2012年06月07日 17:38
「第33回日本・EU議員会議」
EU議会議員と自国の政治経済や日欧関係の重要性につて意見交換をする議員会議に参加してきました。
場所はベルギーのブリュセルで、生まれて初めての訪問であり、「小便小僧」やビール、チョコレートなど、この国がもつソフトパワーの源泉について感想を述べたいところですが、まずは今回の議員会議について簡単に報告します。
日本側参加議員:
鳩山由紀夫団長をはじめ超党派議員7名で参加
EU側:
欧州議会対日交流議員団 団長ファンバーレン議員(オランダ)、副団長カリニエテ議員(ラトビア)、ザサダ議員(ポーランド)ら他10数名の超党派議員が参加。
日程の概要:
一日目 5月30日
塩尻EU大使によるブリーフィング
ファン=ロンパイ欧州理事会議長との懇談
議員会議第一セッション(EUならびに日本の政治経済情勢について)
二日目 5月31日
ブローク欧州議会外務委員長(ドイツ)との懇談
第二セッション(日EU経済連携の展望、エネルギー、科学技術、人権について)
パパスタンコス欧州議会副議長と代表団の昼食会
ブリューゲル研究所にて意見交換会 ギリシャ危機について
三日目 6月1日
日系企業との意見交換会
素材研究機関視察、ソフトパワー関連施設視察(私立マンガ博物館)
会議の目的:
議会間の相互信頼を高めることが目的です。本会議は33回続いてきた伝統ある議員交流プログラムであり、毎年交互に訪問し意見を交換することを通じて、日欧協力がお互いの利益に限らず、世界の利益さえ高めることができることを確認し合ってきました。
今回の成果:
・日欧経済連携協定の交渉開始を本年7月にはできるようリーダーシップを発揮する、との踏み込んだ発言をファン=ロンパイ理事長から引き出すことができた。
・定期的な交渉を続けることを確認し、次回は本年10月にEU議員団が日本を訪問することとなった。
・日頃より、日本政府が、情報収集ならびに情報提供、そして日本の立場についての説得作業を議会や委員会に対して行い、働きかけを行っています。今回のタイミングでは、日欧経済連携協定がお互いの利益になるという認識を議会人の間で共有することができました。また、死刑や慰安婦問題等の課題について理解を深めていただくことに寄与した。
・参加議員と職員は、今後の政策理解に役立つEU政治の現場感覚を養うことができた。
EUについての感想:
・政策決定のプレイヤーとして欧州委員会、欧州議会、欧州理事会に加えて存在力の強いドイツ、フランスがあり、その他の25カ国があるなど政策決定過程がかなり複雑であり予測が難しい。
・事後救済(規制緩和)型と事前規制(規制強化)型といった社会構造に関する分類をした場合には、アメリカが前者であるのに対し、EUは後者に分類されるとの印象を持った。
(欧州議会内での会談後に、ファン=ロンパイ欧州理事会議長と)