障害者雇用 今後、納付金の対象企業の拡大なども控え、重要性を増す障害者雇用ですが、障害者雇入れ計画の適正実施勧告に従わず、障害者の雇用状況に改善が見られない場合には、障害者雇用促進法第47条に基づき、企業名を公表することができる制度があります。顧問先のみなさんなどから、この企業名公表はどのような感じで行われるのかと質問を受けることがよくありますので、先日実施された企業名公表を事例に、この制度の概要をお伝えしましょう。

 2015年3月31日に厚生労働省のホームページに以下の企業名が公表されました。
【障害者の雇用状況に改善が見られない企業】
(1)株式会社ナイス
(本社:秋田県秋田市、代表者 齋藤 一郎、小売業)
(2)惠山株式会社 (本社:東京都渋谷区、代表者 沖山 英嗣、卸売業)
(3)ブリッジインターナショナル株式会社(本社:東京都世田谷区、代表者 吉田 融正、情報サービス業)
(4)プログレス・テクノロジーズ株式会社(本社:東京都江東区、代表者 中山 岳人、労働者派遣業)
(5)株式会社セリア(本社:岐阜県大垣市、代表者 河合 映治、小売業)
(6)株式会社日本オプティカル(本社:愛知県名古屋市、代表者 前田 貴志、小売業)
(7)株式会社扇港電機(本社:三重県四日市市、代表者 横山 大幸、卸売業)
(8)株式会社日本セレモニー(本社:山口県下関市、代表者 神田 輝、生活関連サービス業)

 この企業名公表は、その前提として、公共職業安定所長による雇入れ計画作成命令、特別指導を経て、それでも改善しない企業が対象となりますが、特別指導の結果により以下のとおり、対応が分かれています(全96社)。
企業名公表なし
・雇用義務を達成した企業 61社
・全国平均実雇用率(1.76%)を上回った企業 9社
・法定雇用障害者数3~4人企業で障害者を1人以上雇用した企業 6社
公表猶予
・実雇用率が速やかに全国平均実雇用率以上又は、不足数が0人となることが見込まれるもの 12社
・1年以内に特例子会社の設立を実現し、かつ、実雇用率が全国平均実雇用率以上又は、不足数が0 人となると判断できるもの 0社
公表に至った企業
・上記に該当せず、障害者雇用が進まない企業 8社

 このように企業名公表までには数年間の改善期間が設定されることになりますが、今回の資料に掲載されている個別企業の事例を見ると、なかなか厳しいという印象を受けるものもあります。例えば、秋田県で飲食料品、雑貨等各種商品小売業を営む株式会社ナイスは、直近の基礎労働者数472.5人のため、法定雇用人数は9人となりますが、実際に雇用している障害者の数は4.5人となっており、実雇用率は0.95%となっています。地域の中堅企業といった会社だと思われますが、年々、障害者雇用数が増加し、実雇用率が1%に迫っているにも関わらず、今回、企業名公表に至っています。

 精神障害者の増加により、今後、更に法定雇用率の引き上げが予想されます。障害者雇用の重要性は高まる一方ですので、早い段階から、障害者を雇用することができる職場作りを進めていきましょう。


関連blog記事
2015年1月9日「着実に雇用者数が増加している障害者雇用」
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2014年2月17日「障害者雇用納付金等申告 平成26年度より追加となる記載事項と添付書類」
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2013年6月28日「重要性を増す障害者雇用の全体像が一冊で分かるリーフレット ダウンロード開始」
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参考リンク
厚生労働省「障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく企業名公表等について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000080099.html