村上健のオセロ日記

趣味のオセロやフランス語に関する記事を投稿しています。私(村上)のメールアドレスは「私の姓のローマ字書き+アットマーク+dx.catv.ne.jp」です。

大会3日目、決勝トーナメントの解説映像です。小出さん率いるスタッフの尽力によりとても見やすい画面になっています。選手の表情を見ることができるのもいいですね。私も解説役の一人として参加しました。手術後の喉の麻痺により十分な声が出ず不安がありましたが、性能の良いマイクのお蔭でなんとか解説を視聴者の皆さんに届けることができました。

今回の世界選手権にお手伝いとして参加し、数々の印象的な場面を目撃することができました。この場面は生で見たわけではなく、ラインライブの解説場にあるモニターで見ただけです。しかし最も深く私の印象に残っています。決勝第2局に勝ち、初めて世界タイトルを獲得した直後のPiyanat Aunchulee選手(タイ)です。こんなに素敵な笑顔はめったに見ることができませんね。(音声なし)

もうすぐ水戸に到着するので、最近のコメントへのお返事はまた後日にいたします。

今水戸に向かう電車の中です。中間試験の出題&採点、休む間の仕事の準備などもあって慌ただしく、先日参加したスーパーリーグの解説が未完になっていました。取りあえずざっと解説して投稿します。第100回神奈川オープンの棋譜は水戸滞在中に時間が取れれば投稿しますが、無理かもしれません。


  第1局 黒番。どう打つ? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○高橋 永 Takahashi Hisashi  

左辺で手得して黒やや優勢を感じていました。しかし37が悪手。ここは黒g3→白g4→黒d1!が優勢を維持する手順らしいのですが全く浮かびませんでした。38は好手。この手でg4は黒b2で敗勢。そして図。これは一番悩んだ局面です。黒b2→白a1→黒b7や、黒d2→白b2→黒b7、あるいは黒c1→白b1→黒d2→白b2→黒b7、など色々考えましたがなかなか優勢を確信できません。結局左上方面は温存してf2に打ったのですがこれが大悪手でした。図の正解はやはり黒c1→白b1→黒d2→白b2→黒b7→白e1→黒a1→白a2→黒g7→白a8→黒b8→白h6→黒h8→白h7→黒g3…。これで引き分けの形勢。私もこの手順は考えましたが最後の黒g3の後引き分け勝ちに持ち込めるところまでは読み切ることができませんでした。白44は悪手。ここはh7で白優勢。48が敗着。白c1→黒e1→白a2…で白+4形勢らしいですが難しい。最後の数手まで数え切れず、非常に苦しい試合でした。  



  第2局 黒番。最善手は? 
  ●谷田邦彦 Tanida Kunihiko
  ○村上 健 Murakami Takeshi  

35は黒g4→白g2が嫌でした。この交換を入れてから黒f8に打たれると白厳しそうです。37もg4がベター。黒は「右上の白から打てない3個空きを温存する」ことを重視したのですが、この3個空きは後々あまり得になりません(白a1→黒b1の後、黒h1なら残りの2個空きで白が手止まりを打てる。黒g2なら白h1で上辺を白に取られる)。図で打たれた黒h6が実質的な敗着。白c7で後が簡明になりました。図では白の好所に先着する黒c7!が最善。こう打たれると白はg8ぐらいしかなく、この交換を入れてからの黒h6が好手順。以下白h5→黒h7!…で僅か白+2形勢。これなら黒にも十分チャンスがありました。  



  第3局 黒番。唯一勝てる手順は? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○高梨悠介 Takanashi Yusuke  

図では黒e8→白g8→黒b8が唯一の勝ち筋でした。と言っても以下白g1の後の打ち方が非常に難しく黒が勝ち切るのは容易ではありません。終盤黒は左上を白から打てない5個空きにしましたが、白の確定石が多く逆転には至りませんでした。  



  第4局 白番。どう打つ? 
  ●大郷 卓 Ohsato Suguru
  ○村上 健 Murakami Takeshi  

図で私は残り時間(5分程度)を全て投入して長考しましたが、残念ながら白の勝ち筋は見つかりませんでした。白b7で勝てそうに見えるのですがそれは黒a3→白a1→黒b2!→白b1→黒b8…の好手順で白負け。図は「どう打っても白勝てない」が正解です。  



  第5局 白番。最善手は? 
  ●末國 誠 Suekuni Makoto
  ○村上 健 Murakami Takeshi  

図は白h3が最善でした。黒g7を与えていかにもまずそうに見えますが、黒g7(最善)→白b1!が好手順で黒は次の手に困ります。黒はh7に打てず、黒g8は白h8でh7に割り込めません。かといって白h→黒g7→白b1→黒h2→白h1→黒g1→白g2→黒a1と上辺を取るのは次の白g8!できれいに偶数に入って負け。白h3→黒g7→白b1の局面はコンピューターの評価では黒+2ですが、黒の手がかなり難しく白に十分チャンスがありました。実戦は図で白b1。次に黒h7と打たれて白のチャンスがなくなってしまいました。  



  第6局 黒番。どう寄せる? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○菱山裕一 Hishiyama Yuuichi  

この試合は序盤からずっと難しい局面が続きました。黒は優勢に見えるものの偶数理論が強力でなかなか明確な勝ち筋が現れません。図で私は勝ちを読み切れないままに黒a6。これが凡手で白は偶数理論を維持。最終的に黒が6石残っていたのは偶然のようなものです。図では黒f8→白c8→黒g7!が綺麗な手筋でした。次に白g2なら黒h1からh8。白b1なら黒g2!→白h1→黒g1→白パス→黒a6…で簡明です。  



  第7局 白番。最善手は? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○長野泰志 Nagano Yasushi  

22が長野七段らしからぬ悪手。次の黒e8が絶好手です。しかしそれ以降の白の粘りが的確で形勢は互角に。図で打たれた白a3が実質的な敗着。黒にa5と打たれるとホワイトラインにも黒石が載って白は粘れない形になっています。図の正解は白a5。以下黒a3なら白a2。黒a6なら白a3→黒a2→白g7! いずれもホワイトラインが白一色になっているのが大きく白が粘れる形でした。  

結果は4勝3敗で6位。高梨世界チャンピオンと末國前世界チャンピオンに善戦し、長野全日本チャンピオンには勝ったのでなかなかの内容だったと思います。

明日は第100回神奈川オープンに参加します。過去の優勝者と世界大会参加者は参加費無料となるそうです。この大会の案内はOthello Newsにも載っています。そこにはなんと私と福地君の写真が!!
無題
これは龍見六段が撮影してくれた写真で私はとても気に入っています。それを使ってもらって嬉しいです。明日は高梨九段も参加するそうですし、きっと多くの選手が参加することでしょう。楽しみです。
 

メガハウスが作成した世界選手権のプロモーションビデオです。過去の世界選手権で撮影された写真がいいですね。現世界チャンピオンで今回の優勝候補筆頭である高梨悠介九段のインタビューもあります。私は選手ではなく運営サポーターとしての参加ですが、このPVを見て気分が盛り上がってきました。高梨九段が為則九段の記録に一歩近づくのか、それとも長野七段が麻布オセロ部出身者として初の世界チャンピオンに輝くのか。他の選手ももちろん強豪揃いです。あと一週間で開幕です。(世界選手権公式ホームページ

10年に一度日本で開催されるオセロの世界選手権大会。今年は第40回大会という節目の年で11月1日から日本の水戸で開催されます。私は2日ほど有休を取って連盟の運営ボランティアをすることになりました。具体的な仕事内容はまだ言われていませんが、多分棋譜取りや通訳をすることになると思います。1日は学校の仕事を終えたらその足で水戸に行きウエルカムリセプションから参加する予定です。

海外から来る多くの選手に久しぶりに会うことができます。 高梨世界チャンピオンや長野全日本チャンピオンを始めとする代表選手たちの戦いぶりを間近で見ることもできます。非常に楽しみです。

3人1チームで争うトリオオープン。私は麻布オセロ部部長の小抜君、同中3の中村圭一郎君とチームを組みました。麻布オセロ部関係者はOBも含めると10人以上参加していました。


  第1局 白番。唯一勝てる寄せ手順は? 
  ●結城皓征 Yu-uki Kousei
  ○村上 健 Murakami Takeshi  

中盤はやや白優勢ながら私が緩い手を打ってかなり際どい形勢に。図で打たれた白a6→黒a8→白a1が唯一の勝ち手順。以下黒が左下を埋めるとブラックラインに白が載って白はh1に打てます。図以降の実戦は双方最善手。図で間違えて白a1に打つと以下黒a6→白b7→黒b8!の好手を打たれて引き分け形勢になってしまいます。



  第2局 白番。唯一の勝ち手順は? 
  ●玉木恭太郎 Tamaki Kyoutarou
  ○村上 健 Murakami Takeshi  

黒の敗着は41g3。ここは黒a8→白a7→黒a2が最善でした。これならa4とb8がお互いに余裕手で白番。白g3は黒g5で右上に白から打てない3個空きができるためg3はほとんど黒の権利です。従ってg3を急ぐ必要はありませんでした。図で私は白a7→黒a8→白g5。これが好手順で黒は以下どう打ってもg1に打たされてしまいます。  



  第3局 白番。最善手は? 
  ●高梨悠介 Takanashi Yusuke
  ○村上 健 Murakami Takeshi  

非常に難しい局面が続き図で私の打ったb8が実質的な敗着。ここは白a7で黒に手を渡すべきでした。こう打たれると黒はかなり難しくまだまだ良い勝負。図で白a7のあと黒a3は白c8!→黒b8→白a2→黒b2→白b1!→黒h1…と辺を取り合って白の4石勝ち。白a7→黒a2なら白b8で白+8形勢。白a7→黒b2なら白a3!→黒a2→白b1!→黒a8→白b7…で引き分け形勢。白a7に対する黒の唯一の勝ち手順は黒b1!→白a1→黒a3!→白a2→黒h8→白b2→黒h2…。  



  第4局 黒番。唯一の勝ち手は? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○長野泰志 Nagano Yasushi  

右辺に敢えてストーナーを掛けさせる構想がうまくいき黒やや優勢の中盤戦。しかしその後形勢は細かく揺れ動きます。そして図で私の打った黒a8が敗着。ここはa1が正解でした。以下白a2→黒a4→白a5→黒a8…なら黒は左辺を全て取って明らかに実戦よりも得(黒+2)。白はa2以外にも色々と選択肢がありますが、いずれも黒が細かく勝っていました。図の黒a8以下は双方最善で白の2石勝ち。途中までうまく打てていただけに残念でした。  



  第5局 白番。どう打つ? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○和泉貴士 Izumi Takashi  

図では白d1→黒c1→白b1→黒b3→白b6…なら互角でした。実戦は図で白b3→黒c1。これは上辺の形が白にとってあまり良くありません(白d1なら黒g1でb1が黒の余裕手。白が上辺放置ならいずれ黒d1→白b1で上辺が白のウイング)。以降は黒優勢になりました。  



  第6局 白番。最善手は? 
  ●船津あすか Funatsu Asuka
  ○村上 健 Murakami Takeshi  

黒は11f7が良くなかったようです。図で白がh5と打った後は黒がどんどん苦しくなってしまいました。  

個人成績は4勝2敗。チーム成績は2勝4敗でした。チームの成績はいま一つでしたが個人的には良く打てたと思います。特に現世界チャンピオンの高梨九段と現全日本チャンピオンの長野七段の二人と良い勝負ができたのが嬉しかったです。結局どちらの試合も負けてしまいましたが、終盤をもっと鍛えて今度は勝てるように頑張ります。

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デンマークでは1930年代から70年代にかけて知的障害を持っていたり反社会的行動を取った男女に対して強制的な不妊手術を行っていました。ナチスと似た優生学思想によって人生をめちゃくちゃにされた女性、彼女に手術を施したエリート医師が物語の軸になっています。この医師は自分の行いが正しいと信じ、90歳近くなってなおエネルギーに溢れ、自分と志を同じくするエリート達と共に新たな政党の創設を目論んでいます。非常に面白い小説でしたが、この医師がなぜそこまで「純粋で優秀なデンマーク人」にこだわるのか、という部分があまり描かれていないのがちょっと気になりました。


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タイトルは「黒い睡蓮」。晩年の20数年間スイレンだけを描き続けたフランス印象派のモネ。モネの住んでいたノルマンディー地方のGivernyが舞台です。これはすごい小説でした。今まで私が読んだ小説の中で確実に5本の指に入るでしょう。特に最後の60ページ余りは。。。フランスで多くの文学賞を受賞しているのも頷けます。人生、そして男女の愛憎についてこれほどまでに考えさせる小説はめったにないと思います。本当にお勧めです。読んで絶対に後悔しないと思います。


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「黒い睡蓮」は読み終わると絶対にもう一度読み直したくなる小説で、私もこのダニエル・シルヴァの本がなかったら読み直していたでしょう。でも一ヶ月ほど前にアマゾンフランスで注文したこの本が既に届いていたので、こちらを読み始めました。この本は私の大好きなシルヴァの近作(昨年出版)です。主人公はイスラエル情報局(モサド)のエージェント・Gabriel Allon。表紙の写真(最近の007シリーズでボンドを演じているダニエル・クレイグとロンドン金融街の風景)とタイトル(英国のスパイ)からも連想される通りイギリスが主な舞台の一つになっています。冒頭でチャールズ皇太子とダイアナ妃の出会いから離婚に至る経緯が描かれます。名前は出さずに「未来のイギリス王」と「その妻」という描き方ですがこれがダイアナ夫妻を指しているのは明らか。そして離婚後カリブ海のクルーズに出た「未来のイギリス王の元妻」が、クルーズ船の爆発によって亡くなります。現実のダイアナ妃の事故も謀殺説が出ていますが、この小説ではこの事故がテロリストによる爆殺であることが明確に描かれます。犯人の身元を探り出したモサドがイギリスMI6(秘密情報局)の局長にコンタクトを取り、モサドのAllonと元MI6エージェントのKellerによる共同捜査が始まります。目的は元皇太子妃の爆殺犯を探し出し、抹殺すること。小説の舞台はサン・バルテルミー島、イタリア、イギリス、アイルランド、コルシカ島、ポルトガル、と目まぐるしく変化します。どんどん先が読みたくなり、読み始めて数日で既に3分の1まできました。これからの展開が楽しみです。

今日の流山オープンは22名が参加。私と同じように今日が休みになった麻布生も6人来ました。


  第1局 白番。最善手は? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○中澤純一 Nakazawa Jun-ichi  

図では白a3と打たれるのが嫌でした。これで黒g7を消されるとなかなか黒g7の種石を作ることができません(黒b4は斜めも返ってしまう)。これならまだ良い勝負。実戦はここで白a5→黒g7。g7に打てて黒が優勢になりました。



  第2局 黒番。どう打つ? 
  ●香取通浩 Katori Michihiro
  ○村上 健 Murakami Takeshi  

図では黒c7あたりからぼちぼち行くのが良かったようです。それでも白やや優勢。実戦では図で黒a4。白壁を破ってしまい以下は白勝勢。 



  第3局 黒番。最善手は? 
  ●倉橋哲史 Kurahashi Satoshi
  ○村上 健 Murakami Takeshi  

図で倉橋四段は黒b5→白b4→黒a3。この流れが良くなかったようで以下白優勢に。図ではf5が天王山。今打たないと白g1で打てなくなります。  



  第4局 白番。最善手は? 
  ●和泉貴士 Izumi Takashi (Black had the right to win in case of draw)
  ○村上 健 Murakami Takeshi  

図で私は白a4。黒g2を消す最善手だと信じていたのですがこれが12石差損の敗着。ここは白a2が良かったようです。ぜひ図から実戦の流れを並べてみて下さい。なんと双方最善で進み引き分け! 引き分け勝ちを持っていた和泉四段の勝利となりました。  



  第5局 黒番。最善手は? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○中村和樹 Nakamura Kazuki  

実戦は図で白a4! 色々と通す大胆な手ですがやや打ち過ぎで以下白苦戦。図では白f2が良かったようです。 



  第6局 黒番。最善手は? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○五十部真樹 Isobe Masaki  

図は黒h7が最善。次白c2なら黒d8→白c8→黒d7で黒十分。白d7(最善)とブラックラインを切ってくれば黒g1!でc2とc7の白の手を同時に消すのがうまくこれなら互角の勝負でした。実質的な敗着は39g1。ここも黒h7でまだ難しい勝負です。40以下は白勝勢。五十部二段の鉄壁の寄せに手も足も出ませんでした。

優勝は6戦全勝の和泉四段、準優勝は5勝1敗の五十部二段、そして第3位は4勝2敗石差トップの私でした。

10月1日は勤務校の運動会が開催される予定でしたが天候不順のため日曜日に延期されました。思いがけず土曜日が休みとなったので明日は流山オープンに参加予定です。楽しみです。

先日Othello Newsに載っていましたが、フランスのエマニュエル・ラザールさんが過去の世界選手権の棋譜データをまとめたWorld Othello Championships history(オセロ世界選手権の歴史)が公開されました。このサイトにアクセスし画面左上のSelect a yearのプルダウンで見たい年を選び横のOKをクリックすると、その年の世界選手権の全棋譜、ラウンドごとの順位などが見られます。ここ数年の世界選手権で公開されていたサイトの形式で過去の世界選手権の試合を楽しむことができるのです。

まだ完成版ではないようで1987年以前の大会(第1回~第11回大会)は別形式になっています。奇しくも私が初めて出場した世界大会(1988年パリ大会)以降の大会について全てのラウンドの結果、全ての試合をハムライトで閲覧することができます! これは本当にすごいことだと思います。読者の皆さんもぜひこのサイトを覗いてみて下さい。

昨日は1時間目、2時間目と中1の英語の授業。3時間目と4時間目は高校生のフランス語の授業。休む間もなく仕事をしてからダッシュで品川に駆けつけました。


  第1局 黒番。最善手は? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○菅原美紗 Sugawara Misa  

図で打たれた黒a5が好手。次に白a4なら黒f6。白f7なら黒a4。つまり左辺と右下方面を見合いにしています。しかも図で白a4→黒f6の時に白e1(普通はこれが好手)と上辺に当てると黒a3でa2が黒の余裕手になります。以下特に黒に悪手は見当たりませんが形勢は徐々に白に傾いていきました。  



  第2局 黒番。最善手は? 
  ●大島祐輔 Ohshima Yusuke
  ○村上 健 Murakami Takeshi  

図は「コの字の中に埋める」黒a5が最善でした。次に白h4で白優勢とはいえまだ黒も戦えます。実戦の黒c8はやはり壁作りの悪手。その後黒は29で斜めを返し忘れる見落としがあり白勝勢になりました。  



  第3局 白番。どう打つ? 
  ●谷田邦彦 Tanida Kunihiko
  ○村上 健 Murakami Takeshi  

図で私は白f4!→黒c1→白b1。次に黒c6なら白a3があって戦えると考えたのですがこれは大局観を誤っていました。実戦の流れを追えば分かるように以下黒必勝形。図ではa6かg4がベターでした。  



  第4局 黒番。最善手は? 
  ●佐治亨哉 Saji Kouya
  ○村上 健 Murakami Takeshi  

この試合は上辺の白の悪形に手をつけずに放置する佐治1級の方針がうまく白相当に厳しい中盤戦。図では黒d8が最強。以下白g8→黒h2となると白は次の手に困ります。これなら黒有望でした。実戦は図で黒h2→白d8。急所のd8に白から打たれ、黒b8なら白b4で手を渡されます。これはダブルウイングの負担もあって黒敗勢です。  



  第5局 黒番。最善手は? 
  ●佐々木康介 Sasaki Kousuke
  ○村上 健 Murakami Takeshi  

序盤から黒やや優勢。白は一手間違えると即座に敗勢になる厳しい局面が続きます。なんとか粘って図の局面。ここで佐々木三段が大長考。黒は色々な寄せ方がありますがそのどれが勝ちでどれが足りないのか判断するのが非常に難しい。この局面で黒の勝ち筋を見つけられる選手が一体どれだけいるでしょうか。勿論私には見つけられません。ゼブラの指摘する最善手(この局面での唯一の黒の勝ち手)は黒f7! 以下白e8→黒h5!が恐ろしい好手順。次白h2なら黒h6→白h4→黒g7。白h4でも黒h6→白h2→黒g7。この二つの手順のどちらもうまい具合にホワイトラインが黒の一色になります。どちらも白が8石負け形勢で、白は図から黒f7→白e8→黒h5の時に自らg7に打つのが最善。その後も超難解。興味のある方は棋譜右下のAI機能を使って確認してみて下さい。オセロの終盤は何と難しいことでしょうか。  

 
  第6局 白番。最善手は? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○岩倉広明 Iwakura Hiroaki  

図は私が黒d1と打った局面。ここで私は形勢を楽観し、岩倉五段は形勢を悲観していました。次に白e1なら黒b2。そこで白がホワイトラインに石を載せれば黒b1。左上で2手も連続で打てれば黒は負けようがないだろう、と両者共に思っていました。ところが図で白e1→黒b2→白d8→黒f8→白h2!→黒h3→白a1→黒h1→白g7!という展開(双方最善進行)は白+2形勢だったのです。手順中白h2の時に黒b1は白g2!→黒h3→白h4→黒h1→白g1。なんとここで黒がb8と余裕手を放出するとホワイトラインが黒一色となり白a1→a2の連打! この筋は全く見えていませんでした。「左上で黒b2→白??→黒b1と手を稼げは黒優勢」という形勢判断は完全に誤っていたのです。図での形勢判断を誤っていたのは岩倉五段も同じで長考の末に白h6! これで黒にd1→e1の連打を与えたのが敗因となりました。  

5連勝の岩倉五段が敗れたために全勝がいなくなり、4人の5勝者のうち一番獲得ポイントが高かった私の逆転優勝。とても嬉しかったです。

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                  (龍見六段撮影)

22日秋分の日はさいたまオープンに参加しました。そういえば昨年のこの大会は終了後にオセロ部のOB会に参加し、長野君にブログの話を聞きました。その後長野君のブログはどんどん充実し彼は全日本を制して七段になりました。あと高崎君にリバーシ大戦の参加の仕方を教わったりもしました。その後入院手術など色々と激動の一年でした。会場は参加者が沢山おり、川端三段による恒例の選手宣誓が行われました。今年の宣誓はリオオリンピックのこと、オセロを発明して世界に普及し先ごろ亡くなった長谷川会長の事、普段我々のオセロを応援してくれている家族のこと、などを交えてとても良い内容でした。今まで何回か聞いた川端三段の選手宣誓の中で一番の出来であったように思います。


  第1局 白番。最善手は? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○石川大嗣 Ishikawa Hirotsugu  

図では右辺h3が良い手でした。ここは黒から打っても好手なので、相手の好手に先着して手を渡す意味があります。実戦は白b3→黒h3と進みましたが、左方面に白壁ができた上に黒h3で手を渡されて白番。一気に白の手が減り敗勢になってしまいました。



  第2局 白番。最善手は? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○小抜 裕 Onuki Yutaka  

非常に難しい展開が続き私は長考の連続。やや黒有利そうですが小抜初段はブラックラインの白通しを活用して巧みに粘ります。図で打たれた白b2が実質的な敗着。ここは白b7が良く、次に黒がg8で右上連打を狙っても白g7でそれを防ぎ、これならまだ細かい形勢(黒+4)でした。

ここで昼食休憩。昼食後は希望者16によるオセロ早返し大会が行われました。私は全盛期20秒を切っていたとはいえ今は相当返しが遅くなっています。麻布オセロ部員も普段は20秒を切るような速さですが、今日は皆いま一つの速度。私はトーナメント初戦、2回戦、準決勝をいずれも25秒で勝ち決勝に進出しました。相手は麻布の浦野三段。決勝戦で私はややもたつき26秒。浦野三段が24秒で優勝しました。おめでとう!

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  石返し大会の様子

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  後藤七段vs和田三段

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  第3局 黒番。どう打つ? 
  ●石田 蓮 Ishida Ren
  ○村上 健 Murakami Takeshi  

図で石田3級は黒b1! これはなかなか工夫した手ですぐに白c1なら黒f1でg1が黒の余裕手。白がc1以外に打てば黒g1で手を稼ごうという狙いです。しかし黒g1には白g3という手があり、f列に黒が載ったら白c1で黒困る(黒f1の時に縦も返る)という負担がありあまり得になっていません。図では黒f1→白g1の交換を入れてから黒b1、あるいは単に黒f5が良く、これならまだこれからの形勢でした。 



  第4局 白番。粘りの構想は? 
  ●大清水崇典 Ohshimizu Tadanori
  ○村上 健 Murakami Takeshi  

31のC打ちが好手で白苦戦。図で私の打った白a4が敗着。ここは白b6→黒b5→白a6→黒a7→白b2!→黒a1→白h1→黒g1→白h4!が絶妙手順。これなら上辺と左辺を与えるもののh3に白の余裕手が残るのでまだ戦えます。私も初手白b6は以下色々と読んだのですが、最後の右辺連打の筋に気がつきませんでした。実戦34以下は黒の勝勢です。 



  第5局 黒番。どう打つ? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○菱山裕一 Hishiyama Yuichi  

図で私は黒c8。これは白b8の取りを期待した甘い手で、以下白c1→c2と白に手を稼がれて粘れない形になってしまいました。図では黒h7が正解。もし白がg2でストーナーを掛けてくれば黒g8→白h4→黒g7…で粘ります。これなら良い勝負でした。実戦黒c8以降は黒にチャンスがありませんでした。 



  第6局 黒番。最善の構想は?(White lost on time at move 60) 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○倉地隆行 Kurachi Takayuki  

黒の引張りを白がうまくかわす展開。図では黒b1→白c1→黒a2が正解。これなら偶数理論でいずれ白はb7に打たざるを得ません。そして黒a5→白b8となり、黒は下辺を取ることができ細かい形勢でした(白+2形勢)。実戦で私の打った黒c1は相手に簡明な寄せを与える悪手。以下倉地四段は正確に寄せます。特に56のh2は好手。ここでうっかり白b8と打つと右上がハイパー偶数(黒から打てない偶数空き)になって白の負け。実戦h2の好手筋で白必勝形になったのですが…。最終手を打ち石を返している最中に白無念の時間切れ! 記録上は私の2石勝ちとなりましたが内容は完敗でした。

最初3連勝で調子が良かったのですがその後は調子が落ち結局4勝2敗で7位でした。会場では色々な方とお話する機会がありました。悲しいお話があり、嬉しいお話がありました。悲喜こもごもの人生を少しの時間ですが分かち合うことができるのがオセロ大会の良さですね。

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  優勝して四段に昇段した菱山選手

今帰りの電車の中です。パソコンの電池がもう切れそうなのでとりあえずざっと棋譜解説を投稿します。

先ほど帰宅しました。今日は朝5時半に起床、5時50分に自宅を出て品川を6時45分に出るひたち1号で水戸に行きました。そういえば昨年はオセロバスに乗って前日に水戸へ行き、ビジネスホテルに一泊したのでした。「また来年もオセロバスを企画します!」と水戸市役所の方が言っていたのですが実現しなかったようですね。残念です。8時15分に水戸駅に着いたところで小林学二段に会い、一緒に会場のトモス水戸まで歩きました。今日は比較的涼しくて良い散歩になりました。会場に着くと東北の選手団に遭遇。小学生グランプリで優勝した和田君とお母様とも話しました。会場は広々として気持ち良く対局に集中することができました。私は朝7時頃に電車の中で朝食を取っただけだったので2回戦のあたりではすでにお腹が空いて結構大変でした。今日の昼食は隣のホテルのレストランで前菜、メイン(牛肉)、デザートまでつく大変美味しいものでした。水戸市の補助があったのでしょうか。コーヒーは飲み放題、デザートも好きなだけ取って良いというものでたっぷりと食事を楽しみました。ただちょっと昼食休憩が短かったのが残念でした。ヨーロッパの大会だと昼食に2時間近くかけたりもするのですが、日本ではどうしても大急ぎでかきこむようになってしまいますね。ところで私は午前の3試合を全勝。メジャーで3連勝スタートはかなり久しぶりの気がします。午後の対戦は冨永八段。この試合は局後に冨永八段が「38手目にX打ちされたあたりからずっと負けてると思っていました」と言ったのが少し意外でした。私の形勢判断は「白足りそうにない」です。ゼブラの評価もこれを裏付けています。大局観では冨永八段に負けていない!のですが、試合に負けたのではしょうがありませんね。4連勝の冨永八段は高梨九段と対戦。試合後トイレで高梨九段に会ったので「どうでしたか?」と聞いたところ「ずっと負けていたのですが、4個空きで冨永さんが連打を見落として逆転しました」とのことでした。どんな試合だったのでしょうか。気になります。5試合目は奈良三段との接戦を制し、最終戦は大森六段に負け。この試合は38手目で黒の壁を破らずに白b3と打っておけばむしろ白が打ちやすかったように思います。大森六段には相当連敗しているはずですがまた負けてしまいました。次は頑張らねば。帰りも歩きました。途中で「豆処・佃馬屋」という店があったので入り、美味しそうな豆や煎餅を家族のお土産に買いました。3種類買って970円。かなり量もあってお買い得だと思いました。妻も喜んで食べていました。帰りの電車ではブログを書き、9時過ぎに帰宅。充実した一日でした。


  第1局 白番。最善手は? 
  ●長尾広人 Nagao Hiroto
  ○村上 健 Murakami Takeshi
序盤から徐々に白の優勢に。しかしちょっとした油断で負けてしまうのがオセロ。図ではb8に打ちたくなりますがそれだと黒a8→白a7→黒h8→白g7→黒h2→白g2→黒g1→白h1と一本道で黒の8石勝ち。正解は実戦の白a8。これならブラックラインとa7~g1ラインが白一色となるために黒が石を稼げません。  



  第2局 黒番。どう寄せる? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○板垣賢一 Itagaki Ken-ichi  

図の正解は黒b8→白c2→黒g4。これで白がg3に打てないため黒優勢です。  

 
  第3局 黒番。最善手は? 
  ●佐谷 哲 Satani Tetsu
  ○村上 健 Murakami Takeshi  

図は白がg8と下辺に当てた場面。ここで打たれた黒c8が敗着でした。正解は普通に黒d8。以下白g7なら黒h8→白h7→黒h1→白g2で左下が黒のハイパー偶数になり黒8石勝ち。黒d8に対して白a8→黒a7としても次白b8なら黒g7で下辺を黒に取られてしまいます(白はc8に打てないのが痛い)。かといって黒d8→白a8→黒a7のときに白c8は黒g7でb8の1個空きを温存されて逆偶数。  



  第4局 黒番。どう打つ? 
  ●冨永健太 Tominaga Kenta
  ○村上 健 Murakami Takeshi  

図で冨永八段は黒a1→白a2→黒g1。これが最強の寄せで、黒b6の稼ぎが残っては白勝てません。図で下辺方面に打つと局面が紛れてしまいます。  



  第5局 白番。唯一勝てる手は? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○奈良颯馬 Nara Souma  

既に秒読みに入っていた奈良三段は図でe1。これが敗着となりました。正解は白b2! 以下黒a1なら白a2。白は偶数理論を堅持して勝つことができます。黒は45f1が逆転の悪手で、ここは黒e1→白f1→黒c2→白c1→黒g1!で奇数理論を維持できます。最後のg1が見えていませんでした。  



  第6局 黒番。唯一勝てる手は? 
  ●大森敬太 Ohmori Keita
  ○村上 健 Murakami Takeshi  

38g6は形勢逆転の悪手。ここは白b3で黒に手を渡せばやや白優勢でした。以下の黒の寄せは磐石。特に図で打たれた黒b7が好手。白b8を与えて損なように見えるのですが、この手で代わりにh7に打つと白h6→黒h5→白g2!という絶妙手順で白勝ちです。本局は大森六段の寄せの正確さが光りました。  

結果は4勝2敗で14位でした。

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     世界選手権の日本代表選手たち
和田三段(小学生代表)、星五段(女性代表)、長野七段、高梨九段、三屋六段 

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