? 深刻な人材難、そして働き方改革の進展から企業経営者や人事労務担当者のみなさんからの質問が本当に多くなっています。先日も「ヒトの重要性が増す中、これからの時代はいつでも相談することができる顧問社労士が絶対に必要になると思う」とある企業の取締役の方に言って頂き、非常に嬉しくなりました。このように相談を受ける機会が非常に増えていますが、そうした相談の対応のとき、お客様の言葉を表面的に理解して回答を出してはいないでしょうか?

 当社メンバーも一部その傾向が見られるので随時、指導していますが、お客様の相談に対して、その背景を確認せず、回答を出すのは極めて危険です。単純な例を出すとすれば以下のような状況です。
宮田部長:
 大熊先生、そういえば解雇予告手当っていうのがありましたよね?あれって、平均賃金の30日分でしたよね?
大熊社労士:
 はい、そうですね。30日分で大丈夫です。
 確かに解雇予告手当は平均賃金の30日分で間違いありません。しかし、その背景には解雇を検討するような問題が起こっている可能性がある訳ですから、まずはその状況を確認することがなによりも重要です。以上はあまりに単純な例ですが、実務を行う中では、お客様の当初の質問とはまったく違うところに解決策があることが少なくありません。あくまでもお客様の発する言葉は、なにかに困っているサインと捉え、そのお困りごとの背景や質問の意図を確認し、本当の課題にアプローチすることが重要です。

 情報化社会の進展により、答えがあるような問題はスマホとGoogleがほぼ解決してくれる時代になっています。これからは答えのない問題をお客様と一緒に考えることに価値が発生する時代になることは間違いありません。今後は知識以上に適切な質問を行い、その論点をまとめ、一緒に考えることができるような人材育成が求められることになるでしょう。個人としてもそのような仕事を心掛けていくことが重要になっています。