だいぶ時間がたってしまいましたが10月7日に初めて山梨オープンに参加しました。会場の山梨県立図書館は非常に立派な近代的建物で、中央に巨大な吹き抜けがあります。その吹き抜けスペースに面したガラス張りの部屋が会場。図書館を利用する人たちがオセロ大会の様子をガラス越しに見ることができます。甲府駅から徒歩3分と近くとても良い会場でした。


  第1局 白番。どう打つ? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○岩崎匡明 Iwasaki Masa-aki

岩崎五段とは2回目の公式戦。1回目はまだ私がオセロを始めて間もない頃の全日本選手権・3位決定戦です。その試合は私が負けて岩崎さんが3位になりました。さて序盤から私が辺を取って引っ張る展開。やや無理気味の攻めで「このまま終盤に入って偶数理論で負けるかも…」と思っていました。白の実質的敗着は図で打たれたc8。これだと黒b7のあと左下の手止まりを得るためには白a7しかなく左辺と下辺(そして黒g8の余裕手)をまるまる取られてしまいます。図の正解は白b7。これなら黒がg8の余裕手を使って白に手を渡すためには黒a8→白a7→黒c8→白b8→黒g8のような流れが考えられ、これは白が左辺に割り込んでいる(a6とa7)のが大きく僅か黒+4の僅差局面です。図で白b7のあと黒の最善はg7!で+14形勢。b8!なら+10形勢ですが、どちらもかなり打ちにくい手です。実戦47~49で手を渡されて白万事休す。  



  第2局 黒番。最善手は? 
  ●龍見有希子 Tatsumi Yukiko
  ○村上 健 Murakami Takeshi

序盤から龍見六段が非常にうまく打ち回し私は防戦一方に。45はh2が最善で黒+14形勢。実戦45で差が縮まって図。ここで私が恐れていたのは黒c8です。左下の偶数理論をキープするために白がb8に打つと黒h8。ここで白はg7の手止まりを打つことができません(打つと黒a7!→a8の連打で大敗)。従って図で黒c8のなら白はb1ぐらいしかなく、以下黒h8→白g7→黒a7で黒は逃げ切ることができました(黒+6形勢)。実戦47は悪手。49もg1!なら白h1→黒b8→白c8の時に返る縦の石が減って黒2石勝ち形勢。敗着は53。ここは黒b2が最善です。白は黒g1→白h1→黒h2→白h3という右上の最高の寄せ方を実現するために白a1→黒a2→白b1と打つしかなく、これならd5の黒石が残って引き分けでした。  



  第3局 白番。どう打つ? 
  ●三屋伸明 Mitsuya Nobuaki
  ○村上 健 Murakami Takeshi

序・中盤は互角のよい勝負。図で私は白優勢と思っていました。その大局観は間違ってはいなかったものの、その差は僅かです。最善は白f7!で+6形勢。次善は白b7!で+2形勢。その他の手はなんと全て白の負け! これは全く私の形勢判断が間違っていました。私はa1でもd6でもe7でも白が勝てると思っていたからです。読者の皆さんはどう思われるでしょうか? この3手の中で私が選んだのはd6。打った瞬間に「黒g1で終わる」ことに気づき唖然としました。以前も全く同じミスで三屋七段に負けたような気がします。今後は気をつけないと…。読者の皆さんもぜひ実戦の黒の寄せを並べて他山の石として下さい。  



  第4局 白番。避けるべき手は? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○波木 蒼 Namiki Aoi

級位者部門の参加者が少なく急遽無差別部門と統合されたためオセロ歴の短い小学生と対戦することになりました。黒9まではお互い「中割り」の基本を守った無難な打ち回し。しかし図で打たれた10が疑問でした。これは開放度の低い石だけを返す中割りのお手本のような筋の良い手です。しかし「将来黒にh8の隅を与える」というマイナス点があります。この負担は非常に大きく以下白敗勢。図では白c6がベターでした。  



  第5局 黒番。どう打つ? 
  ●沢田健彦 Sawada Takehiko
  ○村上 健 Murakami Takeshi

11はd6と固めるのが良かったようです。以下白優勢。図で黒はh3。しかしこれは敗勢を決定づけた手に思えます。黒g3と打てる時にg3を打てばもう少し粘れたかもしれません。  



  第6局 黒番。決定打は? 
  ●大森敬太 Ohmori Keita
  ○村上 健 Murakami Takeshi

8はc5→黒b3→白f3→黒f5→白g4…と進めるのが良かったようです。実戦8は疑問手で、以下白がどんどん苦しくなりました。22~28と粘りますが29で打たれた黒f1→白g1→黒b3→白d7→黒d8が白に粘る余地を与えない好手順。そして図。ここで黒はb2! 以下実戦を進め、右方面の白壁を温存して勝負を決める大森六段の寄せをぜひ参考にして下さい。まさに鉄壁の寄せとも言える黒の快勝譜です。  

私の結果は4勝2敗で第3位。3大会連続入賞で嬉しかったです。帰りの電車は岩崎五段と二人で座り、オセロ界の生き字引のような岩崎さんに過去のオセロ界の興味深いエピソードを沢山教えていただきました。非常に楽しい大会&旅行でした。

s-1
    第3位の私       優勝の大森六段       準優勝の龍見六段   (写真提供…龍見六段)