2006年01月19日

意味なく走る

会社から家まで徒歩5分。

通勤路の途中に線路があり、毎日それを越えて歩く。家も会社もJRの駅近くにあり、選択するルート(バリエーションは3つくらいしかない)によっては、線路沿いを数十メートル歩くこともある。

今日は比較的早く帰宅出来た。

夜の早い時間帯に線路付近を歩くと、大抵仕事帰りの人々が群れをなして歩いているのに遭遇する。駅から電車に乗って帰るのだろう。今日もお勤めご苦労様です。立ち止まって最敬礼する私を、人々は足早に通り過ぎて行く。

ところで、私は時折「意味もなく走る」。

生来のんびり気質な私は、仕事でも「危機感が足りなさ過ぎる」と叱責されることが多々ある。座右の銘は「万物は流転する」だ。ちょっと嘘だ。

そんな私でも、歩いているときに突如「ああまどろっこしい!」という激情に駆られることがある。歩くという移動手段の速度が許せなくなるのである。

今夜もそうだった。

帰り道、線路沿いを歩いているうちにふと「遅いよ、ドチクショウ!」という名状しがたいエナジーが私の腹で炸裂し、次第に駆け足になった。

すると不思議なことが起こった。

線路沿いの道には、前述したように、仕事帰りの他人たちが多数そぞろ歩いていたわけだが、私が駆け出すと同時に、何人かがつられて小走りを始めたのである。一瞬「何だ?競走か?」と対抗意識に燃えた私だったが、すぐに、私の駆け足によって彼らが「電車の到着時間が迫っている」と勘違いしたのだということに思い至った。

「すまん!俺、電車乗らないんだ!従ってダイヤも知らないんだ!」

心の中で無駄に走る彼らに詫びながら、私は駅に向かう道を(もちろん走りながら)途中で直角に曲がって無事に帰宅した。

意味なく走ることも、他人の迷惑に繋がる時代だ。POISON。

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