2019年06月25日

『噂』(荻原浩著 ミステリー)

ミステリー作家ではない著者が書いたミステリー。

ということで、ミステリー的な伏線を広げるのではなく、淡々と連続殺人が続いていくわけだ。被害者は若い女性で靴のサイズが23センチ。両足が切断されて見つからない。足のない死体は主に目黒区内に放棄される。

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刑事(男女)の捜査によって、事件の前に「殺されて足を切られないための香水がある」という噂が意図的に拡散されていたことがわかってくる。ようやく犯人捜しをすることができるようになる。

少し、ずるいのは「脚フェチ」が趣味の男が真犯人だったこと。少しホラーが入ってくる。実は、足首だけがなくなる意味だが、もしかしたら「羊たちの沈黙」の中の人皮スーツを作る話に似ているのではないかと気が付いていたのだが、その通りだった。

そして、いかにも犯人は、この女だ、と思わせて、実は違うのだが、小説の中でも犯人を勘違いして、勝手に濡れ衣を着せて復讐(殺した上、まだ生きたまま足を切断)が行われる。

なんとなく感じていたのだが、「この人物は、何のために小説に登場したのだろうか」というような人間がいて、周囲から少し浮いていた。まあ、意味のない人物は登場しないのだろうとなんとなく予測がつくわけだ。