村上健のオセロ日記

主に趣味のオセロやフランス語に関する記事を投稿しています。私(村上)のメールアドレスは「私の姓のローマ字書き+アットマーク+dx.catv.ne.jp」です。

2018年05月

きのうは品川シーサイドオープンに参加しました。


  第1局 白番。どう打つ? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○田中智佳子 Tanaka Chikako

前半は互角の進行。図で打たれた白a6が疑問手でした。ここは白h3と右辺に滑り、黒f1ならそこで白a6とするのが良い手順だったようです。実戦は黒に29の好手を許しました。30は黒a5→白b3→黒b4→白a3で左辺の手止まりを打つことを狙った好手。これでまだ難しいと思っていましたが、やはり左下方面の壁は相当な白の負担。31以降は黒優勢です。  



  第2局 白番。どう打つ? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○長尾広人 Nagao Hiroto

図では白b5と打たれるとやや不利かな、と思っていました。黒h6には白h4、更に黒g6にも白h3があります。ところが白は図でh3! これだと実戦の黒c7→白d8→黒c8が厳しく白苦戦。以下黒が最後まで優勢を維持しました。  



  第3局 黒番。最善手順は? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○末國 誠 Suekuni Makoto

24→25の交換は白損でした。ここはc6で白優勢。以下互角の大激戦が続きます。図で私は黒a6→白a4→黒a3→白a2→黒b3。これで左上にハイパー偶数(黒から打てない2個空き)を作り最後に白b2→黒a1でホワイトラインを取るのが唯一の勝ち筋だと思いました。末國九段もこの筋を読んで「困ったなぁ」とつぶやきます。しかし白はブラックラインと左辺を確保して形勢は微妙。結局図以降双方最善。局後石を数えて黒石が32枚あると思った私は「黒の引き分け勝ですね!」と喜んだのですが、よくよく数えると31枚しかありません。残念ながらぬか喜びに終わりました。負けはしたものの、図以降の黒の打ち方(左上に黒から打てない2個空きを作って白b2を強制する)は参考になると思います。他の手だと偶数理論でどれも黒があっさり負けてしまうことをぜひご確認下さい。  



  第4局 黒番。最善手は? 
  ●駒形真之 Komagata Masayuki
  ○村上 健 Murakami Takeshi

駒形五段は私と同年齢でオセロ歴も同じぐらい長いです。ベテラン同士の対決は定石も昔の進行になりました。28までは20年以上前に流行った展開です。私が初めて世界選手権で優勝した1996年、大会前にこの展開を研究しまくり風邪をひいてしまったのも今となっては良い思い出。当時はパソコンもなく全てオセロ盤に石を並べながらの手研究でした。29は疑問。打てるうちに黒a4→白a2の交換を入れるべきでした。31で黒はa4に打てず、33で打つと斜めも返ってしまいます。33まで白優勢ですが、ここでどう寄せるべきか分からず私は大長考。局後末國九段に「村上さんは昔の棋譜集の解説で『34は白a4→黒a6→白b6→黒a2→白e8!→黒c8→白f7!→黒f6→白e7…で白必勝』と書いていましたよ」と言われて驚きました。なんでそんなに昔の棋譜集の内容を覚えているのでしょうか。書いた当人も忘れているというのに…。末國九段凄過ぎます! この簡明手順を逃して局面は混とん。46ではf7が第一感ですが黒g7!の通しが強力で自信が持てませんでした。46はb6の黒石を消して黒g1を消し、ホワイトラインの白通しを狙いやすくした手です。このあたり色々と非常に難しく時間を消費。そして図で打たれた黒a1が敗着。以下実戦の手順で簡明な白勝ちです。図で黒a2と打たれると自信がありませんでした(引き分けの形勢)。図から黒a2→白f7となった局面で黒がどう打つべきかも非常に難しいです。ぜひ考えてみて下さい。  



  第5局 白番。どう打つ? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○菱山裕一 Hishiyama Yuuichi

30は好手。黒は種石がなくかなり苦しい形です。白の敗着は図で打たれたb7。以降の実戦はほぼ必然の進行。これでブラックラインの白通しをキープできれば白勝ちですが結局黒は49でライン切り。しかしここまでの展開を図の時点で読むのはかなり困難です。図の正解は白a4でした。こう打たれると黒はe2(黒+4形勢)とg7(引き分け形勢)の選択が難しく、黒e2→白e1→黒a5と正しく進めてもそこで白b3と粘られると形勢不明。これなら白にも十分チャンスがあったことでしょう。  



  第6局 黒番。唯一勝てる手は? 
  ●大森敬太 Ohmori keita
  ○村上 健 Murakami Takeshi

最終戦は非常に難しい試合になりました。お互い長考の連続。終盤は特に黒の選択が難しい展開になりました。図では白に作らせた1個空きを温存して黒g2も有力に見えます。結局図で打たれた黒a7が敗着となりました。図の正解は黒a3。次に白a2以外なら黒b2があります。それを避けて白a2なら黒a7→白g2→黒a1→白b2→黒g3!で第3行をがっぽり取るのが大きく黒+10。これは少ない残り時間ではとても読めません。さて49も「黒a1から上辺を取る」と「黒g2から右方面と左上の両方で手止まりを打つ」のどちらが得なのか難しい。大森六段はa1を選択。これは正しい選択で私も「手止まりを打っても足りないかも…」と思ったのですが、右下の手止まりがかなり得をする形だったのが幸いして白4石勝ち。幸運でした。

結果は5勝1敗で第3位。好成績がとれて嬉しかったです。前回の大会の反省を生かして終盤に時間を残すようにしたのが良かったのかもしれません。上位3人はみなオセロ歴30年以上のベテランばかりで、下の写真はまるで20年前の関東オープンのような感じです。来週日曜日は全日本選手権・東京ブロック予選。頑張ります。

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           準優勝の中島八段、優勝の末國九段、第3位の私 (写真提供…龍見六段)

スーパーリーグの翌日は東大の五月祭に行きました。人が多いので驚きました。麻布の文化祭も盛況ですが東大の文化祭は更にすごいですね。二日間で十数万人が来場したそうです。東大オセロサークルの展示「GORO展」も大盛況。子供が沢山部員に挑戦していました。私は壁にある詰めオセロに挑戦しました。20問のどれも相当な難問です。30分ぐらい考えて答えを紙に書き金子君(麻布オセロ部OB)に採点してもらいました。結果は75点(5問不正解)で一位に! その後来場していた北関東の石田初段に挑戦され、GOROのオセロ盤を借りて廊下に座り込んで一戦。この試合は序盤うまく打たれて苦戦だったのですが中盤の相手のミスで逆転しました。オセロ盤を返しにGORO展に戻ると詰めオセロの順位が変動し1位は山川七段に! 流石です。これは良問揃いなのでぜひ読者のみなさんも考えてみて下さい。会場では「テレビを見ました!」という初対面の方も含め多くの方に声を掛けていただきました。どうもありがとうございました。翌日のフジテレビの「めざましテレビ」で五月祭が取り上げられ、短時間ではありますがGORO展も登場!(最後の写真) オセロブームの到来を感じました。

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先週土曜日は午前中の仕事を終えてから品川スーパーリーグに参加しました。関西から遠征の髙橋六段、麻布の髙見澤四段と二人の天才キッズを含め10人の選手が集まりました。私は最初3連勝と好調だったのですが…。


  第1局 黒番。どう打つ? 
  ●石井健寛 Ishii Takehiro
  ○村上 健 Murakami Takeshi

中盤までやや白良しの展開。39はa3→白a4→黒a6→白a7→黒b7と進めるのも有力です。次に白a2なら黒f3。しかしa2の代わりにb2と打たれると黒苦戦。それを読んで石井五段は39e2。白は窪みに埋めるセオリー通りのf3で図。ここで打たれた黒f2が実質的な敗着だと思います。白e1と受けられて白にはf1→g2と縦を沢山返す手が残り、これでは黒に勝ち目がありません。図でd2ならまだ白が間違える可能性がありました。  



  第2局 黒番。c1とd1のどちらが最善でしょうか? 
  ●大郷 卓 Ohsato Suguru
  ○村上 健 Murakami Takeshi

前半は互角。32は疑問。ここは白b8→黒a7→白f7…がベターでした。しかし33も疑問。ここは黒h5!→白b8→黒g6が好手順で黒優勢。形勢不明の図で打たれた黒d1が敗着。以下実戦の展開(双方最善)で白2石勝ちです。図の正解は黒c1。この二つの損得計算は複雑なので、ぜひ図から黒c1→白g7→黒a1→白a2→黒b2→白d1までの最善進行を並べてみて下さい。ここで黒a8と打つ手が斜めを全て返す手になるのが大きく黒引き分け勝ちの形勢でした。私も大郷四段も図の少し前あたりからずっと黒勝ちだと思っていたので、終局後石を数えて驚きました。流れは絶対黒勝ちに見えるのですが…。やはり偶数理論は大きいということでしょうか。  



  第3局 黒番。どう打つ? 
  ●中野 譲 Nakano Jou
  ○村上 健 Murakami Takeshi

序盤20が次の好手21を見落とした悪手。20はg4に埋めるべきでした。以降は黒優勢で白は大ピンチ。ところが31が悪手(c6がベター)で再び形勢不明に。38~40の好手順を打てて「簡単には負けないぞ」と思いました。そして図で打たれた黒a1が実質的な敗着。以下実戦の展開で白の簡明な勝ちです。図の正解は黒b6。私はそれに対して「白h1は黒a8で困るから白a7の一手」と思っていました。以下黒a1→白a2→黒a8→白b8→黒g2→白h1で引き分けです。実は図の黒b6に対しては白h1→黒a8→白a2!で白勝勢なのですが、それは私には全く見えていませんでした。残り時間も少なくもし図で黒b6に打たれていたら私が間違えてa7に打ち引き分け負けになっていたことでしょう。  



  第4局 白番。唯一勝てる手は? 
  ●中島哲也 Nakajima Tetsuya
  ○村上 健 Murakami Takeshi

終盤まで互角の好勝負が続いて図。ここで私はほとんどノータイムで白c8。これが大悪手の敗着。続いて黒f7と打たれると白はもはやどうしようもありません(白d8や白g8は黒h1→h2の連打を与えてしまいます)。2分以上時間が残っていたのに全く情けないことです。図の正解は白f8。次に黒g8なら白d8→黒c8→白f7で白の簡明な優勢なので恐らく黒はf7と受けます。そこで白が唯一勝てるのは局後末國九段が指摘した白b8!です。つまり図から白f8→黒f7→白b8!が唯一白の勝てる流れ。初手f8はともかく次のb8は非常に難しく、両方とも正解することは多分私にはできなかったでしょう。オセロの終盤は本当に難しいです…。  



  第5局 白番。最善手は? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○高梨悠介 Takanashi Yuusuke

図で打たれた白e2が好手。次黒d2なら白d1。以下黒がどう頑張っても白f2→f3の連打を防ぐことができません。図のd2、e2、f2、f3の4マスに注目して下さい。普通このような連結した空きマスは黒が2手、白が2手打つことができます。これで双方手損も手得もなし。ところがこの形は白がe2、f2、f3の3手を打つ一方で黒はd2の1手しか打てません。つまり3マイナス1で白は2手の手得、黒は2手の手損をしているわけです。この手損が大きく黒は劣勢に。以下粘るも届きませんでした。最後の15手は双方最善です。  



  第6局 白番。最善手は? 
  ●浦野健人 Urano Kento
  ○村上 健 Murakami Takeshi

序・中盤は互角の良い勝負。40は悪手。ここは白b2!が正解。引き分け形勢ながらどちらかというと黒の対応が難しく白に十分チャンスがあります。42について局後浦野六段が「白f1→黒g1→白b2→黒??→白b7はどうでしたか?」とコメント。うまい手順ですねぇ。私は全然考えていませんでした。ゼブラ先生によればこの展開は黒+10なのですが、黒の対応は結構難しく白にも十分チャンスがありあそうです。その後黒にもミスが出て図。ここでは白g2が最善でした。以下黒h1→白h2で次の黒の手が難しい。白からa3→黒a7→白b2の筋が残っています。これなら良い勝負でした。実戦は図で白b2(大悪手)。黒b7のノックアウトパンチを食らってしまいました。  



  第7局 黒番。唯一勝てる手は? 
  ●高見沢大樹 Takamizawa Daiki
  ○村上 健 Murakami Takeshi

この試合は大激戦です。終盤はお互い時間が足りなくなりました。47で黒b1は白a7→黒a8→白b2…で黒負けと読んだ髙見澤四段はg7へ。しかし実は上記の流れは以下黒b7!→白a1→黒g2!→白h1→黒b8!という絶妙手順で黒24石勝ちでした。47g7で形勢が急接近して図へ。お互い残り時間が10数秒しかありません。図の正解は黒g2でプラス2形勢。しかし髙見澤四段は図で黒b1! 次の白は当然a1が正解なのですが、私は黒h2→g2の連打を嫌ってb7に打ち、後は黒の勝勢。図からぜひ黒b1→白a1→黒h2→白a7→黒b7と進めてみて下さい(棋譜の右下のPutをクリックすると自由に手順を進めることができます)。私はこの局面は白負けと判断していました。確かに白b8なら(第一感この手が得に見えます)黒a8→白パス→黒h8→白パス→黒h7→白パス→黒g2と怒涛の4連打で黒勝ちなのですが、白b8ではなく白a8と打つと次に黒g2が必然(黒b8は白g2に打たれてしまう)となり、ブラックラインもg列も取り損なった黒が2石負けとなるのです。まあしかし仮に52でa1を打てたとしても、残り数秒では後のa8とb8の選択場面で確実に白b8を選んだと思います。やはり完敗ですね。参りました。

結局3連勝後の4連敗で第5位でした。 明日は品川シーサイドオープンに参加予定です。楽しみです。

ところで一昨日あたりからオセロクエストにアクセスできなくなっています。もしかしてパソコンからのアクセスは終了してしまったのでしょうか。とても残念です。

先週日曜日に参加した関東社会人選手権の棋譜です。


  第1局 黒番。勝負を決める手筋は? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○菅谷ソフィ Sugaya Sohpie

菅谷さんはネットオセロを始めて1年ほど。勇気を出して初めて大会に参加したそうで、成績は振るわなかったものの「とても楽しかったです!」とのことでした。よかったです。試合は白が大きな壁を作ってしまい図で黒g2!が決め手。次に黒h3と当てられると白は右辺を助けることができません。「ストーナートラップ」と呼ばれる手筋で黒勝勢です。  



  第2局 白番。唯一勝てる手は? 
  ●大森敬太 Ohmori Keita
  ○村上 健 Murakami Takeshi

序盤から優勢を感じたものの左辺のウイング攻めがどうもうまく行かず(白b2のあと黒h7!で黒a1→a2の連打を狙われる)攻めあぐねました。大森六段の粘りが奏功したということでしょう。図で私は白g7に打ちました。あまり自信はなかったのですがどうやらこれが唯一の勝ち筋だったようです。以下は白細かく勝勢。  



  第3局 白番。最善手は? 
  ●長谷川武 Hasegawa Takeshi
  ○村上 健 Murakami Takeshi
(Black lost on time at move 55. White then went on to make the rest of the moves to maximize his discs but stopped playing after move 58 to avoid losing himself on time.)

私は図でc8と打ちましたがこれは悪手。実戦の展開で下辺を味良く取られb7に黒の好手が残りました。図の正解は白d8。以下黒b8→白g8→黒h8→白h3→黒c8と進み、これは実戦と違って黒b7の手がありません(白+12形勢)。図の白c8で差が接近したものの白に残っていたのは幸いでした。黒は55手目で時間切れ。30秒ほど時間が残っていた私はなるべく白石を残す手順を考えて時間を浪費。最後の2個空きを打つと私の時間も切れると判断して58の段階で打ち止めました。以前の対龍見六段戦の教訓が生きました。  



  第4局 黒番。どう打つ? 
  ●岩倉広明 Iwakura Hiroaki
  ○村上 健 Murakami Takeshi

この試合はd8をいつ打つかに迷いました。30d8は気持ちの良い手ですが左下に白から打てない5個空きを作るマイナスもあります。ゼブラの評価によればやはり30はあまり良くなかったようです。互角の戦いが続き35は疑問。ここはc1!が好手でした。そして図で打たれた黒d1が敗着。ここは黒g2!→白f1→黒g1→白h1→黒h2…と進めれば左上と左下に白から打てない奇数空きを抱えた白は打ち方が難しく、まだまだ黒にもチャンスがありました。  



  第5局 黒番。最善手は? 
  ●菱山裕一 Hishiyama Yuuichi
  ○村上 健 Murakami Takeshi

この試合は37までしか棋譜を取らず、その後忙しくてそのままにしてしまいました。そして今再現しようとしても思い出せません! 情けないことです。菱山さん、もし棋譜が残っていたら「私の姓のローマ字書き+アットマーク+dx.catv.ne.jp」までメールで送っていただけませんか。よろしくお願いいたします。  



  第6局 黒番。どう打つ? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○大池芳法 Ohike Yoshinori

大激戦の終盤、図で私は黒b2。これが敗着となりました。局後に大池六段や高橋三段が指摘したのは図で黒e1。その後白h4→黒h3→白b7→黒e3→白h8→黒e8→白f1…で細かく黒に残っています。やはり図のb2で左辺を白に与えたのがまずかったようです。

結果は5勝1敗で予選優勝! しかし決勝三番勝負では激戦の末大池六段に敗れてしまいました。また来年頑張ります。

前回のお知らせでは参加対象者を「麻布オセロ部の部員、OB、その保護者」としましたが、その枠には入らないものの合宿等を通じて麻布オセロ部に関わりの深い方数名が参加予定です。もしそのような希望者が他にもいましたら参加申し込みを受け付けますので下のメールアドレスにメールをお送りください。ただし申し込み者の数によってはご希望に添えない場合があることを予めご了承下さい。

日付6/9(土) 時間15:00開始 18:00終了
場所 麻布学園地下食堂
内容 立食パーティー
参加費 3500円 当日集金いたします。
参加資格 オセロ部の部員又はOB、またはそれらの保護者、オセロ部の顧問および準顧問経験者、麻布オセロ部に関わりの深い方

参加される場合、azabuothelloclub30th[abc]gmail.comの[abc]を@に変えて、 氏名 、麻布の入学年度(保護者の場合はそれも明記)などを添えて御連絡ください。参加申し込みは5月20日までにお願いします。

昨日麻布学園で関東3大会が開催されました。結果は近日中に連盟HPに載る予定です。各部門の決勝三番勝負の棋譜をご紹介します。


  関東社会人選手権決勝3番勝負・第1局 白番。最善手は? 
  ●大池芳法 Ohike Yoshinori
  ○村上 健 Murakami Takeshi

タイトルホルダー亀田六段が不在のため予選上位1位と2位で決勝三番勝負を争うことになりました。序盤からずっと互角の良い勝負。図で私の打った白a2が敗着でした。正解は白h5! h7に白から打てない1個空きを作る非常に打ちにくい手ですが、以下黒f1なら白h3!(この時横が返りません)→黒a1→白a2→黒a3→白b2→黒h7→白g1→黒b7→白a1…とほぼ一本道で白2石勝ちでした。初手白h5に対する黒の最善の受けはh3。これも以下白h1→黒f1→白g1→黒h2(この時に白b7がブラックラインを通す手になるのがポイント)→白b2→黒a3→白b7→黒h7→白a2→黒a1→白パス→黒b8→白a7→黒a8で引き分け。いずれにしてもかなり難しい手順です。私には全く読めませんでした。  



  第2局 白番。最善手は? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○大池芳法 Ohike Yoshinori

上辺と左辺の形を利用して黒がどうにかこうにか粘る展開。図で打たれた白h2が敗着。この手で作った白から打てない1個空き(g1)が最後まで響きました。図の正解は白b2。これに対して黒a1は白a6で横を返させるのがなんとなく得に見えるものの目の錯覚で白+8形勢。黒a6→白a8→黒a1の好手順も白+2形勢。図で白b2に対しては黒g1かh7が最善で黒+2形勢とのことですが、どちらも打ちにくい手で私はまず確実に間違えていたことでしょう。実戦は51→53が好手順。56h8は黒h7でg7とh4が見合いになってしまうため実戦56h7は左下で手止まりを打つための好手。それでも黒に残っていました。  



  第3局 白番。最善手は? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○大池芳法 Ohike Yoshinori

大激戦の終盤。ここで打たれた白h1→黒h2の交換は悪手でした。右上がハイパー偶数になっています。図の正解は右上を放置して白g8→黒a8→白g7→黒a2→白h2! 最後の白h2がなんともうまい手ですね。以下黒h1でもh3でも白はa1の余裕手を使って左上の手止まりを打つことができます(白6石勝ち)。実戦白h1は石損でしたが白が踏みとどまっていました。僅か2石差で大池六段がタイトル獲得!

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  関東女流名人戦決勝三番勝負・第1局 白番。どう打つ? 
  ●龍見有希子 Tatsumi Yukiko
  ○堀内惠子 Horiuchi Keiko

図で堀内五段は白e7。「コの字の中に埋める」セオリー通りの手ではあるのですが黒g6と好手を与えて形勢を損じました。正解は白g6! 以下黒b5なら白a5。これで黒はなかなかe7に打てず、うまくいけば白がe7に打つ可能性もあります。「e7とg6にある2カ所の好手をどうやったら自分が両方とも打てるか?」と考えるのが良かったようです。19以降は黒優勢。  



  第2局 白番。手筋の好手は? 
  ●堀内惠子 Horiuchi Keiko
  ○龍見有希子 Tatsumi Yukiko

序盤から白優勢。図で打たれた白d8!が痛烈な手で黒窮しました。黒e8は斜めが返り、かといって黒a5なら白e8と下辺連打を許します。以下白の勝勢です。2連勝で龍見関東女流名人がタイトル防衛!  

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  関東学生名人戦決勝三番勝負・第1局 黒番。どう打つ? 
  ●倉橋哲史 Kurahashi Satoshi
  ○佐治亨哉 Saji Kouya

実戦は図で黒g7。これが疑問手でした。以下実戦の流れで黒劣勢です。図では黒d1と平凡な当てで白の応手を見るのがよかったようです。これなら互角でした。



  第2局 黒番。唯一勝てる手は? 
  ●佐治亨哉 Saji Kouya
  ○倉橋哲史 Kurahashi Satoshi

やや苦しい白は右上方面に敢えて悪形を作って粘ります。43はストーナー含みの好手で黒好調。しかし図で打たれたa8が痛恨の敗着。ここは黒c1!→白b1→黒a8→白b8→黒a5が好手順。これならa2の白から打てない1個空きのために黒が偶数理論を確保し右上の連打も得て黒必勝でした。51は敗差を広げた手。黒h7→白h8→黒g8→白a5→黒b8→白a2→黒g2→白パス→黒c1→白b1なら黒2石負けですみました。佐治関東学生名人が惜しい試合を落として勝負は第3局へ。  



  第3局 黒番。タイトル奪取の好手は? 
  ●倉橋哲史 Kurahashi Satoshi
  ○佐治亨哉 Saji Kouya

図で倉橋五段が放った黒a4!が絶好手でした。白a3なら黒b2かb3。白b3なら黒a7で白は粘りようがありません。図で間違えてa3やb3に打つと一気に差が縮んでしまいます。鮮やかな決め手で倉橋五段がタイトル奪取!

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                                            写真提供…堀内五段 

今日もお客さんが沢山来ています。13時から麻布オセロ部と東大オセロサークルの対抗戦です。

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先ほど教師演芸会の劇が終わりました。内容は西遊記で私の役は太上老君という道教の僧。3年振りの劇は最高に楽しかったです。劇終了時にオセロ部の保護者の方から素敵な花束を頂きました。どうもありがとうございました。
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今回オセロ部の展示は3階です。あまり条件がよくないにもかかわらずお客さんが沢山入っていました。

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今日は文化祭初日。9時から開会式です。オセロ部の展示を覗いたらもうすっかり準備ができていました。

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先日東京オープンに参加しました。69名参加と大盛況! 特に小学生が多かったです。簡単に私の対局を振り返ります。


  第1局 白番。最善手は? 
  ●鹿野喜滉 Shikano Yoshihiro
  ○村上 健 Murakami Takeshi

白h3が強烈な手でした。黒はh5に割り込めず、d7の黒石が消えて下辺が白の一色の山になったのも白のポイントです。これで黒は粘れない形になりました。  



  第2局 白番。唯一勝てる手は? 
  ●和田真幹 Wada Masaki
  ○村上 健 Murakami Takeshi

正解は白g1! 初手白h1は黒a8→b8の連打、初手白f1は実戦の手順でb6~f2の斜めラインを持って行かれて足りません。そう考えれば消去法で初手g1の一手でした。g列が白のものになるのもポイントです。ところが私は図で白f1! これが大悪手で敗着。  



  第3局 黒番。どう打つ? 
  ●落合拳大 Ochiai Kenta
  ○村上 健 Murakami Takeshi

図で黒はf7。下辺方面だけ考えればこれが一番白の応手を作らない壁の破り方ですが、次に白g2とX打ちされて形勢を損じました。白にはh2→h3など手を稼ぐ手順が残ります。図の正解は黒d7。これならしばらく白g2のX打ちはなく(打つと縦も返る)、将来的に白がg2に打ってもd5の黒石のお陰で黒はすぐにh1の隅が取れるため黒は右上での手損がありません。実戦は右上の5個空きで白が4手打つ展開になり手損した黒が敗勢に。  



  第4局 白番。急所の一手は? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○髙倉将吉 Takakura Shoukichi

図では白b5が「窪みに打つ」好手でした。しかし実戦は白f2。この手は「次黒a4なら白b5。黒b5なら白a6で白良し」との読みで打たれたと思われますが、次の黒の好手を見落としていました。25d7が強烈な手。これで白b5の手が消えて白苦戦です。  



  第5局 黒番。どう打つ? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○大郷 卓 Ohsato Suguru

図の最善は黒f8。私もこれが第一感だったのですが次に白g8で自信が持てませんでした。しかし以下黒h8→白g7→黒g1→白e8→黒b8→白b7→黒a7!で左下の手止まりを打ち黒の簡明な4石勝ち形勢。ここまでは見えませんでした…。図の黒g7は石損で以下黒55a6まで双方最善。56が悪手。ここは白b7なら左下で白が手止まりを打てて引き分け形勢。しかし引き分け勝ちは私が持っていました。  



  第6局 白番。どう打つ? 
  ●和泉貴士 Izumi Takashi
  ○村上 健 Murakami Takeshi

図は一番悩んだ局面。白b1が第一感ですが黒g1と打たれて厄介。ここはもうすぐに黒の手を詰めるのは諦めて白g3や白g5あたりに黒壁を破っていくのが良かったようです。実戦は右方の黒壁を温存することにこだわり過ぎました。そして終盤52が敗着。ここは白g4→黒h7→白h6→黒h8→白g8…とあくまでも偶数理論を堅持するのが唯一の勝ち手順(白+2)でした。53が偶数理論をブレークする絶好手です。

結果は4勝2敗で8位でした。対局した方のみならず多くの方に声を掛けていただき感謝しています。次の大会は5月6日の麻布の大会です。会場は日比谷線広尾駅から徒歩10分ほど。ぜひご参加下さい!

5月6日(日)に麻布学園で関東社会人選手権、関東女流名人戦、関東学生名人戦が開催されます。詳しくはここを御覧下さい。

東京オープンの会場で質問されたのですが、小学生以下の人も参加できます。基本的に大学生以下の人はみな関東学生名人戦にエントリーしていただくことになりますが、もし小学生が多かったら小学生部門を作るかもしれません。

現在対局時計は十分あるもののオセロ盤が22面(44人分)しかありません。例年この個数で十分なのですが今年の東京オープンに参加して危機感を感じました。文化祭準備で麻布オセロ部員がいなかったにもかかわらず69名の参加! もちろん麻布の大会にこんなに多くの人が来るはずがないと思うのですが、万一オセロ盤が足りなくなると非常に困ります。そこでお願いですが、もしご自宅にオセロ盤(小さなものでも構いません)をお持ちの場合、会場に持参していただけないでしょうか。特に今年初めてこの大会に参加する、という方はぜひご協力をお願いいたします。

明日(5月2日)から三日間麻布学園(最寄り駅…地下鉄日比谷線広尾)にて文化祭が開催されます。オセロ部の展示もあり、無料で部員に挑戦できます。ぜひお越し下さい。開催時間は午前10時頃から午後4時頃となります。

私は明日の午後に講堂で行われる教師演芸会の劇に参加します。過去2年間は手術の影響で十分に声が出なかったため欠場していました。久しぶりの劇がとても楽しみです。

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