電子申請 社会保険・労働保険分野の電子申請の普及が遅れているとよく言われますが、実際にはここ2年くらいで急速にその利用率が高まってきています。これに関し、先日、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律に基づき、行政手続等の棚卸結果等が取りまとめられ(平成30年3月)、公開されましたので、そこから社会保険・労働保険分野の電子申請の状況について見ていきます。

 電子申請に関しては、「e-Japan戦略(平成13年1月22日 IT本部決定)」を踏まえ、当初、「すべての行政手続」を対象にオンライン化に向けた取組が推進されていましたが、現在は「オンライン手続の利便性向上に向けた改善方針」に基づき、オンライン利用によるメリットを国民・企業等と行政の双方が享受することを目指して、「改善促進手続」を中心に行政サービスと事務処理の改善が進められています。

 その改善促進手続の最新の状況(平成28年度)ですが、社会保険・労働保険分野については申請等件数158,866,094件に対して、オンライン利用件数は18,759,163件となり、オンライン利用率は11.8%となっています。平成26年度は6.9%、平成27年度は9.0%でしたので、着実にオンライン利用率が高まっていることが分かります。ちなみにオンライン利用率が高いとされている国税分野のオンライン利用率は60.1%と確かに高いのですが、オンライン利用件数は19,556,378件ですので、件数で見ると社会保険・労働保険分野がまもなく追いつく水準まで来ています。

 そんな社会保険・労働保険分野でオンライン利用率がもっとも高いのは雇用保険被保険者資格喪失届で、平成26年度9.6%、平成27年度13.2%だったのが、平成28年度については18.6%まで上昇しています。これはAPI公開の影響であると考えられ、平成29年度については20%を超えるのは確実でしょう。

 平成32年度にも大企業等については電子申請が義務化という話も出ており、今後は電子化が避けて通れない状態になっています。企業担当者も社会保険労務士も積極的に電子申請に取り組んでいくことが求められます

参考リンク
政府CIOポータル「行政手続等の棚卸結果」
https://cio.go.jp/tetsuduki_tanaoroshi