労務ドットコム 前回は1995年に個人でホームページを初めて作成し、その翌年に労務ドットコムを立ち上げることになったというところまで書きました。本日はその続きを取り上げます。

 そもそも労務ドットコム(roumu.com)というドメイン名称ですが、これを決める際には様々な案がありました。いまとは違い、ドメインの取得はほとんどされておらず。正直なところ、選び放題の時代でした。様々な候補の中で労務ドットコムという名称に決まったのは、短く、韻を踏んでおり、呼びやすかったからということに尽きます。いまでは「労務ドットコム」と呼んでいますが、当時の日本では「ドットコム」とは言わず「コム」と言うのが一般的でした。つまり、労務ドットコムではなく、「労務コム」と呼んでいたのです。ロウムコム。たった5文字で、ムが韻を踏んでおり、呼びやすい。ロウムシーオージェイピーでは呼びにくい。まあ、それだけでした。

 労務ドットコムを立ち上げた1996年当時、インターネットはまだ創成期で、これがビジネスになると考えていた人は少数だったのではないかと思います。この時点でインターネットがビジネスになると考えることができていたら、また別の人生があったのかも知れませんが、現実問題として、決済の仕組みもありませんでしたし、それ以前にスピードが遅すぎて、ビジネスの世界で本格的に使うような環境ではなかったのです。しかし、多くの人に情報を届けるには最高のツールであると当時は考えていました。

 そもそも私が人事労務コンサルタント、社会保険労務士を志したのは、人生においてもっとも多くの時間を費やす仕事の時間をよいものにしたいという想いからでした。働く人にとっても、企業にとっても安心して仕事を行うことができ、退職時に「いろいろ大変なことも多かったけれども、この会社で頑張ってよかった」と思えるような環境を作りたかったのです(いまでも変わりません)。そのような想いをもって新卒で名南経営に入社したのですが、現実の企業の状況を見て私が感じたのは、つまらない労働トラブルが結構発生しているなということ。そうした労働トラブルの原因を分析した結果、以下の2つの仮説が導き出されました。
企業の労務管理のレベルアップが必要だが、情報が少ない。
就業規則や労働契約書がきちんと作成されていれば、労働条件の認識の違いによるトラブルは防止できる。

 よって初期の労務ドットコムではこれらの課題をまずは解決することを目指しました。具体的には、の情報不足に対しては人事労務管理に関する最新情報を提供し、については人事労務管理に関する諸規程や契約書などのひな形を配布することにしたのです。

 当時から会員制システムや少額決済の仕組みがあったとすれば有料サイトにした可能性はゼロではなかったかも知れませんが、そもそもそんな仕組みはありませんでしたし、そうしたコンテンツを広く使ってもらうことにより社会の労働トラブルを減少させるという使命を感じていた私は、すべてを無料で提供することにしました。これが労務ドットコムのスタートでした。

 ちなみに写真は1998年12月時点の労務ドットコムのトップページ。ロゴは確かEXCELで作成し、キャプチャーしたもの。htmlは秀丸エディタでがりがり手書きしていました。

続く

参考リンク
2019年5月27日「労務ドットコム昔話(1)労務ドットコム立ち上げまで」
http://blog.livedoor.jp/otsuakinori/archives/53399382.html
労務ドットコム
http://roumu.com/