2019年01月10日

枕のこと

枕と言っても「枕営業」とか「枕芸者」の話じゃない。その二つの単語の場合、もともと枕は抽象的表現で、枕を風呂敷に包んであちこちの座敷やホテルを渡り歩くわけではない。レアケースで、枕を持ってウロウロする場合もあるのだろうが、きょうの話題は、リアル枕。

実は、枕を二つ使っている。一つは羽根の入った枕。大きくてある程度の弾力性があってしっかりしている。どの鳥類の羽根が使われているかは不明。赤い羽根や白い羽根や緑の羽根といった募金用の残りではないと思う。たぶん水鳥。欠点は頭にフィットし過ぎていて、暑いこと。

というので、今年の夏にイケアで安くて薄い枕を買った。頭を載せる部分がへこんでいて薄い。硬めのスポンジ感が高く、表面がデコボコで暑いことはなく、逆に寒い。ただ、頭の安定性が高すぎて、寝返りをしにくい(と思う)。

つまり暑い枕と寒い枕。

そして大きな違いは、暑い枕は、よく夢を見ること。なぜか寒い枕は夢を見ない。

では、夢を見る枕と見ない枕のどちらがいいのか、という選択に変わる。おそらく夢には良い夢と悪い夢があるので、良い夢>夢を見ない>悪い夢という順なのだろう。

以前は、良い夢なんか見たことがなかったが、最近はあまり悪い夢も見なくなった。人間は夜眠っている間に、一日の復習をして、記憶の再整理をするらしいが、そのあたりの機能の一部がうまくいかないと意味の分からない変な夢を見るのだろうと推測が付く。

ところで、夢枕獏という作家がいる。苦難の作家生活の末、紫綬褒章を受賞されている。獏は空想の動物で夢を食べると言われる。作家本人は夢を食べる獏のような作家になりたいと思っていたようだが、夢を食ってしまったら、夢のない作品になるのではないだろうか。夢と獏との力が相殺してしまい、代表作「陰陽師」の世界のように「ふっと煙のように消えゆく」ことになると、残るは「枕」ということになる。冒頭の茶話に繋がっていくが、「枕小説」を書き始めれば、いいかもしれないが、あまり過激な内容に走ると内柴某氏に続いて勲章取り上げ処分を受ける可能性がある。「枕草子」を参考にするといいだろうか。