2023年05月30日

宝積山 光前寺

高遠城公園を短時間で済ませ、観光バスは次の臨時目的地に進む。

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宝積山(ほうしゃくさん)光前寺(こうぜんじ)。

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枝垂桜(しだれざくら)の名所で駒ケ根市の山がちの立地がゆえ、ちょうど満開時期だった。

宝積寺(「宝」も「積」も旧字体)とは、宝を積むという豪勢な名前だ。桃太郎伝説の感じだが、内陸なので鬼が島はない。むしろ桃太郎ではなく『早太郎』という伝説があるようだ。

この寺に住み込むことになり「早太郎」と名付けられた、運動能力が抜群の聖犬で、鬼や妖怪と戦い続け、人々を守ったといわれている。JR某駅の焼鳥屋の串に釣られて毎日通い続けた忠犬よりも立派かもしれない。

そして、もう一つの注目点は、この寺には『ひかりごけ』が自生しているということ。

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石垣の間に生えていて、うっすらと光ると言われていて、観光バスの同行者たちが石垣探索を続けるが、「あれがそうかな」とか「光ってない」とか「これにしとこう」とか、怪しい話になってしまう。とりあえず、撮影をしておいて、自宅で画像を拡大して確かめようと、「そこにあるはず」の石垣のすき間を撮影したのだが、さらにわからないわけだ。

そういえば『ひかりごけ(武田泰淳著)』という小説がある。早い話が極限時のカニバリズム(人肉食い)がテーマだが、数十年前に読もうとして文庫本を片手に雨の日に地下鉄のホームに向かっているときに駅構内で落としてしまい、数秒後に泥水を含んでしまって、そのまま放置ゴミにしてしまった。読むな!という天啓だったと思っている。