だいぶ時間が経ってしまいましたが、先月参加した川越棋聖戦の棋譜をご紹介します。


  第1局 黒番。どう打つ? 
  ●千葉成馬 Chiba Seima
  ○村上 健 Murakami Takeshi

図で黒はf7→白a3。できた形は英語でduble wallsと呼ばれる白と黒が完全に二分した形。この形は先に相手の壁を破る方が不利になることが多く、この試合も例外ではありませんでした。図では白の好手a3に黒から先着すべきで、これならまだこれからの形勢でした。
 


  第2局 黒番。最善手は? 
  ●金子 輝 Kaneko Hikaru
  ○村上 健 Murakami Takeshi

図で私が恐れていたのは黒g7! 以下白h8なら黒h4。白d8なら黒c7。白はd5~f7の黒斜め通しを切ることができずかなり劣勢でした。以下徐々に白が形勢を盛り返します。黒の敗着は恐らく33。白34と打たれると黒はd8に打てません。33では打てるうちに黒d8と打っておくのが良く、これなら右辺を白に取られてもh1の隅取りは黒のもので、まだこれからの勝負でした。



  第3局 白番。どう打つ? 
  ●石川 明 Ishikawa Akira
  ○村上 健 Murakami Takeshi

前半は私の好きな引っ張り形。しかし石川五段の粘りがうまく形勢不明の終盤に。図は私が敗着を打った局面。白a7なら+4、白h1なら+2局面らしいのですが、私には理解不能です。実戦のh1以降は双方最善で黒の2石勝ち。参りました。  



  第4局 黒番。どう打つ? 
  ●倉地隆行 Kurachi Takayuki
  ○村上 健 Murakami Takeshi

図は私が白a6と打った場面。実戦はここで黒h4。しかしここは普通に黒a4と割り込む方がよかったようです。黒h4以降はやや白優勢。51は石損。e1なら白僅か4石勝ちという僅差の試合でした。ここまでが予選。川越棋聖の伊藤七段が不在のため、予選1位の中森六段(4連勝)と予選2位の私(3勝1敗の石数トップ)で決勝二番勝負を打つことになりました。他の選手は予選の残り2試合です。



  決勝二番勝負・第一局   白番。どう打つ? 
  ●中森弘樹 Nakamori Hiroki
  ○村上 健 Murakami Takeshi

局後に「白はどこが悪かったんでしょうか?」と聞いたところ、中森六段は「28は白h6の方が良いと思います。実戦は29でホワイトラインの黒通しができ、それを維持すれば勝てそうだと思いました」との返事。非常に的確な感覚と感心しました。しかし29以降もまだ形勢は難しく、図でe8なら引き分け形勢だったようです。私は図でh8と打ちましたがこれが大悪手。黒b6を打ちやすくさせ(横が帰らない)、h7にも黒の余裕手ができて以降は白敗勢です。



  決勝二番勝負・第二局   黒番。どう打つ? 
  ●村上 健 Murakami Takeshi
  ○中森弘樹 Nakamori Hiroki

図で私はb3。これが悪手だったようです。図では黒d1あるいは黒e1と打ち、白b3なら黒b5と固めて互角でした。23以降は白の着手が常に的確で、全く付け入る隙がありません。参りました。

結果は2連勝で中森新川越棋聖誕生! おめでとうございます。決勝戦では全く中森六段に歯が立たなかった私ですが準優勝ということになりました。賞品に頂いたクッキー(長谷川五段提供)は非常に美味しく家族にも大好評。どうもありがとうございました。

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  第3位の七瀬君、新川越棋聖の中森六段、準優勝の私 (写真撮影…長谷川武五段)