1 私は人事コンサルタント、社労士としては25年のキャリアになります。それこそ相当の数の企業の人事制度構築や各種労務管理に関する相談などに対応してきました。そして2年前からは名南コンサルティングネットワーク500名の人事担当の役員として、社内の各種人事労務管理諸制度の統括や働き方改革の推進などの役割も担っています。

 このように同じ人事労務管理という分野において2足の草鞋を履いて、改めて分かったのは、コンサルとして社外からアドバイスを行うことと、社内の人間として実際に実務を回していくということは似て非なるものであるということです。

 コンサルとして外部からアドバイスさせていただく場合でも、その企業の状況を理解した上で対応するように当然していますが、やはり本当に細かいところまで理解することはできません。しかし、それが故にしがらみなく、思い切ったことを言えるというメリットもあります。

 これに対し、内部からそれを動かす場合には、ありとあらゆることが見える中で意思決定をする必要がありますので、細かいことをどこまでフォローするのかが非常に悩ましく、意思決定が逆に難しいこともあります。更には実際の実務を行っている総務や人事のメンバーの話を聞くと、管理面での課題なども見えてきて、その課題解決も必要になります。一言で言えば、いろいろ煩雑です。しかし、その煩雑さを乗り越えないと、仕組みは回っていきません。

 この2年間はそういう意味において、非常によい勉強になったと感じます。社内で細かい実務や調整に悩んでいることが、コンサルにも非常によい影響を与えており、更に多面的な提案に繋がっています。最近、セミナーのアンケートの内容が更によくなっているのはこうした実務視点が加わったことも影響しているかも知れません。

 社労士でありながら、社員数500名の企業の人事労務管理の統括を中から行うという経験はなかなかできないと思いますので、ここでの経験を様々な機会にみなさんにお伝えしていければと思っています。