲いていたそうだ。ところが、区画整理事業が行われることになり、公園となることになった。ところが、ショウブがなくなるのは心苦しいということになり、ショウブ沼公園とすることになったそうだ。

ただ、美しい歴史は語り継がれ、醜い歴史が隠されるのは人間界の常で、そのノハナショウブが咲いていた沼が残ったわけではなく、そのノハナショウブから改良された花菖蒲が種類ごとに並べられ、ちょうど5月の終わりから6月にかけて一斉に咲き誇り。見物客が押し寄せるという構図になっているようだ。つまり、過去と現在の間で何かが起きたようだ。

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しょうぶ沼といっても、しょうぶ田という方が正しいようで、一帯に水が張られたり抜かれたりと、美しい花を咲かせるために、現在が最も重要な時期なのだろう。

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このスモールトラベルに同行していただいたさわやか風太郎さんは、花菖蒲の名前を次々に口にして驚かせてくれるのだが、さすがにこの8000本の種類の一部しかご存知ないようだ。中にはカタカナ(外国製)のものもある。

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羅列すると、
遠山の霞、町娘、紅姫、藤娘、舞双、紫鳳殿、水玉星、神代の昔、曙光、センターオブインターレスト、天女の冠、東鑑、夏姿、水の都、紅椿、スティップルドリップルズ、愛知の輝、源氏蛍、千姫、長井小町、五月晴、千姫、会冠、寿仙女、美吉野・・・・

しかし、ここにショウブの名所があるとわかっていれば、時期を変えてくるべきだった。

ところで、菖蒲とか、あやめとか、かきつばたとか、紛らわしいのだが、実はこの3種類だけではないのだ。4種類ある。

まず、菖蒲湯というように食用にするものがある。これはアヤメの仲間ではなくサトイモの仲間。菖蒲という中にはアヤメのものとサトイモのものがあるということ。このしょうぶ沼公園に古来より自生していたノハナショウブを改良したのが、ショウブ。いわゆる花菖蒲である。一般にサッパリとした柄と色彩。いわゆる江戸カラーである。沼地を好むわけだ。一方、アヤメは同じ仲間だが乾燥した陸地に生えている。花の模様が綾のように細かいことからアヤメというという説もある。カキツバタは湿地を好み、高さは一番大きく、花弁も大柄である。もっとも大きいといっても最初は小さいのだから、それを見間違え、専門家のふりをして、「ショウブです」と言って笑いものにならないように。
  
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2019年04月25日

私鉄沿線ぶらり歩き−北綾瀬編1

「私鉄沿線ぶらり歩き」と看板を掲げてみる。実は、綾瀬に行く用があって早めに用が済んだので、最近話題になっている北綾瀬駅周辺に行ってみようと思い立つ。同行者は、弊ブログ愛読者のさわやか風太郎さん。なにしろ千代田線の綾瀬駅から支線として一駅だけ北向きにはみ出している。千代田線の車庫があるわけだ。ついでに一駅作ろうということだったようだ。従来は3両編成で、綾瀬駅「0」番線という奇妙なホームが始発であり終着である。

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この「0番線」だが、「0番線愛好家」というカテゴリーの方々がいらっしゃって楽しんでいるようだ。首都圏には北綾瀬と日暮里。日暮里は京成とJRが共用していて、従来は1、2番が京成で3番以降がJRだったのだが、成田空港特急の開通の際、ホームを立体化して1本増やしたのだが1と2しかなかったので0番線で対応。

それで、いつから10両編成で直通になるのか、というと、実はすでに4割の千代田線は北綾瀬始発になっていた。

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駅を降りて感じたのは、駅前商店街がないこと。「直通運転開始記念の福引」が行われていた。正直、しょぼい感じが漂う。

なにしろ、予備知識がないので、スマホで駅周辺の見どころを探し、突入するという有視界飛行系手法である。しかし、観光地ではないので、なかなか表示も少なく、目的地に向かうのに苦労する。


今回、訪ねたのが、

しょうぶ沼、ポルナレフの亀池、そして法立寺である。
  
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2019年04月24日

手のひらの音符(藤岡陽子著 小説)

主人公の水樹は45才の独身女性。こどもの頃から努力を積み重ねデザイナーとしての地位を得ていたのだがユニクロをはじめとするSPAモデルの前に会社が傾き、まもなく転職せざるを得ない苦しい状況にある。一方、中学高校時代の同級生憲吾から恩師である女性教師の重篤な闘病生活を知らされる。

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小説はこのあと水樹と幼馴染だった臨家の三兄弟の思い出に展開していく。不幸を背負った子供たちは、それぞれが問題を抱え、苦しみながら育っていく。三兄弟の長男は少年のまま亡くなってしまう。次男はいずれ姿を消し競輪選手となって現れることになる。三男は発達障害を克服し、科学研究者になる。

さらに、水樹に女性教師の重篤を伝えた憲吾は、まだ未成年の頃から15歳以上年上の女性教師と道ならぬ関係に溺れていたこともわかってくる。

要するに、世界の平和とか人類の矛盾といったノーベル文学賞的作品を書くのではなく、もっと家族とか友人とか、心の中の問題をネチネチコネコネ書くのが得意なわけだ。

読んでいると、何か辛い話が続くので、なかなか前に進まないタイプの作品だ。
  
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2019年04月23日

クロッシング・デイ(2008年 映画)

原題は、What doesn’t kill you というのだが、どうして変な邦題がついたのか考えたところ実は日本公開が2013年に遅れたのだ。同じくイーサン・ホーク出演の『クロッシング』(これも原題とは違う)が2009年に公開され、日本では2010年公開になった。先にクロッシングがあったので、クロッシング・デイと変えたような気がする。

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ところが、『クロッシング』は警官が犯罪に手を染めるストーリーだが、『クロッシング・デイ』は犯罪者が犯罪を犯すストーリー。実は、DVDを観たあと、あらすじを確認するためにネットで調べたときに同一の映画と勘違いし、「あの犯罪者は、本当は刑事だったのだ、それは見抜けなかった」と驚いたのだが、しばらくして映画違いであることに気が付いた。

ということで、この映画は相当に渋い。とてもアメリカ映画とは思えない。犯罪者が銀行強盗に失敗して捕まり懲役5年を食らうが、やっとの思いで出所。ところが出所してすぐに働かなければならないわけだが、前科者にうまい話があるわけではなく、結局、一発大金狙いの銀行強盗をしようと、ムショ友達が誘ってくる。

どちらも、これで大金をつかんで足を洗おうということなのだが、主人公の方は、最終段階で手を引くことにする。その結果、ムショ友達の方は、強盗に失敗し、さらに15年のお勤めが待っていたわけだ。

更生できてよかったね、という教訓的映画というように思ったのだが、どうも主題を見抜く能力に自信がないのでモヤモヤとしている。
  
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2019年04月22日

横浜ガーデン・ネックレス/里山ガーデン

里山ガーデンは横浜市の北部にある動物園、ズーラシア(オカピで有名)に近接した公園である。横浜市は“花の町”に変身しようと、さまざまな運動をしていて、今年もガーデン・ネックレスという催しを行っている。一応、入場料は無料だがズーラシアの駐車場料金はかなり高いので公共交通機関で行くことにする。

といっても、よくわからないわけだ。JR中山駅からズーラシア正門までバスでいって、そこからシャトルバスで里山ガーデン正門に行くのが王道のようだが、ズーラシア行きのバスは本数が少ない(本当は多かった。市営バスと相鉄バスと2社が運行していた。)ということで鶴ヶ峰行きという普通のバスに乗り、運転手さんに聞くと、「公団集会所」で降りて少し戻ればいい、といわれる。さらにバスの車中で親切なおばさまから細かな道順を教えてもらう。これも実際に歩くと、少し違う。人間の記憶力は、非常にあやうい。

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ということで、たどり着いたのは里山ガーデンの裏口。裏口には、当然ながらガーデンの中の地図も簡素だし、たぶん違っている。またも聞いてしまう。とりあえず、このイベントは日本人オンリーのようだ。

まず、里桜の一種であるスマウラフゲンゾウ。花は渋い黄緑色で、しだいに赤く変色し、二段咲きのものも混じるそうだ。なんとかなく黄色から赤とは信号機みたいだ。

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そして、大花壇にたどり着く。

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元気そうに見事なのはプリムラ・マランコイデス。これなら庭に植えておけば手間が少なそうに思えるが、かといってここから抜いて持って帰ると犯罪者ということになる。名古屋の開店祝いの花を持って帰る習慣は、ここでは通じない。

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そして、この大花壇の宝物はチューリップだそうだ。実に多くの種類が咲いているのだが、横浜限定のチューリップがあるそうだ。名前は『ラバーズタウン』。あまりチューリップ的じゃない。花弁は、最初の色は白だが、少しずつピンクになっていく。実に豪華な感じが漂うようだ。

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やっと、一輪を見つける。
  
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2019年04月21日

法務史料展示室は厳重警備であった

法務省旧本館でもあり、古くは旧司法省の庁舎でもある赤れんが棟は明治21年に着工、明治28年(1895年)に完成した。その後、関東大震災では、近くの警視庁が丸焼けになり大惨事を招いたにもかかわらず、まったく無傷だったが、第二次大戦ではれんがの壁と床を残して焼失。その後昭和25年に復旧し、法務省の本館となった。

一般的知識として、都内の建物やホテルの復興が遅れたのは、「早く直すとGHQに接収されるだけ」と多くの日本人(その頃はアメリカに占領されていたので、日本列島原住民というべきか)が考えていたからという説がある。

そして、この建物は昭和平成と修復を重ね、国の重要文化財に指定される。そして、その建物の一角に『法務史料展示室』というのがあるので、前々から行ってみたいと思っていた。

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そして、事前の軽い調査で、まず敷地の入り口にある守衛所に行って入場手続きをするということなので、当然、そこに行くと様々な注意事項が言い渡されるが、多すぎて一部は理解できない。というのも、奇妙なルールが多いわけだ。

まず、この美しい赤レンガの建物を撮影しようとすると特殊ルール1が適用になる。建物の右側を写してはいけないわけだ。しかも撮影場所が決まっていて、そこから左の方を写さなければならない。建物の入り口には建物の守衛のような人がいて、そこにまっすぐ歩いていくというのがルール2。

そして、その方が、3階にある史料室まで同行してくれるわけだ(ルール3)。といっても説明してくれるわけではなく史料室の係員の女性の方にバトンタッチするわけだ。容疑者の護送方式か。そして、そのまま私が出てくるまで待っていてくれるわけだ。しかし、私は、突然訪問したのに、こういう扱いを受けるということは、普段は何をしているのだろうと思ったのだが、よく考えると司法の仕事って、そもそも待ちの仕事なのだ。

係の女性に右側撮影禁止の理由を聞くと、実際に事務所として使っているからということだった。敷地の外から写すのは問題がないと思われる。

そして、展示室の資料だが、日本が近代国家になるために、江藤新平以下が必死に海外の法律を勉強し、日本用にアレンジしたかという日本の法律の原点のような内容なので、かじったことのある人には面白いこと間違いないが、法律のことなんかよく知らない人とか、ばれなければ交通違反でも薬物違反でもなんでも構わないと思っているような人には、まったくつまらないだろう。

明治事件史が豊富に展示されていて、大久保利通暗殺事件とか板垣退助が岐阜で暴漢に襲われ、「板垣死すとも自由は死なず」と叫んだにもかかわらず死ななかった事件の一件書類もある。実は岐阜城に登城する入り口に銅像が立っていて、痛く感激したので書類の中身も読みたかったが、事件としては単純なので思いとどまる(展示品に触ったら、直ちに捕縛されるものと思われる)。

なお、史料室は3階にあるのに、階段の構造上2階のように錯覚するわけで、部屋の外で待っていた係官にそのことを聞くと、「初めて聞かれたことなので、答えは準備されていません」というようなことをモゴモゴと答えてくれた。そういう仕事の人ではないようだ。不審者の捕縛係かな。
  
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2019年04月20日

淡々と終わった職団戦

将棋職団戦に出場。団体戦で1回戦3勝2敗、2回戦2勝3敗。2局で終了。特記事項なし。

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事前に優勝カップの確認に行く。かなり立派だが、1年後に返却するらしい。会社の金庫には入りそうもない。それに預かっているうちに倒産したら、差し押さえられる可能性もある。なによりショックは次回大会が立川からモノレールに乗っていくような場所で行われること。真剣に会場を探しているのだろうか。


4月6日出題作の解答。

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深海魚方式。途中で餌を補充する。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題。

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先週に続いて、軽快なサバキが求められる。

わかったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。
  
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2019年04月19日

横から見るか縦に見るか

東京湾アクアラインの海上部分にある人工島である「海ほたる」から東京方向を眺める。風が強く、天候も不順でスマホということで、不鮮明だが、右端の方にスカイツリーがある。高さ634メートルは、東京=武蔵の国をイメージして「ムサシ」と語呂を合わせたそうだ。

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スカイツリーを下から眺めた画像と比べると、物理現象とはいえ、遠くから見ると小さく見える。さらに横向きに634メートルというのも、ゴルフの2ホール分で長いのだが、歩き始めればすぐに着くし、とりわけ体力が必要ではない。

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要するに、人間は横向きに生活する動物なのだ。一方、鳥類は縦にも横にも飛べるが地面を歩くのは困難だ(ダチョウ等は別として)。空、海、陸のいずれでも高能力で生活できる生物はいるだろうか。

逆に、空、海、陸のいずれも一流でない(木の上に住んでいたらしい)人類が繁栄したのは、奇跡、あるいは偶然なのだろう。いかに知能があっても、恐竜の時代であれば、全部食い殺されただろうし、人類が猛獣のいる東アフリカの森林からでてきて、しばらくして始まった殺し合いから逃れるように世界各地に散っていったことも生き延びた原因だろう。

第二次大戦の終わりが核兵器の炸裂だったことで、破壊力の大きさが認識され、今日まで核兵器が戦争で再びつかわれることはなかったが、日本が1か月でも早く降伏して、核兵器が使われないままであれば、その後、核兵器の打ち合いが行われたかもしれない。核戦争で自滅しなかったのも偶然なのかもしれない。一方、最も使いそうな国の労働党委員長だが、何を考えているのかよくわからない。最初にどこにミサイルを撃ち込むべきか熟慮を重ねているに違いない。
  
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2019年04月18日

EEEマークといっても靴ではない

EEEというと思い出すのが靴のサイズ。A、B、C、D、E、EE、EEE、EEEE、F、Gとあるようで、これに足の長さとの組み合わせと男女別のJISの一覧表がある。海外でも国別に異なるのでカタログで買うのは一苦労。なぜ、Eのサイズだけが4種類になるのかはよくわからない。

さらにEとかEEというのが足の幅だと勘違いしている人が多いが、実は、足回りの長さ。幅が狭くても甲高だと数字が増える。靴を作る方からすれば、横を広くするか縦に余裕を持たせるのかは大問題で、メーカーによって異なる。結局、履きなれたブランドを買い続けることが多い。もっとも足の形が幅広の人は見栄えをよくするために実際の足よりも長い靴を履いてEの数を減らすことが一般的。私の場合も足回りが267ミリなので、EEなら長さ28、EEEなら27、EEEEなら26なので、27か26.5で妥協している。28の靴はあまり店頭に並んでいないし。(足が太いのは、片側を何回も捻挫したためで、左右の大きさが異なっていて、結局は靴紐のある靴を買うことになる)

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本当に違う方に行ってしまいそうだが、靴の話ではなくロゴの話。日本通運という会社のロゴだが、現在は赤丸に旧字体の「通」の文字の白抜きであるのだが、その前には左右にEEEがあって真ん中に新字体の「通」があるロゴというかフラッグだった。

民間運送会社のもとになるのは江戸時代の飛脚であり、大都市や各宿場で町飛脚として業をなしていた。運ぶ手段は大部分が馬でそれは信書だったり、金銭だったり、貨物だったり。江戸や大坂の元請が各宿場の業者と契約してネットワークを持っていた。

そして明治になり、前島密という有名人が日本にも郵便制度を持ち込み、郵便局を全国に展開したのだが、大原則は手紙類は官営で、貨物は民営ということだった。そして貨物を運ぶのは民間ということで、民間業者の大合併が始まることになり、その中で巨大ネットを作れた一つが、和泉屋という会社で、その後、1875年内国通運会社と改称。さらに1928年に国際通運株式会社になり、1937年に日本通運株式会社が設立される。EEEマークは内国通運時代から使われていた。

では、この「E」というのは何かというと、EXPRESSの略だそうだ。というか米国にある運送会社のマークを参考にしたそうだ。たとえば、今はFEDEXとなっている「Federal Express」そして今はAmexというクレジットカード会社となった「American Express」。なぜ、運送会社がカード会社になったのかは説明をいただいた日通マンは教えてくれず、「Wells Fargo」も運送会社から金融会社に変わった、と説明を受け納得したのだが、後で調べるとAmerican ExpressはWells Fargoの傘下の会社であって、同一の事実を言い方を変え、2回説明したようだ。

ちなみに、日本通運の英語表記はNippon Express、佐川急便はSagawa Express。一方、ヤマト運輸はYamato Transport。Expressと名乗らなくても早く着くことが知れ渡っているからだろう。

参考に、ずっと以前のことだが、ヤマトの故小倉正男社長の講演を聞いたことがあるが、日本通運のことをボロボロに批判していた。もっとも会社の沿革は大和運輸の方が古く、赤いパンダ柄包装紙の百貨店の贈答品輸送に長くしがみついていたらしい。
  
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2019年04月17日

N高校、大丈夫?

少し前のことだが、代々木と新宿の間にある市川房江記念室を探していて、近隣までたどり着くと巨大な建物があって、代々木ゼミナールだった。大手の予備校である。いわゆる「よぜみ」。実は、予備校の敷地に足を踏み込んだことは過去に1日しかなく、予備校そのものの知識は皆無だ。御茶ノ水の予備校で大学の入学模擬試験を受け、その教室の机の狭さに嫌気がさし、絶対に予備校に行かないようにという観点で受験先を決めたからだ。

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そして、目的の市川房江記念室のある路地の角に、妙なガラス張りの建物があった。エントランスにある掲示物をみると、『N高等学校代々木キャンパス』と書かれている。さらに熟読すると、高校名の上に『角川ドワンゴ学園』となっている。

角川と言えば、出版社であり映画制作会社でもある。ロケに使っているのだろうか?と思ったが、どうも周りにうろついている生徒はエキストラではなく本物のように見える。小説の中の高校なのだろうか。N高校とは本当は西新宿高校の略だったりして・・

後で調べると、2016年に角川が作った高校だった。本校は沖縄にあるらしく、スクーリングのあるコースとネット上のコースと分かれている。スクーリングは全国の大都市に校舎があり、ネットコースの場合、年間5日だけスクーリングに通えばいいようだ。ところが代々木校は、また特殊で、ネットコースの生徒が大学進学を目指す場合に通う場所で代々木ゼミナールと提携しているらしい。しかし、大学進学率はきわめて低いと思われる。

驚くのは生徒数で、9727人。一学年3245人。その効果というか、年収590万円以下の世帯の生徒の授業料は年間68,700円。

有名人としては2年生に紀平梨花さんがいる。高校なんかに通う道理がないわけだ。紀平さんは2002年7月10日生まれだが、その9日後に生まれたのが将棋の藤井聡大七段。彼も高校に行くべきかどうか思案の末、中高一貫校だったこともあり大学付属校に進学した。高校生活で最も期待しているのは2年生の今年予定されている海外修学旅行らしいが、果たして行けるのだろうか。

そして、最近、この高校がニュースになったのは、3月に行われた開校後はじめての卒業式。校長先生がジョジョ立ちをしたそうだ。個人的には、まったく理解できない。卒業式の主役は間違いなく卒業生。卒業生が決めポーズをするのはわかるが、先生、それも校長がポーズを決めてどうするのだろう。
  
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2019年04月16日

チア☆ダン(2017年 映画)

福井県の高校のチアダンス部が創部3年で日本選手権だけでなく本場の全米選手権で優勝してしまう、という実話をもとに作られた映画で、主演が広瀬すず。つまり広瀬すずのための映画でもある。

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この手の映画は実はかなりある。素人が努力しても乗り切れない壁を何らかの幸運が手助けしてスーパーパワーによって克服していく。最終目標が甲子園だったり、駅伝大会だったり、初めての1勝というような場合もある。

最近見た『ちはやふる』もそうだったし、思い出すと、それも広瀬すずだった。少し前は、こういうのは綾瀬はるかの専属だったが、ようするに後継者なのだろう。

実は原作が小説という場合がほとんどで。「あさのあつこ原作」というようなことが多い。本作は実話に基づくのだが、調べてみると、実話に話を盛って映画を作ったのではなく、映画に話を盛ると実話になるというぐらい、奇跡的な話なのだ。

まず、実際のチアダンス部『JETS』があったのは福井商業高校。映画では福井中央高校になっている。実際に広瀬すずが演じる主人公友永ひかりには、彼女に似た感じのモデルがいるし、天海祐希が演じる監督の鬼教師だが、本物の鬼教師はもっと怖い。何しろ50人いた部員が9人にまで減ってしまうわけだ。

さらに驚いたのは、この全米選手権優勝というのは、実話では2009年だが、5年前の2004年には神奈川県立厚木高校が全米チャンピオンに輝いている。だから「JETS」の優勝も日本勢で初めて、ということでもなかった。むしろそれに触発され、鬼教師の心がメラメラと燃え上がったわけだ。

福井商業高校は野球の名門で、野球のためのバトン部があったので、その部をチアダンス部に変えようとして、異論が沸き上がってくる。結局、バトン部の生徒が卒業するまでチアダンス部は設立できなかった。

さらに、余談がある。福井商業高校JETSは、2013年に再び全米チアダンス選手権で優勝すると、その後は2017年まで5年連続で優勝を続けたわけだ。そして2018年、彼女たちは同大会で優勝することはできなかったのだ。理由は、簡単だ。日本の高校生出場枠がなくなったからだ。
  
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2019年04月15日

五つ目の輪は

桜田五輪担当大臣が失言から2時間後に更迭された。被災地より議員の方が重要というのが、彼の脳の中でどう比較されたのかわからないが、被災の規模が極小化され、議員のバッジが極大化されているのだろう。というか、早めに病院へ行くべきだろう。

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そして、誰も言わないが、東京五輪の誘致が決まった時から考えると、辞職連鎖が起きていることがわかる。当時の写真を見直してみると、1.猪瀬都知事(任期一年・貸金庫に現金を隠匿)2.竹田会長(東京支持票買収疑惑で任期延長なし)、3.桜田大臣(問題多数)。

そういえば、五輪とは世界5大陸の連携を意味するロゴであるわけで、辞職連鎖だってそれぞれ関連があるわけだ。

となると、3人の次はということだが、実は猪瀬知事の後継である舛添知事も(五輪とは無関係の別荘通いで)2年で辞職している。となると残りは1名。

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当時の写真を見ていると、ずいぶんはしゃいでいる人がいる。森組織委員会会長、安倍総理大臣。そして、後日登場した小池都知事。もっとも都知事選挙は五輪直前にあり、与党は鈴木スポーツ庁長官を候補にしようとしているらしいのだが、小池×鈴木になれば、敗者が五人目の犠牲者ということで終わる。

しかし、五輪は、アフリカ、欧州、アジア、オセアニア、アメリカ大陸を象徴するようだが、実際、北アメリカと南アメリカはほとんど別の大陸のようだし、南極大陸だってあるし、日本を含む太平洋上の島国は、大陸に所属しないし、最近はグリーンランドに中国が目を付けて買い取ろうとしているといううわさもある。

つまりは、犠牲者は5人で済むということでもないようだ。
  
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2019年04月14日

物流博物館でみたA社倉庫の秘密

高輪台と言えば、グランドプリンスホテル新高輪とか高級な土地なのだが、その近くに四角な箱のような形の目立たない建物があり、そこが『物流博物館』である。日本通運が中心となって出資しているようで、建物は元独身寮だったらしい。その前、この土地に何があったのか知りたいが教えてもらえる人はいなかった。

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展示は、主に国内の陸運の歴史が多く、江戸時代の飛脚のシステムに始まり、明治時代に郵便事業が官営として始まった時に、貨物は民間、郵便は官営と分けられたそうで、その民間の貨物輸送会社が集まって日本通運という企業になったとされる。

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博物館的には、輸送には欠かせない倉庫の重要性や、海運や空運の現代的存在価値がわかるようになっている。

さらに、最新の情報として撮影はできないのだが、通販A社(AAOMNZを並び替えると社名がわかる)の倉庫の秘密が展示されている。

なにしろ、倉庫に付き物の『棚』というのが通常の概念と違うわけだ。基本的に固定的設備は、床だけだそうだ。つまり体育館みたいなもの。そこに可搬式の棚が置かれる。棚というのはまったく簡単な折りたためそうなパイプ組3段(4段だったかもしれない)である。棚は板ではなく網だ。どれくらい簡単な棚かというと、これを小学生が夏休みの工作の宿題として提出したら100点満点で20点位だろう、という簡便さである。

そこにロボットや人間が在庫品を置くのだが、人間が何かを整理して棚に入れる場合、ジャンル別とかサイズ別とか、価格別とか、「分類」が重要になる。分類別に並べないと探せないからだ。ところが、どこに何を置いたかをコンピューターは絶対に忘れないわけで、在庫は、空いている棚に乱雑に置かれるわけだ。そして出荷の時に、必要な荷物はどこにあるかコンピューターはわかっているので。ロボットはその棚に走るわけだ。ついでに、棚を追加したり減らしたりもコンピューターが計算して、ロボットが実作業を行うそうだ。

A社のシステムを知りたければ、見に行った方がいいだろう。

また、白金高輪駅から散歩がてらに歩けば、現在、住む人のいない旧高松宮家邸宅を道端から眺めて、女性宮家を立てなければこの建物および土地はこの先は誰のものになるのだろうかとか不敬なことを考えることもできる。逆に女性宮家となれば、真子さま+ニューヨーク州弁護士一家の住宅になるのだろうか。そういえば真子さまは学芸員を目指しているのだから、物流博物館に勤めれば、勤務地まで徒歩圏内ではないかとか考えるのもいかがなものだろうか。
  
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2019年04月13日

タイトル戦のルールの奇々怪々

将棋名人戦第一局が二日制の一日目の午後3時2分に千日手となった。千日手は通常の対局では、先手と後手を入替え、持時間は前局の持時間を引きついで、30分後に指し直すのだが、二日制の王将戦の規則では、一日目の千日手が確定する時刻が午後3時を過ぎていた場合、指し直し局は翌日開始になるということだそうだ。つまり2分の差であった。

3時のおやつを食べたために、2分超過したのだろうかと思ったが、おやつは対局場ではなく、対局者の部屋に運ばれたそうだ。たぶん和服を脱いでから食べたのだろう。佐藤名人は暖かくなったチョコレートケーキを食べ、冷たくなった紅茶を飲んだのだろう。豊島挑戦者はフルーツ盛り合わせなので、特に食べるのが遅くなっても影響はないだろう。

ということは一日目に未消化の持ち時間が約2時間28分、二日目に繰り越されることになり、二日目の終局が夜遅くになることが予想され、主催紙の記者の心に暗鬱な雲が広がったことだろう。

ところが、名人戦のルールでは、この使われなかった2時間28分は、両者が半分ずつ(1時間14分ずつ)消費したことと認定されることになった。つまり、翌日の終了時間には影響がないことになる。


タイトル戦の一日目の千日手というのは1985年の35期王将戦の時以来ということで、中原名人が中村修挑戦者に2連敗の後の3局目だったが、結局指し直して中村3連勝となる。結果として4勝2敗で中村新王将が誕生するのだが、王将戦のルールには古くは「指し込み」という規定があり、3連勝した段階で王将位は決定し、4局目は香落ちで指すことになっていた。何しろ七番勝負ではなく七番将棋だったので、王将位が決まっても次の対局が行われるという執念深さがあった。

1985年の時には、既に3番指し込みから4番指し込みになり、さらに勝負が決した後は、対局なし、ということになったので、事実上は、他棋戦と同じになった(昨年の王将戦もそうだった)。それなら指し込み制も理論的に行われないのだか廃止すればいいのに、wikipedia情報では、ルール上は指し込みあり、ということになっているそうだ。むしろ、次回王将戦には出場禁止とかする方がいいかも。


さて、3月30日出題作の解答。

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いきなり角を成ると、△2二銀で逃れ。4手目に3三に合駒を打つと、▲3四桂で詰むが、それでは簡単すぎるので移動合になり、捨て駒が登場して詰将棋らしくなる。初形図の感じ通りに11手詰めとなる。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題は初形図の見た目の感じとは異なる手数となる。

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最後の方はよくある手筋で、盤上の駒を順に駒箱に入れていけばいい。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見を頂ければ正誤判定します。
  
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2019年04月12日

令和初打ち

GWにゴルフをしようと思って、BC級コースを選んでいて、10連休の後半の方が前半より安い傾向が感じられた。それで、5月1日か2日ということに考えたのだが、5月1日と言えば令和元年の初めの日だ。システムトラブルで高速道路がストップということになったら大渋滞かもしれない。逆に、スピード違反取締り用のカメラが作動しなくなれば、カメラの直前に、みんながブレーキを踏んで渋滞になることが避けられるかもしれない。

そこで思い出したのが30年前の平成元年の切り替えの時。平成元年1月8日である。実は、そのあまりめでたくない日に、寒川神社に初詣に行った。それなりに人出はあり、高速道路もシステムトラブルはなかった。当時の高速の料金所の領収書を調べると、元号と西暦が混在している

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rec2


rec3


一枚目は、今は無き日本道路公団で、300円で89/01/08。西暦だ。
二枚目は、これも道路公団だが、100円。スタンプである。1.1.8。元号だ。
三枚目は、これも道路公団だが、30円。こちらも用紙が異なる。1.1.−8。元号だ。

それで、これらは寒川神社からの帰りで、最初の300円は新湘南バイパスの一期工事が昭和62年に完成している。ほんの短い区間で300円。料金所がインターの出口ではなく、本線上にあったようだ。次は横浜新道。戸塚から保土ヶ谷まで100円。そして保土ヶ谷から港北までが第三京浜で30円。格安だ。それで同一区間の料金は30年間で、どう変わったか調べてみると、

新湘南バイパス。300円 → 310円。
横浜新道。   100円 → 320円。
第三京浜。    30円 → 130円。

まったく不思議な料金だ。
  
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2019年04月11日

悟浄出立(万城目学著 小説)

悟浄とは西遊記に登場する沙悟浄のことである。作者が、前々から書きたかった中国古典の変化球集である。短編の主人公は、沙悟浄、趙雲、司馬遷の娘など。いずれも本来のストーリーからいうと脇役だ。

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つまり、脇役の目からみた主人公物語。司馬遷は去勢されてまでして生きながらえ、何を書きたかったのか、沙悟浄は特技といったら長い舌を伸ばして空気中の湿度の変化を感じて天気予報を当てるくらいしかないのに、どうして三蔵法師、孫悟空、猪八戒というような曲者たちをまとめていられてのだろうか。なぜ彼らはグーグルマップやGPSもないのに中国からインドにたどり着いたのか。

というような疑問を小説にしている。作者は中島敦の『李陵』に傾倒していて、どうしても続編を書きたかったそうだ。たぶん続編の方が長い。

最近、司馬遷の書いた歴史書のことを別でも読んだのだが、日本では膨大な数の歴史小説が書かれ、それが愛読されるのに中国にはほとんどないそうだ。日本の場合、歴史を究めるというような概念が乏しく、昭和史にしても不明なことばかりだ。戦国時代も平安時代も、史書と講談と日記とか入り混じっていて、すべて歴史小説家や史家によって解釈自由となっている。

どうも司馬遷が、歴史とは時代ごとに決定版をつくるもの、というように決めてしまったからではないだろうか、ということらしい。20世紀の歴史的人物にしても、中国ではもう評価が確定しているような気がする。日本ではすぐに亡霊が復活する。田中角栄再評価とか。

ところで日中歴史観には関係ないが、韓国においては、特に李朝の宮廷裏話など一見歴史ドラマや小説が大量生産されているような気がするが、あれは歴史小説のジャンルではなく、ファンタジー部門なのだろう。
  
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2019年04月10日

告発のとき(2007年 映画)

イラクから帰還したはずの陸軍兵が失踪する。不審に思った父親が、捜索を始めるが、その甲斐なく、焼けこげたバラバラ遺体で発見される。現場が軍用地と民間地との境界にあったため、軍と警察の押し付け合いから始まる。

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捜査線上に浮かんできたのはメキシコからの麻薬売人との関係。いかにもメキシコ人らしい殺し方と決めつけ捜査が始まり、さっそくメキシコ系米国人で麻薬逮捕歴のある兵士が捕まるが、アリバイもあり無罪放免。刑事がトランプでなくて良かった。

そして、殺される数時間前に同行していた仲間の兵士のアリバイに僅かな穴があることがわかってくるが、軍は詳しく調べようともしなかった。

要するに、イラクでの非日常的な戦場体験で、帰還兵は全員が脳を壊していたわけだ。米国に帰還しても、すぐにナイフを身構えるし、殴る蹴るは当たり前。もちろん営舎の中はヤク中、アル中多数という状態だった。おおげさにしたくなかったわけだ。

結局、この父親は自分がベトナム戦争の英雄であったことが二人の息子(本事件で亡くなるのは次男で、少し前に長男は訓練中に亡くなっている)を亡くしてしまった原因であったことにたどり着くわけだ。

そして、この映画は実話から制作されたということで、鑑賞する方は、アメリカ人の心の問題、メキシコ人の立場、アメリカの政策、兵士の両親の悲しみなど、感じるべき点は多いのだが、多すぎて感情移入しにくいということもできる。
  
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2019年04月09日

わたしたちに許された特別な時間の終わり(岡田利規 小説 2008年)

『わたしたちに許された特別な時間の終わり』は2008年に発表され、その後著者は第二回大江健三郎賞を受賞し、賞品である「大江氏との記念対談」の出場チケットを得ている。また、大江氏の絶賛ぶりはただごとではなく、そういえば、初期の作品に似ているようなところもある。

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20代の男女が六本木で出会い、渋谷のラブホテルに5泊して、その間に始まったイラク戦争(2003年〜2010年)を人ごとのように考え、テレビもみないで、営みに励むわけだ。

テーマは初期の大江作品(『芽むしり仔撃ち』など)と似ているような社会からの疎外感であり、表現的には新感覚派とよばれた横光利一の「上海」のようなリズムを感じる。

イラク戦争の2003年、東京の夜には退廃的な熱気が漂っていた時期のような記憶があるが、その熱気を取り込むことで小説の前進力を作っているようで、そういえば現在、そのような熱気は東京にあるのだろうか、ないような気がする。唯一、ハロウィーンだけが悪霊の飛び交う日になってしまった。

最近の作家がよく使う手法で、同じできごとを複数の視点で書く方法があり、本作でも男女二人のそれぞれの視点で、この二人だけに許された特別な時間の心象を書くわけだ。一人称の多面的使用の例として、もっと複雑なのが、村上春樹氏の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』。「僕」のいる世界と、「私」のいる世界が交互に現れる。この小説を英訳したのはアルフレッド・バーンバウムさんという方で、一人称が「I」しかない不便な言語に翻訳するため、「僕」の章を現在形に、「私」の章を過去形に訳したそうだ。


そして、せっかくの大江健三郎賞なのだが、著者は、本作の後、すっかり小説から足を洗ってしまうのだ。

ところで、「わたしたちに許された特別な時間」が終わった理由が情けない。二人の所持金の合計が5日分のホテル代と同じになったからだ。人生に始まりと終わりがあるように、ホテルにはチェックインとチェックアウトがあるわけだ。

  
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2019年04月08日

下関北九州道路のこと

いまどき、「忖度」という禁句を使うことによって自身の政界寿命をフイにしてしまった議員がいるのだが、そのおかげで奇妙な道路のことが明るみに出てきた。

下関北九州道路のことを地元ではすでに下北道路と呼んでいるようだが、本物の下北道路は、青森県の下北縦貫道路のことを指すようだ(というか一つはできていないから)。

まず現状だが、自動車用の道路は2本あり、いずれも門司港の北側と対岸を結んでいて、ほぼ同じ場所にある。下関側は壇ノ浦であり、有名な古戦場である。4年半ほど前に、壇ノ浦側の古戦場から高速道路の橋を写した写真がある。特徴としては、高さが高いことと、橋げたのスパンが長いことだ。それには理由がある。

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関門海峡は瀬戸内海の西の出入り口になる。しかも狭隘である。西側は日本海の沿海に沿う航路と韓国方面に向かう航路、南下して九州南部や東シナ海に向かう航路とわかれる。しかも関門海峡の中で90度曲がらなければならないし、船は東西から行き交うし、特に北九州市側の埋め立て地から船が航路上に現れる。場所柄、国際ルールを守らない有名な二か国の船も多い。

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そのため、橋を高くし、橋げたの間隔を大きくして吊り橋にしないと大型船が橋に激突してしまう。ある程度、直進コースに入ったところでないと船の航行上、橋が作れないわけだ。また彦島や小倉の方に橋を架けると、強風の影響を受けやすいと考えられる。

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一方、新しい道路の概念だが、コースもAルート、Bルート、Cルートと3案あるようだ(作らないというD案はない)。結局、シンプルに両サイドの有料道路につなげるB案が有力のようだ。

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さらに、トンネルか橋かも両案あるようだ。


それと、現在の交通状況なのだが、地元の人は基本的にはトンネルの方を通るのが一般的だ。まず、高速道路は地元のためというよりも青森から鹿児島まで高速道路をつなぐことに価値があるわけだ。さらに橋げたが高い場所であり、インターチェンジも高いところにあり、入るまで時間がかかる。もっと実用的な話でいうと料金が異なる。トンネルの方は150円だが、橋の方は定価が360円。ETC割で280円。少なくても130円高い。新しい橋が安くないと使われないことになる。室蘭の白鳥大橋もそういう運命になった。

以前は、雪の日はトンネルの中で車がスリップ事故を起こすので渋滞になるといわれていたが、最近は観光客が増加してトンネルが渋滞するようだが、両市の観光地の代表である門司港レトロ地区と下関の唐戸市場、水族館はこのトンネルや橋のそばにあるのでしかたがない。

ここで観点を変えて、橋とトンネルの話だが、橋は建築会社、トンネルは土木会社が専門である。東京湾アクアラインにしても、全部トンネルにすると、土木会社だけが儲かるので建築工事である橋梁とミックスになったといわれる。しかもこういう工事には多くの鋼材が使用される。アクアラインの川崎側には製鉄所があるし、木更津の隣の君津にも製鉄所がある。下北道路にしても北九州側には日本製鉄があるし、下関側には神戸製鋼所長府製蔵書がある。そういえば総理大臣が政界に入る前に勤めていた企業が、その会社なのである。


ところで、そもそもパリ協定の問題もあるし、本格的に自動車(トラック)から鉄道、海運にモーダルシフトを進めないといけないのではないだろうか。
  
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2019年04月07日

明治大学登戸研究所資料館

明治大学生田キャンパスは小田急線生田駅から7〜8分歩いた丘陵に立つが、実はその土地は戦争中は「第九陸軍技術研究所」という戦争用の研究所だった。防諜、諜報、謀略、宣伝という「秘密戦」のための場所であった。さらに、その秘密性から言って、研究にとどまらず、様々な戦争用の資材の制作も行われていた。

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終戦間際には、米軍の上陸によって秘密が暴露することを恐れ、長野県に移転、建物だけが残ることになる。そして終戦後1950年に土地を明治大学が購入し、キャンパスに新しい建物が並ぶことになるが、現在でもいくつかの戦前の研究所の記憶が残っている。

その一つがキャンパスの奥にある全く目立たない平屋建ての建物。一部屋一部屋が頑丈にできている。現像用の暗室は何の研究に使われていたのだろうか。この研究所で行われていた研究は、実に多様なのだ。

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まず第一科。電波兵器や風船爆弾を開発していた。実際に風船爆弾の1/10の模型が展示されている。最初は人を攻撃するのではなく牛を殺傷する牛疫ウイルスという生物兵器をばらまこうと計画されていたそうだ。しかし、生物兵器を使った場合、米国は必ず生物兵器を日本に対して使うと想定して、ウイルス攻撃はやめたそうだ。

しかも爆弾を日本の東北以北から飛ばした場合、ソ連領カムチャッカに落ちる可能性がある、ということになり関東(茨城・千葉)から飛ばすことになった。確認される被害は、オレゴン州の山で起きた。当時米国は国民に風船爆弾の飛来を秘密にしていた。1945年5月5日に牧師夫妻と5人の子どもが車でピクニックにいった際、木にひっかかっていた風船をこどもの一人が触ったところ、爆発。5人のこどもと妊娠中の妻が死亡した。

20世紀中にアメリカ本土で、敵からの攻撃で民間人が亡くなったのはこの6人だけだそうだ。現地では「オレゴンの悲劇」と言われ慰霊塔が立っている。

そして2科。暗殺用の毒物、生物兵器、携帯用の武器や特殊インク。そして例の陸軍731部隊とは別に、毒物の人体実験、細菌の散布実験を海外で行っていたそうだ。

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そして3科は偽札作りを担当。中国との戦争に決着をつけるため、経済活動を困難にするため、中国国内用の偽札を作って、経済破滅を起こさせようとしていた。以前「偽札」の研究をしたとき、中国側は日本の偽札増刷量を知っていて、その分の紙幣の発行は控えていたと書かれていたのだが、むしろ高額紙幣を発行して薄めていたということだ。

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訪問した当日は、当研究所と帝銀事件の関連を解説していた。1948年に起きた帝銀事件は12名の大量毒殺によって銀行強盗が行われたのだが、その使われた毒薬が、自然界に存在するものではなく、青酸化合物であり、さらに本研究所あるいは731部隊で作られていた毒物の可能性が高いということになったのだが、一介の画家である平沢貞通氏が犯人とされ、死刑判決を受ける。再審請求もかなわず死刑囚は宮城刑務所で病死してしまう。当初の捜査は、元研究者を中心に行われていたが、途中から米軍の介入によって軍関係者を調べることが禁止され、急遽、画家が逮捕された。

実際に帝銀事件のことをよく知らないので、残念ながら、これ以上、書きようがないので、この辺で・・
  
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2019年04月06日

座らないで将棋を

将棋ペンクラブの機関誌に内藤九段のエッセイがあり、故大山名人が勧めた「上達するにはいい道具を」という言葉が、現在は盤駒なしでも将棋を楽しめるようになったうえ、医学界からは「人間は座る時間が長いほど寿命が短くなる」という報告があるということが書かれていた。そんな報告はフェイクニュースに違いないと思って、念のため調べてみると、フェイクではなくファクトのようだ。

要するに、運動不足で足が弱くなるということらしい。ふくらはぎの血栓ができたりすると最悪だ。一方、座っているより立っている方が格段に足の筋肉をつかうそうだ。(というか座っているときは足の筋肉は使わない)。

さらに乳がんや大腸がんのリスクが高まるらしく、昨年、発表されている。1日8時間超があぶないとされるが、日本は最長の座る国らしい。(実際は日本は長寿国であり、学説とは矛盾している)確かに指し将棋は、椅子に座るか畳に座るか。血流は悪くなる。

一方、詰将棋は、相手がいないのだから、トレーニング・ジムでバイクをこぎながらでもできる。通勤電車内でも可能だ。作る方はゆっくり座ってからでないとうまくいかないだろう。もっとも、個人的感触なのだが、詰将棋を作ったり解いたりするには午前中がいいような気がしている。だから、午前中座った分を午後取り戻せばいいのではないだろうか。

具体的には、「昼寝」だろうか。


さて、3月23日出題作の解答。

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0406kk


動く将棋盤はこちら


今週の問題。

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海底を這う深海魚のような問題。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ、正誤判定します。
  
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2019年04月05日

桜狩り

今年は、例年よりいくぶん気温が低いということで桜が長持ちしているようだ。もっともソメイヨシノに限らなければ桜を次々と探すことができるはず。

毎年、近隣の商店街で一本の桜が咲き誇っているので、様子をうかがいにいく。どうも周りに人が多い。手に手にスマホやカメラをもって、「インスタ」、「インスタ」という声が聞こえる。桜の画像だけアップするのならわかるが、自分の顔と桜を並べた画像をアップロードする人の気が知れない。一年の数日だけのせつない美しさを表現する桜という生命に対して、なんと醜い姿、醜い内面を取り合わせるのだろうか。

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といっても、この商店街での桜の周りにチューリップはじめ様々な花々で埋め尽くすという趣向は、あまり好きになれない。花で埋め尽くした木の箱に釘を打つ儀式を思い出してしまう。一本一本、少しずつ異なる花の美しさを楽しんだ方がいい。

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さらに歩くと、鶴見川の河原にも花見スポットがある。ただし、公園ではないので近くにトイレはない。急ぎの場合は川を利用するしかないだろう。

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ところで、にわかに流行しはじめた萬葉集に、桜の和歌は41首あるそうだ。そのうち。17首は散る様を詠んだものだそうだ。

代表作の一つが、

あしびきの山の間照らす桜花この春雨に散りゆかむかも(作者未詳・巻十春雑歌より)

春雨で散ってしまうのではないかと山桜を心配している一首だ。「あしびきの」は「山」の枕詞である。この枕詞というのが、昔から理解でないし納得できない。無駄ではないか、と思うわけだ。やま、と二音でいいものを、あしびきのやま、と7音も使ってしまう。


あをによし奈良のみやこに咲く花は あめりか生まれのセンチメンタル (葉)
  
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2019年04月04日

残穢(ざんえ)−住んではいけない部屋(2016年 映画)

希代のホラー小説家である小野不由美による第26回山本周五郎賞受賞の同名ホラー小説を中村義洋監督により映画化。

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ホラー小説家の「私(竹内結子)」に、読者である女子大生の久保さん(橋本愛)から届いた一通の手紙が、すべての始まりだった。「住んでいる部屋で帯を引きずるような奇妙な音がする」と書かれたその情報提供に、好奇心から「私」と大学のミステリー研究会の部長久保さんが調査を開始する。そこで明らかとなってきたのは、その東京近郊の住宅街に立つ賃貸マンションの過去の住人たち、あるいは同じマンションの別の部屋の住人が転居先で自殺や無理心中、殺人などさまざまな事件を引き起こしたという事実だった。

彼らは、なぜその部屋ではなく、さまざまな別の場所で不幸に遭ったのか。「私」たちは、マンションを含む土地の上に起きた過去の出来事をさかのぼっていき、ある仮説にたどり着く、それは、遠く九州福岡県の炭鉱で起きた過去の悲惨な火災事故につながっていくのである。

穢は穢れを意味し、本来は穢れは物から物、人から人へと伝染していくものとされるのだが、そのチェーンの長さは何で決まるのだろう。事故で亡くなった100名の人名と引き換えなのだろうか。映画の中で穢れによる狂気によって亡くなっていった人数は、まだ20人弱だろうか。

映画が終わった段階で、調査に当たった「私」と「久保さん」に穢れは乗り移った状態になっているが、実はエンドロールの中で、「この絵を見たものはすべて祟りを受ける」といわれる「表情の変わる女性の顔の絵」が登場する。となると、この映画をエンドロールまでみた多くの人たちには恐怖の大不幸が訪れることになり、それにて炭鉱の中で消火のため空気を遮断されたうえ、灰になるまで焼けていった炭鉱夫の恨みも成就するのだろうか。

映画化された時点で、原作よりもずいぶん短くなって犠牲者数も減ったようだが、それでもずいぶん怖い。怖い話なのに竹内結子と橋本愛は女医と看護師みたいに、穢れや祟りを、病気や汚染物質のように客観的に調査していくので、観る方もなんとか耐えうるのだろう。


実は、以上は映画の話なのだが、炭鉱事故について実際の数字を調べてみると、小説の話のようなことは多発していたようだ。100人というのは、まだしも600人以上が亡くなった事故もあったし、同じ鉱山で繰り返されることもあった。九州だけではなく北海道でも常磐でも起きている。海底での事故の場合、水没してしまうのでご遺体はそのままになることが多かったようだし、坑道の最先端は危険すぎて収容に入れない。

明治以来の日本の産業が製鉄や発電であったため、多くは産業重視政策の裏側に隠されてしまっていたわけだ。(現代は「炭鉱」を「原発」と読み替えるのだろうか)

そして、これらの炭鉱で働いてた人たちの中には、半島系の人が多く含まれていたようだ。
  
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2019年04月03日

「サイン盗み」

平成最後の甲子園が「サイン盗み」で盛り上がっている。千葉県から出場したチームの2塁ランナーがキャッチャーのサインを見破って、バッターに何らかのサインを出していると疑った石川県のチームの監督が怒りにまかせて大活躍したわけだ。千葉県の監督が「あなたもやっているじゃないか」と反撃したとされるのは真偽不明だが、西日本ではよく行われていて、東日本ではあまり行われていないと言う意味だったのかもしれない。

そもそも監督が審判に直接抗議できないことになっているため、伝達役の選手が間に入ることも意が伝わらない原因だろうし、難しいのは物証が残らない行為なので証明が難しい。さらに無罪の証明だって難しいのだから。往々にして水掛け論になると思われる。そうなると推定無罪ということになるだろう。推定有罪にしたらこれも問題が大きい。

どこからがサイン盗みになるのかの定義もある。2塁ランナーがキャッチャーのサインを見ること自体が問題かというと、それを禁じるのは無理がある。ランナーはキャッチャーの方を向いているのだから、見えてしまうわけだ。もっというと、短い期間だが野球をやっていたときはショートを守っていたのだが、サインで球種(スピード)がわかると、投げたボールに対してバッターが振り始めると、ボールの位置とバットの角度を見ているとボールがバットに当たる前にどこに球が飛んでいくかおおむねわかる。2塁ランナーだって同じことで、後のプレーの予測というところまで禁止はできないだろう。

一方、サインを盗むのはスポーツマンとして卑怯だ、というならピッチャーの投げるフォークボールなんて最大の卑怯みたいな球だ。まっすぐ来て、ストンと落ちる。盗塁だって英語でスティールだ。塁を盗まれないためには防御策が必要だ。要は、二塁ランナーがキャッチャーのサインを解読してバッターに教えるのがいけないというのは、単に『アメリカ人がメジャーリーグで行わないから』なのではないだろうか。それをすると、次の打席でぶつけられる。

このIT時代にサインなんてアナログを使うからいけないので、スマホで同期しておけば、画面を見るだけで次の指示が出るだろう。あるいはAIに配球を考えさせてもいい。かさ張らないために、スマートウォッチでもいい。ITが嫌いならピッチャーにはスピーカー付きのヘルメットを与えてもいいだろう。家に盗賊が入らないように電子ロックを使うようなものだ。

ただ、もっと鳥瞰的に考えると、教員資格のないお雇い監督は成績がすべての評価であることや、高校野球で活躍することだけが学校の使命のような高校の存在とか野球強豪県と少年犯罪率の奇妙な正の相関(という説あり)などを考えれば、・・・

勝ち抜き高校野球そのものを廃止してしまえばいい!ということさえも言えるだろう。
  
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2019年04月02日

新元号!!

新元号の発表直前の一番人気が「安久」で二番が「安永」というので、驚いていた。まるで安倍政権が永久に続くように、というように読めるわけで、こんなのになったら、暴動が起きて、一か月で退陣だろうと思っていたが、萬葉集から来たわけだ。もっとも31年前、平成になった時に、「そろそろ萬葉集から採集すればよいのではないか」と思ったのだが、最近調べていたところ、ことはそう簡単ではないことを知っていた。萬葉集は和歌の総集編なのだが歌に使われることばは萬葉仮名といって、日本の発音を漢字にあてがったもので、当て字の漢字には意味がないため使うわけにはいかないし、漢字をやめて年号をひらがなにするというのでは、隣の国と同程度と思われてしまう。

ということで、今回は漢文的表現の和歌の序の部分を使っている。序の部分はあくまでも説明であって、文学(芸術)ではないともいえるわけで、窮余の一策ともいえる。もう少し時代を下げれば、「春はあけぼの=春曙」とか様々あるだろう。もっとも平家物語のような滅亡物語は採用できない。といっても平成とは、「平家に成る」ことだったのかもしれない。

発表資料によると、出典は「『萬葉集』巻五、梅花(うめのはな)の歌三十二首併(あわ)せて序」ということで、「初春令月 気淑風和 梅披鏡前之粉 蘭薫珮後之香」で、「初春の令月にして、気淑(きよ)く風和らぎ、梅は鏡前の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香を薫(かお)らす」と読まれる。「初春令月」の「令」と、「気淑風和」の「和」をとって。「令和」となった。

これを機に、国民がどんどん萬葉集を読んで欲しいというような意見も国学、国史関係者から出ているようだが、うかつにとりかかるわけにはいかない。そもそも解説書がなければ手も足も出ないし、岩波の日本古典文学大系では4番から7番まで4冊、新日本古典文学大系では1番から4番までの4冊。古今和歌集、新古今和歌集は1冊である。4500首以上だ。4冊というのは源氏物語と同じ。ゴルフで言えば450ヤード・パー5とかいうのではなく4500ヤード・パー50といった分量だ。

4冊揃いを知人にプレゼントしたことがある。たぶん読んでないだろうが、昨夜から読み始めたかもしれない。出典元の巻5は、1冊目に収録されている。

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それで、不思議なことに、序文があるのに本文である梅の花の句が紹介されていない。実は書棚を探したところ、萬葉集そのものではなく、『萬葉の茶花・萬葉植物157種をいける』という通人らしい一冊があった。

わが苑に宇米(=梅)の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも(大伴旅人)

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梅の花見の席で詠まれた32首中の一。この宴席の主催は大友旅人そのひとだったようで、
梅は中国で「王」とも「兄」とも尊称されたもので、特に文人に好まれた。応仁天皇(270-312)の代に渡来し、春にさきがけて咲き香り、雪のように散る清華な趣に新鮮な美があったようだ。

萬葉集といえば「ますらおぶり」といわれるが、梅の歌にますらおは似合わない。ますらおとたおやめの対立構造は江戸時代以降の封建的構造の中で利用されたともいえる。(文学的にいうと、1000年に一度の大地震である貞観大地震の後、人間の弱さや無常観がテーマになっていく)

萬葉集には実際、色々な歌が含まれていて、日本人の多様性があらわれているという総理大臣の解釈は、国文学者から聞きかじった講釈を受け売りしているように聞こえるが、おおむね当たっている。


余談だが、令和という名前の方が注目を集めていて、その一人である早稲田大学政治経済学部の学部長で憲法学者の川岸令和(かわぎし・のりかず)さん。憲法学者が法学部ではなく政治経済学部の学部長になる意味を考えてみたのだが、憲法というのは法学というよりも、政治学の対象だからということなのだろうか。しかし、新年号決定に至る有識者懇談会のメンバーの一人が早稲田大学総長の鎌田氏。法学部出身だし、学部長の名前は当然知っているはずだから、テーブルの上の新年号案を見たときは、かなり動揺したのではないだろうか。
  
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2019年04月01日

負け逃げ(こざわたまこ著 小説)

最近、小説を読んでいる。パワーがあると思われる作家や作品が多い。『負け逃げ』は、こざわたまこ氏がR-18文学賞を受賞した『僕の災い』の後に5作の連作をつなげて完成した。第一話目から完結するまで3年半かかった。

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田舎の閉塞感の中でもがき苦しむ高校生、それぞれの両親、教師。書かれる視点はそれぞれ6人の男女の眼による。不倫、駆け落ち(教師同士)、障がいを持つ女子の淫行、音楽を求めて東京に行きたい高校生、兄の不条理な家出による家の崩壊、漫画家を志望する同級生の才能への嫉妬心からの愚行・・・

冷静に考えれば、まるでダメなことをしている話を、緻密に積み上げながら書いている。さすがに3年半かけたと思わせる濃密な人間関係の破たんと再生。最後は無理やり、壊れた人間関係を修復させるのではあるが、小説には終わりは必要だ。

読後数日が経ってから気付いたのだけど、田舎の村の話ではなく、著者が書きたかったのは、人間の心の狭隘さとか闇とか疎外感とか、ありふれていて都会でもどこにでもあるような人間の本性なのだろう。
  
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