名南経営 大津章敬のいい会社を作るための人事労務管理

名南経営 人事労務コンサルタント 大津章敬公式ブログ

2014年11月

心の病の増加と関連性が高い3つの組織風土上の問題 メンタルヘルス不調の問題は、企業の人事労務管理の中でももっとも重要なテーマの一つとなっています。そこで多くの企業が、そうした問題の発生を防止するための対策を進めようとしていますが、本日はそうした取り組みを行う際に参考になる調査結果をご紹介したいと思います。公益財団法人日本生産性本部は先日、「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業アンケート調査結果を取りまとめました。この全国の上場企業2,424社を対象に実施されたもので、有効回答数は250社(回収率10.3%)となっています。

 調査結果を見ると、心の病の発生は高止まり状態にあり、年代で見ると、30代、40代がそれぞれ3割を上回っている相変わらずの結果となっています。本日注目したいのは、「心の病」の増減傾向と組織状態に対する質問の関連性です。画像のグラフを見ていただくと、以下のような場合に不調者が増加していることが分かります。
個人で仕事をする機会が増加する。
職場での助け合いが減少する。
職場でのコミュニケーションの機会が減少する。


 言ってみれば当たり前のことかも知れませんが、こうした組織風土上の問題が心の病と関連性が高いのは間違いなさそうです。対策としては、これと逆のことを行えばよい訳ですので、意識的にこれらの事項を改善するような組織運営を心掛けてみては如何でしょうか?
関連blog記事
2014年9月5日「改正安衛法のストレスチェックで注目を浴びる職業性ストレス簡易調査票」
http://blog.livedoor.jp/otsuakinori/archives/40009713.html
2014年6月30日「精神障害の労災認定 長時間労働よりもハラスメントや職務の変更に注意が必要」
http://blog.livedoor.jp/otsuakinori/archives/38876762.html

参考リンク
日本生産性本部「第7回 『メンタルヘルスの取り組み』に関する企業アンケート調査結果」
http://activity.jpc-net.jp/detail/mhr/activity001425/attached.pdf

介護離職の危険性が高い配偶者のいない男性社員 団塊の世代が60歳代後半となり、介護の問題を抱える従業員が増加してきています。これまでは育児休業の問題が大きくクローズアップされてきましたが、今後は介護を理由として仕事が継続できないという従業員の対応をどうするかが人事管理における重要なテーマとなってくることは確実です。そんな中、株式会社明治安田生活福祉研究所と公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団は、親を介護した経験のある全国の正社員2,268名を対象とした調査を実施し、その結果を公表しました。

 そのポイントは以下のようになっています。
離職の最大のきっかけは「自分以外に親を介護する人がいない」こと
介護転職で平均年収は男性で4割、女性で5割ダウン
平日2時間・休日5時間程度の介護時間が仕事を続けられる限界か
女性の継続就労者の4割が、自分が主な介護の担い手でありながら仕事と両立
年収が多いと男性の離職は抑制。現金や預貯金は離職のハードルを下げる
介護専念者の5割以上が親と同居。同居は介護離職を誘引か
介護離職防止にはワーク・ライフ・バランスが有効

 こんな中、私が注目したのは男性の継続就業状況です。というのも私(43歳)の同級生にも結婚していない男性の友人がたくさんいますが、率直に「みんな、仕事で活躍しているけど、介護の問題を抱えたら大変だよな。仕事大丈夫なのかな?」と感じたことがきっかけです。今回の調査を見るとやはり、配偶者の有無は就労の継続と大きな関連があることが分かります。
継続就労となった男性の配偶者の有無
  配偶者あり 85.8%
介護専念(離職)となった男性の配偶者の有無
  配偶者あり 50.0%

 このように継続就労者と介護専念者において、配偶者がいる人の割合は35.8ポイントも差が出ています。これは見方を変えれば、配偶者が介護を行い、その離職の上で男性の就労が継続しているということにもなりますが、いずれにしても未婚率の上昇により、今後、働き盛りの男性従業員が介護を理由に仕事を続けることができないということが頻発することは避けられません。

 少子化や未婚化、核家族化など社会情勢の変化により、仕事と生活のバランスが変わりつつあることは間違いありません。今後の人員不足の時代に安定的な雇用を確保するためにも、より柔軟な労働の仕組みなどが求められることになるでしょう。


参考リンク
株式会社明治安田生活福祉研究所「2014年「仕事と介護の両立と介護離職」に関する調査」
http://www.myilw.co.jp/life/enquete/work_and_nursing.html

急速に関心が高まるマイナンバー制 まずは概要を押さえましょう マイナンバー制への関心が急速に高まっています。私が講師を務めたOBC様の奉行フォーラムでもマイナンバー関係のセミナーは各会場とも大盛況で、満席が連発という状況となっていました。また最近は顧問先を訪問しても、マイナンバー施行に向けてどのような社内準備を始めたら良いかという相談を受ける機会も増えてきています。

 先週の木曜日にも通知カードの提供等に関する省令が官報公告されるなど、徐々にその詳細が見えてきていますが、そもそもマイナンバーの導入スケジュールや実務での活用場面といった概要が理解できていないと対策の取りようもありません。そんな場合には内閣官房が作成したマイナンバー制概要資料をご覧になると良いでしょう。以下よりダウンロードできますが、全体像がよく分かる内容となっています。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/pdf/h2611_gaiyou_siryou.pdf

 企業として具体的にどのような対応が求められるのかという点については、先日、パブリックコメントの募集が終了し、まもなく正式に示されるであろう「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」待ちという状態になっていますが、その案を見る限り、非常に負担が重い内容となっています。制度施行までまもなく1年。来年はこの制度への対応が大きな話題となることは間違いありません。

 ちなみに弊社ではマイナンバーに関する各種セミナーの開催等を予定しておりますので、具体的に決定しましたら、みなさんにお伝えしたいと思っています。


関連blog記事
2014年11月23日「マイナンバー制 通知カードの提供等に関する省令公布」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52056617.html
2014年11月9日「マイナンバー制 行政手続における利用分野に関する案の概要」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52054983.html
2014年10月29日「マイナンバー制 非常に厳しい内容となっている個人情報ガイドライン案の概要」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52054148.html
2014年10月9日「平成28年より源泉徴収票がA5サイズに変更」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52052055.html

参考リンク
官報「通知カードの提供等に関する省令」
https://kanpou.npb.go.jp/20141120/20141120g00257/20141120g002570001f.html

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