名南経営 大津章敬のいい会社を作るための人事労務管理

名南経営 人事労務コンサルタント 大津章敬公式ブログ

JBCC 2020年8月4日(火)にJBCC様のウェビナーに登壇することになりました。先日より受付が開始されておりますので、是非ご参加ください。
 世界的に猛威を振るった新型コロナに伴い発令された緊急事態宣言により、多くの企業がテレワークの導入など、働き方を大きく見直しました。ところが緊急事態宣言解除後、テレワークによる生産性の低下や、社員の従事具合が分からないという理由から、一気に従来の働き方に戻した企業もあります。一方で今後もテレワークを全面的に継続し、柔軟な働き方の実現を経営戦略の一部とする企業も出てきています。

 新型コロナによって、従業員の意識も大きく変化する中、安定的に人材を確保し、事業を継続していくためには企業も多様な働き方の実現が課題となります。そこで今回のウェビナーでは、テレワーク、フレックスタイム制、フリーランスの活用など、ウィズコロナ・ポストコロナ時代における人事労務管理の新たな論点について、企業の先行事例の紹介も含めお伝えします。
withコロナ・afterコロナ時代に求められる「新しい働き方」導入の実務ポイント
~テレワークや柔軟な労働時間制度、フリーランス活用など人事労務管理の新論点
講師:大津章敬 社会保険労務士法人名南経営 代表社員
(1)コロナという外圧によりテレワークを導入してみて分かった仕事の現実・課題
 ~生産性低下、社内の不公平感の高まり、人事評価など
(2)今後のテレワークの本格導入で求められるルール整備等の対応
(3)フレックスタイム制、週休3日制など柔軟な労働時間制度の選択肢
(4)更に進む働き方の多様化、今後はフリーランス活用がポイントに
(5)ウィズコロナ時代の安定的な事業継続の絶対条件であるデジタル化対応

セッション2:奉行クラウドを活用したテレワーク対応手法
【講師】株式会社オービックビジネスコンサルタント 名古屋支店 名和 明夫

セッション3:withコロナ・afterコロナ時代に効く、脱紙、脱ハンコ業務のススメ
【講師】JBCC株式会社 ビジネス・ソリューション事業部 冨山 茂樹

配信システム:Zoom
参加費:無料
主催:JBCC株式会社
お申し込みは以下よりお願いします。
https://www.jbcc.co.jp/event/2020/08/04/5383.html

1 WEDGE InfinityというWEBマガジンに私の取材記事「使えない上司・使えない部下:上司は「職場環境整備業」であるべき」が掲載されました(執筆:吉田典史氏)。

 どなたでも無料で読むことができますので、よろしければ是非ご覧ください。
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/19881

school-bus-4406479_640 先日、SNSを見ていたら、小学校休校で仕事に行けないが、会社が小学校休校等対応助成金(以下、「本助成金」という)の申請をしてくれず、無給状態になっており、困窮しているといった悲痛な訴えを多く目にしました。

 私は日頃は企業側の人事労務管理に関する相談等に対応していますが、新型コロナという緊急事態でもありますので、この問題に関する労使にとって無理がない打開案を考えてみたいと思います。
(1)本助成金申請を企業が躊躇する理由
 従業員側から見れば「特別有給休暇を取得した対象労働者に支払った賃金相当額全額が助成金として支給されるのに、どうして会社はそれを申請して賃金を支給してくれないのか」と思うはずです。しかし、そこには企業が本助成金の申請を躊躇する以下のような理由が存在します。
a.賃金の全額保証が前提となっているため、本来であれば出社できるような社員までもがこの休暇を申請することで、業務が回らなくなるのではないだろうか?モラルハザードが起きるのではないか。
b.いろいろ算段をして、無理をして出勤してくれた従業員と休暇を取得した従業員の間の不公平感が心配だ。
c.助成金の上限額が8,330円であり、会社の持ち出しが発生してしまう。
d.助成金の申請が煩雑で、よく分からない。面倒である。

 世間ではc.の理由がよく言われ、会社がケチっており、私たちが犠牲になっているなどの論調が多く見られますが、企業側のコンサルを行っている私の実感としては主な理由はa.とb.ではないかと思っています。

(2)企業と従業員の双方にとって無理のない解決の方向性

 結論を言えば、欠勤した日や取得した年休を、6月中旬以降に事後的に特別休暇に振り替えて、助成金を申請するというのがよいでしょう。

 まずは以下のQ&Aをご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/000633495.pdf
Q6-3 年次有給休暇や欠勤を、事後的に特別休暇に振り替えた場合は対象になりますか。
A 本助成金においては対象になります。なお、年次有給休暇を事後的に特別休暇に振り替える場合には、労働者本人に説明し、同意を得ていただくことが必要です。

Q6-4 欠勤や無給の休暇を、事後的に有給の特別休暇に振り替えましたが、賃金締切日を過ぎていたため、特別休暇日の賃金を、翌月の賃金で支払いました。この場合でも助成金の対象となりますか。
A 翌月の賃金で支払った場合でも対象となりますが、その旨がわかる確認書類(翌月分の給与明細等)を添付して申請を行ってください。
 このように本助成金は、一旦、欠勤や年休で処理された日を、事後的に特別休暇に振り替えた場合でも、申請が可能なのです。緊急事態宣言が解除され、6月に入れば学校も段階的に正常化していきます。たぶん6月中旬には通常通りの状態に戻っていることでしょう。となれば、それ以降に特別休暇の扱いを事後的に決定すれば、新たな対象者が出て来ることはなく、先ほどのa.の問題は発生しません。

 また、c.の理由で問題になった助成金の上限額8,330円ですが、こちらは15,000円まで引き上げられることが厚生労働省より発表されており、5月中にも詳細が示される予定です。この上限引き上げにより、会社の持ち出しが発生するケースは非常に限定的なものになるでしょう。

 b.の従業員間の不公平感の問題については、賞与の評価などに反映するといった工夫を行うことが想定されます。ただ、本質的には「困ったときにはお互い様」という風土を醸成すること、またお休みを取得する側も、少なからず同僚に負担を負ってもらっているということを理解し、それへの感謝の気持ちを示すなどの配慮が求められます。「権利だから当然」といった態度は、組織風土を悪化させ、結果的にはこうしたお休みが取りにくい環境を自ら作り出すことになります。またこの特別休暇中のSNS投稿の内容などにも配慮をしたいものです。

 そしてd.の手続きの煩雑さという点ですが、本助成金の申請はそれほど難しいものではありません。また厚生労働省では本助成金の申請方法に関する解説動画(全国社会保険労務士会連合会協力)も公開していることからこのビデオを参考にすれば自社でも十分に申請可能でしょう。
https://roumu.com/archives/102301.html

(3)まとめ
 歴史に残るような大混乱の時代になってしまい、企業も従業員も大きな不安に包まれています。今回、小学校が休校することによって従業員が働けないという問題が発生した訳ですが、これは会社も従業員も被害者であり、どちらかが悪いという問題ではありません。

 今後、ポストコロナの時代に安定的な業務の回復を進めるためには従業員の安心感を高め、そのモチベーションを引き出すことは不可欠です。今回の上限額の引き上げにより、企業のコスト面の負担は限りなく小さくなっており、デメリットが少ない事後申請であれば十分に検討できる状況にあるのではないでしょうか。
※本助成金の対象となる休暇等の期限は2020年6月30日までであったものが、2020年9月30日までに、また申請期間は2020年9月30日までから2020年12月28日までに延長されていますので、しっかりとした議論を行うだけの時間も残されています。

 是非、労使で話し合いを行い、安心して働くことができる環境の創造に繋げて頂ければと思います。
関連blog記事
2020年5月26日「小学校休業助成金 上限額引上げ4月1日に遡り適用 雇調金も同様か?」
https://roumu.com/archives/103049.html
2020年5月13日「短時間授業や分散登校の際の小学校休業等対応助成金の取扱い」
https://roumu.com/archives/102775.html
2020年5月12日「小学校休業等対応助成金の送付先住所が変更になりました」
https://roumu.com/archives/102735.html
2020年5月11日「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金をご活用ください」
https://roumu.com/archives/102739.html
2020年4月21日「保育所自粛要請等により小学校休業等対応助成金の申請が今後増えそうです」
https://roumu.com/archives/102306.html
2020年4月18日「厚生労働省 小学校等休業対応助成金の解説ビデオ(概要から手続まで)を公開」
https://roumu.com/archives/102301.html

参考リンク
厚生労働省「小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援のための新たな助成金を創設しました」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07_00002.html
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金・支援金の上限額等の引上げ及び対象期間の延長について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11498.html

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