LCC(低価格航空会社)が世界的に増えてきて、パイロット不足のため、予定発着回数がこなせないと、欠航を発表する会社が増えているようです。大手航空会社では、そういう事態になっていないようですが、要するに多めにパイロットがいるからで、不足傾向は続いています。
さまざまな原因で航空会社の経営は楽じゃなく、そのつけが高給のパイロットの数に影響しているわけですが、大手では一人のパイロットを育成するために、2億円近い先行投資が必要といわれても、育成したパイロットの転職を防ぐことは、基本的にできません。憲法で転職の自由は保証されているからですね。
といっても、LCCでは高給を払うことはできないため、元々、うまくいかないビジネスモデルなのですね。さらに、パイロットは「資格」によって評価されるわけで、「技術」で評価されるわけではないので、そこに微妙な問題が発生します。どこかの国の「名ばかり船長」みたいなものかもしれません。
そこで、岡山空港内にあるフライトシミュレーターで、もっとも難しいと言われる「着陸」にトライしてみました(実際には、自動着陸装置を起動すればいいのでしょうが)。結果は、まったく失敗ということ。まず、水平を保つことも、まっすぐ飛ぶことも、狙った場所(滑走路)に飛ぶことすら難しい。ある程度水平をキープしないと高度を上げることが難しく、30度くらい傾いたまま空港の手前に・・・。
もっとも、これから飛行機に乗ろうとする人のために、地面の上で機体は壊れずにバウンドするようなのですが、よくわかりません。操縦している本人が乗り物酔いしてムカムカ度80%になります。決して操縦席が動くわけじゃないのですが、まっすぐ歩けなくなります。もっともゲームセンターで新規パイロットのスカウトをすることはないでしょうけど。
それと、LCCのことを、日本語では「格安航空会社」と、よく言いますが、単に、ローコストキャリアの略ですから、「格安」の「格」の字は余計だと思います。誰かの何らかの意図を感じます。(念のため、ヴェリーを前に付けて、VLCCと言おうとしても、これはすでに巨大タンカー用に広く使われていますから)