一昨日は新年初めの大会「品川ニュイヤーズカップ」に参加しました。会場に行くと人で溢れんばかり。参加選手は97人。小学生の保護者を含めると120人ぐらいはいたと思います。とにかく大変な賑わいです。運営の中島八段御夫妻は急遽オセロ盤と別室を用意して対応。本当にお疲れ様でした。


  第1局 黒番。最善手は? 
  ●松本修平 Matsumoto Shuuhei
  ○村上 健 Murakami Takeshi

松本君は麻布オセロ部の中一生。今年入部した10人以上の中一軍団の一人です。こんなに沢山新入部員が入部したことは今までありませんでした。嬉しいことです。序盤9が悪手(c6、c7、d7等で互角)で以下白優勢。そして図で打たれた黒d1が敗着です。この手は白e1と取られて再び黒番。しかもb1に白の余裕手ができてしまい手損でした。図では黒d7と打って耐えるのが正解でした。  



  第2局 黒番。最善の寄せ(黒→白→黒→白→黒の5手)は? 
  ●中村倫太朗 Nakamura Rintarou
  ○村上 健 Murakami Takeshi

24までは以前中村君と同じ展開を打ったことがあります。その時は私が勝ちましたが、今回中村君は25!~27!という改良手順を用意していました(黒b2→白a1の交換なしで黒b6だと白d6に切り返されてしまいます)。これで白かなり打ちにくい展開になりました。35~37は疑問。35g4からc7を狙っていけば黒優勢です。40で私は長考。オセロは40手目前後が特に難しく、そこでの軽率な一手であっという間に敗勢になってしまうことがよくあります。色々考えて白h5! ゼブラによるとこれが最善(引き分け形勢)で、あとは全て白負けです。41も最善。以下微妙に私が石損して図へ。図の正解は黒b7!→白a8→黒b8→白c7→黒g2! これはなんともうまい手順です。最後に白は偶数理論でg7に打たされ、その時に黒はg列の黒一色を利用してh8→g8の連打があるのです!(黒+4形勢) 図では黒g8→白g2→黒h1→白g1→黒h8…という流れでも黒+2形勢。実戦で打たれた49g2が敗着。恐らく黒は白b8→黒c7の時に白g7!でホワイトラインが白一色になってしまいh8に黒が打てないことを見落としていたのでしょう。  



  第3局 白番。どう打つ? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○佐治亨哉 Saji Kouya

麻布生との3連戦。序盤から非常に難しい戦いが続きます。29でゼブラが勧めるのは黒e1! 以下白d1なら黒c1で白はa4に打てなくなります。かといって黒e1に対して白a4なら黒f2が好手の第二弾。これは非常に参考になる打ち方ですね。図で佐治二段が打った白a6が敗着。黒a4を期待した手ですが対する黒f2が好手。こうなるとホワイトラインの黒通しが効いて白には有効な攻めがありません。図では打てるうちに白g7、あるいは白g7を温存するための白f2が正解で互角でした。  



  第4局 黒番。最善手は? 
  ●石黒寛樹 Ishiguro Hiroki
  ○村上 健 Murakami Takeshi

序盤は最近私が試みている飯島七段定石。24はa5とb3で迷いました。24~28は疑問。29!が絶好手で白ピンチです。ところが図で打たれた黒c7が痛恨の悪手。以下白c8でe6に白の手が出来るのを軽視していたようです。図の正解は黒b7!→白c7→黒c8! こう打たれると白はどうにもブラックラインを切ることができず黒の攻勢が続いていました。実戦33以降は黒敗勢です。  



  第5局 白番。どう打つ? 
  ●中島哲也 Nakajima Tetsuya
  ○村上 健 Murakami Takeshi

23までは前局と同じ展開。24はその時に打たずに後悔したb3を選択。対する25が疑問手。白f5が好手過ぎるので、黒はそこに先着する25f5がベターでした。以下白優勢。図では白h3で黒b6を消したくなりますが、それだと黒a4で困ります(次白a5なら黒b6で手を渡される)。正解は実戦の白a5→黒a4。この交換を入れてから白h3なら黒は左下方面に手が全くなく右上方面の白壁に手をつけざるを得ません。35とXに打たせてはだいぶ優勢だと思ったのですが、39~43が流石の粘り手順で「逆転されたか?!」と思いました。幸い46で白d8(これ以外は全て負け)→黒b8→白b7が残っていたので勝つことができました。  



  第6局 白番。どう打つ? 
  ●高梨悠介 Takanashi Yuusuke
  ○村上 健 Murakami Takeshi

最終戦でついに高梨九段と対戦。現世界チャンピオンでかつここまで29連勝中!と絶好調の高梨九段。しかし私も最近好調で、「負ける気がしない」というのは言い過ぎですが「簡単には負ける気がしない」ぐらいの気持ちでした。今までの対高梨戦の戦績(4勝34敗…苦笑)を考えると全く根拠のない自信ですが、打つ前から「勝てる気がしない」だと、少し不利になっただけで「どうせ勝てないのだから…」と考えて無理な手を打って自滅してしまうことがあります。髙橋晃大五段の座右の銘「最後まで諦めない」に習って、決して無理な手を打たずに最後まで粘るつもりでした。序盤19が好手。20はd1とb3で迷いました。後で気づいたのですが21までは一昨年水戸の世界選手権で打たれた高梨vsベン・シーリー戦と同一進行でした。その時ベンは22b4でしたが私はd1へ。26は第一感e6ですが黒a6と引っ張られるのが怖くて却下。しかしそこでg3なら白も粘っているようです。局後の検討で末國九段は29e7!を推奨。次に黒a5→a6の手稼ぎがあります。この手は私も高梨九段も全く考えていませんでした。33はd8も有力。黒は辺を取って形が重く、非常に難しい形になりました。対する私は選択肢が少なくあまり考えなくても良い状況に。私よりもかなり多く残っていた高梨九段の残り時間が37あたりからどんどん減っていきます。41ではh4→白h6→黒g5→白b2…も有力ですがその後が難しい。43は黒g7→白e7→黒g8!→白f8→黒h4…が正解で引き分け形勢とのことですが、これはいくら高梨九段でも読み切れないでしょう。実戦43が敗着。以下48まで一本道ですが、これで作らせたg8の一個空きが、f7を介してe8と繋がっているために完全な黒の余裕手ではない、という点を黒が軽視したのでしょう(例えば49で黒e7なら白d8!でe8とg8が白の見合いとなり黒は勝てません)。以下一本道で図。ここで1分以上時間が残っていたのが幸いしました。まず白d8を考えましたが以下黒e7→白g8→黒パス→白a2→黒b2→白a8→黒b8でなんと引き分け!(引き分け勝ちの権利は黒が持っていました) 実は手順中白a2の代わりに白b2!なら白+6ですがそんな手は全く見えていませんでした。「やはり負けてしまったか…」と一瞬思いましたが「最後まで諦めない」を思い出して図で白g8を考えました。次黒d8でe7に打てなくなってしまいますが以下白a2→黒b2→白a8→黒b7となるとa7の白石のお陰で白はe7に最終手止まりを打てます。そして数えると白の2石勝ち! もう残り時間もほとんどなく図でg8に着手。以下読み通りに進み黒は59手目でe7!! こっちは考えていませんでした。「やはり読み負けたのか?!」と思いつつ最終手を打って石を数えると白の2石勝ち。つまり最後の2個空きは黒がどちらから打っても同じ結果になる形だったのです。しかしこれはたまたま。本当に幸運な勝利でした。

新年最初の大会で天敵高梨九段を破って全勝優勝。最高に嬉しかったです。 対高梨九段の戦績は5勝34敗となりました。まだまだ大差ですが、今後も少しづつ差を縮めるべく努力したいと思います。

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