演題名:男性利用者の作業活動を見直してみて

<はじめに>

当通所リハビリテーションでは数年前より男性利用者が増加傾向にある。一日のプログラムとして、手作業・レクリェーションを提供しているが、男性利用者の多くは手作業に対しあまり意欲が見られない。声かけをしても、塗り絵・貼り絵といった従来の手作業では、「女・子供がするもの」また「はずかしい」と拒否され、見学している人が多かった。そこで、興味を持って男性利用者の方にも参加してもらえるような手作業はないかと、見直し、実施した。その経過に考察を加え、報告する。

 

<日中の過ごし方の男女差>

 女性利用者は他の利用者との会話、塗り絵・貼り絵や壁絵作成といった手作業に意欲的に参加している。男性利用者は挨拶程度で、他の利用者と会話する事も少なく、手作業も一部の利用者しか参加していない。自席にて座っている、テレビを見ている、中にはベッドで臥床されているといった利用者が多い。

 

<男性利用者へのアプローチ>

塗り絵・貼り絵・囲碁などされる利用者も中にはいるが、身体的リスクがあったり、全く意欲がなく、入浴・リハビリ目的だけに来ている利用者も多い。そのような方に対して、まず何かしたい事はないかを聞いてみた。「別に何もない」などの返事しか聞かれなかった中、もと書道の先生をしていたY氏に、字を書いてもらえるかと声かけしてみた。Y氏は次々と字を書いてくれる中、以前凧作りをしたことがあると、凧作りの様子も紙に書き出してくれた。周りの方もその様子に興味を示されていた。今回それをきっかけに凧作りを作業に取り入れてみた。

 

<結果>

 あまり手作業に対して興味を示さなかった方が、ちょっとした声かけから積極的になった。さらに他の利用者も楽しそうに凧作りに取り組まれ、今まで私たちが知る事のできない一面が見えた。凧作りを通して男性利用者同士のコミュニケーションの輪が広がった。実際完成した凧を外で上げてみると、喜びの声が多く上がった。

 

<終わりに>

 今回男性利用者の喜びを聞く事ができて良かった。一人一人の利用者の得意な事、興味のある事を理解した上で、作業活動を準備し、計画・声かけ・誘導を行えばもっと男性利用者も意欲を持って取り組んでくれる事が分かった。日ごろ業務に追われて、利用者と向き合う事は難しいのが現実である。しかし、できる限り関わりを持つ事で、利用者が楽しく過ごしてもらえるように努力していきたい。

演題名:療養型医療施設における介護従事者の死生観

は じ め に

 まれに見る早さで高齢化が進み、介護保険制度が2000年から施行されたが、福祉、保健、医療体制に関する問題は山積している。介護療養型医療施設廃止もささやかれる中で、その都度対応を迫られる家族や現場職員は苦悩を強いられ続けている。そこで今回の研究では、こうした現状の中で働く介護従事者の、日頃の業務の中で避けては通れない「死」に焦点をあて、どのような考えを持っているのか、介護従事者のさまざま状況との関連性を検証し、当院における看取りケアの課題を考察した。  


方 法  

1)対象

 福井リハビリテーション病院(以下当院と略)の看護部の介護従事者(介護・看護職員)         

111名を調査対象とした。

2)研究方法

 アンケートによって得られた「死生観」に関する以下、①~⑦の質問項目と (1)性別 (2)職種 (3)経験年数(それぞれの職種について)との関連性を検証した。①~④については、(1)(4)を変数とした度数分布表をX検定を行い、⑤~⑦については回答内容の類似性に従って項目化し考察した。回収率は69.4%(77名)であった。

 

  自分・家族・他人の「死」を考えたことがありますか       ② 自分はどのような「死」を迎えると思いますか

  自分はどこで「死」を迎えたいと思いますか           ④ 自分はどこで「死」を迎えると思いますか

  自分の余命が短いと知ったとき、自分はどう反応すると思いますか(自由記載)

  「死」は何を意味すると思いますか(自由記載)


考 察・ま と め

「死」は介護従事者として避けては通れない問題意識となっている。自宅で自分は死を迎えたいのに、病院・施設で「死」を迎える方の介護に従事するといったジレンマを感じている職員も多い。繰り返される死別体験に感情がついていかず悲嘆処理ができていない場合もあると考えられるが、その対処は職員個人に委ねられている部分が大きい。職員個々の感情や実施したケアについて話し合うことは、正常な悲嘆過程を取る上で重要である。当院ではデスカンファレンスがあるが、否定的な感情やケアに対する不満なども、自由に話せアドバイスできる体制とゆとりが重要になる。

演題名:胃内視鏡検査実施者を対象に行ったアンケート調査における考察

【目的】

当施設内で、上部消化管検査は平成22年度には3059例行っている。胃エックス線造影検査で1406例、内視鏡検査で1653例である。当施設は経口内視鏡で行っている。前回所見がある人には内視鏡検査を薦めているが「造影検査もいやだが、内視鏡検査はもっといや」と拒否されることが多いのが現状である。また、「楽に内視鏡を受けたい」という要望もあり、検査後のアンケートを実施することにより、少しでも安楽に内視鏡検査を受けていただくサポート方法を見出すことを目的とした。

 

【対象】

H23年2月~H23年7月までの胃内視鏡検査実施者

 

【方法】

検査回数、検査時の苦痛を感じた時、介助看護師の接遇について、検査中の緊張度について選択肢を用意し、検査後の感想については記述式にした。

 

【結果・考察】

受診者にアンケートを行うことにより、現在の介助について評価が出来、現状の苦痛の把握が可能となった。内視鏡経験者でも先端が咽頭通過時には苦痛があり、一方初回の方で苦痛ではない人も見受けられた。術者、介助者とのコミュニケーションが大事と思われた。この結果を踏まえ、内視鏡検査を楽に受けていただくために、今後の内視鏡検査、および介助の改善に役立てていきたい。また、内視鏡検査以外についての意見も多く聞くことが出来、これからの人間ドックを含めた健康診断についてのサービス向上に反映させていきたい。

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