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2014年07月

改正安衛法 ストレスチェックの省令 先の国会ではもっとも注目を集めていた労働者派遣法が廃案(今後、臨時国会に再提出予定)となり、結果的にストレスチェックの義務化を含む労働安全衛生法の改正がスポットライトを浴びることとなりました。この改正について、今後、どのように政省令が整備され、いつ施行になるのかという質問を受けることが多くなっていますが、先週の金曜日(2014年7月25日)に開催された第84回労働政策審議会安全衛生分科会において、左の画像にある今後のスケジュール(案)が公表されました。

 ストレスチェックに関しては現在、「ストレスチェック項目等に関する専門検討会」において、ストレスチェックの項目、ストレスチェックの結果の評価等の議論が行われていますが、12月以降、労働政策審議会に諮問がなされ、来年4月までに省令が出されることとなっているようです。ストレスチェック部分の施行は2015年10月が有力と思われますが、具体的な制度設計については、2015年4月の省令を待って行うことになるでしょう。中堅以上の企業を中心に、既に同様の取り組みを行っている例は少なくないため、早めの省令公布が待たれます。
労働安全衛生法改正のスケジュール(案)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000052433.pdf


参考リンク
厚生労働省「第84回労働政策審議会安全衛生分科会」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000052436.html
厚生労働省「ストレスチェック項目等に関する専門検討会」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000aiuu.html#shingi203931

パワハラ研修の最後にいつも管理職のみなさんにお願いしていること 労務ドットコムメインブログの2014年6月2日の記事「急増するいじめ・嫌がらせの相談件数 昨年度は前年比14.6%増」でもお伝えしたように、いまやハラスメント問題は企業の労務管理における最重点管理ポイントとなっています。こうした環境ですので、最近は弊社が行っているハラスメントの外部通報窓口(アウトソーシング)や管理者向けハラスメント研修のご要望が増加しています。

 特にパワハラ研修のニーズが非常に増えていますが、管理者向けのパワハラ研修を行う際、いつも以下の話を最後にお伝えしています。


パワハラはセクハラと違い、良かれと思ってやっていることがほとんど。よって自ら問題に気付くことは困難です。今日の研修を終えるにあたって約束していただきたいことがあります。もし他の管理者の部下指導などに行き過ぎがあると感じたら、それを指摘してあげてください。そして指摘された場合にも、それはみなさんと部下、そして会社を守ろうとする勇気ある行動なので、まずはその指摘を聞き入れてください。それだけで問題の多くは解消します。
 組織内のコミュニケーション不全により、ハラスメントなど無用なトラブルが増加しています。安心して働くことができる会社を作るためにも、ハラスメント研修の実施をお奨めします。
関連blog記事
2014年6月2日「急増するいじめ・嫌がらせの相談件数 昨年度は前年比14.6%増」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52038025.html
2013年10月11日「労働トラブル減少傾向の中、増加を続ける「職場の嫌がらせ」」
http://blog.livedoor.jp/otsuakinori/archives/32927511.html
2013年10月4日「教育熱心な上司ほど陥りやすいパワハラ問題」
http://blog.livedoor.jp/otsuakinori/archives/32265950.html
2013年9月13日「管理職が自信を持って部下指導を行うために必要なパワハラ研修」
http://blog.livedoor.jp/otsuakinori/archives/31751077.html
2013年6月4日「総合労働相談件数の相談内容は「いじめ・嫌がらせ」が「解雇」を超え、最多に」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51994912.html

残業申請・承認は労働時間トラブルの防止の点でも重要 弊社では毎年、年度初めと中間で経営計画とその進捗、実績を全社員に報告する会を行っています。先日も中間の報告会を開催したのですが、その中で多くの部門から業務生産性の向上と労働時間短縮の方針が発表されました。かつて「熱田の不夜城」と呼ばれた当社も、いまではこうした取り組みによって労働時間はかなり短縮され、その結果、社員の定着も大幅に改善しています。まだまだ税理士受験生の間では、かつてのイメージが残っているというような話も聞きますが、いまはまったく状況が変わりましたので、誤解なきよう。

 さて、こうした労働時間の管理を行う際にもっとも基本となるのが、残業の申請・承認制です。残業を行う場合には原則として事前に、その理由を付した上で申請を行い、上司の承認を受けなければならないという仕組みですが、実際にやってみると、これがなかなか面倒臭い。結果として、定着せずに廃れていってしまう会社も多いのですが、そもそもこの申請・承認はなぜ行うのでしょうか?よく言われるのは「その残業が必要かどうかを上司が判断し、適切な指示・指導を行うため」という理由です。確かにこれは間違いありません。上司が部下の業務の状況を把握し、客観的なアドバイスを行うことで、無駄な作業を排除し、また効率的な仕事の進め方を指導することで残業を短くすることは重要です。しかし、それだけでしょうか?私はそれに加え、もう一つの目的があると説明しています。それは承認により、「その時間が使用者の指揮命令下にある時間か否かを確認する」という目的もあるのです。

 労働時間管理の実務を行っていると、その時間は労働時間なのか、そうではないのかということでトラブルになることがあります。特にタイムカードやパソコンのログと実際の労働時間に差異があるような場合が典型ですが、ここで重要となるのが残業の申請と承認の実績です。2013年8月9日のブログ記事「労働時間=使用者の指揮命令下に置かれている時間」この定義を理解しよう」でも解説しましたが、労働時間とは「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」をいうとされています(三菱重工業長崎造船所事件最高裁判決:最一小判平12.3.9)。残業の承認とは、その時間が使用者の指揮命令下に置かれていること、つまり労働時間であることを確認する行為でもあるのです。これが徹底されていれば、後日、「あの時間は労働時間だったので未払い残業代を支給して欲しい」というようなトラブルを減少させることにも繋がります。毎日の申請と承認を行い、またそれを1ヶ月毎に労使で再確認することにより、認識のズレを埋め、同時に効率的な仕事を実現するきっかけとしたいものです。


関連blog記事
2013年8月9日「労働時間=使用者の指揮命令下に置かれている時間」この定義を理解しよう」
http://blog.livedoor.jp/otsuakinori/archives/30416288.html


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