村上健のオセロ日記

趣味のオセロやフランス語に関する記事を投稿しています。私(村上)のメールアドレスは「私の姓のローマ字書き+アットマーク+dx.catv.ne.jp」です。

昨年12月に発売された中央公論1月号に麻布高校の紹介ページ(上編)がありドクター中松、橋本大二郎、中条省平の三人のOBの話が載っています(下の写真)。現在発売中の中央公論2月号にはその下編が載っていて山下洋介、柿沢未途の二人のOBと私の話が載っています。私の話は学校のことがほとんどでオセロのことは数行ですが、よろしかったら書店で御覧下さい。

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昨日は神奈川オープンに参加しました。二日連続で大会に参加できるなんてめったにないことです。会場は前日に続き満員。選手が75人、付き添いの保護者も含めると100人近い人です。ちょっとしたオセロブームの到来でしょうか。嬉しいことです。ちなみに天才キッズの番組ディレクターも二日連続で取材に来ていました。またオセロ対決がテレビに出るといいですね。


  第1局 黒番。どう打つ? 
  ●渡辺敬一 Watanabe Keiichi
  ○村上 健 Murakami Takeshi

序盤から渡辺二段が猛烈に引っ張ります。引っ張り切られる危険を感じた私は一手一手長考の連続。そして図。ここで打たれた黒e8が敗着となりました。次の白g1がうまく、黒はどう打っても白を詰めることができません。そして詰めることができないと左下の黒壁が大きな負担になります。図の正解は黒g4。次白f1なら黒d1→白b1→黒f5。これで黒は攻勢を維持していました。  



  第2局 黒番。最善手順は? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○工藤悠誠 Kudou Yuusei

工藤二段は麻布オセロ部の中3生。最近どんどん強くなり私との差が縮まってきているのを感じます。この試合も負けそうになりました。序盤から難しく両者長考の連続。26はd3の方が嫌でした。黒はa6に取れません(取ると斜めも返ります)。35はh4がベターでした。実は36の手を見落としていたのです。36と打たれると非常に厳しい局面。そして37も疑問。次の38~40が私の見落としていた絶妙手順で黒大ピンチ! 42はh4→黒h2→白h1→黒a1…の取り合いで白やや優勢でした(白+6形勢)。43はh4→白g7→黒g1で黒+8形勢。44はg2で白+6形勢。45はb7で+8形勢。お互い時間がなく形勢が二転三転します。47もb7なら+4形勢。白の敗着は52。ここはb8→黒d1→白b1→黒g1→白f1→黒g2…で奇数理論にハマりますが白+2でした。そして図。もうほとんど時間がなかったのですが瞬間的に黒g1から右上の手止まりを打つ手順が見えました。これが唯一の勝ち手順で黒2石勝ち。  



  第3局 黒番。どう打つ? 
  ●福地啓介 Fukuchi Keisuke
  ○村上 健 Murakami Takeshi

17までは前日の対高梨戦と同じ進行。ここで私から変化しました。上辺を取らせて引っ張らせる構想。24で手を渡してやや良いかと感じたのですが黒27~29で上辺の黒山を一色にするのが予想以上に厳しく難しい形勢に。39で福地五段は黒h4→白h6→黒e7!と打ちました。これが実にうまい手順で白は次の手が難しい。しかしゼブラによれば39の最善は黒d7(引き分け形勢)。次は白e8かh4で引き分け形勢。39黒d7に対して白がe7と応じると黒e8!で黒+6形勢になるそうです。まったくこのあたりの形勢判断は人間の能力を遙かに超えていますね。実戦41となった局面が超難解で悩みました。44でd7は黒b7で勝てないと判断して44d8。これは正しい判断でした。福地五段は図で大長考。私はb8を一番恐れていたのですが、それは白d7→黒b7→白e8!→黒b8→白b2!→黒g7→白h8…で白勝てるようです。難し過ぎます…。結局図で打たれたのは黒e8。これが実質的な敗着のようです。次の白d7に対して黒はb7と対角線を通すしかないのですが、白からc8→黒a8→白b8の対角線切りが残ります。かといって途中黒a8でb8は下辺がウイングになり白b2の対角線通しにたいして有効な手がありません(黒g7は白h7!)。図の正解は黒c8(白+4形勢)。これならまだ逆転の余地が十分あったでしょう。実戦48は大悪手。直ちに白c8に打つべきでした。実戦はa列とb列を両方黒に持って行かれて僅差になりましたが幸い4石残っていました。これで対福地五段の対戦成績は2勝2敗1引き分けの五分に戻りました。  



  第4局 白番。どう打つ? 
  ●長尾広人 Nagao Hiroto
  ○村上 健 Murakami Takeshi

22までは昨年伊藤悠史四段と打った試合と同じ展開。その時は23でa6→白b6…で白優勢になりました。長尾六段は23g6→白f6→黒d6! これが局面を複雑化する好手順でした。以下白は長考の連続。28は黒h2やg2の攻めが残るので嫌な手ですが、黒g2を食らってからでは打てなくなる(黒g2→白h3はg2の黒を返して黒にh1を取られる)ので仕方がないと判断しました。これが正しい判断で局面は白やや優勢。35には白h1。上辺を与えても細かく勝てるという判断です。47は悪手で図。ここで私は終局まで石を数えて僅差の勝ちを確信してh6に打ちました。その読みは間違ってはいなかったのですが、図ではもっと簡明な勝ち手順がありました。それは白f8→黒b8→白h6です。これなら黒g7が白h8→h7の連打になってしまうので黒はa1→白a3→黒h7しかありません。以下白h8→黒g7→白a8…で白は第7行と第8行を取って快勝です(+16形勢)。この手順が全く思い浮かばなかったのはちょっと情けないです。  



  第5局 黒番。どう打つ? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○末國 誠 Suekuni Makoto

図は一番悩んだ局面です。私の打ったh5は悪手。以下徐々に形勢を損ねていきました。図の正解は黒h4→白h6→黒f5→白g4→黒h7→白e2→黒c2! 以下白h2なら黒d2。白h3なら黒h2→白d2→d1!(右辺の一色の山が強力)。白e2までは読んだのですが次の黒c2!が思いつかずにこの手順を切り捨ててしまいました。終盤は白優勢ですが42が緩手で形勢急接近。42はa2が最善でした。次黒g7なら白g8!→黒h8→白h7で白はa1に打てます。53は石損。ここはいずれ打たされてしまいますが、今は放置して黒g1が最善でした(白+2形勢)。先に左上を決めたために最後の3個空きで白に第3行を取られる大きな手が出来てしまいました。それでも白僅か+6ではあるのですが…。末國九段の着手は正確で、差は小さくても逆転の余地がない敗戦でした。  



  第6局 黒番。どう打つ? 
  ●桑原周平 Kuwabara Shuuhei
  ○村上 健 Murakami Takeshi

序盤はやや白良しの展開。図で打たれた黒d8が疑問でした。ここは黒f7がベターで、以下白がe8以外なら黒はc8。白e8なら黒f8。これならまだ難しい形勢でしょう。実戦は自然な流れで白勝勢となりました。

6回戦でそれまで全勝だった髙橋晃大五段が福地五段に敗れたため全勝者はいなくなりました。 5勝1敗が6人並び優勝は同石数で末國九段と福地五段。3位が私でした。私は二日連続の好成績で全国レーティングが6位まで上がりました。天才キッズ軍団は福地五段が5位、髙橋五段が8位。う~ん。すごいです。

二日連続でたっぷりとオセロを打ち非常に充実した週末でした。

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                         第3位の私、同率優勝の福地五段と末國九段

一昨日は新年初めの大会「品川ニュイヤーズカップ」に参加しました。会場に行くと人で溢れんばかり。参加選手は97人。小学生の保護者を含めると120人ぐらいはいたと思います。とにかく大変な賑わいです。運営の中島八段御夫妻は急遽オセロ盤と別室を用意して対応。本当にお疲れ様でした。


  第1局 黒番。最善手は? 
  ●松本修平 Matsumoto Shuuhei
  ○村上 健 Murakami Takeshi

松本君は麻布オセロ部の中一生。今年入部した10人以上の中一軍団の一人です。こんなに沢山新入部員が入部したことは今までありませんでした。嬉しいことです。序盤9が悪手(c6、c7、d7等で互角)で以下白優勢。そして図で打たれた黒d1が敗着です。この手は白e1と取られて再び黒番。しかもb1に白の余裕手ができてしまい手損でした。図では黒d7と打って耐えるのが正解でした。  



  第2局 黒番。最善の寄せ(黒→白→黒→白→黒の5手)は? 
  ●中村倫太朗 Nakamura Rintarou
  ○村上 健 Murakami Takeshi

24までは以前中村君と同じ展開を打ったことがあります。その時は私が勝ちましたが、今回中村君は25!~27!という改良手順を用意していました(黒b2→白a1の交換なしで黒b6だと白d6に切り返されてしまいます)。これで白かなり打ちにくい展開になりました。35~37は疑問。35g4からc7を狙っていけば黒優勢です。40で私は長考。オセロは40手目前後が特に難しく、そこでの軽率な一手であっという間に敗勢になってしまうことがよくあります。色々考えて白h5! ゼブラによるとこれが最善(引き分け形勢)で、あとは全て白負けです。41も最善。以下微妙に私が石損して図へ。図の正解は黒b7!→白a8→黒b8→白c7→黒g2! これはなんともうまい手順です。最後に白は偶数理論でg7に打たされ、その時に黒はg列の黒一色を利用してh8→g8の連打があるのです!(黒+4形勢) 図では黒g8→白g2→黒h1→白g1→黒h8…という流れでも黒+2形勢。実戦で打たれた49g2が敗着。恐らく黒は白b8→黒c7の時に白g7!でホワイトラインが白一色になってしまいh8に黒が打てないことを見落としていたのでしょう。  



  第3局 白番。どう打つ? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○佐治亨哉 Saji Kouya

麻布生との3連戦。序盤から非常に難しい戦いが続きます。29でゼブラが勧めるのは黒e1! 以下白d1なら黒c1で白はa4に打てなくなります。かといって黒e1に対して白a4なら黒f2が好手の第二弾。これは非常に参考になる打ち方ですね。図で佐治二段が打った白a6が敗着。黒a4を期待した手ですが対する黒f2が好手。こうなるとホワイトラインの黒通しが効いて白には有効な攻めがありません。図では打てるうちに白g7、あるいは白g7を温存するための白f2が正解で互角でした。  



  第4局 黒番。最善手は? 
  ●石黒寛樹 Ishiguro Hiroki
  ○村上 健 Murakami Takeshi

序盤は最近私が試みている飯島七段定石。24はa5とb3で迷いました。24~28は疑問。29!が絶好手で白ピンチです。ところが図で打たれた黒c7が痛恨の悪手。以下白c8でe6に白の手が出来るのを軽視していたようです。図の正解は黒b7!→白c7→黒c8! こう打たれると白はどうにもブラックラインを切ることができず黒の攻勢が続いていました。実戦33以降は黒敗勢です。  



  第5局 白番。どう打つ? 
  ●中島哲也 Nakajima Tetsuya
  ○村上 健 Murakami Takeshi

23までは前局と同じ展開。24はその時に打たずに後悔したb3を選択。対する25が疑問手。白f5が好手過ぎるので、黒はそこに先着する25f5がベターでした。以下白優勢。図では白h3で黒b6を消したくなりますが、それだと黒a4で困ります(次白a5なら黒b6で手を渡される)。正解は実戦の白a5→黒a4。この交換を入れてから白h3なら黒は左下方面に手が全くなく右上方面の白壁に手をつけざるを得ません。35とXに打たせてはだいぶ優勢だと思ったのですが、39~43が流石の粘り手順で「逆転されたか?!」と思いました。幸い46で白d8(これ以外は全て負け)→黒b8→白b7が残っていたので勝つことができました。  



  第6局 白番。どう打つ? 
  ●高梨悠介 Takanashi Yuusuke
  ○村上 健 Murakami Takeshi

最終戦でついに高梨九段と対戦。現世界チャンピオンでかつここまで29連勝中!と絶好調の高梨九段。しかし私も最近好調で、「負ける気がしない」というのは言い過ぎですが「簡単には負ける気がしない」ぐらいの気持ちでした。今までの対高梨戦の戦績(4勝34敗…苦笑)を考えると全く根拠のない自信ですが、打つ前から「勝てる気がしない」だと、少し不利になっただけで「どうせ勝てないのだから…」と考えて無理な手を打って自滅してしまうことがあります。髙橋晃大五段の座右の銘「最後まで諦めない」に習って、決して無理な手を打たずに最後まで粘るつもりでした。序盤19が好手。20はd1とb3で迷いました。後で気づいたのですが21までは一昨年水戸の世界選手権で打たれた高梨vsベン・シーリー戦と同一進行でした。その時ベンは22b4でしたが私はd1へ。26は第一感e6ですが黒a6と引っ張られるのが怖くて却下。しかしそこでg3なら白も粘っているようです。局後の検討で末國九段は29e7!を推奨。次に黒a5→a6の手稼ぎがあります。この手は私も高梨九段も全く考えていませんでした。33はd8も有力。黒は辺を取って形が重く、非常に難しい形になりました。対する私は選択肢が少なくあまり考えなくても良い状況に。私よりもかなり多く残っていた高梨九段の残り時間が37あたりからどんどん減っていきます。41ではh4→白h6→黒g5→白b2…も有力ですがその後が難しい。43は黒g7→白e7→黒g8!→白f8→黒h4…が正解で引き分け形勢とのことですが、これはいくら高梨九段でも読み切れないでしょう。実戦43が敗着。以下48まで一本道ですが、これで作らせたg8の一個空きが、f7を介してe8と繋がっているために完全な黒の余裕手ではない、という点を黒が軽視したのでしょう(例えば49で黒e7なら白d8!でe8とg8が白の見合いとなり黒は勝てません)。以下一本道で図。ここで1分以上時間が残っていたのが幸いしました。まず白d8を考えましたが以下黒e7→白g8→黒パス→白a2→黒b2→白a8→黒b8でなんと引き分け!(引き分け勝ちの権利は黒が持っていました) 実は手順中白a2の代わりに白b2!なら白+6ですがそんな手は全く見えていませんでした。「やはり負けてしまったか…」と一瞬思いましたが「最後まで諦めない」を思い出して図で白g8を考えました。次黒d8でe7に打てなくなってしまいますが以下白a2→黒b2→白a8→黒b7となるとa7の白石のお陰で白はe7に最終手止まりを打てます。そして数えると白の2石勝ち! もう残り時間もほとんどなく図でg8に着手。以下読み通りに進み黒は59手目でe7!! こっちは考えていませんでした。「やはり読み負けたのか?!」と思いつつ最終手を打って石を数えると白の2石勝ち。つまり最後の2個空きは黒がどちらから打っても同じ結果になる形だったのです。しかしこれはたまたま。本当に幸運な勝利でした。

新年最初の大会で天敵高梨九段を破って全勝優勝。最高に嬉しかったです。 対高梨九段の戦績は5勝34敗となりました。まだまだ大差ですが、今後も少しづつ差を縮めるべく努力したいと思います。

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数年前に定年退職した数学科の平野先生からいただいた年賀状に「佐藤愛子の本に村上さんが出ています。知っていますか?」との一文がありました。平野さんは親切にも本のタイトルとページ数まで書いてくれていたので早速アマゾンで注文したところその日のうち(元旦)に本が届きました。便利な時代になったものです。

亡くなった母が佐藤愛子のファンで実家には何冊もエッセイがあり私も愛読していました。独立してからは全く読む機会がなくなりましたが、最近「90歳何がめでたい」等のエッセイが評判になっているのを見聞きするたびに懐かしい気持ちになっていました。中・高生の頃に読んでいた作家が、自分が50を過ぎてもなお健在で健筆であるのはなんとも不思議な気持ちです。ちなみに紅白で郷ひろみや松田聖子が歌っているのを聞いて同じような気持ちになりました。若き日のスター達が、数十年を経てなおスターであるのはすごいことですね。

早速その本を開き、平野さんが示したページを読んでみました。確かに私とロジステロのことが書いてあります。しかし佐藤愛子がどのような気持ちでその対戦を取り上げているか、そのページを見ただけではよく分かりません。改めてそのエッセーを全て(10ページほど)読み切り、ようやくそれが分かりました。興味のある方、ぜひ最初のページから読んでみて下さい。最後の方にオセロ対決の話が出てきます。

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全部読んでもなおやや分かりづらいのですが、私が要約するに「50年以上もまえにIBMに依頼されてコンピューターに関する短編小説を書いたところ、IBMの担当者から酷評された。怒った私は原稿料を返した。その短編で私は、将棋を指して人を負かし、感情すら持つコンピューターを描いたが、それがIBMの担当者にはあり得ないことだと映ったらしい。ところが最近読んだ新聞でコンピューターがオセロやチェスの世界チャンピオンを破ったことを知った。私が予想した通り、コンピューターは人間に劣らない能力を獲得しつつある。私の予想を馬鹿にしたIBMの担当者よ、思い知ったか!!」ということでしょう。佐藤愛子の怒り炸裂! そこに私も登場しているのは大変名誉なことです。

それにしてもあの年賀状がなければ私は佐藤愛子のエッセイに自分が登場しているなんて永遠に知ることがなかったでしょう。平野さん、どうもありがとうございます。

私は購読している朝日新聞の読者投稿欄が大好きです。今朝もしみじみと味わい深い投稿が多く載っていました。

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先週は品川シーサイドオープンに参加しました。今年最後の大会参加です。高段者は少なめでしたが、テレビ放映の影響もあってか初級者が沢山参加していました。嬉しいことですね。


  第1局 黒番。最善手は? 
  ●場生松秀明 Bashoumatsu Hideaki
  ○村上 健 Murakami Takeshi

図は白がc1と打った場面。ここは黒d1と割り込めれば理想的ですが打てません。なので次善の策として黒g1が正解でした。実戦黒f3は次に黒d1を狙った手ですが白は当然d1。こうなると2手の余裕手(b1とg1)を得た白が優勢です。このような状況は「白が手得をした」あるいは「黒が手損をした」と言います。上辺だけを見ると、黒3手、白3手打っていれば手数の均衡が取れているのに、実戦は黒が1手(e1)、白が5手(b1、c1、d1、f1、g1)打っています。5引く1は4。白の大きな手得です。白が上辺に4手打つあいだに黒がその他の場所に4手打つことになり、下方面にあった白壁が急速に黒壁になってしまいました。その結果黒は打てる場所が少なくなって手詰まりに。  



  第2局 白番。どう打つ? 
  ●七瀬悠真 Nanase Yuuma
  ○村上 健 Murakami Takeshi

21は疑問手。ここはf2かc6がベターでした。そして図で打たれた白b6が手筋の好手。黒がc6の窪みに打てば白b4でb5の窪みが白の余裕手になります。図から白b6→黒b5なら白c6!が好手。次の黒はほぼb4の一手ですが、そこで白はa4やe7に好手が残っています。中級者の参考になる筋でしょう。実戦32となっては白大優勢です。  



  第3局 白番。どう打つ? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○高橋 久 Takahashi Hisashi

序盤からじわじわと白が優勢を拡大。図の局面までかなりまずいことになったと感じていました。私が恐れていたのは図で白a6! 以下黒e8なら白g8! こう引っ張られると黒は種石がなく敗勢です。ところが図で白a6は高橋三段の選択肢に入っていなかったようで白a3。これが疑問手で黒は息を吹き返しました。40は悪手。ここは普通に白e2が良く、以下黒e1→白f1と進むと黒にとって非常に難しい形になり、黒+6形勢とはいえむしろ白有望でした。終盤は黒優勢ですが46白e8→黒c8→白b3!→黒a1→白g2と進めれば黒がミスをする可能性もありそうです。実戦46は黒g8→h8の連打、及びg列とh列を全部黒に与えるのでチャンスなし。  



  第4局 白番。最善手は? 
  ●大郷 卓 Ohsato Suguru
  ○村上 健 Murakami Takeshi

序盤から非常に難しい形が続きます。27は長考の産物。右辺にウイングを作る好判断です。した。このあたりで相当厳しい形勢だと感じました。そして図で私の打ったa3が大悪手の敗着。ここは白b3の一手。黒c2なら白a3で、白b1を作る白a6が残って白も粘れます。なぜか白b3の手は全く見えていませんでした。大郷四段は終盤も非常に正確で付け入る隙がありません。この試合は完敗でした。  



  第5局 白番。唯一勝てる手は? 
  ●中島哲也 Nakajima Tetsuya
  ○村上 健 Murakami Takeshi

中盤まで難しい展開。26が悪手でした。ここは白d7→黒f6→白e6…で互角。31で今度は黒が悪手。黒a3でe6先打を狙えば黒の優勢は動きません。黒は34で黒がa3に打てなくなることを見落としていたそうです。43→45は最強の粘り。そして図。ここは白g7が唯一勝てる手でした。私は白g7→黒g8で勝てないと思って切り捨ててしまったのですが、図で白g7→黒g8には白h2!→黒h8→白h1で白勝ちだったのです。時間も切迫しており「g8とh8を黒に連打させて勝つ」という発想が浮かびませんでした。実戦は51~53が切れ味鋭い手順で黒の一本勝ち。参りました。



  第6局 黒番。唯一勝てる手は? 
  ●菱山裕一 Hishiyama Yuuichi
  ○村上 健 Murakami Takeshi

中盤は難しい形が続きます。36は「予約ストーナー」と呼ばれる手筋。黒がg列に石を載せたら白f8で下辺が取れます。これが好手で白はなんとか粘っています。図で打たれた黒a7が敗着。さすがにこれは白に確定石(左辺と下辺と第7行)を与え過ぎでした。図の正解は黒h3! 次白h4なら黒f7→白f8→黒b7。図で単に黒f7だと白f8の時に黒b7に打てません(打つと白a8→a7の連打)。なのでこの正解手順は非常にうまいと思います。図で黒h3に対して白f8なら黒h4! これでf7は黒の余裕手です。これも非常にうまい手順。この両方を想定して両方とも黒が凌いでいると判断して図で黒h3に打てる選手が一体何人いることか…。さて私は46で悩みました。偶数理論を重視して白h6が正解だとは感じたのですが、白f2→黒h6→白h4→黒h3→白g2…も相当に有力です。大長考して結局この展開は却下したのですがその判断は正しかったようです(白僅か+4形勢)。50となると白のガチガチ偶数形で黒はどうしようもありません。

結果は4勝2敗の第4位。帰りのバスで小学生のS君とお母様に声を掛けて頂きました。テレビを見て興味を持ち、今月のりんかいチャレンジカップと品川シーサイドオープンの両方に参加したそうです。今回の大会では残念ながら勝てなかったようですが、クラスメートには結構勝てるそうです。敗戦にめげずこれからも大会に参加して欲しいです。

私は来年1月6日の
品川ニューイヤーズカップと7日の神奈川オープンに参加予定です。ニューイヤーズカップは新年最初の大会として人気が高く、多くの強豪選手が参加します。事前予約が必要なのでご注意下さい。神奈川オープンは無差別部門と一般部門に分かれており、一般部門には有段者は参加できません。初級者が参加するには手頃な大会です。 テレビ放送を見て興味を持った方、ぜひご参加下さい!

明日は品川シーサイドオープンに参加予定です。テレビ放映を見てオセロに興味を持った方、ぜひご参加下さい!

この大会は2週間前のりんかいチャレンジカップと同じ会場で開催されますが、前回と違って一部門制です。つまり初心者でも組み合わせによっては高段者と当たってしまいます。しかしこれは考えれば貴重な機会です。他の競技では初心者が世界チャンピオン経験者やメジャータイトル経験者と対戦する機会なんてめったにありません。

2週間前のりんかいチャレンジカップで主催者の中島八段が「初めて参加する方はそんなに勝てないと思います。でもそこで自分は勝てないから駄目だ、ではなくて、世の中にはこんなに強い人がいるんだ、すごいな、自分も彼らを目指して頑張ろう!と思って欲しいです」と言っていました。いいことを言いますね!

今どんなに強い人でも初めは弱くて負けていました。そこで諦めずに継続した人が今強くなっている、とも言えます。負けを恐れずにチャレンジして欲しいです!

私が使っているlivedoorBlogには各記事の右下に「拍手」という部分があります。フェイスブックなどの「いいね」に相当するものなのでしょう。普段このブログの記事にはほとんど拍手はつきませんし、ついても普通は数個なのですが「栗田八段のインタビュー」になんと17回もの拍手が!! これは何を意味するのでしょうか。栗田八段のファンが目をつけた? 謎です…

昨日は川越順位戦に出場しました。やはりテレビ放送の影響か普段よりも多くの小学生が参加しており、急遽キッズ部門が設けられました。私は一般部門に参加。


  第1局 黒番。どう打つ? 
  ●川上英一 Kawakami Ei-ichi
  ○村上 健 Murakami Takeshi

川上初段には久しぶりに会いました。以前新宿歌舞伎町の囲碁・オセロサロン「宇宙(コスモ)」でオセロの大会や練習会が行われた頃の選手です。それ以降初めての大会参加とのこと。こんなふうに昔の選手が復帰してくれるのはとても嬉しいですね。試合は序盤から未知の展開になりました。図で打たれた黒e1→白f1の交換が悪手。次は再び黒番なのであまり得になっていません。c列が黒一色になると白からc1→b1と連打されるのも負担です。図の正解は上辺に手をつけず単に黒c6。これなら次に黒f1があります。白がそれを嫌ってb5と打てば黒a5と滑ってa6に黒の余裕手が残ります。このような方針で打てば互角でした。実戦は白c1→b1の手稼ぎが実現して白必勝形になりました。  



  第2局 黒番。どう打つ? 
  ●佐治亨哉 Saji Kouya
  ○村上 健 Murakami Takeshi

26は白g2が第一感でしたが、以下黒c6→白g1→黒h1→白h2→黒e1…で白不利と判断して切り捨ててしまいました。しかし実は26白g2→黒c6の時に白h6!といううまい手があって白優勢でした(以下黒h1なら白h2→黒h7→白d7…。黒h7なら白g1→黒e1→白c7→黒d7→白d1…)。図の正解は黒h2。こう打たれると白はg2ぐらいしか手がなく(白h7は黒g2で困る)、黒は将来h1の隅を取ることで労せずして不安定な右辺を確定石にすることができます。30は黒h2を防いでg2に打つべきでした。30が急所を外した手。しかし黒もh2は選択肢に入っていなかったらしく31d7。これが敗着となりました。  



  第3局 黒番。どう打つ? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○中村和樹 Nakamura Kazuki

28が種石消しの好手で優勢を感じました。しかし次の30が緩手。ここは白a4→黒a5→白e7…と進めるのが良かったようです。以下実戦の33、34はほぼ必然。そして図で打たれた黒a4が敗着となりました。ここは黒d1→白b1→黒a6…と進めればまだこれからの勝負でした。  



  第4局 白番。どう打つ? 
  ●岩倉広明 Iwakura Hiroaki
  ○村上 健 Murakami Takeshi

序盤から優勢を感じたのですが35となった局面で迷いました。白a3→黒a2の交換を入れるべきなのかがまず分かりません。結局確信を持てないままその交換を入れて次の手でまた迷います。白d7とe7のどちらが良いのか? またまた結論が出せずに白d7。黒は必然のe7で図。ここでも全く考えがまとまりません。オセロはこのような段階(中盤の終わりから終盤の入り口、具体的には40手目前後)が一番難しいと感じます。強い選手はこのあたりで終盤の展開をかなり具体的に想定して手を選びますが、残念ながら今の私にはそのあたりの力が欠けています。結局考えがまとまらずに図で白h6。これが悪手でした。ゼブラの分析によれば図の最善は白e8!で+12局面。白h4及びh6で+2局面。あとは全て白の負けです。しかし答えを知っても「なぜ図でe8だと勝てるのか?」という肝心の理由がどうもよく分かりません。ブラックラインとホワイトラインの通り具合を正確に把握し、かなり先まで手順を想定しないと確信を持って図の白e8が良いとは判断できないでしょう。やっぱりオセロの終盤は難しいです…。さて実戦は43で左辺の山を一色にするのが好手。次は 白d8が唯一勝てる(白+2形勢)手らしいですが私はc8。45と打たれてまた悩みます。46の正解は白f8→黒d8→白b7→黒g2→白h1→黒h2→白b2! これで白相当粘れるようです(黒+2形勢)。でも私はb2の手が浮かばず黒g2までで必敗と判断してしまい消去法で46をh4に。しかし黒h7と取られてこれは明らかに白敗勢です(次白g2は黒h1→白h2→黒a1で白はb2に打てません)。俎の上の鯉の気持ちで48白f8。次黒d8で白負けなのは分かっていましたが、万が一黒g8なら白g7!で逆転します。最後の長考に入る岩倉五段。そしてなんと黒g8へ。。。局後に聞いたところ49黒d8は白g2以下黒が最後にb8に打たされ白a8→b7と連打されると勘違いしてしまったそうです。51も黒g2ならまだ白が間違える余地がありました。非常に幸運な逆転勝利でした。



  第5局 黒番。どう打つ? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○北野大地 Kitano Daichi

序盤は「あっくん定石」。世界選手権で準優勝した髙橋晃大(たかはし・あきひろ)五段の愛用定石を真似させてもらいました。中盤は互角の戦い。36は白c1→黒h1→白a1と打ちたくなりますが、以下黒h5→白a2→黒h2となるとg2が黒の余裕手で白劣勢。36白a1も黒b1→白a2→黒h1で次白がどこに打っても大きく黒壁が破れます。従って実戦36は黒に左上先打を許すのですがやむを得ないところ。図は白がb7とX打ちした場面です。ここで私の打った黒h7が大悪手。黒a8→a7の連打を狙った手ですが、北野五段がこんな簡単な狙いを見逃すはずがありません。当然のように46と打たれて一気に形勢不明になってしまいました(これで黒a8には白a7に打てます)。図ではh7を温存して黒c7が当然の一手。なんでこんな簡単な手を見逃したのか自分に呆れます。47も白g7に打たれることが分かっていながら他のベターな構想が思いつかずに打ちました。これが敗着です。もっとも47の正解(f7。黒+2形勢)を打っても以下の寄せは難しく結局は逆転負けしていたでしょう。やっぱり私は終盤が最大の課題だな、と思いました。



  第6局 白番。どう打つ? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○中村倫太朗 Nakamura Rintarou

これもあっくん定石から未知の序盤戦に。図で打たれた白a3が敗着。黒a2と取られて再び白番。しかも白a3→黒a2の交換を入れてしまったために本来あったはずの白a2の余裕手が消えてしまっています。実戦を進めてみれば分かりますが黒はa5→b5→b6と左辺方面に3手も余裕手ができて必勝形です。麻布生の多くに共通することですが「引っ張り&種石切り」の脅威を過小評価しているように思います。自分でそういう展開を打たないからでしょうか。私は自分が引っ張り好きなので、常に相手からも引っ張られたり種石を切られたりする可能性を考慮し警戒しながら打っています。そう考えると、色々な棋風の試合を試してみることはきっとプラスになりますね。

結果は5勝1敗で優勝! 非常に嬉しかったです。私は所用で終了後すぐに帰宅しましたが、他の参加者は年末恒例のビンゴ大会を楽しんだようです。ちなみに優勝賞品は宝くじ。テレビ対局でだいぶ運を使ってしまったので多分当選することはないでしょう。でも楽しみです。

来年の麻布学園オセロ部春合宿の日程は3月23日(金)~27日(火)です。この合宿に関して高梨九段のツイッターにこんな投稿が!!

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これは非常に嬉しいです。5回世界を制し現在世界ランキング1位の高梨九段と打つ、あるいは対局を間近に見ることはオセロ部の諸君にとってまたとない貴重な体験となることでしょう。この合宿は麻布の部員以外にOBや東大オセロ部も参加し、オセロに熱意のある方のゲスト参加も歓迎しています。詳しくは
この記事を御覧下さい。

このブログの右上にある「リンク集」の下にある「記事検索」で「合宿」と入れて検索すると、過去の合宿に関する記事を見ることができます(多数の写真あり)。参考にして下さい。多くの方の参加を期待しています。

先日麻の葉セミナーの記事を投稿しましたが、その後新たに写真が手に入ったのでご紹介します。写真を提供して下さったPTAの谷田さんと鈴木さんに感謝いたします。

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先週土曜日はりんかいチャレンジカップに参加しました。テレビ放送の影響か人が多くて驚きました。ビギナー部門はなんと27名の参加。その多くが初参加の小学生のように見えます。あっくん(髙橋晃大五段)効果絶大ですね! 3部門合わせて51名と大盛況でした。私はアドバンスト部門に参加。


  第1局 黒番。どう打つ? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○岡本一樹 Okamoto Kazuki

27は第一感黒h2でした。私の棋風からしてこちらが自然で、やはりこう打つべきでした。図で私の打った黒e8が大悪手。ここは黒e1あるいはf1と上辺に打つべきでした。次に白f2なら黒a3で、b5の窪みが黒の余裕手になります。白f2以外なら黒がf2。これは上辺で黒が連打して手得。これが正しい構想で形勢互角。実戦は黒がe8→d8と下辺を連打して白が白a4→b5と左辺を連打する交換になりましたが、もともとの形(図の局面)は左辺に黒から色々好手がある一方で下辺もほとんど白壁で黒の手が多い状況です。つまり「左辺+下辺」はトータルで黒が得できる形。それなのに実戦32までとなると「左辺+下辺」は互角の分かれ(左辺は白壁で下辺は黒壁)で収束し、なおかつ次は黒番。どう考えても黒にとって割に合わない流れなのでした。38は奇数空きに先着する好手。黒g8なら白h1→黒h2→白g7が簡明です。終盤は黒にチャンスがありませんでした。  



  第2局 白番。最善手は? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○中島哲也 Nakajima Tetsuya

序盤から難解な局面が続き図へ。ここで打たれた白e8が敗着。中島八段は図で白b8は黒b7や黒e1で白負けと読んだのですが、図から白b8→黒b7→白f1→黒g2(白a8を防いで必然)→白a6(これで斜めが返るのがポイント)→黒a8→白e8(先ほどの斜め返しでe2が白になったお陰で縦が全部返る)→黒a7→白h1…は白の2石勝ち。図から白b8→黒e1→白f1→黒g2(白a8を防いで必然)→白a6(これで斜めが返るのがポイント)→黒b7→白e8(先ほどの斜め返しでe2が白になったお陰で縦が返る)→黒a8→白a7→黒g1…も引き分け。両方とも非常に読みづらい展開なので白が切り捨てたのも無理はないでしょう。オセロの終盤の難しさです。53は16石差損の大緩手(a6で黒の+18形勢)ですが、幸い黒に残っていました。  



  第3局 黒番。どう打つ? 
  ●伊藤悠史 Itou Yuushi
  ○村上 健 Murakami Takeshi

伊藤四段は麻布オセロ部OB。しばらくオセロから遠ざかっていたようですが最近大会に復帰しています。嬉しいですね。図で黒はd6。これが少し緩かったようです。次の白g3が右辺の手止まりの一手で、黒はd6に続いて再び左方面に打たねばなりません。21で黒h7なら白に手を渡せますが、白e7と窪みに埋められてやはり黒劣勢。図では黒g3が正解。以下白h2なら黒h7。白d6なら黒e7です。これなら互角でした。24と打たれると黒は左方面の白壁を破らざるを得ず、一度破るとどんどん白壁が崩れて逆に黒壁になっていく負のスパイラル。以下白の勝勢です。30、34で手を稼ぐのが良い詰め手順です。  



  第4局 黒番。どう打つ? 
  ●谷田邦彦 Tanida Kunihiko
  ○村上 健 Murakami Takeshi

中盤は白好調と感じていたのですが、31が私の予想していなかった好手。やはり形勢は互角のようです。以下非常に微妙な展開。図で黒はa5→白a4→黒c8。これが実質的な敗着でした。以下実戦の流れで黒敗勢。49で黒e8と打っても白g7で簡明な偶数形です。図の正解は左辺を放置して単に黒c8。次にもし実戦と同じように白がf8に打てば黒f7→白g8→黒e8→白g7→黒a5!→白a4→黒h8→白h7→黒a2!→白a1で黒パス。なんと残りの空きが全部ハイパー偶数(黒から打てない偶数空き)になって黒の引き分け勝ち形勢なのでした。これは実にうまい手順ですね。ぜひ並べてみて下さい(棋譜の右下のPutをクリックすると盤面の色が変わり、好きなように手を進めることができます)。実戦はb6が白石のために黒はb7に打たされてしまいます。やはり左辺にあるような2個空きは、なるべく後回しにして最高のタイミングを計って打つべきなのですね。ちなみに図で黒c8と打った場合の白の唯一の勝ち筋は白f7→黒f8→白g7。確かに次黒h8なら白h7でg8が白の余裕手。黒g8なら白h8→黒h7→白e8…の下辺取り。どちらも白勝ちではありますが、白f7→黒f8でf列の白石を全部黒に持って行かれるのが見えているだけに非常に打ちにくい手順です。図で黒c8と打たれたら白f8と打つ人が多いのではないでしょうか。それが手筋に見えますし、私も多分そう打ったことでしょう。  



  第5局 白番。どう打つ? 
  ●上倉大亮 Kamikura Daisuke
  ○村上 健 Murakami Takeshi

これも序盤から難解な展開。図で私の打った白d8が悪手でした。ここは局後に上倉六段が指摘した白c1がベター。次に黒a4で白困ると私は考えたのですが、そこで白e7あたりからボチボチ進めれば互角だったようです。このあたり私の大局観がちょっとずれていました。実戦は31~33が黒の好手順。次白e7なら黒e8で黒好調です。以下私も粘ったつもりですが全く粘れておらず完敗。参りました。



  第6局 白番。どう黒を詰める? 
  ●末國 誠 Suekuni Makoto
  ○村上 健 Murakami Takeshi

序盤17がやや緩かったようです。中盤は白がうまく打って優勢でしたが…。図で私が打った白b3が大悪手の敗着。ここは白a3→黒b8→白c3→黒b3→白g7!なら一本道で白の勝勢でした(以下黒g1なら白h1→黒h8→白e1…)。この詰め手順が見えなかったのは情けないです。最後は大敗になりました。

結果は3勝3敗の6位。テレビを見て来た人に良いところを見せたかったのですが残念ながら平凡な成績に終わりました。天才キッズの髙見澤君はチャンピオン経験者を軒並み破り、元祖天才キッズの末國九段(優勝)に2石負けしただけの5勝1敗で準優勝! 恐るべき強さです。よくテレビ対戦で勝てたものです…。 

私としては非常に内容の充実した、勉強になる試合が多い大会でした。次は12月17日に埼玉で開催される
川越順位戦に参加予定です。楽しみです。

明日はりんかいチャレンジカップに参加予定です。この大会はアドバンスト部門、インターミディエイト部門、ビギナー部門と3部門に分かれて対戦を行います。初めて大会に参加する方には参加しやすい大会でしょう。ビギナー部門に参加すれば、とりあえず有段者にコテンパンにされることはありません。

「天才キッズ全員集合」を御覧になった方は感じたことと思いますが、対局時計を使って20分の持ち時間を計りながら、じっくりと対面で打つオセロには、ネット対戦やAI対戦にはない面白さ、緊張感があります。テレビを見て興味を持った方、ぜひご参加下さい!!

先日参加したシーサイドオープンの棋譜です。


  第1局 黒番。どう打つ? 
  ●桑原周平 Kuwabara Shuuhei
  ○村上 健 Murakami Takeshi

6は最近試みている手。図で打たれた黒d1が敗着となりました。図の正解は黒h5!→白h6→黒c6。実戦は右辺で白が手止まり(h7)を打った時に黒は左方に2手目(黒d1そして黒c4)を打っています。一方正解手順だと右辺で白が手止まり(h6)を打った時に黒は左方に1手目(c6)を打つだけです。つまり黒は一手手得しており、それだけ左方の白壁を破る量が少ないことになります。正解手順はh7に白の余裕手が1手残っているので厳密に言えば黒は手得していないのですが、その余裕手を打つための種石がなく白はとりあえず右辺以外の場所に打たなければならない、という点で正解手順は実戦手順よりも大きく勝るのでした。中盤以降は黒敗勢です。  



  第2局 白番。どう打つ? 
  ●北島秀樹 Kitajima Hideki
  ○村上 健 Murakami Takeshi

ベテラン同士の対戦。図で私が打った白a6が敗着。ここは白a7!→黒??→白a3が絶妙手順でした。これで白はe1に先着することができます(黒が先着すると白b1のあとにg1に白の余裕手ができます)。これなら互角でした。実戦31以降は北島七段の打ち回しが正確を極め、まったく逆転のチャンスがありませんでした。  



  第3局 黒番。どう打つ? 
  ●伊藤優作 Itou Yuusaku
  ○村上 健 Murakami Takeshi

対戦前に「2ヶ月ほど前に村上さんの本を買い、そこに載っていた村上さんのブログを見て勉強しています」という嬉しい言葉をいただきました。今日は息子さんと参加。非常に筋が良く私は苦戦しました。ゼブラの評価だとそれほど悪くないのですが、序盤はずっと白が悪いと思っていました。図は岐路となった局面。ここで打たれた黒e8は疑問手で、d7を黒くしてしまうと白a7→a8の狙いが生じます。図で黒c2ならまだまだこれからの勝負だったでしょう。  



  第4局 黒番。どう打つ? 
  ●工藤悠誠 Kudou Yuusei
  ○村上 健 Murakami Takeshi

黒がひっぱり白がしのぐ、非常に怖い展開になりました。恐らく黒の敗着は図で打たれたh4。この黒h4は次の黒h5→白h6→黒h7とセットになっており、黒は右辺で2手手得できます。実戦はこの必殺の手得を繰り出すタイミングを誤りました。白には左辺方面にまだ何手かある状況なので、そこに先着する黒b4が正解。以下左辺方面で白とやり合ってから黒h4→h5を使うのが良かったようです。34となると白にはa4やd8などにまだ手が残っており、h5の一手の余裕でだけでは白を詰めることができない形になってしまいました。以下白勝勢です。  



  第5局 白番。どう打つ? 
  ●岡本一樹 Okamoto Kazuki
  ○村上 健 Murakami Takeshi

序盤16が好手で手応えを感じました。しかし白もb2のX打ちを強制されて(白a3は黒b6→c6の連打)難しい形に。36と再びX打ち。ここはb6もありました。37はa6がベター。図ではe8に打ちたくなりますが黒g8→f8の連打を与えて逆転。実戦のf8が正解です。以下偶数理論で勝ちきることができました。  



  第6局 黒番。どう打つ? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○高梨悠介 Takanashi Yuusuke

5回目の世界チャンピオンになったばかりの高梨九段と対戦。26までは今年のパリオープンでドイツのマシアス・ベルクと打った進行です。27はその時と同じくd2、あるいは黒h5に打つべきでした。図は私が大長考した局面。第一感は黒h3ですが、以下白h4→黒e2→白d1→黒g3→白g2!で黒負けと判断。しかし実戦の進行も黒は希望が見えません。可能性は低いですが高梨九段が応手を誤る可能性に賭けて図ではやはり黒h3と打つべきでした。30以降は黒敗勢。この試合は完敗でした。

結果は4勝2敗で第4位でした。 

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