先日神奈川カップに参加しました。非常に暑い日で、そのせいもあってか参加者は24名と少なめでした。


  第1局 黒番。唯一勝てる手順は? 
  ●山崎敦之 Yamazaki Nobuyuki
  ○村上 健 Murakami Takeshi  

序盤からやや白優勢を感じました。36は悪手。ここはやはりg4に埋めるべき。以下互角の戦いで敗着は46。白g7!→黒h8→白a5!なら白の2石勝ち形勢らしいですが難し過ぎます。実戦は47が好手で既に白が勝てない形。図では実戦で打たれた黒a7!→白a6→黒a8…が唯一勝てる手順。黒a7はうまい手で、うっかりこの手でa8と隅を取ると白b8で左下の2個空きが残り、これは黒がどちらから埋めても次の白の手止まりで石を多く返されて黒が足りなくなります。    



  第2局 黒番。最善手は? 
  ●工藤悠誠 Kudou Yuusei
  ○村上 健 Murakami Takeshi  

中盤はやや白優勢と感じました。35は唯一黒が粘る手。次に黒a7と打って白a8なら黒a6。これはb8が黒の余裕手になります。44が悪手。ここは白a8→黒a6→白g7が正解。これならb8の1個空きが右方の5個空きと連結しているために黒が下辺方面で手止まりを打つことができず、黒d1を強制して簡明に勝てました。そして図の局面。ここは黒e8!が最善。これなら白d8(最善)に対して黒g7があります。以下白h8→黒g8→白a6(これ以外だと黒a6で簡明に白負け)…で左辺を取って黒も粘っていました(以下最善で白+2形勢)。図で実戦で打たれた黒a6は黒にとっての命綱である「白が先打すると損をする3個空き」を潰してしまう悪手。次の白g7が好手で黒が粘れない形になりました(白が下辺方面の手止まりを打ち黒はd1に打たされる)。    



  第3局 白番。最善手は? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○中村倫太朗 Nakamura Rintarou    

27は好手。これで黒優勢を感じました。ところが37が悪手。これはd1の方がいいに決まっています(白d2に黒f1あり)。図で私は白h7を恐れていました。これだとh6の1個空きが右上の5個空きと連結して白は偶数理論を維持しています。これならまだ難しい形勢でした。図で打たれた白b2が実質的な敗着になりました(左下に白の悪形)。    



  第4局 白番。唯一勝てる手は? 
  ●赤木達郎 Akagi Tatsurou
  ○村上 健 Murakami Takeshi  

28までは白優勢を感じていました。しかし長考一発29a5!が好手。これで手を渡されると白の応手が非常に難しい。38が悪手。ここは白a6→黒a2(この手でa5に入ると白h8で黒はc8に割り込めません)→白b1!が妙手順で白勝勢でした。私は50でホワイトラインが切れると思っていましたが黒h2と打たれると再びホワイトラインが黒通しになることに気づき愕然。これでもう勝ちがないと思ってしまいました。しかし実は形勢はまだ白微妙に良し。図でg2なら以下黒a1→白a2→黒g1→白h8→黒h7→白h1で白の2石勝ちだったのです。ほとんど時間がなかったとはいえ冷静に図を見ればg2は奇数空きに先着する必然の好手。実戦の白h8が敗着です。    



  第5局 白番。どう打つ? 
  ●中村和樹 Nakamura Kazuki
  ○村上 健 Murakami Takeshi  

21までは二人とも経験があったようでほぼノータイム。22から長考が続きます。32は黒d1を期待した手ですが黒は当然b2。38はなんとなく形に惹かれただけの悪手。d1がベターでした。以下非常に難しい形が続き47が敗着。ここは黒a8→白b7→黒e8が正しい手順で、これならb5が黒くなってb列の下の方を黒が取れるために実戦よりも僅かに得でした(引き分け形勢)。そして図。実戦の白h2→黒h3→白h4がうまく、その後右下方面を黒がどう打っても白g7でホワイトラインを通せる形になっています。この通しのおかげで白は下辺を確保し、細かいながらも勝勢です。  



  第6局 黒番。唯一勝てる手順は? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○野田敏達 Noda Bintatsu  

26はf2やf7がベター。黒はg3でf8を狙う手が残って優勢に。しかし33で迷いました。黒g8が第一感でしたが白h4の後の展開が見通せず結局a3に。以下順当に進んで図。ここは実戦で打たれた黒g2→白h1→黒g7が唯一勝てる手順。こう打たれると白は下辺を黒に取られる展開を避けることができず(白h2は黒b3で再び白番)、黒の勝勢が確定しました。  



  第7局 黒番。どう打つ? 
  ●佐藤紘一郎 Satou Kouichirou
  ○村上 健 Murakami Takeshi  

最終戦の相手は好調の佐藤四段。大会前の練習試合では私が完敗しています。13まではよくある展開ですがいつも次の手で困ります。第一感のe2に埋めるとあとで苦しくなることが多いので今日は思い切って白c1! 以下混戦。31は普通に黒g4の方が嫌でした。32はその手を消す好手。図で黒は長考の末黒g2! これは確かに白の着手を右上に限定し、白が右上の手止まりを打った時に右下の黒から打てない5個空きが崩れます。その結果黒は下辺を確保しa8を起点にして左方面を好きなように寄せていくことができます(実戦の流れを進めて確かめてみて下さい)。しかし下辺及び左辺方面の主導権を得る代償として上辺と右辺を白に与えてしまいました。この代償が見た目以上に大きく黒は敗勢になってしまったのです。図では右方面を放置して黒a3や黒a6と白壁を破るのが正解。これなら白の応手が難しく黒も十分戦えました。私も似たような失敗(相手に確定石を与えて局面の主導権を握ったものの足りない)を何度もしたことがあります。図は非常に勉強になる局面だと思います。

結果は5勝2敗で準優勝! 大会で上位に入賞したのは久しぶりでとても嬉しかったです。 次の大会は今週金曜日の品川スーパーリーグ。楽しみです。

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             第3位の大森六段    優勝の赤木四段     準優勝の私
                              (龍見六段撮影)