名南経営 大津章敬のいい会社を作るための人事労務管理

名南経営 人事労務コンサルタント 大津章敬公式ブログ

2015年04月

社労士のための人事制度構築[超基礎]講座を開催 私が行っている人事労務コンサル、そして社労士の仕事には様々な分野がありますが、時代によってニーズが大きく変化します。最近では人材不足などを背景に、人事制度を見直したいという企業が急増していますが、それと同じくらい問い合わせが増えているのが、経営者や管理者のみなさんを対象としたハラスメント研修の講師依頼です。

 先日も名古屋である顧問先の研修を担当しましたが、来月以降は別の顧問先からの依頼を受け、全国数箇所の拠点事業所を回り、研修を行ってきます。こうした研修の開催のきっかけは大きく分けると、具体的な事件が発生し、その対応として研修を実施するパターンと、そのような問題は起きていないがコンプライアンス強化の流れの中で実施するパターン、そして従業員が安心して働くことができる職場づくりを狙いとして実施するパターンに大別することができるようです。

 中でも今後増加が予想されるのがのパターンの研修。ハラスメントの問題は具体的な事件が起きてしまうことがもっともいけませんが、それに次いで問題となるのが、上司がその指摘を受けることを嫌がり、本来行うべき部下への指導やコミュニケーションを避けてしまうことです。このような状態になってしまうと、職場の信頼関係は醸成されず、また従業員の問題行動も助長されることになってしまいます。よって研修を行う際には、ハラスメントの法的問題や類型などをお話した上で、部下との適正なコミュニケーションや指導の仕方をお話しています。現実にはなかなか難しいところもありますが、管理者が「適正」と「問題」の間の線引きを理解しておくことは、良好な組織風土を維持するために不可欠です。

 安心して社員が仕事に集中し、最高のパフォーマンスを発揮する環境を構築すべく、ハラスメント対策を進めていくことをおススメします。

投資育成セミナー いつもお世話になっている名古屋中小企業投資育成様で、以下の法改正講座を開催することになりました。秋以降は自社主催でも開催する予定がありますが、現時点で法改正についてのお話をさせて頂くのは今回のみとなりますので、是非ご参加ください。


マイナンバー法、労働安全衛生法など企業が対応を迫られる労働関係法改正【超実践】講座
~今年から来年にかけて求められる事項を具体的に解説~
 日時;2015年5月26日(火)午後1時~午後5時
 会場・名古屋中小企業投資育成株式会社 研修室(名古屋駅)
 講師:大津章敬 株式会社名南経営コンサルティング 執行役員 社会保険労務士
 ここ数年、人事労務関係の法改正が相次いでいますが、今年はなんと言ってもマイナンバーへの対応と12月に施行されるストレスチェック制度の導入が大きな注目を浴びています。本セミナーではこれらへの具体的な対応法をお話しすると共に、今後対応が必要な法改正の内容や2016年4月に予定される労働時間法制改革の最新情報など、人事労務・総務部門のみなさんが理解しておくべき事項をわかりやすく解説します。
今後、企業として対応が求められる労働関係法改正の全体スケジュール
書類に番号を書くだけではない!予想以上に負担が大きいマイナンバーへの対応法
ストレスチェック制度の概要と流れ、現実的な活用法を理解する
9月に急遽施行見込みとなった労働者派遣法 実は人材調達を変えるほどの大改正
来春施行の労働基準法改正は四半世紀ぶりの大改正
 (1)高度プロフェッショナル制度の裏で進められる過重労働対策
 (2)年次有給休暇の5日間取得義務化のインパクト
 (3)60時間超の時間外割増率50%が中小企業にも適用へ
人事労務・総務部門として必要な対応を具体的に確認
受講料:一般 10,800円 同社投資先企業 5,400円

 申込みは以下より案内チラシをダウンロードしてください。多くのみなさんのご参加をお待ちしています。
http://www.sbic-cj.co.jp/pdf/semina/MT_entry20150526.pdf

ポイント制退職金における勤続ポイントはカーブ調整の手段 最近、人事制度についての記事を全然書いていないような気がします。書こうと思えばいくらでも書くことができるテーマなのですが、昨年くらいから本当に人事制度改革のニーズが多く、現在、6社の人事制度改革のコンサルティングを並行で実施しており、更には今後4社のプロジェクトが近日中に開始する予定となっています。その結果、私の仕事における結構な時間がそうしたコンサル業務に取られていることから、ブログでは無意識のうちにそうしたテーマを避けてしまっているように感じます。とは言え、たまにはそうした実務的な記事も書かないといけませんので、今日は久し振りに退職金制度の設計について書いてみることにします。

 いまや退職金制度改定と言えば、多くの場合、在職中の貢献度を仕組みとして退職金支給額に反映させる「貢献度反映型」が主力となっていますが、その代表的な制度がポイント制退職金制度です。この制度は、社内における貢献度の高さを表す資格等級制度に対応したポイントを設定し、毎年それを積み上げ、その累積ポイントにポイント単価(通常、10,000円とすることが多い)を乗じることで退職金支給額を決定するというのがその基本となっています。よって早く昇格し、より貢献度が高い等級で長く勤務をすると、それだけ付与ポイントが大きくなり、結果的に退職金が増えるという仕組みになるのです。このように非常に分かりやすく、予見性も高い制度ですので、多くの企業で導入がされている訳ですが、その設計を行うときにみなさんが迷うのが勤続年数に連動させて付与する勤続ポイントの扱いです。

 ポイント制退職金制度に関する書籍を見ると、ほとんどの場合、ポイントは等級ポイント+勤続ポイントを基本とし、それに必要に応じて役職や人事評価などのポイントを加えるという設計が紹介されています。しかし、そもそもゼロベースで退職金制度を設計するのであれば、勤続ポイントは必要ないというのが私の考え方です。そもそもポイント制は在職中の貢献度を退職金支給額に反映させるための仕組みであるため、本来は等級ポイントだけで十分です。しかし、その場合、毎年付与される等級ポイントに単価を乗じることから、どうしても退職金のカーブは直線的に上昇していくことになります。しかし、現状、多くの企業の退職金制度は、勤続15年くらいまではカーブの上昇が抑制され、その後、カーブの角度が高くなり、また勤続35年くらいで横に寝るといういわゆる「S字カーブ」となっています。つまり、入社してすぐに退職するような「けしからん社員」には満額の退職金は支給できない。一方、ベテランの退職金がどんどん上昇していくのも財政的には厳しいので抑制しようという政策的な意思がそこには存在し、カーブが作られているのです。

 しかし、等級ポイントだけのポイント制退職金ではこのようなカーブを作ることはできません。そこで登場するのが勤続ポイントなのです。例えば、勤続15年までは勤続ポイントは年5ポイント、15年以上35年までは年20ポイント、そして35年以上は年5ポイントの勤続ポイントを設定することにより、退職金カーブは修正され、S字になるのです。つまり、勤続ポイントは退職金カーブを勤続年数に応じて政策的に曲げるときに必要になるものであって、本来は不要なのです。ですから、ポイント制退職金制度を設計する場合には、まず複数のモデルを用意した上で、等級制度を設定しましょう。その上で、従来のモデル退職金カーブと比較し、それに沿わせる必要があると判断した場合に、勤続ポイントの議論を行うことになります。

 現在、人事制度改革を検討している企業も多いと思います。結果的にポイント制退職金制度が導入されるケースも多くなると思いますが、そのときには以上の話を思い出していただければ幸いです。


関連blog記事
2013年11月22日「退職金に在職中の貢献度を反映すべきなのか?」
http://blog.livedoor.jp/otsuakinori/archives/34211335.html


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