1 先日、規制改革推進会議が入社直後から年次有給休暇を付与するべきであるという意見を出したことが話題となりました。その実際の資料を見つけましたので、ここで共有します。


法定休暇付与の早期化に関する意見
平成29年1月26日
 必要なときに休暇を取得できることは、ワーク・ライフ・バランスの実現や健康維持のために重要である。また、日本経済全体の生産性向上を図るためには、「転職して不利にならない仕組みづくり」を進め、「失業なき円滑な労働移動」を促し、国民一人一人が持つ能力を最大限発揮させることが重要である。しかし、現行の仕組みでは、入社後半年間は法定年次有給休暇が付与されないなど、休暇利用に関する多様なニーズを満たしているとは言えず、また、結果として転職を不利なものにしている。そのため、多くの年齢層で転職が行われている現状も踏まえ、関連制度の見直しを含め以下に掲げる改革の具体化を進めるべきである。
1.改革の方向
現行の仕組みでは、本人や家族の病気やけがの治療、子供の世話、親の介護等のため、職場を休まざるを得ない場合、入社後、しばらくの間は、たとえ1日であっても欠勤扱いとなってしまう(その分の賃金が減額され、評価上も不利)。また、年次有給休暇の付与日数も、勤続期間が長くなるほど多くなっている。
休暇の必要性は勤続期間と無関係に生じるが、現行の仕組みは、休暇の取得上、勤続期間が長いほど有利に扱われる一方で、勤続期間が短い労働者は不利に扱われるものである。このような「転職して不利になる仕組み」については、円滑な労働移動を促す観点から、見直す必要がある。
2.改革の具体策
 休暇利用に関する多様なニーズを踏まえ、以下の見直しをすべきである。
入社後、半年間は法定年次有給休暇が付与されない現行の仕組み(7か月目に10日付与)は、勤務開始日から一定日数の年次有給休暇が付与される仕組みとすべきである。例えば、勤務開始日に1日、以後1か月ごとに1日を付与し、7か月目に4日(計10日)付与する仕組みとすることが考えられる。
(参考)欧州主要国では、入社した月から一定の法定休暇が付与されている。
入社後、法定年次有給休暇の付与日数が20日に達するまで、6年半かかる現行の仕組みは、可能な限り早期に法定年次有給休暇の付与日数が20日に達する仕組みとすべきである。例えば、入社後1年半で20日に達する仕組みとすることが考えられる。
労使協定により、入社後、半年間は子の看護休暇・介護休暇(原則、それぞれ年5日)を取得できなくすることが可能な現行の仕組みを改め、勤務開始日から一定日数の子の看護休暇・介護休暇を取得できる仕組みとすべきである。例えば、仮に労使協定が締結されたとしても、勤務開始日に1日、3か月目に1日、5か月目に1日、7か月目に2日(計5日)取得できる仕組みとすることが考えられる。
以上
 この意見が採用される可能性は現時点においては非常に低いと思われますが、実務の観点からはよくもまあこんな面倒なやり方を考えたものだと思います。ただ見方を変えれば、労働移動の促進や育児介護との両立について、国として様々な対策を取ろうとしているということもよくわかります。そうしたトレンドだけは押さえておきたいものです。
参考リンク
規制改革推進会議「法定休暇付与の早期化に関する意見」
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/committee/20170126/170126honkaigi07.pdf