『大正野球娘。』はあと一試合欲しかったように思う。なにかの目的のためにする試合ではなく、ただ試合がしたいからする試合が。「なにかの目的のためにする試合」は、「その目的を達成したいのであれば、別のより合理的な方策もあったのでは」という含みをどこかに残してしまう。スポーツを含めたゲームもの一般に言えることなのだが、そういう余地をなくすためにも、やはり最後は「別に理由なんかいらない、楽しくてたまらないからやるのだ」というようなゲームの純粋な楽しさまで描いてほしいのである。この作品が、よくできているんだけれどもちょっと物足りない、と感じさせてしまうのは、そのための一試合が足りなかったからではないか。
 (2009年、全十二話)