補足。

・かつて、オタク向け作品における組織の描きかたの下手さについて論じた。それに追加。オタク向け作品に多い学生向けヒーローの成り立ちには、そもそも組織が不要である。そして、組織との緊張関係を要求される社会人向けヒーローと対象年齢的に連続しているので、比較されやすい。だから下手になりやすく、下手さが目立つのである。

・ヤンキーもの不良ものは、学生を描いているにもかかわらず、社会人向けヒーローの形式をもっているようだ。学校もまた一つの組織である、ということは、ドロップアウトの可能性を思い浮かべたときにはじめて実感されるのである。このようなズレは興味深い。

・池波正太郎『剣客商売』の秋山小兵衛は権力サイドとベッタリすぎやしないか、とちょっと思っていたのであるが、どうやら私の読み方は適切ではなかったようだ。中高年向けヒーローに社会人向けヒーローの論理を押しつけてしまっていたのである。

・ハリウッド云々で念頭にあったのは、まずブルース・ウィリス。『ダイ・ハード』は社会人向けヒーロー。時代を飛ばして『ダイ・ハード4』は中高年向けヒーロー。